
もう20年になる。
GC8に乗り替えて、初めて妻の実家秋田へ帰るようになって、である。
いつか話したかも知れないが、
それまでAE86命で峠で命を削るような走り方をしてきた自分が、結婚して丸くなるケジメとしての乗り換えがインプレッサだったという訳だった。
(ここに大いなる欺瞞が含まれている事に気付く方も多いとは思うが・・)
まぁ、兎に角・・爆音深リムのハチロクレビンで娘さんを下さいなどと言いに行ける訳もなく、その気になればそこそこ走れる4ドアセダンであれば何でもいいかな・・という気持ちだった頃に出逢ったのが、GC8インプレッサだった訳だ。
当時勤めていた自動車板金屋の、
先輩の同級生が持っていたワンオーナー車で、走行は二万キロ台。
エアコンだけは後付けしてあるSTi RAのVerⅣという理想的な内容で、たまたま売りたいという申し出があったのだ。
実は、今乗っているGC8は二台目で、買って半年ほどだったVerⅢを不慮の事故で廃車にした直後だった為、運命を感じて譲ってもらったのだった。
まぁ~、やってない所はないのでは?
と、言えるくらい細かくメンテナンスを施してきたとは言え、こう20年以上経っても、通勤に、送り迎えに、連休の帰省に、と普通に使える状態を保てているのは自分としても意外であった。
だって、世界のトヨタならまだしも、スバル車ですよ・・・
スバルの設計や思想は好きですが、価格を抑えなくてはならない二流メーカーでは、整備性も悪く、サプライヤーのレベルも数段下がります・・鉄も良くない、塗装も良くない・・・長く乗れそうな気はしないではないか。
そして新車登録より26年ともなれば、立派に旧車と言っていい熟成具合。
ですが、消耗を極力抑えて延命を図るように大事に大事に乗るといった事は一切なく、エンジンや足回りをしっかり作り直しておけば、まだ全然一級の走りが出来る立派なマシンだった事が判った。
ただまぁ、ボディの錆がね・・・そろそろ気になってきたので、大きめの改修が必要かなぁ・・と思っているので、それはま~近々。

基本的には好調ではあるが、本気の真夏日だとエアコンの効きがイマイチだったり、年式相応のマイナーなトラブルはちょいちょいあって、まぁ、ガスが減ってきてるだけなんだけど、減り幅が僅少なので、今年も補充で済ませます。

一本入れればしっかり冷えるようになりました。
エアコンガスが徐々に減るって言うのは、熱々になる高圧配管接続部のOリングがカチカチになってしまっているか、コンプレッサー本体から漏れてしまっているかのどちらかが殆どだと思う。
エンジンルーム側の配管接続部を全部外し、Oリング全交換して直らなければ、コンプレッサーを交換するしかありません。
それほど大変な作業でもありませんが、エアコンが気になるのは大体真夏なので・・・基本的に真夏には作業しないと決めているので、何だかんだ補充で済ませるというサイクルになってしまう訳です。

あとは、長時間乗ると水温が少し高めで推移する事があって、100℃辺りになる事があった。
気になっていたので点検していると、電動ファンが片方回っていない事に気付く。
以前も同様の事があり、電動ファンコネクターの焼損というか、むき出しのエキマニによる溶融で接触不良が起きていたので、コネクター部分をギボシで作り直しているのですが・・・
作り直したギボシ接続部は特に問題なく、というか、そもそも電気が来ていない事が判り、電源を確認する。

リレー端子部に電源入力はあるが、信号入力が無い。
水温センサーに基づくECU制御なので、片方だけ回らないのはおかしいな。
・・・と思いつつ、もしかして・・・。
そうだった、ヲレのクルマにはビリオンの電動ファンコントローラーが付いてるんだった。
コントローラーのツマミを確認すると、何故か片方だけ最大値に動いてしまっている。
85℃辺りでファンを作動させるようにツマミで調整をしてあったはずだが、コンソール周りの掃除か何かの際に、ホコリ取りモップで触ってしまったのかも知れない。
一回調整したら触る事が無いので、全く思い出さなかったな。
ツマミを戻すと、電動ファンは勢い良く鳴動。
うーむ、別に故障でもないのに詰まらぬところでエンジンにシビアコンディションを与えてしまった。
気を付けないとな。

そんな事前整備の甲斐あって、今年も無事に秋田へ到着。
昨年作った207の腰下で作ったニューエンジンの性能は既に折り紙つきではあるが、夏タイヤで夏に帰るのは初めてです。
ただ、冬場に走るのと違って、酷暑と言われる近年の真夏。
水温だけは気にしなければならない。
カロリー量を増やした方が良いだろうと、(ウチのGCのように)いたずらに分厚い社外ラジエターなどを付けてしまうと、ヒートシンクを風が抜けにくくなるので、アイドリングや低速で走行している時などは、逆に冷えにくくなってしまう。
電動ファンで引っ張りにくくなるので、エアコンのコンデンサーも冷やしづらくなり、相乗効果で水温も上がってしまう悪循環が生まれる。
例えば気温35℃の炎天下であっても、エアコンを点けなければ水温も85~6℃辺りで安定しているが、エアコンを点けると一気に93℃位に跳ね上がり、さらにそれなりに踏んでエンジンを発熱させると、96℃程度まで上がってしまったりする。
アルミ一層の純正ラジエターであれば、こういう事はまずない。
スポーツ走行には長時間耐えられないが、只の移動や日常的な走行では低速でも高速でも水温が安定していて、水温をこんな風に注視する必要はない。
かんたんに言うと、長時間の全開走行が無いのであればラジエターはノーマルがベストという事である。
どんなものにもメリットだけの物は存在せず。
何を棄てて何を重視したいかという取捨選択の上で選んでいく必要がある。

実家の近所の雄物川沿いのグラウンドに、ゴールのあるグラウンドがあると言うので、自主練がしたいという次男たちを連れていきます。
「れん」はすっかりサッカー少年になってしまった。
2年生の後半からサッカーのクラブチームに入ったれん。
始める前から、出遅れ組は幼稚園くらいからやってる子には到底勝てないと言われていたのだが、ずっと何もやりたいと言ってこなかったれんが、初めてやりたいと言ってきたのがサッカーだった訳で、特にやらせない理由にはならなかった。
別についていけなくとも、
親的には、好きな事を楽しくやれているだけでいいだろうと簡単に考えていたのだが、やはりそんなに甘い世界ではない。
あんなに小さな子供なのに、死ぬほど頑張って、それでも勝てなくて打ちのめされる勝負の世界。
まだ小学生なんだから仕方が無いんだけど、それぞれモチベーションにもばらつきがあり、ガチでやってる子からみたら、半端な技術でへらへらしてる様な子には強く当たったり、簡単に言うといじめたりする訳。
「コッチは真剣にやってんのに何なんだよお前はよ!」
そんな子ばかりではないんだけど、必ず居るんだよそういう子も。
上手さがイニシアチブに直結している世界なので、ゴタゴタ言われても下手だと何も言えないワケ。
当然出遅れ組のれんはルールも良く判ってない中で、上手い下手以前の問題の中で、週5の練習と土日の試合に参加していく事になる。
これは相当メンタルが強くない限り、長くは続かないだろうな・・・
半分いじめみたいな当たりの強さでゴタゴタ言われながら、何も出来ずにウロウロするだけみたいな風景を想像するだけで、ヲレなら半日で辞めてしまうかも知れないなと思った。
だが、ヲレには全く想像が出来ないようなケミストリーが起こり、大方の予想を全てひっくり返していく。
れんは、恐ろしくサッカーが好きだったのである。
好きこそものの何とやらと言うが、「好き」にはあらゆる全てを凌駕するという恐るべき馬力が備わっており、更には何を言われても全てをプラスにしか捉えないという謎のポジティブ思考までが装備されていてもう手が付けられなかった。
同じクラブに、自分より下手な子にだけ言動が厳しくて有名な子が一人いて、他の多くの子が色々言われて悩んできたんだけど、
れんだけは、「多分みんなに早く上手くなって欲しいからそういう言い方するんだと思う」という解釈をしていた。
自分が上手くなりさえすれば解決する問題だと、考えていたようだ。
こんな小学3年生くらいの小僧が、何でそんなに物事を俯瞰で見ていられるのかこの時は不思議だったが・・・
実は答えはかんたんで、そんな目の前の小さなことなんて気にならない位サッカーが好き過ぎて、もっとずっと先の事しか見えていないだけだったようだ。
あとは足の速さが異常で、学年で1、2を争う俊足だった事も彼を助けた。
走れば追いつくので、どこのポジションにも配置できる。
U9位だと、何はなくとも足の速さが8割と言われるくらいスピードが重宝され、武器となった。
不思議だった。
ヲレにも妻にも、そんなアスリートとしての突出した過去も才能もない。
ただまぁ、好きなものに異常なまでに固執し、理解し、練り上げ、高めていく。
そういった要素は自分にも妻にもあるので、そういう部分がスポーツに向くとそういう事になるんだろうか。
サッカーを始めて丸2年が経った。
4年生も二学期を迎え、今では週5サッカーに更に一日だけフットサルを習うまでになり、メインのクラブチームではA選抜に選ばれるようにまで成長したれん。
市内でも強豪と言われるだけのクラブチームで、これだけ短期間でA選に選ばれるようになったのは単純に凄い事だったようで、親も目を丸くして見ているのが実情である。
あれだけれんをいじめていた例の子も、今ではウチにピンポンして一緒にサッカーに行こうと誘いに来るようになり、普段からも一緒に遊んだりしているようだ。
サッカーが好きで真剣にやっているという姿勢が伝わり、仲間だと認めてくれたのだろう。
スポーツのこういう熱さというものが、今の時代的にはどうなのか判らないが、理屈やきれいごとで解決しない事っていっぱいあると思うんだけど、結局最後は気持ちでぶつかっていくしかない問題だったりする。
時代には逆行してるのかも知れないが、そんなスポーツ根性論がこんな小さな小学生たちの中にもあって、自分できちんと解決していっている事が何とも微笑ましいし、頼もしいと思ってしまう。

サッカーで勝てない長男が、嫌みで罵倒してくるので、れんが母親に告げ口しているの画。

長男の「そう」は、バスケットボールをやっている6年生。
れんのような極端な熱量は持たないが、彼なりの考えで自分の立ち位置を持ち、勉強もスポーツもバランスよく両立していこうとするオールラウンダーである。
だが、恐らく自分が本当にやりたい事というものは特になく、何事も周囲の期待に応えたいという一心で取り組んでいるフシがある。
いつもふんわり笑っていておっとりしており、目立たない性格なので、れんのような進撃のドラマを求めるのは酷な性格ではあるが、だからと言って自分の取り組みに迷いなどがある訳ではなく、自身の利他性に誇りを持っているような自信がある。
曲がった事が嫌いで、弟にも親にも、間違った事にはダメだよと間髪入れずに注意するような正義漢で、トイレのあとは石鹸で念入りに手を洗い、歯磨きは15分位掛けてするような潔癖症である。
間違ってはいないが、面倒くさくなりそうだ。
れんとは真逆だが、こちらもどうしてこうなった?
という不思議さがある。

お盆のお墓参りも滞りなく済ませ、長く帰っていた割には殆ど出掛けずにゆっくりしていました。(腰痛でそれどころではなかったという事もあるが・・・)
あとは壊れてしまったというキッチンの換気扇をホームセンターで買ってきて交換したり、事前に頼まれていたお義母さんの軽自動車のバンパーの直しを合間合間でこなしていた程度で、あとは文庫本片手にゴロゴロしていただけだ。

エアコンガスが抜けるボロかったムーブコンテは捨てたらしく、割と新しいダイハツのキャストというクルマに変わっていました。
バンパーの左角を擦ってしまった様で、タッチペンでいいから目立たなく出来ないか、という相談を事前に受けていました。
以前のコンテは凹みだらけ傷だらけでしたが、流石に新しいクルマだから気になるんだろうね。
そこまで言われたらタッチペンで済ませる訳にはいかんでしょ。

ちゃんと3色(3コートパール)準備し、ミニコンプレッサー持ち込んでガンで完璧に直しました。
どうせ使わないコンプレッサーだったので、秋田に一個置いておこう。
エアが使えるようにしておけば、似たような修理がある時に色とガンだけ持っていけば、ちゃんとした塗装が出来るようになるからね。
前半は雨が多かったのですが、後半になって漸く晴れらしい晴れ予報だったので、いつも川遊びで訪れる法体の滝へ・・

・・行く道すがらが、土砂崩れで寸断。
おおマジか・・グーグルマップじゃ、直近の土砂崩れは教えてはくれないよな。
しかし、すれ違いも厳しいような林道なのに、グーグルマップに案内されて後ろからどんどんクルマが来てしまう。
コレは不味い。
後ろから残クレアルファードか何かが上がってきたら四面楚歌だぜ。
ヲレの5ナンバーのGCですら、路肩の斜面にやや乗り上げて漸くUターン出来るかな位のスペースしかないのに・・・
案の定、何とかUターンを済ませた直後に、セレナとエスティマか何かが上がってきた。藪をガサガサしながら漸くすれ違える状況で、この先どうなってるかを教えてあげます。
あとは知らん、頑張ってどうにかUターンしてくれい。
元来た県道へ漸く復帰し、
やや遠回りではありますが、昔よく使っていた鳥海山の麓を駆け抜けるルートで目的地まで行きました。

前日の雨での増水で、法体の滝は大瀑布になっていました。
水の透明度はやや下がっていましたが、川遊びをするには遜色なく、うちの少年二人と一緒に連れてきた甥っ子は、冷たすぎる水に大声で喚き散らしながら体を浸していました。

恐らく通年で水温が18℃程度しかない渓流区間ですから、川遊びと言っても泳ぐような水温ではないですよね。

それでも3人は、大自然の中で騒ぎまくって、あんなに楽しそうにしている。
併設のキャンプ場エリアは無料で、ペットもBBQも自由、音楽禁止などと器の小さい事も一切言わないが、気になるような不埒な輩は一切存在せず、ゴミが放置されているという事もない。
山奥過ぎて軽いノリの連中がわざわざ来ないという事もあるだろうが、
関東近郊の河原やキャンプ場のように、あれはダメとかこれは禁止とか、やたらと規制してがんじがらめにするから、反発してやらかす馬鹿が出てくるのであって、学校の校則と一緒で、一定数居る馬鹿には逆効果になるのである。
逆に色々言わずに放っておく位の方が、自分たちで調べて考えさせるようになり、馬鹿でみっともない事はしない方が良いなと、自浄作用に働くことも多い。
馬鹿が問題を起こすたびに法律を増やしても、馬鹿が居なくなるわけではないので、基本的には変わらないのだよ。
規則や規制ばかり増やしても、根本解決しないことが多いのはその為である。

夕飯前のほんのわずかな時間に、ふらっとGCで外出して広大な稲穂の海原から夕映えの鳥海山を見るのが好きだった。
妻の地元ではあるが、自分にとっても第二の故郷という思いがある。
冬は雪深く不便な土地ではあるが、それを補って余りある魅力や美しさ、人々の温かさがある。
それ以外に必要な物なんてあるのだろうかとさえ思う。
だから、何をする訳ではないんだけど、ゆっくりと浸りたいという気持ちになる。

年間をとおしたら、二週間強こちらで過ごしている事になる、1年の5%は秋田で過ごしているのである。
10年間かけて半年滞在している計算になる。
自分の故郷を自覚するには充分な時間ではないか。
だけど、お義父さんとお義母さんあっての実家帰省である。
何卒、自分の為にも、末永く元気でいてもらいたいと願うばかりである。
