
KSR抱き付きブローから早二ヶ月。
50の純正ピストンリング廃盤のお陰で、5千円と半日で復活する予定が、
5万円と二ヶ月になってしまった・・・。
80の部品も廃盤と聞いていたので、ABのキットを買った訳だけど、よくよく調べてみたらピストンもリングも出るってハナシで・・・
ノウハウが無いので、ABのハイコンプピストンもセッティング不良で壊してしまったし、80の純正部品がまだ出て良かったよ・・・
ちょっと遠回りしてしまったな。
もっと最短距離が無いかグーグル先生に聞きまくってたんだけど、何しろ2ストに乗ってる香具師が居ないのか、単純にケチなのか、全然教えてくれないわけ。
そもそも25年前のバイクだからね・・・仕方がないか。
単車に関しては素人だからね・・・
試行錯誤しましたよ。
お陰で2ストのエンジンを一から勉強するいい機会になりました。

そんなこんなで、ベースガスケットの枚数を3枚増やして嵩上げしてみました。
1枚で0.5ミリなので、1.5ミリシリンダーが上がります。

するとこんな感じ。
縁でピチっとツラになりました。
ガスケット入れればヘッドに届くことは無さそうだけど、ちょっと怖いね。

ちょっと半田を挟んでヘッドとのクリアランスを測ってみますと、0.5ミリ。
コンロッドのベアリングのガタが増えてもギリギリ届くことは無さそうな距離ですが・・・
圧縮も高そうだし、やっぱりちょっと怖いね。
今回はちゃんと数値化してから組もうと思い、燃焼室の容積などを測ったりして圧縮比を測ったりしてみます。
まず、最初のABピストンポン付け時の圧縮比を計算してみました。
無加工の50㏄のヘッドの容積を測ると、約4.8㏄でした。
まず失敗だったのが、これだけ小排気量になると注射器での計測誤差の大きい事大きい事・・・
表面張力分だけで平気で1㏄ぐらい変わってしまうので、最早大体の計算になってしまった。
ま、5㏄弱と言った感じだったので、4.8㏄と言う事にしておこう。
ヘッドガスケット0.3ミリ分の容積が約0.52㏄
燃焼室の容積が5.32cc
ここから、ピストントップの盛り上がり分を目方ですが約1cc程差し引きますと、
4.32㏄
72+4.32=76.32 これを燃焼室容積4.32で割ると、17.6
1:17.6ってあなた!
2ストなんてレシプロより低くしないといけない位なのに、ディーゼルより高いです・・(;´・ω・)
50㏄エンジンの燃焼室容積公称7.2㏄も、どう測っても届かないし、何だかよく判らない。。。
ヘッドの面研でもしてあるんだろうか・・・
これは壊れるのは目に見えてましたね・・・
よく判らないのが、2ストのシリンダー容積の計算方法。
調べてみると、2ストはピストン上昇時にポートから逃げてしまうので、排気ポート上面からが有効圧縮なのだという計算もあるらしい・・・
でもメーカーのサービスマニュアルはこっちで計算してないよなぁ。
同じ圧縮比でも4ストと2ストでは単純に比較出来ないということは判ったが・・・
ポート形状やら二次圧縮圧もエンジンによって違うみたいだし、最早基準は無きに等しい。
ここは通常の計算方法に固定して、そこを基準にしていくしかないな。
さてさて、ノーマルのエンジンの圧縮比が50㏄で
1:7.9、80㏄で
1:7.0という低圧縮であることをひとつの基準とし、8とか9前後を目標とすることにして・・・
燃焼室容積を増やす作業に徹します。

ヘッドを削って測って削って測ってを繰り返します。

かなり削った積りですが、これでようやく7㏄になりました。

ピストントップの盛り上がり分も測ってみますと、約1㏄。
これを7㏄から引いて、ガスケットの分を足した和が燃焼室容積となります。
ガスケット一枚で0.52㏄なので、この計算だと燃焼室は6.52㏄
72+6.52=78.52
78.52÷6.52=12.04
まだ
1:12程の圧縮比になってしまう模様。
・・・まだ全然高いな。

下死点で各ポート群が全開になっていない事も気になるポイント。
やはりもう少しシリンダーを嵩上げしたいなぁ。
紙のベースガスケットを矢鱈増やすのも問題がありそうなので・・・

アルミ板で作りました。。。
コレ結構大変だったぞ・・・
売ってたら買いたかったけど、売ってませんでしたね。
旧車バンザイってカンジ。
1ミリ板なので、(23.5×23.5×3.14×1÷1000=1.73)
1.73㏄
ヘッドガスケットも二枚重ねると
1.04㏄
これで燃焼室容積は
8.77㏄まで増加。
72+8.77=80.77
80.77÷8.77=9.20
これで漸く
1:9.2まで落ち着きました。
よしこれで組もう!

ボアアップによって隠れてしまったインテーク側のダイレクトポートは、排気上面に合わせて縦に拡大。
幅は変えませんでした。

排気ポートは角をとった分位だけ横に拡大。
センターリブがないので、あまり広げるとピストンリングが引っかかりそうで怖いね。

ピストン、ヘッドと取付して漸く腰上の組み付けが完成です。
ここまでが長かったな・・・
クルマだと、不動により色々と弊害もあるので、
無理してでも今日中に終わらせようとか、ここまではやろうとか頑張る気になるのですが、
バイクは疲れる前にやめようとか、妻が怒る前にやめようとか・・・
ちょいちょい中断するので全然終わりませんw
あんまり詳しくないから、あれが足りないとかここがこのままじゃマズイみたいなのがやりながら出てくるのも長引く原因。
グーグル先生が全然教えてくれないから・・・
単純に地力の勝負になってるね!

取り敢えず手始めにメインジェットを純正の77.5番から、100番に変更して濃い方から始めたいと思います。
それにしても汚ねぇ爪だな・・・
どうせボコボコ言って走らないだろうけど・・・
解ってはいても端折らないで確認する儀式みたいなもんでしょうか。
キャブセッティングの沼にハマってきますわw

遂に搭載です。
駐輪場の端の方で、40になるオッサンが座り込んで小さいバイクを弄っているという・・・シュールな事実。
駐輪場の囲いというか、肩くらいの高さの壁があるから、駐輪スペースに入ってくるまではヲレがバイクを弄っているのが見えないわけ。
女子高生かなんかが、日曜日だから授業じゃないんだろうけど部活か何かからシャーとかいって自転車で帰ってきて駐輪場に入ってくると、オッサンがしゃがみこんでバイクを弄ってる訳だ。
シャイそうな女の子が誰も居ないと思って入ってきたのに・・・
「あ・・・。」
みたいな感じになる訳。
別に悪い事をしてる訳じゃないんだけど何かね・・・
まぁ、最早何だろうではなくてまたやってるな位に思われているだろうけど・・・
どう映っているんだろうな。
自分で言うのも何だけど・・見た目はそんなに老けていないと思うので、
オッサンと言うよりは
せめて「バイクのお兄さん」位には思ってて欲しい・・・
ヲレからの希望はそれだけだ。

エンジンを掛ける前なので冷間だが、本気キックで8キロちょい。
別段高くも低くもないといった感じだが、KSR的にはどうなんだろうね。
ぶっちゃけよく判らない。
ただまぁ、ペダルをキックした感触としては50の完調の時より重いような感じだね。
ボアが広がってるから当たり前か。
そもそも慣らしが終わるまでは何も解らないね。
とりあえず決定的な問題がないかどうかの確認みたいなものです。

KSRは水冷なんで、毎回LLCを入れ直さないといけないのが面倒くさいね。
ギヤオイルも入れて、タンクの燃料にもオイルを入れて混合にします。
最初は怖いんで1:30位で混ぜて、オイルポンプも可動させます。
ボアアップにしたら完全に混合にした方がいいらしいけど、面倒だな・・・
でも、オイルポンプって壊れるまで足りなかったかどうかが判らないのが怖い。
ノーマルポンプ全開で全然足りてるなら混合にはしたくないけれど、確認の方法がないんだよ。
みんな煙の量とかで判るのかな・・・
結局二回も三回も抱き付きを起こしてる訳だけど、結果的にオイルの量なのか燃調なのかが判らず仕舞い。
でもでも・・オイル量絞ったり、変なオイルを入れた直後に壊れてる様な気もするな。
抱き付きはオイル。
デトネは燃調。
みたいな感じになってるか。
まぁ・・・こうやって書き連ねてみると至極当たり前の事のような気がしてきたが・・・。
どうせ最低ラインで混合燃料にするのなら、オイルポンプは廃止にはしないまでも目一杯絞ってもいいのかも。
ま、慣らし中はオイルベタベタで走るけどねw

取り敢えずエンジンは無事始動!
変な音もせずアイドリングも安定しています。
ただ、とにかく音が煩くなりましたね・・・
チャンバーもサイレンサーもノーマルなんですが、パパパパパって弾けるような排気音。
ポートを削ったからなのかな。
でもなんか不安になるような機械的に変な音ではないですね。
調子のいい2ストって感じの音。
何かカッコいい。
ちょっと試運転してみると・・・
ボコボコ言っちゃって全然吹けねぇ!
やっぱ濃すぎるか。。
でもなんか、全体でトルクが厚いというか・・・ポテンシャルの高さを感じます。
アイドリングからスロットルの捻り始めまではレスポンスがいいので、単純にMJを下げるところからですね。
夜も遅いのでまた明るい時に。
夜も遅いので後日煮詰めよう。