
30年ぶりに単車を買ってしまった。
MC31ホーネット250である。
高校生の時に買ったゼファー400以来の中型バイク購入。
戻ってきてしまった。
通勤用でずっと原付には乗っていたけど・・・
ジョグなんて追い込むとすぐ壊れちまうし、だからって弄らないと遅いし・・・
KSRも立派に単車ではあるけどね、50㏄だ80㏄だで結局原付だし、古いから常に壊れる心配がある。
止まってばっかじゃ会社にも迷惑掛かるし、やっぱりもうひと回り大きいエンジンで、走りにも余裕があれば、バイクだってそうそう壊れるものじゃない。
ま、そんな理由から、一台買おうと決めてはいた。
クネが250を買い戻してブンブンやってる影響も大きい。
どうせ通勤用だし何だっていいや、安いの買おうと思っていたんだけど、奴がアホみたいに単車に入れ込んでる所を見てると、こっちまでどうせ買うんだったらという気になってくる。
「クネだったら単車でも気が合うかもな。」
ヲレはバイクでツーリングみたいなことをしない。
てか、した事が無い。
みんなでツルんでトロトロ流すだけで、海鮮丼でも食べて帰ろうぜ!
みたいなことが想像出来ない。
そういう事が好きな人は沢山居るだろうし、寧ろそういう人が殆どじゃないかなと思うので、否定する訳じゃない。
気の合うみんなでツーリング、素晴らしいいい趣味だと思う。
でもヲレは馬鹿なので、もっとしっかり走りたいと思ってしまう。
「走る」乗り物オートバイをわざわざ引っ張り出したのならば、もっと楽しみたい、もっと回したい、もっと倒したいなどと思ってしまう。
ただヲレがジャンキーなだけなのである。
別に峠やサーキットをガチで攻め倒したいとかって訳じゃない。
「夜に峠を攻める」は、バイクではナシだと思っているので、日中しか乗らない時点でストリートでガチはないのだけれど・・・
基本的にどこでも回せるところは回して、追い越せるところは追い越して、リーン出来る所はリーンする。
バイクならではのフットワークを最大限に生かし、逆にバイク側が求めてくる要求にこちらが応えていく作業。
それこそがバイクとの対話=ライディングだと思っているので、そういったものが趣旨に無いのであれば、そもそもバイクなんぞ出さないのである。
ま、簡単に言うと、
カーン!と飛ばして、
どんどん追い抜いて、どんどん先に行きたいのに、それに合わせて一緒に走れそうな人が全然いなかったのである。
またコイツはゼロか100かみたいなこと言ってんな・・・
と、思った方も多いかとは思うが、
クルマはクルマ、バイクはバイクとして、「走る乗り物」として芯から楽しみたいだけだ。
中途半端な付き合いだけなら危険なだけであり、
真剣に向き合い取り組むからこそ、本当の安全と愉しさがある。
それがクルマであり、オートバイなんだろうと思っているのだ。
昨今のオートバイ事情も昔とはずいぶん変わってしまっている。
公道自体がコンプラ重視の監視社会のようになってしまっているからかも知れないが、誰も追い越しをしないし、すり抜けをしないし、特に回すような事も無く、ずっとクルマの間に挟まって走っている。
・・・別に自由だけどさ・・・ヲレには何にも言えねえ。
昔は、峠でも幹線道路でも、バイクであれば車種を問わずバチバチだった。
NSRみたいなレーサータイプは勿論、オフ車もネイキッドも関係なかった。
朝の通勤時間帯の国道246の信号待ちでは、停止線の前にあれよあれよとすり抜けてきたバイクがずらりと並び、信号が変わるのを待つ。
ブリッピングでけん制している者もいる。
そして、青信号を合図に十何台かが横並びで全力ダッシュするのである。
峠で速いのは言うまでもなくレプリカだが、市街地ではオフローダーが速かった。
上手い奴が多いという感じ。
あとはフリーウェイなどといった中型スクーターも意外と速く、低速のダッシュ力と取り回しの良さがあって混雑時のすり抜けなどは無敵の機動力を誇っていた。
ネイキッドはどちらにも振り切っていないので、性能は中途半端だが、むき出しの機械感と美しいスタイリングの機種が多く、「単車」って感じで好きだった。
各々がそれぞれの持ち味を100%出し切ってバイクを使っていた。
みんなが自分のマシンと技術に自信を持っており、「いつでも相手になるぜ」と背中で語っていた。
通勤だと毎日秒単位で同じヤツと出くわすので、ここから信号二区間だけ、みたいなバトルが毎朝行われていた。
そんなバイクは「走る」が当たり前の時代。
それが90年代である。
そして現在、特に交通法規の面では、改正などでオートバイの自由が奪われたという事もない。
この場合のすり抜けはアリかナシかみたいな所は、グレーゾーンとして残されており、まぁ要するに「やり過ぎるなよ」みたいな感じで、各自のモラルに託されている領域が未だにある。
だが誰もやらない。
言われるまでもなくやらないのである。
だから、どんどんすり抜けて走っていると何だかヲレが間違っているような気になってくる。(間違ってます)
馬鹿が一人ではっちゃけちゃってる感じになっちゃうのである。(感じじゃなくてそうなんだけどw)
だからね、単車なんて買い戻してもつまんねえと思ってたんだよ。
クルマだってそうだったけどよ、やっぱ一緒に走る奴が居るから面白いしちょっとやってやろうかという気になってくる。
やっぱりクネが買い戻した事が大きいのかな。
あいつは多分馬鹿だからよ、ヲレと同じタイプだろ。
ヲレがKSRのレストア始めてちょっと遊び始めてた頃には、バイクには絶対戻らねえみたいな事言ってたくせによ、気が付いたらテメエの方がしっかり戻っちまってるじゃねえか。
「だいちゃん、乗るんだったらもう今しかないよ!」
やっぱりジジイになると変わってくるんだな。
残り時間を数えるようになるからさ、心残りと言うか、やり残しが無いような考え方になる。
ヲレもクネももう50手前だが、中型以上のバイクなんか転がせるのはいいとこ70歳位までだろ。
正直70まで行けるか判らん。
ずっと乗り続けてれば行けるかも知れないが、途中で辞めてたらもう乗れないだろうね。
そういう風にいろんな事を考えてると、リミットは向こう20年くらいだと判る。
それなりに走れるように感覚を取り戻すのにも少し時間が掛かりそうだし、年齢的にもまだ身体が動くのは今が最後って感じだろ。
正味な所は十何年か、だろうね。
「今やらないなら確かにもう出来ないだろうな。」単純にそう思った。
クルマを弄るのが大変になってきた事も関係している。
体力は人よりある方だと思うけど、それでも昔のようには出来なくなってきている。
ちょいちょいエンジンを降ろしてバラして、今週中に元に戻そうみたいな事はそろそろ出来なくなってきている。
クルマバイクの修理だ弄りだなんて、くたびれるし下らねえと思ってたんだけど、いざ、だんだんやらなくなってくると、物足りないなとか思ってしまう。
何かやっぱり常に直していたいんだろうね。
だから、もっと気軽に弄れる手頃なエンジンの乗り物が、老後に向けて欲しいという他人には良く判らないであろう目的もあるのだ。

さぁ、前置きは長くなったが、MC31ホーネット。
1996年にホンダが発売した250㏄のネイキッドバイクである。
ずっとオートバイは川崎か山葉を推してきた人生だったが、人生で初めて購入するホンダである。
元々ネイキッドが好きなんだけど、バイクで大事なのはやはりエンジン。
結局色々考えたが旧くても、250㏄の4発になってしまった。
最近の250㏄や400㏄は単気筒や2気筒が主流で、低速トルクはあるが、高回転まで回らないので物足りないんですよね。
音もでっかいカブみたいだし、回らないんだったら2ストの方が楽しいです。
やっぱり4サイクルなら当時のバイクに乗るしかない。
ホーネットの原動機はMC19型CBR250Rに搭載されていたMC14E。
これをややハイコンプにして低回転寄りに振ったエンジンだが、それでも15000回転まで淀みなくふけ上がり、F1サウンドと呼ばれた超高回転ゾーンは充分に堪能することが出来そうではないか。
ホーネットは当時でも新し目のバイクで、後方排気と極太リヤタイヤが格好良かったので、乗ってみたいバイクのひとつであった。
こんな風に、絶頂期だった当時に憧れていたが選択しなかったものを、KSRの時もそうだったが、今になって一つづつ取り返していくっていう事そのものが楽しいのかも知れない。
ただね、今はこの頃のバイクが高いんだよ。
当時買うよりも高い。
ホーネットなんか、初期型は新車で50万円しなかったのに、今店頭で買おうとすると60万~みたいな価格になってる。
値段は上がり続けてる模様。
バイクが安くなる12月~3月の間でマシンを探し、やや距離を走っていながらも問題が無い状態を維持し、一般には敬遠されがちなカスタムされてる様な個体をネット上で隈なく探す。
マフラーみたいにあとから買うと高いが、入っていたら有難い物もあるしね。
3月中に見つからなかったら今年は買わないと決めていたんだが、大阪の店が出品している最初期型、5万キロ走行のチョイカスタムみたいなのが30万円。
これが気になった。
個人出品車は然ることながら、店出品であってもノークレームノーリターンを謳うヤフオク出品車の中、ばっちり「整備済み」を謳って30万円か・・・。
ヤフオクの闇なんて言われてるけど、
何か落とし穴があるかな?
わざわざ悪くして出す出品者なんて居ないだろうから、結局個体で判断するしかない。出品車両の写真と雰囲気で見るしかないのだ。
カスタムと言ってもセパハン、バックステップ、マフラー位で、あとはリヤカウルが社外でディオランプ仕様になってる位。
ホーネットホーネット!って探してる人には敬遠されそうな弄り方をされている事と、ド前期、5万キロ走行を含めての評価が30万円って感じなんだろう。
程度やメンテに関しては寧ろいい方ではないかと推測できた。
ディオのテールランプも小僧っぽいかと思ったが、実際はきれいに収まっていて悪くない。
別にオリジナルに拘りは無いので、機械に不具合が無ければ全然アリである。
気に入らなければ全部戻せるしね。
良く判っていない素人がノーマルで乗りっ放しノーメンテって車両よりは、好きそうな奴が出来る範囲でもちゃんとメンテして弄りながらも面倒見てきました、みたいな車両の方が、エンジンやシャーシの状態が良い事が多い。
これ、安いけど実はいいかもな。
正直なところを聞き出すべく店に直接電話を掛け探りを入れ、致命的な問題点が無さそうだと判断。
購入を決断しました。
自賠5年とナンバー取得、ETCの取り付けまでやってもらい、横浜のデポまで送ってもらいました。
諸費用10万円弱。
総額40万円の買い物です。
横浜のデポ(上星川)まで取りに行って、片道30分を乗って帰ってきて判った事は・・・まずセパハンが無理ww
ネイキッドバイクのセパハン、バックステップ仕様が、見た目以上に無理って事が判った。
タンクがシュッとしちゃってるので、前傾姿勢になると下半身が固定出来ない。
ブレーキを掛けると、全体重をハンドルで押し返すようなGが掛かる。
電信柱を逆さになって降りてんのか!ってくらい疲れた。
(降りたことないけど)
・・・これは駄目だな。。
ハンドルは速攻でバーハンに戻さないとだな。
バックステップは、ハンドル戻してどうかに依るのでそっから考えよう。
あとはヘッドライト不灯ww
整備済じゃなかったのかよ。
結構大事なトコだろ・・・まぁ、スイッチボックスが純正じゃなかったり、灯火類で色々小細工してるっぽいので、素人配線がどっか悪さしてるんだろう。
まずはその辺の手直しからだな。。

配線図がネットで引っ張れなかったので、一本一本どれが何の配線かチェックしながら、ヘッドライトの電源がどこで途切れているのか確認。
どうも常点のライトをON/OFF出来る様に加工した配線の途中で電源が途切れていまして、ヘッドライトのお椀の中まで手繰って漸く見つけました。
エレクトロタップでの接続部分が焼けていましたよ。
H4の60Wを赤いタップだけの接続じゃちょっと無理があるだろ。
配線を繋ぎ直すとヘッドライト復旧。
この他、使わずに束ねてあるだけの追加配線がいろいろとあったので、要らなそうなものは間引き、使いそうなものは長さを揃えて束ね直し、とにかく配線をきれいにまとめ直しました。
汚く束ねてあったのはウインカースモールの線か・・・日中ヘッドライト消して走ってる時にもデイライト感があっていいかもな。
ただ、フィラメント球で常点にすると熱持ちそうなので、運用するならLED化してからの方が良いかもね。

あとはハリケーンタイプのセパハンだな。
・・・格好いいけど無理だよ。
幸いブレーキラインやクラッチラインは短くされてなかったので、バーハンだけポチって秒で交換です。

トップブリッジを外さないと脱着出来ないセパレートハンドル。
なぜみんな挙って付けたがるんだろう。。。

無事ノーマル(風)ハンドルになりました。

これで試運転。
うわうわ、めちゃくちゃ乗りやすい。
ていうか、ようやく落ち着いて普通に乗れるようになった・・・。
ハンドルだけ戻したら、バックステップは別に気にならなくなりました。
ちゃんと走ったら、こっちの方が良いかも知れないしな、当分これはこのままでいいかな?

あとは、破れてこそいないが固くなって滑りやすく、色褪せやシミが目立つシート表皮の張り替え。
滑るからお尻の座りも悪いんだよな。

ノンスリップタイプの生地に貼り替えて、リフレッシュ!
よしよし!
またちょっと乗りたくなったぜ。
ヘッドライトバルブも余り物のLEDバルブに換えたので、光軸とリヤショックの調整も兼ねて試運転だな。

とか言って、近所をしょっちゅう単車で走り回ってるだ い 。
久々に童心に還ってるな^^;
最近こんな事ばかりやってるので部屋でやりっ放しのEJ20のオーバーホールが全然進まないんですけど・・・。
まぁ、腰下はもう完成してるんであとはヘッドをやり直すだけ。
やっちゃえば直ぐだろ。
30年越しに単車を購入し、見事にリターンライダーとなっただ い 。
250なんて、音ばっかりで速くないけれど、それでも通勤にも走るのにも十二分である。
飛ばし過ぎないで済むのでむしろ安全ではないかw
オジサンはもうそんなに飛ばさないので、音だけで充分なんだよ。
だからこその250㏄4気筒。
15000回転以上のF1サウンド!
ちくしょう!ヲレの人生の後半戦が色付いてきやがったぜ。
頼むぜ相棒!
馬鹿だなぁ・・