
もう先週のことですが、
先月のイルハンに引き続き、
愛猫カールが息を引き取りました。
満20歳になった猫でした。
イルハンが旅立った晩。
カールが外へ行ったきり帰らなくなった。
二週間ほど帰らなかったのです。
たまに数日帰らないことは稀にあったのですが、
ちょっと長いなと、心配していた矢先・・・
ガリガリに痩せ細り、埃だらけ、蜘蛛の巣だらけになって帰ってきました。
一体何所で何をしていたのか・・・
フラフラだったカール。
身体をきれいに拭いて、食事をさせて、一時は持ち直しましたが、
なんか呆けたようになってしまった。
殆ど動き回ることをしなくなり、食事も一口二口食べるだけの毎日。
呼んでもなかなか反応しなくなった。
何度か、表へ出たがったのだけど、
これで放してしまったらもうそれっきりのような気がした。
それからは、いつも同じところに居るようになった。
居間の隅っこの観葉植物の草葉の陰。

何か、もう覚悟を決めているかのようなハッキリとしたまなこ。
恐らくもう最期なのだろうと思った。
カールは自分が中学生に上がってすぐ、
その頃飼っていた雌猫が産んだ、子ども達の一匹。

真っ黒で凛々しい雄猫でした。
産まれてすぐ、自分が付きっ切りで面倒を見たせいか、
自分にだけ大変なついた猫でした。
自分が膝の上にのせると、何時間でも幸せそうに喉を鳴らしていました。
カールの親猫や、兄妹のミュウが次々と失踪していく中、
20年という長きに渡って我が家につかえてきた唯一の猫。
途中からは、同じく黒猫のミャアや、キャバリアのイルハンを妹分に迎え、
完全にカールおじさん、といったポジションにあった。

イルハンは、カールに対して畏怖を感じながらも、
沢山のことを学び、寝食を共にした。
全ての掟を教え込んだイルハンが若い命を昇華させ、カールにも思うところがあったのか、
ボロボロになって帰ってきたカールは、
真夜中の虚空に、聞いた事も無いような唸り声を放ったりした。
最期の一日前。
力を振り絞って居間のテーブルの下の目立たない隅のほうへ移り、
コロンと横たわった。
そのままの状態で丸一日程ゆっくりと息をしたのち、
ろうそくの火が消えるように静かに呼吸をしなくなった。
老衰だと思います。
空白の二週間、何をしていたのか判らないけれど、妹分のイルハンが心配だったのかもしれない。
表向きはそれほど仲良しではなかったけれど、
陰でイルのことをペロペロ舐めてあげてることがよくあった。
カールもイルハンもだ い のことが大好きだったから、
ヤキモチのライバル心みたいなものがあったのかなぁ・・・動物にも・・・
自分の前では仲が悪かった(笑)
寂しいけれど、20年間もよく頑張ったねと褒めてあげたい。
僕の人生の半分以上を一緒に過ごした真っ黒な兄弟。
猫は、本当は独りで最期を迎えたかったんだろうけれどね・・・
先にいってイルハンの面倒を見てあげてくれますように。
やはり気持ちは上向かないよ。
Posted at 2009/09/30 21:18:11 | |
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