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2024年08月10日 イイね!

ニューエンジン搭載

ニューエンジン搭載このGC8の20年の所有で行われた改修に伴う原動機の脱着作業は、今回を入れると述べ5回。
要するにエンジンが壊れた回数である。

うち、コンロッドメタルブローによる腰下オーバーホール三回、ヘッドのオーバーホールは二回目である。

ま、EJのヘッドなんてのは壊れるものではなく、バラしたついでにやり直してるだけなので、ウィークポイントであるコンロッド大端メタルのブローに振り回されたインプレッサ生活であった。


普通クルマなんてものは、エンジンなど一回壊れた時点で捨てて買い換えて、他メーカーへ鞍替えするとか楽な道を行くもんだと思うけど、壊れたものを直す習性があるだいは、茨の道をいくことになる。



そうは言っても当時はもうネットオークションなども整備が進んでおり、中古エンジンでも何でも安く手に入ったから、どうにでもなるからね。
深刻なことなど何もなかった。


直せば良いのだ。



そんなノリで直し直し乗り続けた20年であった。

勿論再び壊れるのは面倒なので、その都度工夫と後期部品の流用や若干のアフターパーツの導入などを検討しながら対策してきたつもりだが、トラブルの完封はなかなか難しく、結局経験に基づいた対応策しか信用できない事がよく判った。


今回のエンジンはその知見と偏見に基づいた浅知恵をふんだんに詰め込んだ集大成になったのではないかなと思う。



まぁ、それでも今回が最後かなぁ。
判らんけど... 特に間違いがなければ、10年以上は使えるはず。
次があるとしてもヲレは還暦過ぎだろ。
それがないとしたら、マシンを買い替えている事になる。


でも買い替えるにしてもこういう面白いクルマは他にあまり無いんだよな..どうしたものか。


まず今週は、現車側の積み替えの準備。
新エンジンに移植する部品が幾つかあるので、予め旧エンジンを車上でバラしておきます。
インマ二周りとか、タービンとかは移植しないといけません。



エアコンのコンプレッサーとパワステポンプ周りは、ガスやフルードの入れ直しが面倒なので、いつも通り車体に残す遣り方。



タイベルの樹脂のバックプレートも移植なので、タイベル周りも分解しておきます。
難関と云われているカムプーリーのボルトも、外す際の苦労を考えて前回それ程締め込んでないので、楽勝で外れますw



部屋のエンジンに水回りのパイプを組付け、インマニ取付の準備。
ノックセンサーは後でやると大変なので、先に付けとこうぜ。




オリジナル塗装できれいにしておいたインマニにフューエルパイピングやらPCVやらの複雑な配管を移植。
これはホント知恵の輪なので、バラしてすぐ組付けないとよく判らなくなる自信がある。

社外のターボインテークも相当無理があるので配管やステーを若干曲げたりしながらどうにか取付。

外した純正のターボインテークはタービンとの接続の部分で結構ざっくり切れており、近年のエンジン不調の原因となっていた理由が判りました。



ハーネスも不良はありませんでしたが、手持ちの優良品に交換。
インジェクターも使用期間の少ないストック部品を出しました。



完成したインマニのドッキング。



オイルレベルゲージはオイルパンに合わせたGDB 用を取付。
GC用より少しゲージが長い事と、握りのカタチが変わっている。

センサー類やPCVのホース、タイミングベルトまで組付けて、載せる側のエンジンの準備は大体完了。



載せたり降ろしたりは週末ごとの作業てすから、前の週には旧エンジンバラして、降ろせる直前迄の段取。
平日のうちに新しいエンジンを載せるばっかりに作っておき、翌週末にはポンと載せ換えるだけという現場作業期間短縮の段取なのである。


自宅ガレージではないからね、マンションの駐車場ではやりっ放しということが出来ない。
...という対外的なこともありますが、何よりオジサンなのでフィジカルの限界をコントロールしながらやる必要があります。
真夏なのでね..限界は早いです。
現車作業正味3日程度がゆっくりやりつつ、かつ最も短期間で作業する理想のスパンとして設定しました。


ただ載せ換えるだけなら、1日で出来るけどね。
不測の事態に丁寧に対応しつつ、きれいに掃除したり、入念に確認したりしながら、完璧にやるための時間である。



さて翌週は、エンジンの積み替えです。
エンジンやクレーンを共用部分に出しっ放しには出来ないので、始めたら遣り切らねばなりません。

先ずは外れるばっかりになっている旧エンジンをクレーンで吊り降ろします。

ベルハウジングのボルトやらエンジンマウントのナットやらは全て取ってあるので、吊り上げるだけです。



何だかんだ9年使ったか。
友人から安く譲ってもらい軽くリフレッシュして組み直したEJ20K である。
決定的なブローなどは喫する事はなかったが、最初の数年でヘッドガスケットが抜けたようで、LLCへの排気混入やエンジンオイルの減少が見られた。

長らくはオイル量さえ気を付けておけば、運動会などでも問題なく戦える強いエンジンでしたが、今年に入ってからクーラントにオイルが混ざるようになり、クーラントへの排気混入が激増。
ラジエターキャップからの自動排出では追い付かなくなり、通常の運用が難しくなってしまいました。

バージョン3と4に搭載されたマスター4と呼ばれるオープンデッキの280馬力エンジンEJ20K。
シリンダーブロックの強度に致命的な問題があり、競技的な運用では直ぐにガスケットが抜けてしまう症状が出た。

リザーブタンクから大量にクーラントが吹き返すのはガスケットが抜けている証拠であり、ほぼ9割以上の個体が抜けていたのではないだろうか。


吊ってからでしか外せないタービンサポートと一体構造のシムスのエキマニをニューエンジンに移植します。
高くつく割に余り持たなくて、火災の原因にもなりやすい耐熱バンテージは使わずに、自作遮熱板の設置がマストとなった社外エキゾーストマニホールド。
コストと安全性を考慮した結果である。


オイルでデロデロのベルハウジング、前回の載せ換えでの無念のオイルシール再使用のせいであろうw

少し時間を掛けてきれいに掃除しました。



さて、新しいエンジンがスタンドごとクルマまで走ります。
作業が誰かの迷惑にならないように、一番離れの一番端っこの駐車スペースを借りてるので、クルマまでが遠い。。

クレーンやエンジンを運ぶのが一苦労である。



ガスケット抜けの報告例が一気に無くなったGC8後期のシリンダーブロックで組み直したニューエンジン。
EJ207Kとでも呼ぼうか。

理想はGDBのセミクローズドデッキベースで組むのが良いのであろうが、とにかく手元にあるもの、安く手に入るもので造ることをポリシーとしているので、20万も30万もするGDBのエンジンは検討外であった。
実質GC8後期の207で強度的にはかなり底上げされていて、信頼性は高い。


クランクプーリーからタービンまでが組まれ、流石にもう人力で持ち上がる重量ではなくなったエンジン主機。
あとはクラッチとオイルクーラーブロックを取り付けたら搭載します。


3年ほど温めてあったクスコのカッパーミックスww


エンジンスタンドに付いてる状態だとクラッチを組めないので、クレーンで吊り上げて、載せる直前でクラッチを組付けます。


フライホイールは無銘だが4.5キログラムの軽量品ですのでキレイに掃除をして続投。

直前でパイロットベアリングが見付からずもう再使用でいいやと諦めてたら、クラッチの箱に新品が入れてあったって言う。。
付属品なのか、自分で入れてたのか..良く判らんが良かったw



いつも通りクラッチを目方で取付、レリーズベアリングも新品にしてメンドラ側にセット。

あとはドッキングを待つだけです。




さて、間髪入れずにニューエンジンを搭載。
慣れたもので、吊り上げてからベルハウジングに収まるまでおよそ20分。
トランスミッション側をパンタジャッキで少し上げた状態でエンジンを迎えに行くことがすんなり入れるコツである。


まだ夕方4時前、
頑張ればハーネス接続、燃料や水回りのホース、吸排気の配管の接続を済ませ、エンジンオイルとクーラントの充填で走れるようには出来る時間ですが、ロピアに買い物に行かないといけないし、フィジカル的にこの辺で切り上げないと翌日に疲労を残すデッドラインというところ。

慌てて追い込んでもミスが出るので、この日曜日はこれで切り上げ。

本当はこの2週目でエンジンまで掛けたかったけど、こう暑いとなかなかそう捗らないな。
家事との両立もあるので、昔のように気合いで遣り切るような事はしなくなった。

また平日夜にちょっとづつ進めて、組付けを済ませておき、翌週末に始動式だな。



そして3週目。
土曜は会社だったので、日曜しか取れません。
盆前の追い込みで仕事が忙しく、殆ど進められなかった細かい組付け。
まぁ、本当に細かい作業ばかりなので午前中位頑張れば、午後にはエンジンが掛けられるかな?


8月に入り、連日の殺人的な酷暑。
作業が屋根下で出来てる事だけが幸いだが、午後には西日が差し込む時間帯がある。
時間は掛けたくない。



補機類ベルトを新調し、エンジンハーネスやスロットルワイヤー、社外メーターなどの配線を美しく接続していきます。
燃料やバキューム関係のホースも間違わないように接続し、行き先で迷いそうなホースや配線には予めタグを作って付けてありますので、凡そ判らなくなることはない。

人間の記憶力など高がが知れているのである。


こういった作業時間の半分は迷って考えたり、ボンヤリ休憩して手を止めてしまっている時間なので、止まらずにどんどん手を動かしていれば一日作業も半日で終わったりする。

休憩は必要だが、迷う時間が無いように予め準備しておくとスムースに作業が進むのだ。



そのままでは全然合わないターボインテークパイプをザックリ切ってエアクリーナー配管と合わせ、ラジエターやヒーターホースなどの水回りのホースを取付。

インタークーラーを付ける前にクラッチオペレーターのフルード交換もしておこう。
ここのフルードは、タービンなどの熱源が近いので、直ぐに真っ黒になります。



フロントパイプを付けたらインタークーラーやタワーバーなど最終艤装まで組付け。
何かトラブルがあればとっとと外さなければならない箇所なので後回しにすればいいのに、未達成のタスクを少しでも減らしたいという一心で進めてしまう。。



社外オイルクーラーブロックと純正オイルクーラーの二段付けが特殊なエレメントブロック周り。

かといって何か特別な部品を使ってる訳ではなくて、社外ブロック取付の筒を逆付けにする事でブロックは固定できませんがメスネジが出来るので、そこに純正オイルクーラーを重ねて純正の筒ボルトでまとめて固定してしまっています。

知らん人には何のこっちゃ判らん話。


自作のオイルクーラー配管もエキマニを跨ぐ所までフルメタルで造り直す積もりでしたが今回間に合わずで、ホースなどを新調して組戻します。

これでも案外平気でしたけどね。
長く使うとホースの繋ぎ目からややオイルが滲んできます。



エンジンマウントは初めて強化品を購入。
STIてすが、海外OEM品なので1万円もしないですw
一緒にミッションマウントも買いましたが、取付は今回は割愛。

後日ゆっくりやることにします。



耐久性重視のヲレはエアクリーナーは純正派。
思ったより汚れていたので準備しておいて良かったよ。



モノタロウから届いたエンジン換装スターティングセットw

信頼のトヨタキャッスル10W-30と、クーラント濃縮タイプにエアコンのガス缶である。
エアコンガスは必要ない予定でしたが、つまらない凡ミスで配管を脱着する羽目になり、結局ガスの入れ直しになりました。



そしてエンジンオイルを入れ、クーラントを入るだけ入れたら、エンジンを掛けてアイドリングしながらクーラントのエア抜きをしていきます。


長い時間を掛けて準備をし、ピストンの1個から丁寧に組み立てたエンジンであったが、なんの緊張感もないまま、一連の作業の流れの中で呆気なく始動されエンジンは息を吹き返した。

乾いた音で軽く静かに回るアイドリング音。

今回もいいエンジンが出来たなと、音で判ります。



自分はあまりクルマに詳しい訳ではないので、特別なチューニングに踏み込んだりしない。
只でさえ使い方で人より壊すので、答えの判りにくいチューニングの迷路で迷っている余裕がないと言えばいいのかな。
普通に壊れる物をただ直し続けるだけで精一杯なだけである。
だから、基本的に純正のコンピューターで制御出来る範囲でしかエンジンは弄らない事にしているので、色々やってるようには見えるが要するにただのノーマルなのである。

ただのノーマルでこんなに手が掛かるのに、これ以上一体どうしろというのだww



エア抜きと平行してバッテリーにデコデコ(DC➡️ACですが)を繋いで、真空ポンプを回してエアコン配管の真空引き。
700Wもあればポンプは充分回せます。



しかし、何やらおかしい。
まだ2缶目なのに、コンプレッサーが停止してしまいガスが入っていかない。
これではエアコンがまだ全然冷えない。

明らかに異常である。


配管を外してガスを入れ直した弾みで、ゴミでも廻ってエキパンが詰まったか?
こういう事があるから、なるべくバラしたくないんだよな..



なんて思いながら室内でメーター類に目をやると、油水温がエライ事になってる。
100℃超えてるな。。。

クーラントのエア抜きは時間を掛けて完璧にやったはず。
電動ファンはビリオンのファンコントローラーの設定通り85℃付近できちんと回っている。

水もファンもしっかり廻っているのに冷えないという状況である。

エアコンの停止は水温異常に基づくフェイルセーフで、水温が下がれば再びスイッチは入るようになる。


だが、明らかにおかしい。
幾ら40℃に迫るような盆前の酷暑とはいえ、正常な平成の自動車がオーバーヒートすることはない。

オーバーヒートの主な原因はおおむね三つしかなく、サーモスタット不良か、電動ファンの動作不良、経路へのエア混入やクーラント不足による循環不良である。
これ以外にあるとしたら、ラジエターコアの不具合による冷却不足が挙げられるが、少し珍しいケースと言える。

その場で確認出来るのは、タイベルカバーを一部外してのウォーターポンプの目視での動作確認と、電動ファンの動作確認くらい。


サーモスタットの正常な開弁は外して茹でてみないと判らないが、ラジエターコアそのものは熱々なので、クーラントが循環しているのは何となく判る訳で、この時点で一切の確信がない不可解な症状である。


一応サーモスタットを外して、旧エンジンの物と一緒に鍋で煮てみます。


どちらも純正の78℃ですが、新エンジンに付いていたサーモ(右側)の方が開弁が遅く、開きも小さい感じがする。
..けど、個体差というか、誤差の範囲なレベルとも言える。

こういう時は何でも疑いたくなるものだが、冷静に考えれば正常な範囲ではあるだろう。
サーモは白だなと思いましたが、今回新品では無かったこともあるので注文した方がいいな。

一応サーモの個体差でどの程度違いがあるのか考えたこともなかったので、バルブをくり貫いてサーモレスにしてハウジングに戻してみます。
毎時200リットルを回すと言うEJ20のウォーターポンプ。
単純にサーモスタットがどれだけ抵抗になっているかが、数値として確認出来るかも知れない。

これで再度クーラントを入れ直し、再び入念にエア抜きをして走行テスト。
当然のごとく水温の上昇は大分遅れますが、コンプレッサーを回すと最終的には100℃近くにまで上昇。
しかし、サーモレス効果だろうか、105℃まで上がっていた水温が96℃程度に収まるという違いが出た。
96℃でも充分に異常なのだが、ラジエターへの流量が増えるだけで随分水温が下がるものだなと判りました。


違いは出たが、実際は別の線だな。。。




こうなるともう消去法しかないのだが、ここまで確信がないのは珍しいので不安が残る。

もうラジエターコアの冷却不良しかないのである。
ラジエターは割と最近交換したゼロスポーツのアルミラジエターであるから、冷えが悪いと言うのは納得が行きにくい。

 

しかし、思い当たる点もある。
旧エンジンでの終盤で発生したヘッドガスケット抜けに伴うクーラントへのオイル混入である。

これがどれだけの影響があるのかは未知数なのだが、乳化したオイルがコア内部を汚したり詰まらせたりして、オーバーヒートを誘発した事例もある。

確かに後半は水温が不安定で100℃近くまで上昇することもあったが、排気混入によるエアポケットのせいだと思っていたのだが、ラジエター汚れによるものだったのかも知れない。

ラジエターの内部汚れは充分に考えられるな。


ラジエター専用の洗浄剤と言うものもありますが、入手に時間が掛かるので、近所のアストロでメタルクリーンを購入。
ラジエターを外して20%の希釈液を注入して4時間の洗浄。

かなり汚い廃液が出てきたので、大分汚れていた模様。



あとは、ラジエターをクルマに戻して車体側にも同じ洗浄液を回して管路洗浄。
クーラントの代わりに洗浄液を回してアイドリングで2時間ほど回すと言う洗浄方法である。


メタルクリーンでやる奴は聞いたことがないが、充分に効果があると思われる。
やや泡立つのでエア抜きが難しいが、洗浄時間の間だけなので徹底する必要はない。



洗浄中の水温はきちんと電動ファンに引き下げられ、85℃以下でバッチリ安定。
この時点でほぼ寛解に向かったと確信した。


あとは洗浄液を排出し、水道水を入れて回しては捨て、入れて回しては捨ててを数回繰り返して泡立たなくなるまで管路を濯ぎます。

あとは途中で止まっているエアコンのガスチャージを済ませ、エアコンONでもなお水温が安定するかを確認しなければ。



余りにもボロかったチャージマニホールドは今回モノタロウのキャンペーンチラシから新調。
1万円もしないものだが、充分に使えるな。

コンプレッサーも止まることはなくなり、追加で1缶半ほど充填すると、しっかり冷えるようになりました。

このあと、
炎天下の中、エアコン全開で往復1時間程度の買い物に出掛け、特に問題がないことを確認。


水温はバッチリ安定。
首を傾げた不可解な冷却不良は漸く完治に至りました。


昔にも似たようなことがあった。
サーモ換えてもダメ、電動ファンも問題なし、ウォーターポンプまで換えたが関係なかった。
最後はラジエターしかないと、コアを取り外したら、銅二層のコアが錆びて腐り倒してたっていうオチだった。

コンデンサーと電動ファンに挟まれてるから、外さないと見えないんだよね。

今回は内部汚れと言う更に判りにくい症例だったが、消去法と、やや思い当たるフシもあったことから、どうにか到達出来た。


色んなトラブルがあるよなぁ。



そんなこんなで、最後にやや手間取ったが無事終わったエンジン換装作業。
古いフォロワーの方からしたら、またやってんのかよ!みたいな感じですが、自分としては毎回これを最後にしようと思いながら作業しています。

完成が盆前ギリギリ滑り込みで間に合いましたが、エンジンの慣らし中は負担を掛けたくないので、秋田へはエブリイで帰ってます。

戻ったら時間を掛けて慣らし運転をしながら、細かいところをゆっくり仕上げようと思います。



秋田からの投稿でした。



altエブリイでも全然帰れるっていう..
Posted at 2024/08/15 10:14:57 | コメント(2) | トラックバック(0) | EJ20壊して直す | クルマ
2024年06月30日 イイね!

ロングブロック

ロングブロックヤベエな・・・もう7月になっちまった。


あとはシリンダーヘッドだけなんだけど、ヘッドなんて、オーバーホールって言ったって、ガイドやシートが駄目になってる事なんて殆ど無いので、きれいに洗ってバルブのカーボン落として組み直すだけだから、擦り合わせやバルブクリアランスの調整が面倒くさいなって位のもの。
実際に大きな意味がある事は、バルブステムシールを新品に交換してオイル下がりをリセットするって事くらいで、掃除だのシム調整だのなんて、本当は出来ればやった方が良いよ位の話で、やらなくたって問題なく走るクルマにはなる。

だから予算を限って消去法で絞って行ったら、絶対やらないといけない事なんてそれほどないのである。


結局自分で出来ないからって言ってお店に頼むから、あれもこれもやった方がいいよ、ここは強化品があるから取り換えた方が良いよとか言って、必要ないのにバルブガイド交換だのシートカットやってついでにポンカムもいいよとか言って無駄にフルコースで見積り作られちゃって、何十万円も掛かっちゃう訳。

殆どの人がそんなの必要ないのである。

シムを交換するようなタペット調整が高価だったり面倒ならば、見えてる所だけ軽く掃除して、バルブシールだけ交換すればクリアランス調整だってしなくてもいいくらいだよ。


だから「だい」は、本当に最低限の事しかやらない。
ヘッドは掃除して、シールパッキン替えて、微調整して、それで組み戻す。
腰下だったら、洗浄して、ベアリングとガスケット類交換、場合によってはピストンリングを交換する事もあるけれど殆どの場合はそれも必要ないのでは?ってくらい傷んだりはしていないのである。

基本的には掃除して点検して問題なければ消耗品だけ交換して戻す。
これだけで充分にオーバーホールと言えるのである。
これでまた10万キロ20万キロと乗り続けることが出来るのだから。

充分なのである。





やや汚れてはいるが、確か8万キロ程度使用のエンジンだったと聞いている。
綺麗な方なのではないかな?

自分のように日頃から8千回転常用みたいな使い方だと、何万キロ使おうがスラッジのこびり付きなどは殆ど無いのだが、一般的なドライバーであればこんなものだと思う。
どれだけ3千キロ毎とかコマメにオイル交換をしていても、エンジン内の汚れというのは、日頃の使い方の蓄積であって、チョイノリが多いとか回しても3千回転4千回転みたいな乗り方だと、カム周りやクランクケース内にどんどんオイルスラッジが付着していってしまう。

オイル交換だけでは防げないのである。

回せるときはしっかり回し切るという事が、エンジンの日常的メンテナンスであるという事を知っている人は少ない。



相変わらず1000円のT字ハンドルと改造ソケットで外すバルブ周り。
何ならちゃんとした専用コンプレッサーより使いやすいんじゃないかと思っている。


分解した部品は何がどこに付いていたかきちんと判るように管理する事。
バルブスプリングなんかはINとEXの違いはないが、上下はある。
バルブはできれば元位置に戻せれば、クリアランス調整が微調整で済むとか、最低限のルールを決めて自分でしっかり管理する事。



バルブステムシールプライヤー。
アストロで1000円位のものだが、これがあるかないかで、随分変わってくる。

ラジペンとかだと中々手こずって、周りを傷にしたりしやすくなる。



メタルクリーンでのドブ漬け洗浄で綺麗になったシリンダーブロック。
バルブリフターとシム以外は洗浄液に漬けて洗いました。

自分はいつも、メタルクリーンかサンエスKのどちらかを使っていますが、通っている工具屋で安売りしてる時に買い込んでるので、まちまちですが、どっちも大して変わらんです。
メタルクリーンの方が高いですが、同量での有効水量が多いので、結局同じかなと思います。



ボール盤のチャックにセットしてスコッチブライトやペーパーを押し当てて焼き付いているカーボンを落とします。
この辺のカチカチの燃焼生成物は、アルカリ洗剤では殆ど落ちないので、物理処理で綺麗にするしかありませんね。

バルブのステムシール。
径は一緒ですが、インテーク用とエキゾースト用では違います。
エキゾースト用の方が熱に強いとかでしょうか、ゴム製とシリコン製と、みたいな事なのかな。

全部シリコン製でいいじゃん、という訳にはいかないのが工業製品。



同寸法なので、IN/EX間違えないように取り付けます。
パチンと嵌る所から少しぐっと押し込んで止まる所まで嵌めましょう。
嵌りが緩いと、燃焼室側にオイルが吸われます。


さてバルブクリアランス調整のインナーシム。
全て厚みを計測してから、元あった位置に戻していきます。

インテーク/エキゾーストバルブは、しっかり磨いて擦り合わせまでやったら、バルブステムがカム側にせり上がってくるので、2~3/100㎜程度狭くなってしまいます。
ただまぁ、そもそも長期使用による摩耗でバルブクリアランスは組み込み時より広がっていた筈なので、結果的には丁度いい位になってるか、やや狭くなってしまったかと言った所。

最後に測って調整しますが、今のシムの厚みが判っていれば、百分の何ミリ薄くすればいいとか厚くしたいとか準備すべきシムが導き出せます。



あとはルブを使った仮組みに留めて、シリンダーブロックとのドッキングに備えます。



そして昨日、文字通り重い「腰」を上げてエンジンスタンドにシリンダーブロックをセットします。

これが億劫だったんだよね。
納戸からエンジンスタンド引っ張り出して組み立てて、スタンドにセットする。
結構な重労働である。



忘れないうちにオイルポンプのプリロード調整。

普通はあんまりやらないけどね、社外のオイルクーラー増設などをしている場合は効果はあると思います。
奥に入ってるM6ワッシャーみたいなのを一枚二枚と増やして吐出圧を上げます。
実際ワッシャー1枚追加でコンマ5キロ位上がる感じです。
以前はアイドリングで2キロは掛けたかったので、厚み1ミリのワッシャーを二枚追加していました。


フリクションも確実に増えるので、今回は1枚追加でいいかな。


GC8のEJ207は、ピストン自体は同寸法な筈なので、ヘッドガスケットは20Kの1.4ミリでいいでしょう。
これがGDBとかVABのシリンダーブロックだったりしたら、ピストン冠面の形状が全然違うので(リセスの掘り方が全然浅い)後期の0.8ミリガスケットがいいでしょう。

がっつりブーストを掛けたいのなら、圧縮比は上げない方が良いですね。



オイルストーンとダブルアクションサンダーで死ぬほど磨き込んだヘッドとシリンダーブロックのガスケット面。
まぁ、実際はそれほど神経質になる必要はないとは思います。
ヘッドガスケットが抜けるのは、熱によるヘッドの変形によるものなので、結局使い方と言うか、オーバーヒートをさせないか否かに掛かっているものなので、丁寧に組んだからとか、社外のスゲーガスケットを使ったからとかでは防げないと思うんだよね。

オールアルミエンジンというのは、軽くて冷却に優れてはいるが、駄目になる時は一瞬という・・そういう弱さがあるよね。


なので、高いガスケットは使わずに、今回も純正のヘッドガスケットで行きます。
上側の2か所に新品のストレートピンを打ち込んで、表裏を確認してガスケットをセット。


あとはヘッドを乗せて、手順通りヘッドボルトを締め付けてヘッドを取り付けます。

何キロで締めて、もう一度何キロで締めて、一回緩めてまた何キロで締めて・・・みたいなヤツです。
もう何度も何度もやってるんで、いちいち紹介はしませんが・・・

トルクレンチ使用時に大事なのは、ボルトのネジの摩擦係数が一定である事なので、ボルトのネジ山にモリブデングリスなどをしっかり付けてからトルク締めをします。



反対側のバンクも同様に作業します。

昔は廃タイヤの上でボヨンボヨンしながら組んでたけど、やっぱり水平対向エンジンだけは、エンジンスタンドがあった方が良いね。
ぐるぐる回してヘッドを乗せる面を真上に持ってこないと、作業しづらいというのもあるけれど、ヘッドなんか横向きのままはカムを外すとエキゾースト側のバルブリフターがスー・・とかいって落っこちてくるんだよね。

タイヤの上なんかで良くやってたな・・・と今となっては思うけれども、
結局やる気の問題だよね、若い頃は金も準備も整ってないけど、やる気だけはあるみたいな感じだったから、工具も設備もないんだけど勢いでやれちゃうんだよね。

こうした方が良いとかああした方がいいというのはあるけれど、こうしなきゃダメだ!ってのは意外とないのが自動車整備。


「やるかやらないか」だけだよなw





やってやれない事は無い。


反対側も手順通りヘッドを取り付けして、一度カムキャップの締め付けまでしっかりやります。

そうしたら、シクネスゲージでバルブクリアランスの計測。
各々、カムとバルブリフターの隙間を測って数値を出します。

自分のバルブクリアランスの目標値はインテーク0.20ミリ、エキゾースト0.25ミリ(広い方へは1/100ミリまで許容)というもので、それよりも狭ければシムを薄くし、広ければシムを厚くして目標値を追い込むというもの。


何度も何度もやってるので手持ちのシムが結構ある。


DOHCなので、再びカムシャフトを外し、シムの計算表を元にシムを交換していきます。

インテークのクリアランスが0.18ミリでシム2.52の所があったら、2.50のシムに取り換えれば、0.20ミリになる。
エキゾーストで0.31ミリのクリアランスでシム2.43だとしたら、0.06減らしたいのでシムは逆に増やして2.49のものと置き換えれば目標の0.25ミリになるというもの。

これを16バルブ全部で実施する訳だが、うまいこと無調整で行ける所が3~4か所はあるので、まぁ12~3箇所を入れ替えと交換でどこまで行けるかみたいな話です。
ここを潔癖でやると手持ちのシムじゃ絶対足りなくて買う羽目になるんですが、1/100ミリ広い分にはOKとしているので、何とか手持ちの分で調整し切れましたね。

幾ら完璧に合わせたって、どうせ使ってるうちに狂っていきます。
最初くらいは合わせたいと思うのも判りますが、それほど結果に結びつく訳でもない重箱の隅をつつくような話なので、ほどほどでいいでしょう。



そういえば、わざわざ準備したGDBF型以降用のバルブリテーナーはバルブスプリングの径が違って使えませんでした。

よくよく考えたらそりゃそうだよなと。
そもそもGDBのシムレスリフターもEJ20Kには使えませんから、それが判ってる時点で気付けよって感じですけど・・・
GC8後期のEJ207から、シリンダーヘッド自体は全く異なっていて、バルブリフター径がひと回り大きくなっています。
バルブスプリングくらいは同じかなと思い込んでいたんですが、
違いましたよって話ですw

ただ、クリアランス調整用のインナーシムは、20Kも207(シムレスリフター以前の)も同じですので、20K用で検索して廃盤だ・・・\(^o^)/オワタ
ってなってる人も、GC8後期のシムが使えますので、まだ買えますので慌てないように。(”24.7現在)

イマドキEJ20Kをイチからしっかりやり直そうという奴も少ないとは思うが、まだギリギリ何とかなる状況。
のんびりしていると1、2年後にはもはや判らないので、調子悪いエンジンは今のうちに一発やっとこうぜ!

タイベルや、細かいホース類はひと通り揃えてあるので、あとは汚いインマニをどうするか~って所ですけど、もう結晶塗装は焼き付けが面倒くさいしまた剥がれてくるので、ウレタンで塗り直すだけでいいかなと思っています。

あ、エンジンマウントも買わないとだ。



altくそ!エンジンの載せ替えが真夏になっちまった!
Posted at 2024/07/04 19:35:59 | コメント(0) | トラックバック(0) | EJ20壊して直す | クルマ
2024年04月20日 イイね!

シリンダーブロック組み上げ。

シリンダーブロック組み上げ。単車を買ったり、GDBオイルパンを流用するか検討したり、色々と迷ってたおかげで遅々として進んでいないエンジンオーバーホール。

ぼんやりしていたら、夏までに載せ替えられないな。
お盆までにはNEWエンジンの慣らしまで終わらせて、秋田へ帰省したい。
今回のゴールデンウィークは、中3日平日だったので子供たちは学校。
4日間で秋田は流石にゆっくり出来ないので、家で過ごしました。


それでも何とか合間を見つけて腰下くらいは完成させたので、まとめておきましょうか。


今回使うEJ207のオープンデッキシリンダー。

ガスケットは抜けるわメタルは流れるわで、20年間大変楽しませてもらった本来搭載のEJ20Kには退役してもらって、強度があるというEJ207の腰下を譲り受け、作り直しています。



何が具体的に違うのか、後で検証しようと思いジャケットの深さなど簡単な計測。
ボルトの取り付け座面は全てガスケット面から80ミリ。
底の方はうねうねしており、40ミリなど浅いところもあります。



対してこちらは昔降ろしたEJ20Kのシリンダーブロック。
ベランダのコンテナから引っ張り出しました。
場所取るだけで使うことないからな・・・処分だろ。


20Kもボルトの取り付け座面は80ミリでした。


EJ20Kのウォータージャケット全景。
明らかに207よりすっきりしていてジャケットが深い。



ボルトの座面以外は一様に深く、207のように浅い所が無い。


こちらは再びEJ207。
写真では判りにくいが、大小のリブが追加されており、部分的に40ミリまで浅くなっている所が出来ている。


オイルパン側はリブが一本づつ追加されている。


上面側は太いリブが入り、フロント側はそのまま浅底になっている。
成る程、浅底オープンデッキだ。



ぱっと見同じで代わり映えしないと思っていたので、強度アップも半信半疑でしたが、ようやく腑に落ちました。

最強はセミクローズドデッキは間違いないでしょうが、これだけメーカーが意識して対策してきているのだから、ただのEJ20Kよりは遥かにいいでしょう。
極端なパワーアップを求めない限りこれで充分なのかも知れません。




シリンダーにピストンを押し込む前に、ピストン合口の位置関係や、レールの返しなどが溝に合っているか再度確認。


シリンダー内壁にたっぷりとアッセンブリールブを塗り付けて・・・


ウチで20年選手のアストロ製リングコンプレッサーを使い、ピストンをどつき込みます。
普通はブロック同士接合した後、最後にピストン挿入かな?
ま、先に入れても変わらないかと。


メーンベアリングやブロック間のOリング、ジャケット内締結ボルトのシールワッシャーなどを準備してシリンダーブロック接合の最終確認。
液体ガスケットは家にあったロックタイトですが、条件を満たしていれば何でも大丈夫だと思う。


締結ボルトもウォータジャケット内で留まるものとそうでないものがあるので、シールワッシャーの必要なボルトを間違えないように。


クランクベアリングだけで3種類。
溝あり幅広2か所、細身プレーン2か所、溝ありスラストベアリング付き1か所。


スラストベアリング付きは一番リヤ側に。


あとは細身と溝ありが交互に来ます。



分解時の元々のベアリングが流れかけていたのが気がかりですね。
瞬間的に油膜切れが起きたことが原因だと思います。
やはりシリンダーブロック自体の強度は上がっていても、ベアリングが流れる事とは原因が別なんですね。
オイルクーラーやら、オイルパン、バッフルの形状など、個別に対策しなければ抜本的な解決にはならないでしょう。
やっぱりオイルポンプはテンションスプリングのプリロード調整もした方が良いな。(アイドリングで温間時2キロ近くあると安心)


GC8は、サイドターンからの全開立ち上がりなどでのメタルブローが多い。
小旋回での高G状態によるポンプの空吸いが原因である。
なので、なるべく油面を高く保つために、問題が生じない範囲で多めにオイルを入れておいたり(規定量より500ml程度は大丈夫)、硬めのオイルを使用したり(夏場20W-60冬場15W-50など)油温が高くなり過ぎないようにオイルクーラーなどで冷やす(サラサラだと偏りやすくなる)。
油温計を付けて110℃未満を保てるようにコントロールする。
バッフルスチフナなどで、オイルの片寄りを物理的に抑える。
などが効果的である。




メーンベアリングとジャーナル部分にはたっぷり組み付け油を塗付して、


丁寧にクランクシャフトアセンブリをどちらかのブロックに乗せます。
乗せたシリンダーブロックの気筒を担当するコンロッドを下にぶら下げ、残りの2本を上に立たせておきます。
大小4か所のOリングを乗せておき、合わせ目に液体ガスケットを塗っていきます。


GR86の液ガス問題なんかがありますからね。
EJでも充分に同じことが起きると思うので、多過ぎず、かと言って足りないなんて事が無いようにしっかりと塗布します。
特に内側に沢山はみ出ないように配慮しました。
それでもやはり気持ち多めに付けてしまいますがね・・・。



あとは規定の方法でボルトを締め付けます。
(2キロで仮締めののち、90°の角度締め、対角順守)
外殻の細かいネジは後から付ければ大丈夫。



あとはコンロッドとピストンの結合ですが・・・
4グラム軽いGDBピストンピンを流用しようと思ったら、GCピストン用より少し長いんですね・・・これでは使えない。
GC8とGDB、ピストン寸法全く一緒ではないんだな。



コンロッドが動いてしまいやすく、なかなかピストンピンとの穴位置が合いにくいので、クランクシャフト側から適当なレバーなどでコンロッドを固定して入れました。



意外とすんなりいかないので、4か所入れるのにずいぶん時間が掛かってしまった・・・高々ピストンピンを入れるだけでこんなに苦戦したっけか。

ポカを出来ない部分なので、集中力が切れたら一旦辞めることにしています。




サービスホールのメクラ蓋のパッキンを全て新品にし、閉じる前にピストンピンサークリップが完璧に嵌っているかを再確認します。

こういう事は何度も何度も確認するんだよ。



クランクケース内のM6のネジも忘れずに取り付けし、ケースの内側の見える範囲内の液ガスのはみ出しを手で撫でつけておきます。(剥離防止)




クランクシールリヤを取り付け、
新品パッキンとクランクシールフロントを取り付けたオイルポンプこれまた液ガスで貼り付けます。(フロントのクランクシールは後でだと打ち込みづらいよ)

サーモスタットも調子良さそうなので純正の78℃をそのまま使用。
(これ以上下げると、冬場ヒーターが暖まらないです・・)



そして、悩んだ挙句購入に踏み切ったGDB等長エキマニ用オイルパンセット。

オイルパンがGC用より深くなるので、オイルレベルゲージとオイルストレーナーもGDB用を使わなければなりません。
ガイドはGC用もGD用も同じ物なので買ってません。


取り敢えずエキマニは現状のGC用シムスを続投しますが、次タービンが逝ったらGDBツインスクロールタービンとエキマニを投入予定。
後で車載でオイルパン替えるの面倒くさいからね。


中古品ですが、オイルパンバッフルもGDB用に換えます。


吸い込み口の形状が変わっており、オイルパンに合わせて少し長くなっていますね。
オイルパンをぶつけて凹ませても、底と密着しないように、イボが付いたシュラウド形状になっています。



取り付けするとこんな感じ。
ストレーナーの麓のパッキンを入れ忘れるとエア吸っちゃうので注意。


あとは忘れ物がないか確認したらクランクケース同様、液体ガスケットにてオイルパン取り付けたら腰下終了。


GC8後期型EJ207シリンダーブロック流用、ピストン再使用、GDB純正コンロッド流用、ピストンリングとベアリング類全新品、オイルストーンによるガスケット面修正、GDBオイルパン流用など。

オーバーサイズピストン使ってシリンダー掘り直して、ブロック上面面研までして~とか、社外コンロッドにバッフルスチフナに・・・お金を掛ければ幾らでももっと良くすることは出来るだろうけど、



贅沢言わなければこの辺で充分かな、とは思う。


エンジンってのは案外丈夫で、20万キロ走ったって、50万キロ走ったって、実際はメタルだのピストンクリアランスだのなんて殆ど基準値で収まってたりする。

メタルが流れたり、ガスケットが抜けたり、オーバーヒートさせたりだとか、明らかなトラブルを発生させない限り、オーバーホールなんて必要ない事が殆どである。

カムやクランクのオイルシールだとか、タペットカバーのパッキンくらい替えてオイル滲みだけ気にしておけば、大概は50万キロだって80万キロだってそのまま使えるのがエンジンなのである。



私のGC8のように、型式特有のウイークポイントがあるのに対策が不十分のまま競技レベルのシビアコンディションに持ち込んでしまうから壊れてしまうのであって、
ノーマルのEJ20Kであったって、普通の人が普通に足で使うだけならまず壊れずに何十万キロも使える筈である。
きちんとメンテナンスを怠らなければ、完全潤滑が果たされているエンジンというものは恐ろしく頑丈なものである。
10万キロ乗ったから、20万キロ乗ったからと言って、トラブルの出ていないエンジンをフルオーバーホールする必要など全くないのだ。

チューニング系の雑誌やらショップのいう事なんて鵜呑みにしてはいけないよ。
知らないからって大袈裟に言ってる事が殆ど。



実際は壊れてから直せばいいのだ。


alt浅底オープンデッキ。
Posted at 2024/05/05 23:08:48 | コメント(0) | トラックバック(0) | EJ20壊して直す | クルマ
2024年03月30日 イイね!

9年ぶり

9年ぶりヲレのGC8のエンジンがそろそろヤバイ。

まぁ多分、水とかオイルの量をちゃんと管理していればブローはなかなか無いと思うけど、オイルをかなり消費するので遠乗りの時は補充用のオイルを1~2Lは積んでいないと危ないです。
1000キロで1Lくらい無くなるかな?

前回のオーバーホール時(2015年)にはピストンリングはケチって換えなかったからね・・・
そういえばヘッド自体は前回はノータッチで、前々回のオーバーホール(2011年)の時から使っていますので、もう13年経ってるか・・・。
そりゃあオイルも減るわな。

オイル足し足しくらいで乗り続けられるなら、別に重い腰を上げる事は無かったが、いよいよクーラントにオイルが混じるようになってきた。
リザーブタンクに油が浮くようになってきたんだよ。
あとはヘッドガスケット抜けによるクーラントへの排ガス混入が顕著に。
過給を掛けると一気に水路へ排ガスが抜けるらしく、高速に乗った後などは加圧タンクの半分以上が排ガスになってしまっている。
普通に乗っていてもキャップによるエアの自己排出が全然追いつかないレベルなので、定期的に継ぎ足ししてやらないと管路にエア溜まりが出来てしまい、クーラントの循環不良が起きてオーバーヒートしてしまいそうになる。

GC8の部品も廃盤に次ぐ廃盤で、あまり先送りにするといろいろ買えなくなるなと思い、今回は一通りやることにしました。


所有20年。
エンジンの造り直しはこれで5回目となるようです。
よくまあ壊れるなと思うけれど、乗り方も酷いからね・・・競技車両と思えば、メンテサイクルも妥当なレベルかな・・・と思う事にしようww

ただまぁ、EJ20Kってのが良くないんだろうね。
兎に角ヘッドガスケットが抜けるんだよ。
走った後リザーブタンクからクーラントが溢れてるヤツ、全部ガスケット抜けです。
アプライドDだのEだのって・・最早知り合いは誰も乗っていないので、比較や実状は良く判らないけれど、GC8のF、Gとか、GD以降のEJは殆どブローっていうか、ガスケット抜けに限っては聞かないので、EJ207とかEJ205など98年以降のシリンダーブロックは対策されていて頑丈だという事だろう。

GC8のF、G型のEJ207では、セミクローズドデッキではなく、まだD、E型と同じオープンデッキシリンダーのままではあるが、フェーズ2からは色々変更されている。
シリンダースリーブを支える肉付けが変わっていて浅底オープンデッキと呼ばれるブロックとなっている。
この他、クランクシャフトの前後方向の動きを規制するスラストメタルの位置が中央部分の3番ベアリングから一番フライホイール側の5番ベアリングとなっており、何らかの対策がなされている。
F型から採用され始めたクラッチスタートシステムに合わせた対策ではないかと筆者は勘ぐっているが定かではない。


今回は、以前から準備しておいたF型207の腰下をリファインして流用し、更にストックで持っていた20Kのヘッドをオーバーホールしてショートエンジンを完成させてから積み換える作戦です。

積んであるエンジンを降ろしてオーバーホールして積み戻すというのは、不動時間が長く、途中で部品の調達がままならないと詰んでしまうので、もう一機作ってポンと積み換えるのはいつもの手法。
何か月もクルマが使えないのは不便だからね・・・クルマにせよオートバイにせよ、壊れる前に別にベースエンジンを準備しておく癖がついているんだよ・・。
長く乗っていればエンジンなんて必ず壊れるからね、いつも壊れる前提で考えてしまう。

普通に考えたらそれはそれで異常なのかも知れんが。

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相変わらず四畳半の狭い部屋でエンジンをバラしています。

オイルパンやらオイルポンプやらを外して殻割りする準備をしています。
残油でデロデロにならないようにエンジンオイルは時間を掛けて落としてあります。
20万キロ以上使用されているエンジンなのですが、実動機から降ろしているので特に問題は無い筈。
何が駄目で何がそのまま使えるのかひとつひとつ確認しながら分解していきます。


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殻割りの前に、前後4か所にあるサービスカバーを外し、クランクシャフトを回転させてピストンピンを抜く準備。
ピストンピンサークリップをラジペンなどで外してピンを抜くのですが、引っ張り出すために掴めるような所が無いので、ピストンピンの中空部分にカギ棒のようなものを突っ込んで引っ掛けて引っ張り出すか、真反対のサービスホールから細長い棒で押し出すかどちらかになります。

GC後期やGDBなどだと軽量化の為にピンの中空部分がテーパーになっていて引っ掛けづらいので、反対から叩く方がやりやすいかな?
まぁ何にしろフルフローのサークリップ留めなので、上手くやれば簡単に抜けてきますよ。


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6.3のロングエクステンションで押すのが丁度良い塩梅。


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ピストンピンを全て抜いたら、大小17本程ある締結ボルトを全て外してシリンダーブロックを分離。
クランクシャフトを取り出します。
ピストンはシリンダー内に残るような按配になるので、ハンマーの柄などでヘッド側にコンコンと押し出します。

締結ボルトのうち、頭が12角になっているM10のボルトはヘッドボルトのように対角&角度締めで管理されているので、むやみに一本づつ緩めるのではなく、対角を意識しながら3段階位で緩めるのがいいでしょう。


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シリンダーブロックの合わせ目は、液状ガスケットと4つのOリングで気密されています。
クランクシャフトは、シリンダーブロックにメインベアリング載せて挟む事で他のレシプロエンジンにある様なベアリングキャップを廃しています。
スラストメタルはフェーズ2より#5ベアリングと一体になっており、Cチャンネル状に縁が立ち上がった形になっています。
こういった少し特殊な構造なのが水平対向エンジンというものです。

ベアリングトラブル(メタル流れ)が多いイメージのボクサーエンジンですが、殆どは大端ベアリングのブローによるもので、メインベアリングは状態がいい物が多いですね。
今回も再利用が出来そうなくらいおかしな摩耗はありませんでした。

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何はともあれ、シリンダーブロックやピストン、オイルポンプ辺りの人たちにはアルカリ洗剤のお風呂に入ってもらい、積年の汚れを落としてもらいます。

浴室に大きめの収納ボックスを置き、給湯器最高温度60℃のお湯と沸騰させたお鍋のお湯をブレンドさせて75℃程度のお湯張りを作り、サンエスKをかき混ぜながら溶かして入れます。
ここにシリンダーブロックやらピストンやらオイルパンやらをぶち込んで3時間程度漬け込みます。

汚れの酷い所は途中途中でブラシなどで擦り洗いをして更に漬け込んでやると、どれだけ固まったカーボンスラッジなどもほぼほぼきれいになります。

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アルカリ洗剤液はお湯シャワーでしっかり流して、部品が温かいうちに、日向のベランダなどに並べてしっかりエアブローをして乾かします。
オイルポンプなどは内部のトロコイドが錆びたら嫌なのでしっかりエアで飛ばして、シリンダーブロックも油路や水路などの水分や剥離したカスなどが残らないように念入りにエアブローします。

コンロッドやクランクシャフトは別に汚れていないですし、錆びたりする方がイヤなので洗いません。

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今回も再使用のピストンですが、これも状態は良さそうですね。
トップやスカートのアルマイトも殆ど削れていませんし、リング溝などもきれいでした。
それでもダメ押しで残ったカーボンなどをピックなどできれいに掃除して、エキスパンダ溝にある穴などもしっかりほじっておきます。

何れにせよピストンは綺麗。

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あとはピストンリングは交換。
コンロッドはベアリングを新調し、GDBC純正に交換。
メインベアリングも新品を準備しています。

まぁ、何だって言ったってベアリングというベアリングは全て交換した方が良いですね。
EJ20は特にと思いますが、ベアリングのアタリというか摩耗具合というものは、使う人の回し方のクセが付くもので、高回転を常用するのか、あまり回さないのか、過給を強めに掛けるのか、エンブレを多用するのかとか、乗り方は人それぞれなんだよね。

ベアリングだとかピストンリングだとか、バルブシステムもそうだけど、機械には摺動部分というものが必ずある。
その摺動部分の耐久性というものが=機械の耐久性といっても過言ではない位重要な部分である訳で、特にクルマなどの大きなエンジンのベアリングはプレーンメタルという事もあって癖やアタリの個体差が付きやすい。

酷使されることなくやんわり長く乗られてきたエンジンを、いきなり競技レベルのシビアコンディションにぶち込むと、攻めた時に本当に欲しい所のクリアランスが無くていきなりブローしたりする。
誰かが乗って付けたアタリは、他の誰かの癖に合わなかったりする。
自分のエンジンのアタリは自分の乗り方で付けなければ、本当に信用できるエンジンにはならないとヲレは思っているので、ベアリングは必ず新品にする。

2Jとか3S、RBみたいに誰が乗ろうが壊れないよって言う屈強なエンジンならいいけどね、EJ20のようにコンパクトでキャパシティの小さめのエンジンを使い切るにはこういった枢要部分のマネジメントが長く使う鍵である。
ベアリングと油圧管理。
逆にここにさえ注視していれば、致命的に壊れる事はないのでは?
というくらいEJ20は基本的には丈夫なエンジンだと思う。

GC中期のガスケット抜けに関しては、管理の問題ではなく設計的な欠陥なので、前期のクローズドデッキか後期のセミクロなど強いシリンダーブロックを流用する以外にないと思う。

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GC後期の浅底ウォータージャケットというのも微妙なラインではあるが、まわりのF型G型乗ってる人も抜けてないしね、20Kのヘッドとの組み合わせでどうかって言うのはあるけど、基本的にはブロックが強ければエンジンは壊れないという常識があるのでね、大丈夫だろうと期待しているのだ。
アプライドDでもRAのモデルや、伝説のクーペモデル22Bなども、中期の20Kをベースとしながらもブロックのみ前期のクローズドデッキを採用しているという背景がある。
シビアコンディションでは持たない事をメーカーも認めているのである。


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カチカチのウォーターパイプのパッキンをほじくり出して掃除し、折れ残ったボルトなどもガストーチなどで真っ赤になるまで炙ってやると簡単に取れる。
あとは大小無数にあるネジ穴を全てタップで浚う。
これだけで組み付けは格段にスムースになる。
だいたい一か所や二か所は、組み付けでボルトが入って行かない等のトラブルがある。
あとは組み付けるだけなのにボルトが折れて、周辺のパーツをまた外してエキストラクターを立てたりとか煩わしいことこの上ない。

時間ならあるのでゆっくりやろうw


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位置決めのストレートピンというのが意外と外しづらくて、ただそのまま咥えても潰れたり千切れたりして汚くなる。
内径ピッタリ位のボルトなどを入れてやるとしっかり咥えられるので外れますよって言うんだけど、案外そんなちょうどいい径のボルトって無い。

何か無いかなとゴソゴソやってると、出てきたデカめのエキストラクター。

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お、丁度いいな。
しっかり食いついたのでラスペネ吹きながらぐるぐる回すと、再使用出来そうな程きれいに外れてきました。

このピン外さないとヘッドとの合わせ面をきれいに掃除出来ないんだよね。
面研までは出さないので、オイルストーンなどできれいに均したいのだ。


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クランクシャフトからコンロッドを外します。

写真で見てわかるくらい、大端ベアリングの摺動面が荒れている。
一瞬流れかけた様な剝離痕がある。

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ここまでくると、乗り方の癖やアタリというよりはトラブルだけど、EJはこういう個体は多いだろうね・・・こういう中古エンジンをリペアせずに使うと、峠やサーキットの一発目でブローって図式になる。

後付けオイルクーラー無しのGC8って、
油温計付けてる人なら判る事だけど、とんでもない油温になる。
真夏のサーキットや、テクニカルの多い峠などでは数分で130℃に届きそうになって恐ろしくて踏めなくなる。
120℃を超えたら、エンジンオイルなど水みたいなものなので、油圧は格段に下がってしまい、完全潤滑が怪しくなってくる。
ここに横Gなどで一瞬でもストレーナーがオイルを吸えないと、コンロッドメタルは一発でドロドロに溶けてしまう。

その昔サイドターンを多用するジムカーナなどでGC8のメタルブローが頻発したのは、突発的なG変化でオイルパン内のオイルが極端に偏ってしまい、ストレーナーが吸えない瞬間が出来てしまった事が原因だった。

対策としては、エンジンオイルの基本的な粘度を上げてやる(ヲレは20W-60とか使っていました)とか、0.5L程度多めにオイルを入れるとか、社外のオイルクーラーを入れて絶対油温を下げ、偏りにくくするなどだった。
自分の肌感覚だと、エンジン油温を110℃以下に抑え込み、オイルレベルはFの文字に掛かるくらいのオイル量を守っていれば、先ずメタルは流れた事が無いという経験則がある。

ビッグボアの為、ブローバイが多くオイルの減り易いEJ20。
オイルの量だけは常に見ておいて、常に継ぎ足せるような気遣いが必要である。

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さて、GDBCのコンロッド(12100AA180)と新品のコンロッドベアリング(12108AA290)をクランクシャフトに組み付けていきます。

手元には3種類のコンロッドがありまして、元々使っていた20Kのコンロッドと、今回バラした207のコンロッド、あとは別で準備していたGDBCの207コンロッド。
重さを比較してみました。

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これはGC8のEJ20Kのコンロッドで616グラム。
手持ちの4本ともすべて測りましたが、狂いなく616グラムでした。

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今回外したGC8のEJ207用コンロッドは609グラムで見た目は全く同じですが、7グラム軽くなっています。
これまた4本とも狂いなく609グラム。
これが軽量化によるものなのか、単なるロット違いによる差なのかは不明。

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GDBのEJ207コンロッド。
格段に軽い582グラム。
形状はだいぶ変わっていますが、130.5㎜というピンピッチは同一。
キャップだけ持つとGCの物よりズシリと重い感触。
コンロッドメタルのトラブルが多い事を受けて、ベアリング支持部の剛性を上げてきているんだと思う。

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これもロットの差なのかは判りませんが、GDB用の方が軽いピストンピン。
重量合わせがしっかりしているのか、4つづつ全て揃っているのが素晴らしい。

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しかし、クランクシャフトにGDBコンロッドを組み付ける段階でトラブル発生!
ベアリングを付けて組み付け油を塗布し、ボルトを規定トルクまで締めると、一本だけ全く動かせなくなる程キツイものがあった。
ジャーナルを変えてもコンロッドに付いてくるので、コンロッドが不良なんだろうと内部計測したりしてみるんだけど、縦横比が5/100㎜くらい違うって感じだが良く判らない。
歪んで楕円になってしまっているんだろうと、写真のように広い方をプレスで押してみたりしますが全く変わらず。

最大出力時には10トン近くの力が常にかかっているピストンやコンロッド。
10トンプレスでやんわり押したところで何も変わらんか・・・。

諦めて一本新品で買う事に。

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12100AA180が廃盤扱いで、代替のAA181というものが同一部品のようなので、中古も出回っていないので9000円弱程度で新品を購入。

金無いのによ、手痛い出費だぜ・・・。

しかも、これだけロットが違うと重さが全然違うのでは?という不安は的中で、

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594グラム・・・582で揃っていたのによ、プラス12グラムは流石にそのまま使えない。

12グラムってどれくらいだよとその辺の適当なネジを測りに乗せてみると・・

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M8のこの位のネジが12グラム・・どこ削るんだよそんなによ。
製造時に使った材料のロット違いでもこの位の重量差は出るんだろうな・・・。
こういうエンジンで使う部品は重さごとに棚で管理しているだろうからね、こんな風に単品でコンロッドを買うとか、ピストンを買うとかっていうのはちょっとイレギュラー過ぎるんだろうな。

届いたコンロッドをぼんやりと眺めていると、キャップの嵌合符号が気になった。
セットでボーリングしているので、ロッドとキャップはセット品で相方が変わってはいけない。
なのでバラバラになっても判るようにアルファベット二文字の組み合わせで同じ記号がロッドとキャップそれぞれに符号が彫ってあるのだ。


まさかな・・・


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使えないだろうと放っておいたGDBコンロッドを急いで見に行くと。


キャップとロッドの符号が合ってない!

おいおい何でだよ、ベアリング組み付け時に他のコンロッドと入れ替わっちゃったのか?クランクに取り付けてあるコンロッドも確認すると3本でそれぞれ違う相方のキャップが取り付けてありました。

こいつらはたまたまきつい方向に違いが働かなかったのか・・・?

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全部取り外してきちんとアベックどおり組み合わせ、再組付け。

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一応プラスチゲージで全隙間を計測してから本取り付け。
値は全て基準値内。

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ちゃんと組めましたww
4本とも同抵抗でスルスル動きます。

チクショウ、最初にちゃんと相方揃えた筈なんだけどな・・隙間計測したりで何度もバラして組んでってやってるうちに二個目に取った奴を間違えたんだろう。
そうすりゃあ三つとも全部間違うw

いやいや良かった。

新品のコンロッドだけ余計だったが、ま、結果的に組めた訳だから結果オーライで行こう。

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よし、もう部品待ちはないので残りの作業もやってしまおう。
ピストンリングを取り替えてしまえば、腰下はもう組み立てられる。


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まずはピストンリングの合口の確認。
狭すぎると焼き付いてしまうし、広すぎるとオイル大食いエンジンになってしまう。
大変精度の高い部品なので余程の事が無い限りスタンダードにはスタンダードの隙間で作られていますが、シリンダーやピストンが再使用なのでどれくらい開いているかを見るだけの作業。

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トップリングで概ね0.35㎜程度(限度値1.0㎜)

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セカンドリングで大体0.45㎜前後(限度値1.0㎜)
オイルリングで0.5~0.6㎜程度でした。(限度値1.2㎜)

特に偏った数値は無く、全て基準値内。

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あとは慎重にリングをピストンに組み付けていきます。
ピストンリングを広げるプライヤーもありますが、コイツは広げ過ぎてしまうような感じがして怖い。
注意深く作業すれば手で組む方が安心です。

ピストントップから入れるので、順番が決まってきます。
まずオイルリングのエキスパンダをセットして、ロアレール、アッパーレールと入れて行き、次にセカンドリング、最後にトップリングと組んでいきます。トップリングとセカンドリングには上下があるので刻印を確認して上になるように組みます。

オイルリングのアッパーレールだけ上に向かって返しが付いており、ピストン冠面のフロントマークを15分の位置に見た時に47分付近の上側に向かってに窪みがあるので、返しをそこに合わせます。
位置が決まってくるのはここ位なので、あとは使ってるうちに回ってしまうでしょうけど、取り敢えずトップリングの合口は40分付近、セカンドリングとエキスパンダは20分付近、ロアレールは10分辺りで組み付けろと整備要領書には記載されています。
まぁ、だいたいでいいと思うけど、位置決めがある所と、リングの裏表だけ間違えんなよって所です。

あ~疲れた。
期限が無いのでゆっくりやろう。
今回は結構部品代を掛けたので、失敗はしたくない。
(それでもエンジンの部品だけなら10万円以内ですがw)



それにしても・・・
何度も何度もやってるEJ20のオーバーホール。
好きでやってる訳じゃないんだけど、結構壊れてくれたお陰で何度も何度も降ろしたり積んだりしている。
単なる腰下交換が1回。
腰下OHは今回で3回目。
ヘッドOHは2回目となる。
今回は腰下だけとか、ヘッドだけ~みたいなのもあって、通算で5回とか6回とかエンジンを降ろすことになっている。

自分でも良くやるなとは思うが、全部自分で作業している事と、その都度最低限の部品しか交換しないので、金は殆ど掛かっていない。

過去の経験則に基づく対策や気遣いもあってか、当初悩まされた大端ベアリングのブローというものは無くなった。
ただ、未熟成の形式故のマイナートラブルを解消しきれず、今回の腰下の流用に至ったという経緯がある。

20年も所有して漸く、攻めても壊れないエンジンが出来そうな予感がしている。
こういう細かい事を時間を掛けて確認しながら、ちょっとづつ仕上げていくのが自分なんだろうなぁと思う。

大きくすっ飛ばして、GDBのエンジンを丸ごと載せちゃうとか、GRBとかVABに乗り換えちゃう方が余程結果が付いてくるのでは?とは思うのだけど、なんだろうね、多分そんなことまで求めていないんだろうね。
何かそれだと、彼女や奥さんに不満があるから別れちゃおうとか、取り替えちゃおうみたいな感じがしてね・・・。
何に乗ったって、誰と付き合ったって、不満なんて絶対あるんだから、自分側が折れたり、頑張って修正に取り組んでいけば、大概の事は上手くいく。

何かトラブルがあっても、あとちょっと手を加えるだけで全然解消できるな・・・
くらいにしか思っていなくて、基本的には全然不満に思っていないんだよね。

あーだこーだと文句ばかり言ってはきたけれど、やっぱりGC8というクルマが好きなんだろうね。

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altしかし、汚ぇ四畳半だな・・・。

Posted at 2024/04/01 00:47:30 | コメント(1) | トラックバック(0) | EJ20壊して直す | クルマ
2021年12月30日 イイね!

年内滑り込みエンジン始動

年内滑り込みエンジン始動本当に忙しかったんだ。

こんなコロナ禍にあって、会社での仕事が究極に忙しくなり、極小企業ということもあって労働基準もコンプライアンスもあったもんじゃなかった。
収入はそれなりに良かったが、自由な時間がないのだから、それは人よりも稼いだとは言えない。

ただただ自分の時間を労働時間につぎ込んだだけに過ぎない。

矢鱈と頼まれるから、年がら年中ひとのクルマの面倒を見ているんだけれど、何度も言うけれど基本的にはただのサラリーマンなので、自分の休みを削ってクルマを直しているだけなのである。



そんな中でのポンさんのエンジン製作依頼。

時間が掛かるけれど、ヲレの割ける時間の中でしか進められないからね・・・
そう念を押して釘を刺してのスタートだったが、やりかけの仕事が手元に残ってる事が基本的に嫌なヲレは、最大限の尽力で進めた積りだったが、3月にドナーエンジンを準備する所から始まってエンジンが完成するまでに9か月も掛かってしまった。
まぁ、内5ヶ月は受注生産のピストンや、ボーリングの作業待ちではありましたが、まさかここまで掛かるとは思っていなかったので、最後の方はなんとか年内に間に合わせたい一心でしたね。


alt
GDBCの中古シリンダーブロックとストックで持っていたヘッドでのエンジン製作でしたが、タイベルカバーの背板や、水回りの配管、インテークマニホールドなど現車エンジンからの移植部品が迫り、漸く車両側の作業となりました。

25万キロ走ってなお特にトラブルもなく走っていたSTi verⅤ EJ207。
おつかれ生です。


alt
カバーの背板を移植して漸くタイミングベルトの組み付け。

alt
数えきれないほど組み付けてきたEJ20のタイミングベルト。
非常に長いベルトを使っていますが、特に難しい点はありません。
通常のレシプロエンジンの基本に忠実に組むだけですね。

alt
腰下はGDBの物ですが、GC8のヘッド(GCのECU)主導でドライブするので、クランクスプロケはGC8の物を使います。

alt
alt
alt
贅沢にも樹脂のカムスプロケは新調しました。
各所の合いマークがしっかり揃っていればタイミングは間違いありません。

alt
全ての印が揃っていますね。
こうやって面倒でもいちいち写真を撮るのは、間違いのない作業が行われたかどうかのエビデンスになります。

フェーズⅡから左バンクのインテークのみ金属スプロケになりました。

alt
仮組みで間違えてGC用を付けていたオイルレベルゲージ。
比べてみると長さが違います。

alt
レベルゲージの差し込みの位置はGCもGDも同じと思いますが、LOW/HIの高さが変わっていますね。
GDBCの等長エキマニ用オイルパン内では基本油面が上がっているという事になります。

オイルパンの底辺の高さは殆ど変わっていませんが、GDBですり鉢状になったことで簡単に言うと縦長になったので同じオイル量を入れたら油面は上がるという単純な理屈だと思うんですが、これはストレーナーの空吸い対策だと思われます。

GC8でも空吸いでのメタルブローが問題となっていましたが、エンジンオイルを500㏄程多めに入れておくとメタル流れが防げていました。
GDBCのオイルパンではすり鉢状に縦長にすることでオイルの片寄りを防ぎ、油面を上げることで更に空吸い耐性を上げたのだと推測できます。

GDではGCになかったバッフルを追加する事でクランクシャフト側へのオイルの飛び込みを防いでいるので、ぎりぎりまで油面を高められたのでしょう。

レベルゲージひとつで色々推察できるなあ。
(あくまで推測)

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GD用レベルゲージを取り付けし、水回りの配管を全て移植してショートエンジンが完成。




さて、エンジンを狭い部屋から外へ引きずり出し、車体に乗せる準備です。
多忙故時間も無いので、下調べ無しの現物合わせでのシリンダーブロック流用。

GC用で行くのか、GDB用を用いなければならないのか、
見比べながらの部品選定です。
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先ずはツインスクロールタービン流用に伴う周辺配管の移植。
水の配管が一本違う。
GCではL字型に曲がっている配管が、GD用ではストレート状になります。
曲がっているとGDBタービンと干渉します。
ヘッドに圧入の水の戻りの配管は同じ物でした。

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あとはタービンのステーも当然GDBの物を使います。

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水冷オイルクーラーと周辺配管は、GC用GD用共に使えますが、GD用の方がクーラーの容量が大きい事と、水の配管がよりエキマニを避けているので、迷わずGD用を選択。

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これで漸くタービンとエキマニ、インマニを装着する準備が出来ました。

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GDBCの等長エキマニの装着。
純正の遮熱板は極力そのまま使った方がいい。

火災が多いインプレッサ。
バンテージなどなるべく使わない方がいいのだ。

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GDBタービンVF37を装着。

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等長形状とツインスクロールの4-2の集合管。
タービンの風量がGC8から特別増えた訳ではないが、排気干渉を極力抑えた排気システムとなっている。

排気干渉とは何なのか知らない人の為に少しだけ中訳。


偶数気筒数のエンジンに必ず存在する排気干渉。
複数気筒の排気バルブが同時に開くことで、排気タイミングの気筒が無排気の気筒の通路に逆流する事で発生する排気抵抗である。
高圧の排気流路の途中に低圧の部屋が現れれば、そちらに圧力が移動してしまうからだ。

水平対向エンジンは構造上1・2と3・4とが同時に上下するピストンなので、等間隔にずらして上下させる直4などに比べて排気干渉が出やすいエンジンと言える。
昔のスバルのエンジンがVツインのようなドコドコと腹に響く排気音を轟かせていたのはその排気干渉によるものだった。
それらをうねるように長い排気管を用い合流するタイミングを巧みにずらして集合させることで排気干渉をだいぶ抑えることが出来る。

社外の等長エキマニなどに交換するとドコドコ音が消えるのはその為である。

GC8用の社外やBG9エキマニではタービンの手前で集合させていましたが、1・2と3・4を分けてギリギリまで個別に導くとより高い効果が望める為、GDBのC型からタービンハウジングまで二系統で分けて合流させる手法が取られました。
これがツインスクロールターボです。
カタツムリの中で、排気ホイールに当てる直前まで二系統で分けているんです。

よく考えてありますね。


因みに、GC8のシングルスクロール用の等長エキマニでも、殆どのメーカーがタービンサポートまでの二系統分けであるのに対し、シムス(マキシムワークス)のみがタービンサポート一体型でタービン直前まで二系統に排気を分けた構造としています。
取り付けこそ大変ですが、非常に拘った作りのエキマニだったんですね。


GC用のどんな社外エキマニよりも優秀なGDBC純正エキゾーストマニホールドと、ツインスクロールタービンのセット。
等長だ不等長だと言うだけで劇的にパワーアップするとは思いませんが、ほんの数%の排気効率の向上と、直列エンジンのように音が揃う事の合わせ技で非常に良くなった!と感じさせるような、プラシーボの助長が殆どとは思います。

GDBが速いのはツインスクロールターボだからではなく、AVCSで低速からのバルブタイミングを最適化した事と、より高過給を掛けても壊れない頑丈なシリンダーブロックが与えられた事が90%以上ですので、エキマニだのツインスクロールターボだのというのはオマケみたいなもんでしょう。


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そうは言っても、その数%の積み重ねがチューニングというものですから、2%を5か所やったら10%ですからね、それに幾ら掛かるかという事はさておいても、確実に体感できる違いが出てくるというもの。

ターボ車なんですが、NAのメカチューンに近いような、
今回はそういう細かい積み重ねの先にあるものを見据えて作っています。


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あとで交換しようとしたら大変な、インマニ裏側の燃料ホースとかPCV系のホース類を全部交換します。
一部汎用のホースとなっているのは廃盤により注文できない部品があるからです。


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ブログだから数日分を通しで繋げちゃってるんだけど、載せる積りで外に出したのに載せるまでいかなかったとかで再び室内に仕舞わなきゃいけないとかがありました。
ここまで出来上がってくると半端なく重いので、運ぶことそのものが一苦労。


頭の中ではトントン拍子で考えて、ここまでは行くだろうという積りで始めるんだけど、大体は頑張っても6~7割位しか進みませんね。
ネジ山が潰れててボルトが入っていかないだとか、ホースが嵌めにくいとか、案外下らない事が足を引っ張って時間を食う事が多い。


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それでも翌週には漸く新しいエンジンが積み込まれ、車体側に残されていたパワステポンプやらA/Cコンプレッサーなどの補機類を組み付けていきます。

ひとつノーマークだったのは、VF37タービンとTY754ミッションとの干渉で、エンジンを嵌める際にベルハウジングのリブの部分がタービンのアウトレットフランジとガッツリ当たります。

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絶対にそのままドッキング出来ないレベルだったので、サンダーで一気に削ってやりました。

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あとはラジエター付けて、フロントパイプ付けたらもうエンジン掛かっちゃうな。。。
これは今日中にもらったかな?

そう思いながら、下に潜ってフロントパイプを合わせようとするものの中々入らない。

「だいちゃん、もうちょっと上だよ。」

ポンさんが上から見ててくれているんだが、
下側のスタッドの一か所はもう入ってるんだけど・・・
おかしいなと思って改めて上から確認すると、

カタチが違って全然合いません。

あれ、もしかしてGDBC型タービンにGCのフロントパイプ付かないのか?(爆
フランジの互換性があるようなイメージだったが、、、AB型までだったか。

これも全然ノーマークだったわww


またしても本日エンジンが掛からない事が確定!
ちゃんと調べとけよクソが!みたいな感じなんですけど、そんな下調べすらしてる余裕が無かったというのが正しい。

毎日毎日、体調不良に近い疲労を背負って遅くに帰宅し、土曜日も休日出勤。
日曜日だって家の事をやりながらの限られた時間しか車両製作に充てられないのだ。


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それならそれで、他の事をどんどん進めておかなければね。
気を取り直してブリッツのアルミ一体型ラジエターを組んでおきます。

フロントパイプは社外品を注文する事にしましたが、ハッキリ言っていつ来るか判らない。
一ヶ月も二ヶ月も待たされることも覚悟しなければ。


そう言えば、クネ太郎のGDBもフロントパイプ換えてたな。
元々付いていたヤツはまだ持ってる筈。
そう思ってその場で電話してみると、「あるかどうか確認してくるからまたあとで電話します」とのこと。

まぁ、クネのがあれば社外品で時間が掛かっても、取り敢えずエンジンを掛けることは出来る。


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元々純正オプションのラムコのメーター類が付いていましたが、今回デフィの連成計(DINゲージ)を取り付けするので新たに温度センサーやプレッシャーセンサーの取り出しを考えます。


ラムコの油圧はオルタネーター裏側の、本来純正の油圧スイッチが装着されている箇所から取られていたので、油圧スイッチは?と疑問でした。
しかし、純正ハーネスの油圧スイッチ用1極線にはしっかり信号線らしきものが接続されています。

どこから来てるのか辿ると、、メーターに繋がるラムコの油圧センサー線に混ざり、エンジンルームに戻ってきている模様。
どうやらラムコの油圧センサー(日本精機製)信号は、3連メーター本体に内蔵する基盤に入り、純正の油圧スイッチの信号へ変換してから取得ハーネスに戻しているみたいでした。

更によくよく見てみると、デフィの油圧センサー(当然日本精機製)とラムコのセンサーが同一品のようなので、油圧センサーだけはデフィの新品を使い、延長ハーネスは今付いてる物をそのまま利用して、同じ方法で純正の油圧スイッチを活かせそうです。
ラムコの変換ユニットだけダッシュボードの中に残しておき、そのまま接続。
デフィのメーター側は分岐すれば両方活かせますね。


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油温も同じところから取りたいので、ジュランの二股アダプターを使いました。
ここに色々くっつける時は、直ぐ後ろに「EJ20」の打刻があるので、車検の時に確認できるように配置しましょう。

そうこうしている内にクネから入電があり、「丁度そっちに用事があるから1時間位でブツを持っていきます」の旨。

もうヲレはタイムリミットなので、この日は帰りますが、
次回訪問時に注文した社外品が来ていなければ、クネの持ってきたGDBC純正フロントパイプを装着してエンジンを掛けることにします。

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とまぁ、色々と手を尽くしたんですが、納期が1ヶ月以上待ちという事で頼んだサードのメタルキャタライザーがたった数日で到着w

クネ太郎のキャタライザーの出番は無くなりました。
(それでも直ぐに持って来てくれた事、感謝しています^^)

高温化する部位に玄武岩系のバンテージを巻き付けて、準備完了。
GCでは使わない下流側のセンサーボスはメクラボルトを入れておきます。

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サードは純正のフレキシブルジョイントと通常フランジとの両方に対応しているので、アダプターがひとつ挟まります。
タービンのガスケットと、純正接続の球面ガスケット、あと写真に無いですがキャタライザーとアダプターの間に普通のガスケットが入ります。

家に合った球面ガスケットが何故かトヨタ用でしたが多分同じ物でしょうw

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同梱のヒートインシュレーターをブレーキマスターバックに貼り付けし、遮熱対策。

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あとは何のことは無いですね。
無事フロントパイプを装着。
サードは随分とフロア下にせり出しますね。

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中間パイプとの接続面も、新品のボルトとガスケットを使って問題なく取り付け出来ました。
ただ、サードのパイプが太すぎてここで一気に絞られますね(汗


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タービンの遮熱板はGC用しかないので、そのままでは流石に付きません。

フロントパイプ側の拡大と、タービンサポート側の干渉部分カットで下の方は殆どなくなってしまいました。
耐熱塗料で再塗装して装着。

直近のパワステホースが素のタービンに晒されてしまうので、ヒートインシュレーターを巻き付けておきました。

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インタークーラーを取り付け、エンジンオイルを注入。
クーラントもある程度入れておきます。
今一度、未接続のホースや各部の締め忘れなどがないか再確認し、バッテリーターミナルを接続します。

少し長めのキーオン(インジェクター系統の燃圧が安定するまで)からのエンジンスタート。(ここは大袈裟にせずさり気なくさっさと掛けるのがヲレ流w)

やや長めのクランキングからの初爆でエンジンは掛かるものの、一気にふけ上がりそうになったので一旦エンジン停止。(割と多いので直ぐに切る準備をしているw)


またかよチクショウw



スロットルの動きが悪いか、ワイヤーの取り回ししかないんだけど、ワイヤー取り付けのブラケットやら色々チェックするが何故かワイヤーがやや引っ張られている。
一度スロットルのスプールからタイコを取り外して掛け直すと、ワイヤーの張りが正常になった。

どこだったのか良く判らなかったが、スプールにちゃんと嵌まってなかったのかも知れない。


始動前のクランキングが長く、
エンジンオイルは充分に充溢していたと思うので問題ないでしょう。

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気を取り直して再始動。
乾いた排気音と共にしっかりと一発で始動します。

無事アイドリング領域を保っている事を確認して、スロットルワイヤーの遊びの調整をやり直します。
アイドリングしている間に、クーラントのエア抜きをしながら補充を続け、サーモスタットが開いてエアが完全に抜けたらキャップを取り付けます。

まだ暖まり切っていない内に途中一回アイドリングが不安定になりストンとエンストしましたが、ECUは完全リセット状態だったので、O2とか水温とかの各センサー類の不活性とISCVの連携が取れていないだけだったと思います。

しっかり暖機した後は、何度かエンジン停止、再始動を繰り返しても一度もエンストする事はありませんでした。


あとはラッピング(初期のアタリ付け)で7~8時間ほどアイドリングで放っておく感じになるのでエンジンを掛けっ放しにするのですが、改めて下回りをチェックすると、何かが漏れている!

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エンジンオイルだな・・・。

初めの内は何度下から確認しても全くそういう箇所はなかったのに、時間を掛けて伝ってきたという感じ。
だとしたら油圧経路ではないな。


頼む!ベルハウジングの中じゃありませんように!!!

再びエンジンを降ろしたくない一心で・・・
こころの中で本気で祈りながら、漏洩個所を探します。
一か所一か所、時間を掛けて丁寧に作業をしてきたという自負がある。
原因が思い当たらない。


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エンジンの背面を伝ってきているが、何故かオイルパンの縁にはオイルは来ていない。
リヤクランクシールなどだと必ずここが湿ってくる。
タービンのオイルラインは全く問題がない。
ベルハウジングの外側を伝って、その上から垂れてくるようだ。


シリンダーブロック上面???

PCVのホース類は一つも余っていないハズ。
全部接続したことを何度も確認している。


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急いでインタークーラーを外すと、インマニの下側にエンジンオイルが飛び散ったような跡がある。(写真では邪魔なのでPCVバルブのホースは外してあります)

まだどこだか良く判らない。

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更に覗き込むと、見慣れない大型ニップルがある。
あそこから飛び散るようにオイルが噴出していたようだ。

位置的にクランクブリーザー系なのは判りましたが、クランクシャフト直上なので、ウエイトの回転に合わせて飛沫が直撃しそうなニップルですね。
GC8にはないPCVです。

インマニ載せたら全く見えないし、インマニ側のホース類が余らなかったので全く気付かなかったな。
これは本当にノーマークだった。

GDBエンジンを買ったときに付いてきたインマニの方を確認すると、PCVバルブはこのニップルに直接一本で接続されていたようです。
他のブリーザーホースは別で集合して、ターボインテーク側で吸引。
GC8だと、もう少しヘッド側にあるニップルに他のブリーザーホースも集合させてPCVバルブに行っているので、こんなニップルはないんですよね。

シリンダブロックのGC8との相違箇所の確認を、PC上の展開図での確認しかしていなかった事に寄る見落としですね。。
まさかブリーザーニップルがGDBCで追加されているとは・・・。



そんなオチでしたww


あとは適当なシリコンキャップを見つけてきて被せ、バンドで固定。
基本的には負圧なのでこれで大丈夫でしょう。
場所が場所なので大変でしたが・・・

あとは飛び散ったオイルをしっかり掃除して、インタークーラーを装着。
再びエンジンを掛けます。


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無事ラッピングに戻れました。

本当はインタークーラーの流用や、ポンさんの準備していた点火系の強化キットなどもあるのですが、最初に色々やり過ぎてしまうと、初期不良などが出た時に原因追及が迷走する恐れがあるので、慣らし運転の間くらいはノーマルで乗っていてもらいましょう。

あとで一つづつ丁寧に組んでいけばビフォーアフターも判りやすくて楽しいでしょ。(本当は大変だから少しづつやりたいだけw)

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エキマニのお陰なのか、ピストンのお陰なのか、アイドリングの排気音がGC8とは結構違います。


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なんかやはりGDBっぽい。
あとは、メタルキャタライザーで響き方が変わりますね。
乾いたような籠り音がします。


早く回してみたいですがここは我慢ですね。


日没までの2時間ほど、アイドリングで放置し、新たなオイル漏れや水漏れなどがないかしつこく確認して本日は終了。

あと5~6時間ほどはアイドリングで放っておいて欲しいですが、それは連休中にポンさんに任せます。
駅伝の関係でどうせ乗れないというので、追加メーターなど細かいアクセサリーの取り付けは連休明けにまた来ることにして、今年の作業は終了です。



最後の最後にオチがついて焦りましたが、
大した下調べも無く決行したGDBCシリンダブロック流用オーバーホール作業。
思った程難航はしませんでしたね。

何か違っても全て組み換えや小加工で行ける程度。
この程度で高強度なGDBのセミクローズドデッキのブロックが使えるなら安いもんですね。



GDBC以降のセミクローズドデッキ流用に関して、
一応これだけは気にしておくべきポイントを箇条書きにしておきます。


◎GDBピストンや社外ピストンを使う場合はヘッドガスケットを厚いものに。
◎オイルレベルゲージはGDB用。
◎スプロケ類は当然全てGC8用。
◎クランク角センサーやノック、水温など、センサーは全てGC用に付け替える。
◎水冷オイルクーラーはGC/GD用どちらでも使える。
◎タービンまで流用するならエキマニ・オイルパンもセット。
◎タービン流用するならフロントパイプもGDB用w
◎追加のクランクブリーザーニップルのメクラ。


ヘッド/インマニはGC8用をそのまま使うので、ECUを含めた制御系は全てGC8用をそのまま使います。
メカニカルの相違点のみ置き換えていくだけの作業です。



今回ECUは弄らずに純正そのままでスタートしますが、A/F計などでチェックしながら、危ない所があるようならフルコン化も視野に入れてもいいかも知れませんが、必須とも思いません。

ブーストアップも考えていませんし、
ノーマルのECUも割と優秀なので、この程度なら補正の範囲ではないかな~。
ヲレのGC8もクネのGDBも排気系はフルでやってるけどECUはノーマル。
クネのは一回コンピューター換えたけど、結局戻しちゃったしね。

余程の事が無い限り、何だかんだ純正ECUで行けちゃうんだよね。


ま、壊さない程度に様子を見ていきましょう。


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alt正月休みに入った途端に関節炎が出て動けなくなるって言う・・・








Posted at 2022/01/04 06:29:25 | コメント(0) | トラックバック(0) | EJ20壊して直す | クルマ

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2009/09/13 00:37:18
 

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