
もうクネとは20年近く一緒に走っているので、お互いの事はよく判っている。
走りに関してはテクニックに殆ど差はない。
どっちが速くてもフィジカルというか、メンタルとか人間の方のコンディションの差である。
最近のクネの走りがショボいのは、単純に”やらなくなった”だけである。
家族が増え、齢を重ねていくという事は、責任とメンツがどんどん増えていくということである。
くだらないとは思うが、そういうものなのだ。
夜なんか老眼でもう良く見えなくなってきている。
どんどん難しくなってきているのだ。
よく辞めないな~と思う位である。
でもね、それだけクルマが好きだって事なんだろうね。
要するにそれでも辞めないんだから。
ヲレの方がほんの少し責任感がないから差が付いているだけなのだ。
だから、つまらないプライドを捨てて、
敢えて苛烈な一線から外れた所に自分の立ち位置を作って延命を試みている。
先日クネとは電話で間抜けな会談をしている。
「もうぶっちゃけ85%位でしか走れないよな・・・。」
「スクランブルモードで一瞬100まで持ってくだけで、ほんの数秒だな。」
「もう壊したくないしな・・・」
「ヲレなんかエンジンが壊れそうでよ、どうしても抑えちまう。」
「そもそもGが耐えられない。」
「例えば95%と100%との差は結構でかいし、掛かるコストとリスクが飛躍的に跳ね上がる。」
「最後の数パーセントを詰めると掛かる負担が3倍くらいになる。」
「合わないな~。」
などなど言語道断であるw
コスパで話をするようになったらもうアスリートでも何でもないんだけど・・・
ぶっちゃけ85%で低空飛行していてもその辺の小僧に負けることはないだろうし、たまにガッツとセンスのある生意気な奴が現れても、一瞬100まで持っていってねじ伏せればいいくらいに思っている。
それでも勝てなかったら拍手して「君凄いね!」って言えるようになっている。
もう散々走ってきて、勝った負けた死ぬかと思ったとやってきているので、どっちだっていいのである。
情熱があるとどうしてもゼロか100かで話を考えてしまう。
これで勝てなかったらもうやる意味ないな・・・とか、プライドがもの凄い。
スポンサーくっつけて走るプロならそれは必要だが、公道のプレーヤーには必要ないだろう。
好きなクルマを続けられればいいのである。
勝ったって負けたってどっちだっていい、そりゃ競って勝てりゃ嬉しいだろうけど、
負けたら負けたで学ぶことがある。
それで何か工夫して「次はやってやるぜ」ってやるのが面白いのだ。
その辺のバランスの上手い所が、だいたい85%位なのである。
(ここでの85%とはクルマとモチベーションの両方を相対的に評価した指数である)
だから、100を持ってきてる連中にはやはり勝てないだろう。
追い込み85のままもっと速く走るには、
もっともっといいタイヤとかいいクルマを持ってくるしかないけど・・・
公道ってのはそこまでガツガツ行く舞台じゃないと思う。
今持っているもので、どれだけ楽しめるか・・・ではないだろうか。
そうじゃなきゃ15年もボロいGC8なんかで走ったりしないw
まぁ、これらは一線から退いたオッサンのいい訳であり、
高いモチベーションを維持しつつ、最高のマシンでいい走りを見せてくれる一軍機は必要である。
それこそが峠の花形であり、ビギナーの憧れなのだから。
彼らを目指し、若手が育っていく。
そしてこれからのモータスポーツの世界を牽引する新たなヒーローが生まれていくのだ。
面白いじゃないか。
まぁまぁ上から言っちまったが、概ねそんな所だと思う。
今回はヤバイ。
現着と同時に入るNGO一本目はいつも、調整なしの普段乗りのサスセッティング。
若干アンダーステアとなるので、進入が苦しくあまり踏めない。
雨ならちょうどいいんだけど、ターマックでは少し厳しい。
後ろからくるレーサーも付かず離れずである。
でも、いつもだったらこの時期はびしょびしょの落ち葉の絨毯状態なのに、からっとしていて枯れ葉もそれほど気にならないレベル。
気温も高すぎず低すぎずで、気持ちよく走れる。
まぁ、こういうきれいに走れるコンディションだと自分は逆に分が悪くなるんですけどね・・・
普通の人が躊躇して抑えるような時に、殆ど変わらないペースを作れるというのが、ヲレやクネの唯一のアドバンテージなのである。
それが雪を走っているドライバーの特筆すべき能力だ。
でも今日は普通のひとはそもそも居ないな・・・一軍機は殆ど雪走ってるし。
テクニックが横並びになってくると、だんだん考え方がズルい方へ寄っていく。
タイヤだけでも少しでもいいものを履くしかないとか、
自分の得意分野と、相手が苦手そうな所が重なるように仕掛けたり、戦略的になっていく。
まぁ、それもテクニックのひとつなのかも知れないけれど、運転だけで追い込んでチャージすることを避けるようになる。
何かあった時に避けられないからね。
どれだけ追い詰められても、自分が守っている最後の一線は超えない。
これは鉄則である。
一本走り切り、前は弄らずにリヤダンパーだけを4段中2から3に上げる。
これだけで、進入時に一気に角度が稼げるようになり、立ち上がりで踏みっきりに出来る。
本当はダンパーを触らずに調整式のリヤスタビライザーを一段硬い方にすればもっとキビキビ旋回出来るんだけど、純正のスタビリンクが何回も折れたので、ダンパーでやることに変えたのだ。
そして2本目。
隣にYuu君を乗せて、レーサーGRBを先行させることにする。
レーサーの隣にはyuu君が連れてきた友達(女性)というのが乗っている。
一本目がショボかったからきっと舐めて掛かってくる。
女の子も乗ってるし千切る気で来るだろう。
・・だが、残念ながらそう簡単な事ではないのだ。
「ちょっと久々に真面目に走らないとレーサーにもyuu君にも悪いな。」
GRBの直管マフラーが鋭い咆哮を上げて猛然と加速してゆく。
触媒もサイレンサーも取っ払ってフルコンで制御している元アジパシ車両は、ロールケージによる重量増をものともせず凄まじい加速を見せる。
最初からいくつかのコーナーは、暖まっていないナンカンNS-2がシュルシュルと音もなくアウト側へ逃げていく。
それでも道幅を目一杯活用して流しながら、軽量だけを武器に何とかGRBの残像を逃がさない。
「くっそ、速ぇ~踏み過ぎなんだよアノヤロー。」
深いヘアピンが連続するセクションでは、フェイントやらリヤタイヤをロックさせて進入する場面も見られた。
「なんだありゃ、サイド引いてんのか。」
自分は180度ターンとジムカーナ以外サイドは使わないので、器用だな~と思った。
流石はラリースト。
先頭にも関わらず強烈なランプポッドで全開で照らしてくれるので、こっちまで進入し易いww
どうにか山頂付近まで逃がすことなく行けましたが、途中でレーサーGRBがハザードにて戦線離脱。
「酔ったかな・・・。」
同乗の女の子がヤバイのかも知れないとyuu君。
あれじゃ酔うだろうな。
仕方が無いので前に出て、3番手の猪さんVABが上がってくる。
よく考えたら普通に付いてきていた。
コイツもヤバい。
レーサーを無理して追いかけたので、フロントタイヤが既に食わなくなっている。
山頂手前のドリフトセクションでは4輪が流れてインに付くことすら難しくなっている。
「せめてフェデラル位履いてれば、この辺はまだ大丈夫なんだけどな・・・。」
久々の超高速戦に、タイヤの重要性を痛感することになった。
そのままトンネルを抜けて下りセクションに移れば何とかなるかな?
軽量GC8の根性見せるぜ!とばかりに攻める急勾配の下り。
右コーナーのガードレールに擦り付ける様に追い込んで行くものの、タイヤ4輪の絶対的なグリップ力をとっくに超えている・・・これ以上は行けないぜ。
ガードレールから少しはみ出している木々がガサガサとGCの側面を撫でていく。
それでも道路上から逸脱しないギリギリのプッシュを最後まで見せたつもりでしたが、猪さんのVABを千切る事叶わず。。。
「速いね・・・。」
思わず呟いてしまったよ。
あのペースに付いてこられるのはレーサーとyuu君くらいのもんだと思っていましたが、ここにもいたか。
一体どうなってるんだよこのパーティーは。
もうヲレは今日はイイっす。
みたいなw
誰だよ85%とか言ってたのは!
この晩は聖地は静かでしたね。
前回の様な事故もドリフト祭りもなく、他の走り屋も殆ど居ませんでした。
でも、みかん組が5人くらいで来ていたので、一気に賑やかになりましたね。
なんだか勿体ないので、もう一本行こうかという事になりました。
最後の方になると、それぞれが誰かの隣に乗せて欲しいという話になります。
みかんの弟がクネの横に乗り、yuu君がレーサーの隣に乗り・・・yuu君の連れてきた女の子をまたまたヲレの隣に乗せることに!
何か前にもあったぞこういう事!!!
なんかyuu君が連れてくる子はいつも可愛らしい子が多いな・・・。
ちくしょう、yuu君もベビーフェイスで結果を出すアスリートだからな、オンナが勝手に寄ってくるんだな。
何なんだよ、羨ましいぜ・・・。
しかし勿体ないなぁ・・・こういう奴に限ってアレだからな・・・。
まぁアレは言わないでおこうかw
とにかくこういうシチュエーションをヲレが断ることは全くない。(きっぱり)
久々に妻以外の女性を助手席に乗せる。
「これ何てクルマなんですか?」
「インプレッサだよ、旧いやつだけどね。」
「これもインプレッサなんですね。」
「よくもまぁ、こんな夜中の峠ドライブに連れてきてもらったもんだね・・クルマ好きなのか。」
「免許はオートマ限定で取ってしまったんですが、走ってみたいんです。」
どうも色々と喋ってしまう。
ヲレも黙ってスカしてさえいれば、「何あのひと速いしカッコいい!」とまでは言われないまでも・・・
割と若く見えるし不潔でもない普通のオッサンだろう。
だけど、どうも根掘り葉掘り聞いてしまいたくなる。
ペラペラペラペラうるさいのだ。
結局、ぺったんこ組の発足理由だとか、公道ではこういうことに気を付けろだとか、
聞かれてもいない事をペラペラ話しながら走り、無駄に大振りのドリフトばかりかまして先行させたレーサーには登りで千切られる始末。
お話に集中し過ぎてしまった。。
まぁ、流し気味にしてGを逃がした方が酔わないだろうと思ったんだけどね。
運転で女性を酔わせるようじゃダメだぜレーサー。
アッチで酔わせないと。(ドッチだよw)
そんな感じで、このパターンはいつも下品に終わる事になっているwww
エキスパートばかりだったので、事故もなく無事に終了した走り納め会。

早めに写真を撮ればよかったんだけど、ちょろちょろ帰っちゃった後になっちゃったな。
今度は全員集まったらまず撮ろう。。
何故か腕を組まれていますが何もありません・・・。
だが、こんな風に油断している時に事件は起きる。
妻が起きる前に帰宅したいヲレは、みんなとバイバイして速攻で山を下り、東名に飛び乗る。
程なくして高速道路上でレーサーとyuu君が追い付いてくる。
3台で抜きつ抜かれつしながらランデブーで帰る塩梅になりました。
それ程飛ばしていた訳ではないけれど、そこそこの速度です。
コーナーが多い区間が終わったばかりのまだ80キロ規制の区間でした。

追い越し車線の遅い車をパスした関係で、たまたまヲレが先頭に躍り出た。
別に連んで走っていた訳ではないんだけど、yuu君かレーサー来たかな?なんてバックミラーで確認する訳。
すると、なにやら不穏な気配を感じる。
yuu君でもレーサーでもないクルマがもの凄い勢いで追い上げてくる感じがある。
赤灯を回しながら!
コイツはヤバイ!
急いで3速に叩き込み、ブレーキランプを点灯させない鬼のフル減速。
「ご・め・ん・な・さ・い」のハザードランプ5回点滅で一番左に車線変更。
全開だったオーディオの音量をミュートにして耳を澄ませる。
まだ停止命令は発令してない!
助かった!
どうやら追い上げの段階で気付けたようで、計測は完了しなかったようです。
危ねぇ~!
完全に捕った!と思っていたオマーリさんは出鼻をくじかれ、それでも気が収まらないようで、ヲレの真横にベタ付けしてきました。
まさかの覆面ではなく、白黒のパンダさんでした。
「スピードを落としてくださいね~!ここはレース場じゃありませんよ~!」
「スピードを落としてくださいね~!」
スピーカーでがなり立てている。
「うるせーな・・・落としてるじゃねえかよ・・・。」
とっくに80キロにまで減速は済んでいる。
それでも気が収まらないらしく、ヲレの前方まで車線変更してきてルーフの電光掲示板で
「速度を落とせ」の表示攻撃。
「うるせーな、これ以上落とせねえよ・・・。」
yuu君やレーサーは他のクルマを挟んで見えない所に隠れているww
しかしまぁ、今回もまた取り締まり不成立!
追尾されたことは数知れずですが、追尾で速度違反を取られたことは今までに一度もないのだ。
何をえらそうに・・
ヲレの野生の勘を甘く見てもらっちゃ困るぜ。(今回は油断していたのでたまたま気付いただけ・・)
しかし一体何処に居たんだろ。。
追い越すことは絶対にないし、あのペースなら自然に追いつくことはない。
どこかのSAの出口で張ってたんだな・・・。
ヲレのGCはマフラーもうるさいし・・・先頭走ってたらスゲーよく釣れるルアーみたいに入れ食いだな。。
年末は取り締まりも多いし、気を付けなきゃ・・・。
みんなも気を付けてね!
お疲れさまでした!!
もう師走!デフ直して冬用の足にしなきゃ。