
桜に引き続き、季節限定の風物詩として注目しているのが、ホタル。
昔から日本人に愛されている自光式の小型昆虫です。
体内でルシフェリンと呼ばれる発光酵素の触媒作用が起こり、黄緑色に発光するという珍しい昆虫なのです。
発光することで雄と雌とで互いに呼び合い、
短時間で愛を結実させるハイテク恋愛システムを導入しているのだ。
ここへ来るのは早くも3回目。
時期さえ外さなければ確実に感動的な風景に出会えるので、いたずらに探し回らなくなってしまった。
クルマを停めてから歩く事20分。
何処にでもある水田と、里山の風景。
しかし、ここには今となっては関東では稀有なホタルの生息条件が残っているのだ。
用水路の水源付近。
ここで日没を待ちます。
明るいうちに下見をしていて、沢山居そうな場所を見つけました。
鬱蒼とした里山に三方を囲まれ、流れの弱い静かな水面のある場所を好みます。
午後7時半を過ぎた辺りから、突然木々に光が灯ります。
飛翔が始まりました。
息を呑む瞬間です。
幻想的なホタルの蛍光色発光。
何といってもこの発光システムの凄いところは、非常に高効率にエネルギーを光に変換するということで、その変換率は88%にも達すると言うのだ。
ロウソクで0.04%、白熱球やハロゲンランプで漸く3%、最も効率が高いとされる高圧ナトリウムランプや蛍光灯で20%弱といったところ。
熱として逃げる事が殆ど無く、ほぼ光に換わっているということ。
自然界に選択されたエネルギー利用の凄さがわかる。
美しい・・・
かつてこれほどのゲンジボタルの乱舞を僕は見たことが無い。
数百と言う個体が、いちどきに婚姻飛行をする様は凄すぎて、原風景というには違和感を感じてしまうほどだ。
結局、小賢しい人間どもが、どれだけ白色LEDだ、居酒屋合コンだと息巻いても、
たかが昆虫達のそれには、遠く及ばないということだ。
手に獲らず静かに見守ろう。
Posted at 2012/06/12 01:39:43 | |
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