
預かって仕上げてる最中にぶつけたpon/on号。
「きれいに直るんだったら別に気にしなくていいよ。」なんて言ってくれはしたんですが、自分の責任とは言え、何ともお粗末である。
確かに自分で直せるとは言え、自分で直せるからこそ油断を生んだとも言える。
違うな、割と壊すから直せるようになったんだっけ。
ニワトリが先な訳ないよなw
・・とか何とか、訳の分からない事を言ってないでさっさと直せよって話ですので。
さっさと直します。
板金に時間の掛かりそうなリヤドアだけはヤフオクでゲットして、
ドアの付け替えと、前後パネルの凹み、その他の細かいえくぼや小傷もついでに板金していきます。
板金1日、塗装1日、組み付け1日で、3日は持ってかれるなコリャw

サクッとドアを付け替えて、伝家の宝刀ハンター007(ワッシャー溶着機)で強めの凹みを引っ張り出します。
ちょっとしたえくぼ程度ならポリパテだけで仕上げます。

リヤフェンダーの細い所のドア内が逝かれたので、二重構造のここも溶着機で引っ張り出してパテで造作。

パテ付けした所はすべてサフェーサーまで入れます。
自分はロックペイントの2液のサフェーサーを使っています。

さて、日を改めてレンタルガレージ「サンエース」。
大きめの塗装の時に利用している、横浜の山の中のレンタルガレージです。
オールペイントとか広範囲のメタリックカラーなど、気を遣う塗装の時にはブースで吹きたいですね。
野吹きでも全然決まるんですが、長時間の塗装などの時には天候の不順とか、陽当たりが変わってシンナーの特性が変わるなどリスクもある。
確実な仕事をしたい時には、レンガレ費用を払ってでもブースで吹いたりします。

レンガレは時間貸しなので、ここでしか出来ない事以外は全部予めやってきた方が良い。
本当なら、外す部品のバラしやペーパー掛けなども済ませておいて(スモールやウインカーなど走るのに必要な保安部品だけ残して)、ドア内の面倒なマスキングも済ませておき、外側を大きく囲って塗るだけって感じが望ましいですが・・・
時間も無かったので、バラしからのスタート。
コリャ一日だな・・・
本当に大雑把なマスキングと塗装のみであれば、3時間位で退去出来ます。

ドアノブや水切りモール、ドア内を塗る部分はウェザストリップなども外します。
水切りモールは外すときにひん曲がって再利用できない事が多いので、元々古くて交換が望ましいような車両でない場合は外さないでマスキングの方がいいですよ。
オールペイントなどは基本的に全部交換です。

こういう箇所はウェザストリップや、当たりゴムなどが塗装面と接触するので、ドアを閉めても何も触らないように外す物を外してうまくマスキングするか、閉めないように工夫しましょう。

4ドアはとにかくマスキングが鬼。
これだけ貼るのに、テープ付きビニールマスカーの1000ミリ幅15m、
1800ミリ幅7m、50ミリのテープ3個、30ミリ5個、12ミリ3個とかそのくらい使います。
塗装は時間と材料費が掛かる。

先ずはドア内を先に塗装。
塗装は、どんなものを塗るにしても基本的に縁とか塗りづらい所、あまり見えない所などを先に塗ってまわり、大きな面や塗装仕上げの品質が求められる箇所を最後に塗ってフィニッシュするのが基本です。
簡単に言うと、最初の方に塗った箇所は後の方に塗った時のミストの影響でツヤや肌が一段落ちてしまう場合があるので、仕上げの優先順位の高い物を後に持ってくるという考え方です。
優先順位が無いようなものに関しては、風上から塗るのがマスト。
スプレー塗装とは周りを汚しながら端的に外観を形成していく特殊な技法なので、マスキングや塗り方などに特に気を使わないと簡単に失敗します。
知識や経験が問われる難しい技術ですよね。

74Fソニックブルーマイカは2コートのメタリックカラーです。
基本的には色とクリヤーの2層で仕上げます。
青は染まりにくいので下地の色を揃えておくと楽ではありますが、基本的には色だけで染め切れます。
写真は2シェード目位ですがまだ全然染まっていませんね。
ここで慌てて一回で多めに掛けると流れますので、兎に角パラパラと回数で勝負します。
重ねていっても塗装が流れないように前の回の塗膜が完全に止まってから次のシェードを重ねていきます。
この間の待ち時間をセッティングと言います。
メタリックであればシンナーが飛んで半艶になってくるのが合図ですかね。
そもそもメタリックはクリヤーでツヤを出す塗料なので、塗りでツヤツヤに仕上げてはいけません。
この日は寒い日でしたので、シンナーが標準では遅かったですね。。
なかなかシンナーが飛びません。
こういう日は冬用の速乾シンナーを使うべきです。

5~6回重ねていくと下地との色の違いが判らなくなってしっかり染まってきます。
メタリック塗装は、染める以外にもムラ取りと言って最後の2シェード位は若干シンナーを足した塗料でパターンを広げてエア全開で均等に塗っていく作業があります。
色によっては大変難しく、メタリック塗装の大きな難関となる部分。
最近の1液塗料のメタリックでは、ウェットで塗るだけで勝手にメタリックが並ぶという簡単な材料が主流のようです。(誰でも塗れる!)
いい時代だな・・

74Fはそれ程難しくないので、昔ながらの2液塗料です^^;
ただ、きちんと塗れれば2液の方が対候性など塗膜の耐久性は高いと思います。
1液が主流になっているのは硬化剤などに含まれる有害物質などに対する各メーカーの環境対策の問題で、やはり2液塗料の方が強いというのが本当。
そうは言っても、仕上げのクリヤーは必ず2液の塗料ですので、程度問題なんですけどね。
1液ってのはそれだけだと弱いって事です。

表面が乾いてきたら、
3:1のロックペイントのクリヤーで塗装してフィニッシュです。
厚塗り出来るので、1.5回で決まる塗料です。
1.5回とは、最初様子見でパラパラと掛けて、最後に一回しっかり掛けたらOK。
昔は普通に三回くらい掛けないと決まらなかったけどね、
今はとにかく材料が格段に良くなっていて、失敗しにくく短時間で仕上げられるようになってきています。
塗料の伸びが良く、艶が出しやすいのに垂れにくいとか、メタリックがムラにならないとか、塗り重ねる回数が少なくて済むだとか、びっくりするくらい材料が進化している。
誰にでも簡単に塗れる!は言い過ぎかもしれないが、
あんなに苦労していた20年前の板金塗装がウソのようにラクチンになってしまっている。
科学の進歩とはすごいなぁ、と純粋に思ってしまう。

元色よりかなり青みが深いロックペイントのデータカラー。
色褪せなどの関係もあるが、元はかなり薄めの青でした。
ちゃんと調色して合わせようかとも思ったんですが、何れどこかでオールペイントをする計画だった事を思い出し・・・
左側面全部塗ったら、オールペンの約4割みたいなものですからね。
これを期に一気に全部塗る事になるかも・・・
どうせ塗り直すなら、色褪せの無い深い青の方がいいと思うだろうと勝手に画策し、ぼかさずに無調色で塗り切りましたww
そして後日、
案の定今回の補修塗装を生かし、オールペイントになりましたとさ。
良かった!今回の失敗が無駄にならなかったぁ!!
そうは言っても大変だけどね・・・
転んでもタダでは起きないのだww