
ストリートを走るうえで大切になるリスクマネージメント。
簡単に言えば、事故しないための計算だ。
方法でもルールでもない。
まさに「機微」としか言えないような、かなり感覚的なものが大部分を占めて走っていると思う。
若い頃、自分もよく事故をしたなと思うけれど・・・
殆ど事故をしなくなった(!?)今の自分と比較して思うのは、
運転の上手い下手の違いではなくて、単純に先が読めるようになったからだと思う。
読むようになった、かな?
一言でいえば危険予知だよね。
もちろん確率論でしかないのだけど、こういう状況の先では、大体こうだよな?
っていう予想の正解率が、昔に比べて高くなってきているということだろう。
サンキューの右直事故なんかは、口が酸っぱくなるくらい免許センターで教えてくれるけどさ、それ以外にもある膨大な危険事例の掌握と回避方法を・・・
ただただ永い事ハンドル握ってきていれば自然と身につくかと言ったら、実はそんなことない。
日頃から、様々な局面を自分でイメージしたり予想したり、
実際に目の当たりにして裏付けを取りながら、漸く身に付いていくものなんだと判ったよ。
高い危機感を常に持ちながら、ネガティブをシミュレーションし続ける事が必要なんだよね。
そんなの峠や街中で無茶してる走り屋だけが気にすることだろ?
と思う奴がいるかもしれない。
ヲレは交通法規守って安全運転してるから大丈夫。
ヲレの方が優先道路だから、何があってもコッチは悪くないだろ。
的なタカを括ってる奴ほど、下らない事故を起こしたり巻き込まれたり・・・。
ヲレは人よりうまいから大丈夫。
そう思ってる奴ほどクルマを潰してるね・・・。
ヲレが実際そうだったから間違いないw
自分が悪くないなら・・・事故に巻き込まれても仕方ない、我慢できるっていうんだったら
自由だから勝手にしろって話だけど。。。
それで死んでもヲレは悪くないんだから、であの世で納得でもすりゃあいい。
・・結局、殆どの人は逆にストリートしか走らないんだから、走り屋かそうじゃないかの如何に関らず、
そこでコトを起こさない為には、どうすることが一番いいのか?
と言われれば、
最前の危険予知力をどんどん先鋭化させる事がそもそも先決なのである。
ヲレはB型で雑だし、楽観的だからね。
高校生くらいの頃には、まわりに絶対にクルマの運転とかやめた方がいいって言われてたし、
正直ヲレも不安だった。
でも楽観的だから、大丈夫だろうで始めてしまうんだ・・・
まぁ、大方の予想通り数々の洗礼を受けるわけだが、
死んだり死なせたりしてしまう前に、続けていく秘密を見つけ出さなくては・・・
「郷に入らば郷に従え」
クルマの運転の全てを知らなければいけない・・・
おかしな事だが・・・自分が事故をしなくする為に、走りの道に入ったんだ。
F1やWRC、GT選手権に対する憧れは一切なかったし、今でも大して興味がない。
正直、クルマが好きで始まったことではなく、便利なクルマに乗り続けたいけれど、事故が心配だったからどうしたらいいかって正攻法で考え詰めたら、「走る」しかなかった。
みたいな。
マジでそれだけ。

クルマを自分で弄るのだって、クルマって金がかかるなって思ったから、とりあえず全部自分でやればいいっやって思っただけで、実際ちゃんと勉強して、努力すれば結構出来る。
誰かしら人間がやってる事なら、自分だって出来るハズだみたいな・・・結構おろかだがw
話を戻して総括的にまとめると、人間の能力は想像している以上に限界がない。
と思うんだよ。
何かのCMじゃないけれど、想像できるレベルの事であれば、大概実現できる。
出来るか出来ないか、ではなくて、やるかやらないか、の差でしかないと思うんだ。
運転中のリスクマネージントの話で言うと、ヲレが昔に比べて出来るようになったのは、
信じられないほどの膨大な情報処理、と言っていいかも知れない。
前を走るクルマが、すれ違うクルマが、路地から出てこようとしているクルマが・・・
いつ頃のなんていうクルマなのか、男が乗っているのか女が乗っているのか、幾つくらいのどんな奴なのか、クルマの中で今どんな仕草で、何を見ているのか、次に何をしようとしているか・・・
どんな気持ちでいるのか・・・
拾える情報は全て拾う。
ウインドウ越しに見える頭の動きだけで、
ウインカーすら出さずに左折するクルマが読めるようになってくる。
春先の農道を横切ろうとする、小さなアマガエルに気付いてかわす。
昔のヲレなら、そんなバカなと思った事だろう。
でも、訓練次第で出来るようになってくる、当たり前になってくるんだよね。
人間、咄嗟の事はなかなか出来ないけれど、心の準備が出来ていれば、対処ができる。
こうなるかも知れないと思ったことに対して、常に逃げ道を作っておけば、最悪の事態は免れる。
つまり、わかっていれば避けられるって事なんだ。
どうすれば、周りの動きが判るかって?
さっきも書いたけれど、対象者がどんな気持ちでいるのか・・・これを把握するのが一番早い。
心理学的な人心掌握についてここで書く積りはないけれど、
自分が一番判りやすいと思うのは、相手の眼を見ることだと思います。
人の目力って凄いからね、ガラス越しでもミラー越しでも、
きちんと意識しているとちゃんと感じ取れる。
そして、こちらに気付いてもらう事。
不快にさせない範囲で、存在をアピールすることも大事なんだね。
こういう事に気を付けるだけでも、相手がいる事故はガクンと減少する。
自爆パターンが多い奴は・・・
全く同じ理由で、自分の動きや自分の気持ちをただ理解していないだけ。
自分を読めていないという事。
結局のところ、運転がウマイとか下手って事じゃないんだね。
理屈やセオリーを超えたところにある、相手や自分の気持ちを汲むような「機微」。
「空気を読む」というニュアンスも近いかな。
危険や不穏をいち早く察知し、最大限の回避や改善行動に移る。
走るうえで一番大事なことだね。
口にすれば当たり前の事ばかりだけど、これを如何に片時も疎かにしないか・・・
って事が、課題なんだよね。
でも今でも、もっと更に鋭くとがらせようと思う。
もっと判れると思う。
それが「走り」の追求な気がするし、もっと安全に速く走れる気がする。
昨日のヲレより今日のヲレの方が、判ってる気がする。
クルマの免許取ってまだ20年弱だけど、あと20年この調子で走ったら、
今想像もしてないことを多分平気でしてる気がする。
何をしているかは想像もできないが・・・
もっとヤバイぞw
でも、ヤメたらそこで終わりだもんな。
みんなの20年後はどうかな?
20年前に今の自分は想像できなかったなぁ・・・