
我が家の新しい仲間64エブリイ。
納車された週の週末で、予め準備しておいたタイヤだのドラレコだのと細かい弄りだけ済ませて、翌週には初のキャンプに行ってきました。
土日の一泊キャンプだったのですが、割と数日前から雨の予報。
私たちだけでしたら全然予約キャンセルで仕切り直す天気でしたが、今回は長男の保育園時代の仲良し三人組をベースにした三家族合同キャンプ。
調整して調整して漸くの日程でしたので、多少の雨でも決行となりました。
ウチ以外はキャンプ経験が無く、テントから何から全て今回揃えたそうで、テントの張り方なども解らない所からのスタート。
ある程度手引きしていく必要がありそうです。
当日は朝からしっかりした雨。。。
覚悟を決めなければなりません。
昼過ぎ頃からのチェックインでしたので、時間などに囚われずのんびり行こうかなと思っていましたが・・・他のふた家族は初のキャンプで気合が入っているのか、予定より遥かに早い時間にキャンプ場に到着しているとの連絡。
テントもタープの自分たちで張れないのでコチラの到着を待っていますとの旨。
マジか・・・
エブリイで初の峠道。
とても攻めるようなクルマではありませんが・・・
ウチの64のエブリイにはアルトワークスと同じターボで武装したK6Aというエンジンが積まれています。
ノーマル乍ら1.1キロというブーストが掛けられており、約1トンというワンボックスの車体を物ともせずに加速させます。
ツインカムだからなのか前置きインタークーラーだからかな、
結構後から来るドッカンターボで、見た目にそぐわない加速をします。
あと気になっていたのはエブリイが謳うフルタイム4WDの能力。
この手の軽自動車ではセンターデフ式のトランスファーを用いることは無く、ビスカスカップリングなどで回転差が出たときにのみ駆動力を分配する方式が殆どである。

AXC(アキシャルピストンポンプカップリング)という小形のトランスファーを介しており、ビスカスカップリングとも少し違う流体粘性を利用したロックアップを行う駆動システムである。
ビスカスのようにマイルドに無段階でロックアップしていくものとは違い、差動速度差が一定以上になるとボールカムによって完全にロックするという物。
この部分に関してはまた何れね。
FRベースの4WDなので、旋回に違和感がないのがいい。
ググっとリヤが掻いてから前が引っ張る感じなので、アンダー感が少ない。
意外にも完成された操作性である。
普段の生活の中では充分な駆動力だと思う。
雪などでハマった時に抜けられない糞四駆という評価もあるが、これらは単にアクセルを踏み過ぎているだけなのが殆どである。
高速度一輪空転だとカップリング締結が利かない構造(ファイナルドライブの回転数が55キロ以上でAXCが締結解除)なので、リヤにだけ機械式LSDを入れるといいかも知れないな。
雨の峠道。
重心の高いワンボックスですので、早めの操作を心がけながら回すような荷重移動で旋回し、ジワリとそれでいてしっかりと床までアクセルを踏みつけていく。
ターボ特有のトルクで登りでもぐわっと加速していきます。
リヤタイヤが大きくスライドするようなシビアなシーンもありませんね、
安定しています。
ワゴンと違ってバンなので、サスペンションが思いの外硬い。
最大積載量200㎏(エブリイワゴン)と350㎏(バン)の差はかなり大きいと言える。
キビキビしてターマックではいいが、クロスカントリーでは少し硬すぎるかも知れないなぁ。
ワゴンのショックの方がうねうね動いてくれるかも。
でもまあ、キャンプなどの時は人も荷物も沢山積んでるので丁度いいのかな?
何はともあれ、結構速いな。
っていうのが、エブリイターボの印象です。
先着の皆様に遅れる事一時間。
ようやく今回のキャンプの幹事役が到着しましたw
雨は朝から変わらずに結構しっかり降り続いています。
日中止むことは無さそうなので、胎を決めテントの設営に掛かります。
揃いも揃ってスノーピークのテントなので、大体わかりますが、他のおうちのは何週間か停泊するのか?って位大型のテントを準備してきていますね。
大型テントは張ってしまえば快適ですが、設営が大変過ぎると一泊二泊で気軽に行こうという気になれなくなるので、収容人数に合わせた最低限のものがお勧めです。
なるべく身軽に、そしてすべての事を自分自身で。
身の丈に合ったアウトドアライフを演出するのが私の信条です。
家のように快適さばかりを追求するようになると、あれも必要、これも必要と要らないものが増えていき、その内テレビまで置くようになってシェフに料理を作ってもらうようになってしまう。
グランピングなどという言葉もあるがアホかと思っている。
キャンプとは究極の清貧である。
普段の競争と虚飾にまみれた下らない日常から離脱するのだ。
自分で淹れたコーヒーなどを片手に、静かに森の呼吸に耳を澄ませる。
たったそれだけでいいのである。
そういう事が素直に楽しめないなら、キャンプなどする必要はない。
背伸びして子供などを連れてきた所で、何も教えられないのだ。
降りしきる雨の中、最初にタープの設営を教え、荷物を広げられる拠点を作ってから、各々のテントの張り方や張り位置の機微などを説明します。
本当に簡単な事だけね・・・
こういう所は水が流れるから、水捌けの良さそうな少し高い所がいいよ、とか、
木の枝とかごろごろした石は退かした方がいいよ、とか、
雨の日に火を使ったランタンを居室に持ち込むと死ぬよ、とか、
当たり前の事だけ。
聞いてる方は能書きが多くなると詰まらなくなるからね、
自然の中で自由にやるのがキャンプの醍醐味です。

雨の中の初めてのテント設営。
日が暮れると気温ひと桁台の極寒キャンプ。
それでも、他の二家族のお父さんたちはウインドウブレーカーのジッパーを一番上まで上げながら、自分の子供たちにいい所を見せようと頑張っていた。
焚火の面倒を見ながら料理を作っている。
よもやトラウマになるのでは?
という過酷な環境でのキャンプとなった訳だが、子供たちはあっけらかんとしているもので、大人のように「もっとこうだったら良かった」というような発想は無い。
普段と少し違う位の環境を、仲のいい友達同士で楽しんでいるという感じ。
それぞれのテントに変わりばんこに籠って騒いだり、ゲームをしたりしていて楽しそうだった。
与えられたものだけで、あとは勝手に遊ぶのが子供なんだなぁ・・と改めて思った。
しかし、さすがの自分もちょっと堪えたな・・・
割としっかりした登山用の合羽を着ていた積りだったんだけど、古いせいなのか雨が滲みてきていた。
寒い。
タープも古い物なのでところどころ雨漏りが始まっている。
シームシーリングが劣化しているようだ。
保険で持ってきていた小さめのタープを、雨漏りのタープの上から重ねて対処する。
ウチの次男の”れん”がちょっと顔色が悪い。
雨の中、濡れながら飛び回っていたせいで体温が下がっているんだろう。
唇が紫色で震えている。
「そんなになるまで今まで何してたんだよ・・」
子供なのに手が冷たい・・芯まで冷えてるな。
低体温症一歩手前という雰囲気です。
このまま寝袋で寝かせても体温の上昇に時間が掛かりそうだったので、エブリイのエンジンを掛けて、ヒーター全開で少し寝かせることに。
ヲレも付き添って少し暖まろう。。

こういう時にオートキャンプは安心ですね。
クルマという避難場所があります。
インプレッサじゃ窮屈なんでね、ちょっと中で休もうみたいな発想にはなりませんが、エブリイなんて移動休憩所みたいなものです。
熱いくらいヒーターが効くのは良かった。
小一時間程度クルマの中で寝かせると、
バイタルが一気に復活したのか、パチっと目を覚ました”れん”は
「もう大丈夫」と言った。
指先まで暖かい血液が巡り、頬に赤みが戻っていた。

翌朝は雨もすっかり上がっていた。
前日が前日だっただけに、清々しい朝である。

このまま午前中の撤収ではテントが濡れたままなので、このまま夕刻まで居られるデイキャンプに切り替えてもらい、道具を乾かしてから帰る事にしました。
前日バタバタしたんでね、少しはゆっくりしたいよね。

沢で遊ぶ長男含む仲良し三人組と、すっかり元気になった次男”れん”。
三人組のひとりに”てつ君”と言う子がいるのだけど、
前の晩、てつ君のお父さんに
「うちのてつをこれからも宜しくお願いします」などと言われて日本酒などを頂いてしまった。
結構いい酒である。
じゃあ一緒に飲みましょうというと、下戸だという。
要するにわざわざ買ってきてくれたのだ。
しかしまぁ友達のただの父親である私が、これからのお願いされる謂れは別にないと思うんだけど・・
昨年までの保育園時代、友達との交流が少し苦手だったてつ君はなかなか友達ができなかったんだそう。
0歳からの入園で6年も通ったのだが、初めてで唯一の友達がうちの”そう”だったんだとか。
そうには友達が多かったので、そこからみんなと繋がれるようになったという事なんだけど、学区が違うので別の小学校になってしまった事が今でもショックなんだと。
空手と体操クラブを習わせているんですが、てつ君もどうしてもと同じところに習わせるようになり、
息子が慕う唯一の友達との親交を繋ぐために、道具を全て揃えて一緒にキャンプに行ったり・・・お父さんの息子への愛情と言うか努力が凄い。
しかし・・友達と言うのは、親同士の契約ではないのでね、
本人同士が対等で仲良くあるかどうかと言うだけの事。
友達が出来なくて切羽詰まってた時期があったのかも知れないけれど、そんなの親が先回りして忖度するような事ではないですからね。。。
自分も、長男には誰とでも仲良くしろというような事は言っておらず、クソみたいな奴とは付き合わなくていいとさえ言っている。
自分で選んで面白そうな奴と仲良くしろと。
その”そう”が自分から仲良くしているんだから、別に”てつ君”も大丈夫でしょ。
余程”変”ないやな奴だったらうちの小僧も付き合わないと思うし。
子供の事は子供が決めるんだから。
こういう放任が正しいのかどうかは判らないが、
どうせヲレの子供なんだから、放っておいたって勝手にうまくやるだろ位にしか考えていない。
色々こっちから言ったって、
自分自身で理解した事しか信じないので無駄なのだ。
過保護なんて別の問題を招くリスクの方が高い、
ヲレのように、父親なんて居なくても子供は勝手に育つもんなのである。

しかし、今回のキャンプ。
エブリイは想像以上の大活躍である。
見た目にそぐわない恐るべき機動力と、業務レベルの積載性。
それでいてワゴンの快適性を兼ね備えたジョインターボが素晴らしい。
オールテレーンのタイヤを履いただけで、まだリフトアップもしていないけれど、四駆ということもあって未舗装林道くらいでは全く問題が無かったね。
軽自動車であることを忘れてしまう程の、
規格外のマシンエブリイ。
今後の活躍にも期待できますね。
エブリイは子供達にも大人気です。