
すっかり梅雨も明けた7月の中日。
数日の時間をとって恒例の夏旅に行ってきました。
自分のクルマもあらかた片付き、気分は上々。
元バックパッカーの性なのか、
気持ちも道具も、余計な荷物は持たない主義なのだ。
今回は、山梨県と県境に程近い、信州は川上村へ。
ただ、山があるだけで、基本的にフリーサイトの、
静かな大人のキャンプ場があるというのだ。
僕達は、元々キャンプ場という括りを良しとしていなかった。
与えられた自然環境の中で、最低限の装備と工夫で、
静かに野営をしていく・・・というストイシズムに反する気がするからだ。
さぁ、この枠の中でテントを張ってくださいね、
はみ出さないよう、気を付けてくださいね、
薪と炭は500円、鉄板は300円で貸し出ししてますよ。
エリア外に出て行かないで下さいね。
シャワーは夜8時までですよ。
犬は連れ込まないで下さいね。
最終日は正午までに退出してくださいね。。。。
などと、云々かんぬん煩いのだ。
開放的な自由を楽しみたいのに、やかましい!
二度と来るか!!!
と憤慨したくなる。
わいわいがやがやファミリーキャンパーや、
DQNな小僧BBQグループなどのマナーが最悪だから
どんどん規則でがんじがらめになって、何しに来たのか判らぬ状況になるのだ。
静かな自然環境に身を置くということは、
風や水の音に耳を澄ませ、土の声を聞くということだ。
家族で訪れるなら、我が子に自然の美しさと尊さを説き、
その素晴らしさを肌で感じさせるということだ。
開放的な気分になって大声を出して騒ぎたいバカは、気をつけろ。
クルマ屋と二足のワラジを履く山男の制裁を頂戴することになる。
自然環境の美しさを素直に感じられない輩は、
わざわざ野山に出ることはないのだ。
カラオケボックスでいいだろう。
異論は認めない。
まぁ、いきなり尖がってくるトコロがだ い らしいでしょw
キャンプ場というところにはミーハーなイメージを持っていて、
偏見も甚だしいwww
だけどもだっけっど。
探せば色々なキャンプ場があるもので、
ある一定の条件をクリアしていれば、我々のような意固地なキャンパーでも
充分に満足できる施設がある。
まず、山奥過ぎるコト。
にわかキャンパーは、ここでかなりふるいに掛けられる。
そして、余り便利な設備が無い事。
日帰りBBQ組はここを目指す理由がなくなる。
さらに平日利用も付け加えれば、キャンプサイトはほぼ貸切状態。
誰も居ない林間のサイトで、ゆっくりと午後の紅茶などを楽しむ事が出来るのだ。
静かなキャンプ場・・・それがここを選んだ条件だ。
毎度活躍のヴィッツ君。
長旅でも余裕の1500ccだ。
マニュアルが小気味良いRSモデル。
そろそろノーマルのアシもくたびれてきた感じなので、やりなおすようだな~。
木陰を選び、タープを活用して西日と朝日を防げる設営に。
陽の入り方を読まないと、辛い野営となる。
ロッククライマーの聖地小川山と、金峰山に面し、荒々しい奇岩に目を奪われる。
サイトの標高は1600m、麓で40度の猛暑でも、ココでは25度位。
涼しい~♪
今回新規投入のペンタックス。
100㎜マクロの使い勝手を覚えるいい機会だ。
相棒のコウヘイも愛機P6000に21㎜ワイドコンバーターを付けて来た!
スゲー!!
目に見える以上の画角が入るんだ。
更に、サーキュラーPLで武装。。。
もう充分だろこれで。
野営の夜はいい。
いつまでも起きていたい気分だ。
しかし、満腹の腹に、ビールとウイスキーを流し込み、焚き火などを見ていると、
そう長くは持たないものだ。
特に初日は移動の疲れもあるしね。
夜は更けてゆく。
朝日を受けた白樺の木々をじろじろ見て回ると・・・いた。
エゾゼミ。
平場ではあまり馴染みのない種類。
胸部のWの模様と、透明な羽が特徴だよ。
初めての渓流釣り。
アウトドアキングにコソーリコツを聞き出して、アタックするも・・・
早々に竿が使用不能になり、仕掛けを手に持って手釣りw
小さなイワナが掛かりました。
あ~、なんて涼しいんだ~。
ボウズこそ免れたものの、この後も何度かバラし、釣果は散々。
でも、この美しい渓相の中で静かに風と一体になる。
これだけでも充分に満たされてしまう。
あの険しい頂は、標高2000を悠に超える。
あの岩肌にしがみつく輩などいるのだろうか・・・
この眼で見るまで信じられないぜ。
・・・あれ?
ちょっとお兄さん!!!
あんなところにも!!!
この人たちって一体・・・(汗
どうもこのサイトは、普通のキャンパーは殆どおらず、
あの命知らず達の、停泊に使われる事が殆どというフシギなキャンプ場のようだ。
場所は丁度この辺だよ~、廻平目(まわりめだいら)キャンプ場。
夜は涼しいどころか、長袖にジャケットがないと過ごせないほどに寒くなる。
麓が熱帯夜だなんてウソのようだ。
すっかり日が暮れると、真夏の使者たちは、
泥だらけのゾンビのように土中から這い出してきて、
最後の変態を行なう。
セミの羽化だ。
あまりマジマジと観察する機会などないドラマチックな一瞬だ。
白い妖精たちは、数時間もすると着色され、朝日とともに飛び立っていく。
5年も6年も真っ暗な土中で生活し、呼んで字の如く、
ようやく陽の目を見るのだ。
そして、残り一週間という生涯の中で、求愛し、結ばれ、後継ぎを残してゆく。
この、セミでも一週間でこなすシンプルな自然の摂理を、達成できない人間が増えてしまっている。
これも自然の成り行きと、ひと括りにしていいのだろうか。
自分も、気を抜いたらソッチ側の人間の素質があるが、
連綿と受け継がれるべきバトンを、個性と割り切って止めてしまうのは・・・違うと思った。
セミはきっとそんな屁理屈はこねないだろうが。
最終日、身支度もすんだよ。
タバコ1000円だもん・・・もうやめるよ。
コウヘイのふかしたタバコの煙も淋しそうにたなびいていく。
よく食べてよく寝て、ちょっと釣りをした他はのんびり過ごした。
自車整備でやつれた身体も、2.5㎏体重増で、やっと通常並にw
野外生活して太ってくるって・・・日常がどんだけ過酷なんだか・・・。
身も心も、これだけリラックスすることは、普段の日常ではありえない事。
きっと来年の今頃まで、僕の肉体は自転車操業だw
それが僕の日常。
「おろかな日々」だ。