
次男誕生の帰省から、何だか調子の悪いウチのGC8。
「放射能のせいだろう」などとクネは言ったりしていたが、真面目に原因を突き止めておかないとな・・・。
取り敢えずダイアグからは何も検出されない。
履歴からも何も出てこない。
純正ECUのセンシング網においては「正常」なのである。
ううむ、こういうのが一番厄介なんだよな・・・。
どこかのセンサーが、ログに残らない程度に調子悪いか、
単純にメカニカルのトラブルのみであるか、
消去法でチェックしていくしかないのが現状だ。
ポイントは、レブが引き下げられることなく高回転まで回る。
ブーストも0.5でカットなどという事もなく、いつもどうり過給する。
ピックアップは悪く、重苦しく回転する。
等長エキマニの筈なのに、若干ドロドロと不等長サウンドが復活している。
兎に角、エンジン不調のバロメーターはスパークプラグ。
ちょっと外して状態を見よう。

先っぽでも割れてることを想像してたんですが・・・まさかのシロ。
焼け方も全くもって正常だ。
ひ~、一気に判らなくなったなぁ・・・

プラグコードかなぁ、ストックの純正コードに仮で差し替えてみる。
特に変わらず・・・
イグナイターのストックもあるけれど、最早点火系はシロである気がした。
ううむ、やはり制御系なのだろうか。

この間直したばかりだけど、エアフロも正常品と交換。
・・・やっぱり変わらず。

燃料の制御に関わってるO2センサーを替えてみる。
ここはオープン・ショートといった致命傷になる前に、徐々に性能低下していく部品。
固着が酷く、ネジ山を潰しながら外れてきた・・・。
困ったなぁ・・・こんな18ミリとかのタップは流石にないよ。
久々にアストロプロダクツに問い合わせる。
「M18のPT1.5っていうタップなんですが置いてます?」
「タップはM14までしか在庫しておりません・・・」
「でしたら、O2センサー用のネジ山修正機ってのがある筈なんだけど、それはどう?」
「それなら御座います。」
急いで店舗に買いに行く。
ついでに、つまんないものをいくつも買ってしまいそうになるので、
店舗には普段あまり近づかないようにしていたのだ。

なんか無駄に高いなぁ・・・。
ま、ここはこれからも世話になりそうだし、持ってて損はないか。
ネジ山の齧りが酷く、そもそも修正タップのひと山目が入っていかないので、
超硬歯のリューターで潰れて盛り上がってる部分を軽くさらってから、CRCを使いながら少しずつ捩じ込んでいく。

もらったな。

ストックで持っていたレガシィー用か何かのO2センサーを使います。
同じスバルだからそのまま使えるのかと思ってたら、差込が全然違うじゃん・・・
カプラーオンでいけるように配線を繋ぎ直します。

折角インタークーラーが外れているので、スロットルの真下にあるノックセンサーも替えてしまおう。
この辺は一回も替えたことがない部分。
違ったとしても予防交換だよ。
(中古部品ですけど・・・)

しかし、嫌な位置にあるな・・・手が全く入らない。
インマニのボルトを全部外して、少しずらして漸く交換出来ました。
一遍にやっちゃうと、直った時どっちが原因だったか判らなくなっちゃうな。
そんな心配は一切することなく、何も変わりませんでしたw
かと思ったらそうでもなく・・・直った訳ではないんだけど、ちょっとピックアップが良くなった。
O2センサーが結構寿命だったのかも知れない。
しかし、原因の核心には迫れず。。
ええいめげるな。
リタードしてるなら、遅角してるはず。
点火時期を直接見ればいいではないか!
インプレッサの点火時期をライトで見ようと思ったのは、今回が初めてである。
ポイント式のデスビ調整でもないのに、タイミングライトを取り出すとは思わなかった。
調整できないものの値を見ようという発想には、なかなか行き着かないものだ。
だが、不調かどうかの判断は出来る。

1番のコードを咥えて、クランクプーリーとベルトカバーの刻印をストロボで照らします。
ちゃんと見えるんだろうか・・・。

切り欠きに色すら付いていないので判りにくいが、
よく見ると、BTDC12度付近にチラチラと切り欠きが踊っている。
スロットルを煽ると、40度近くまで進角している。
インプレッサのサービスデータが手元にないが、ターボ車らしい一般的な値だと思った。
点火時期は普通だな・・・問題なし。
制御系もシロっぽいなぁ・・・思ったより難航している。
圧縮でも見れれば、内部でのメカニカルのトラブルが見えてくるんだけど、手持ちのコンプレッションゲージのステムが長すぎて、EJだとフレームが邪魔で測れない。。。
何か普通には乗れるし、乗ってる間に元々こんなもんだったんじゃないかという気さえしてきた。
マフラーの劣化か何かで、ボロボロ音が目立つようになったせいで、
調子が悪いと思い込んでしまったのだろうか。
うーむ・・・
翌週、自分のマシンの最終チェックと併せてクネのGDBの作業も一緒にやってしまおうと思い、昼頃に来いと呼びつける。
クネにGCを試乗させてみたが・・・
「こんなもんじゃなかったかなぁ・・・」
「音は確かにちょっと違うような気もするけどね。」
「そうかなぁ・・・」
「むしろ、前のエンジンよりトルク感があるよ。」
「まぁ、距離の少ないエンジンで組み直したばっかりだからなぁ。」
「いつもGDBと比べちゃうから、GCが調子いいと思ったことないよ。」
「参考になんねーな・・・。」

制御系は、水温センサーを替えるっていう小物が残っていたんだけど、取り敢えず先にベルト周りを見たかった。
ベルトのタイミングズレの方が濃厚な気がした。
最初に組んでから、2度も開けて組み直している。
ズレるにしても理由が判らない。
でも症状的にはそれが一番怪しいのだ。
早く結論を教えてくれ。

カバーを開けて、不穏な雰囲気を感じ取る・・・と同時に安堵感をおぼえるという矛盾。
やっぱりここだったんだ。
ベルトが何かに削られてゴムのカスだらけになっている。
そして何やら輪っかが押し付けられたような痕がカバーの内側に残っている・・・。
「一体何が起きているんだ。」
この辺の部品は全部新品なんだぞ・・・。
真ん中のカバーを外すまでは、主たる要因が見えてこない。
だが、間違いなく原因はそこにあるはずだ。

クランクスプロケを、1番圧縮上死点に合わせる。
コマ飛び防止カバーが接触している痕跡はないようだ。

左バンクはきれいに揃っている。
ああここだ。
ふたコマ開いてしまっている・・・これではドロドロ言うようになるだろうな。
オートテンショナーが機能していなかったのだろうか。
いや、張りは充分に思えた。
そもそもベルトの削れは、一体どこから来ているのだろう。
そう思って観察していると・・・
コロコロ・・・何やら金属の輪っかが落ちてきた。
カバーの端あたりに引っかかっていたものが落ちてきた模様。
これで殆どの原因が判った。

どうも、このアイドラーの内側から外れてきたカラーだということが判った。
何らかの理由で、アイドラーのスプールがホイールで言うところのプラス側にオフセットしてしまったようで、一番外側のカラーのような物が、押し出されてしまったようだ。
外れたリングは、ベルトカバーの中で散々暴れまわり、時にはベルトとスプロケの間に入り込んでベルトをコマ飛びさせ、挙げ句の果てにベルトカバーとベルトの背中の狭い隙間に引っかかってカンナのように削ってしまっていたようだ。
どうやら・・・ネットで出ている激安のタイミングベルトセットの、洗礼を受けてしまったようだ。

取り敢えず、怪しいアイドラーは元々使っていた純正アイドラーに職場復帰してもらい、
ベルトのカスをきれいに掃除して、背中の若干削れたタイミングベルトも現場に戻ってもらいます。
まぁ、ちょっと削れただけだし全然平気でしょう。
春頃までコレで走って、新品のアイドラーとベルトを買って、再び組み直しますか・・・

ちゃんとタイミングとって、組み戻します。
そして、エンジンを掛けて直ぐ元通りになったのが判った。
ボロボロと無様な排気干渉音は消えていた。
ちょっと試運転して戻ってきたクネ太郎が一言。
「50馬力アップw」
そうだよな、これだよな~。
人間の感覚なんていい加減なもんだなぁ。
そして最初にベルトを見ればよかった・・・。
何はともあれ無事完調に戻りましたとさ。
あと、来週末走り納めやります。
ご一緒したい方ご連絡待ってます。
そしてクネGDBは何も出来ないっていうwww