「やべえ、久々にやっちまったよ。」
アルトの奴から連絡が入る。
まぁ、事前に先輩の板金屋に連絡が入っていたので、話は既に聞いていたのだが、詳細が判らなかったので肝を冷やした。
何処でだよ、走れるのか?と問いただすと、水が漏れていて走行は出来なさそうという事だ。
「草津なんだけどさ、狭い峠道でトラックとぶつかっちまった。」
休暇で草津温泉まで出かけて調子に乗って飛ばしていたら、道の真ん中を走っていたトラックを避けきれなかったらしい。
正面衝突と聞いて慌てたが、顔面がややひん曲がった程度で足回り無傷。
大した事故ではないが・・・
年式考えれば廃車見積もりである事を鑑みれば「中破」と言った所か。
保険もきちんと車両に入っているし、車価以上の修理保証が利く特約にも入っていたので、何とかなりそうだ。
ま、何だかんだで修理は自分の所に持ってくると思うので、詳細は追々明らかになるが・・・
「だいたい草津くんだりまで行ってぶつけて来るなよ、何やってんだ。」
「いや~、この間ひさびさにお前の隣に乗せてもらった影響でさ、自分も少しは出来ないかなと思ってやりすぎた。」
「おいおい、ヲレのせいかよ・・・」
「あんまり簡単そうに走るからさ、真似できないかな~と思ったけどダメだった・・・。」
「・・・。」
だいたい、ヲレだって自分の人生のたくさんの大切なものを犠牲にしながら、命がけで獲得してきた技術を、見ただけで真似などできるものか!
・・実は少し心配していた。
自分の峠ドライブを助手席で経験したドライバーは、かなりの確率で近いうちに事故を起こす。
実は、過去に何人も居るのだ。
運動会などでも隣に乗せてもらっていいですか、なんてケースは多いのだけど、その度ごとにクネが注意していたのを思い出す。
「真似できるって思っちゃダメだよ!絶対クルマ壊すからね!!」
アルトの持ち主は特に走り屋という訳でもないしもう若くも無いので、模倣する事もないだろうとわざわざ注意喚起をしなかったのだが、詰めが甘かったか・・・。
自分の走り方は、強引なドリフトを多用するので正攻法とは言い難い部分も多く、正直そのまま参考にすべきではないという事もある。
ただ何と言うか、事故したことそのものは残念なのだけど、少し嬉しいという気持ちもある。
人の走りを見て感化される程、走ることに興味があったんだなぁ~と言う事に。
彼も車歴だけはやたらと立派で、トイチレビンに始まり、70スープラ、FC3Sにも長く乗っていたっけ。
そのあと黄色いランエボ7に乗ったのち、現在の11アルトワークスに至る。
自分の高校時代からの友人で、基本的にはアニメとかゲーム好きのただのオタクなんだけど、スポーツカーが好きでずっとマニュアルに乗り続けている。
ただ、ヲレなんかが考えている「走る」という分野にはこれまで踏み込んでくることは全くなく、単にそういうクルマが好きなだけの人種なんだと思っていた。
ま、実際今まではそうだったんだろうと思うけど、
最近は、水温計を付けたりブースト計を付けたりEVCを検討していたり、何かと「走り」を意識させるキーワードが増えてきたのも事実。
(25年も走り車乗ってきて今頃かよw)
ヲレも別に、彼に今更「走り屋」になって欲しいと思ってる訳じゃないが・・
そうは言っても元々人よりは飛ばすし、クルマに乗る事自体は好きなんだろうから、少し位はきちんとしたスポーツドライビングを学ぶことで今後のカーライフの安全と充実に繋がるのではないかと考えてはいたのだ。
・・ただね、こういう事は難しいんだ。
人ってのはね、他人にああしろこうしろと言われた所で、頭では分かったような気がしても心ではなかなか理解できない。
自分から求めて、失敗して、そしてそこで本当の意味を知る。
心の底からの渇望と挫折を繰り返すことでしか、本当の理解を得られない生き物なのである。
走りの世界で失敗と言ったらクラッシュですしね、
いまさら壊しながら勉強しなさいとは言いたくない。(ヲレが直さないといけないし)
天邪鬼な人も多いし、ヘタに横槍を入れると逆効果になったりして良くない。
だから、その人の本質的な意欲が見えるまではヲレからとやかく言う事はまずないのだ。
なので、峠を攻めすぎて事故なんていい傾向ジャマイカw
こういうクラッシュがきっかけで覚醒するケースは多い。
クルマも余裕で直せる範囲だし、テコ入れするなら今だなww
ここで一丁ちゃんと教えてやるか・・・って感じです。
さてそろそろ走り納め会ですね。
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Posted at
2019/11/07 00:09:16