
緊急事態宣言だの蔓防だのと日和り政府はピヨピヨ騒いでいますが、お出かけや趣味そのものが不謹慎みたいな雰囲気になっていくのは違う。
と、僕は思っている。
「欲しがりません勝つまでは」みたいな戦時中な感じがね・・・
帝国的というか、民主国家的ではないですよね。
そういう雰囲気が気持ち悪い。
殆どの人が本当にウイルスが怖いという事よりも、人の目が怖いからマスクしたり帰省を控えたりしてるんだろうし、目に見えないものの脅威をただただテレビなんかで見聞きしてるだけでは、本当の所は判らない。
政府はね、あれをするなこれをするなと取り敢えず言っておけば、絶対的な分母は減るので、大した根拠もなく色んな宣言や要請をかましてくるんだけど、全部鵜吞みにしていつまでも防空壕の中で閉じ籠っている訳にはいかないですよね。
大勢人が居る仕事場には毎日行くのに、薫風の吹き抜ける広大な野山には出掛けない方がいいのか?
むやみに流言飛語を鵜呑みにするのではなく、
私たちなりに気を付け、配慮し、バランスよく生活を続けて行かなければなりません。
子供たちにとっての一年は長く、そして一瞬である。
今じゃなきゃ出来ない事、今させたい事が沢山あります。
ですので、連休に計画していた本格登山は予定通り実施致しました。

あちこちで藤が薫る季節。
飯能の低山「棒ノ折山」へ。
次男の「れん」は、「鬼の嫌いな花だ!」と叫んでいました。
初めて見たのによく判るな。
すぐ隣の八王子からは山をひとつ越えただけのご近所山ですが、標高は1000メートル弱。
コースは短いですが、沢登り、岩場、鎖場、急登攀アリの結構ガチの登山です。
この辺で根を上げなければ大概の低山は大丈夫だろうと踏んでの、試験登山です。

有間ダムによって出来た人造湖「名栗湖」の湖畔より登山道は始まります。
ピストンではなく別の尾根で降りてくるので、降り口に近い所にクルマを停めて
湖畔まで車道を歩きました。

子供が二人づついる二家族での登山。
友達家族は夫婦共に日体大卒のアスリート一家。
心配なのはウチの妻だけでしょうかw
(でも、富士山には登頂経験アリ)

かつてない岩場w
鎖やロープが無いと越えられないようなほぼ垂直の岸壁などがあります。
ここまでとは思いませんでしたが・・・
子供たちは事も無げにクリアしていきます。

やや遅れてくる妻を捜索する次男。
余裕だな・・・
僕の半分くらいしかないくせに、よくあんな岩場を登って来られるな。

友達夫婦のところの長女に誘われながら自分のペースで上がってくる妻。

尾根にある巨岩によじ登る子供たち。
つまらない心配は杞憂であった。
彼らは小さな身体のなかに想像も出来ないような膨大なバイタリティーを有しており、我々大人になってからは実現できないようなパワーウェイトレシオと探求心を誇っている。
落ちればきっと死ぬ。
子供でもそんな当たり前の事は判る。
本当の危険を自らの肌で感じ取り、きちんと慎重に対処している。
うっかり足を滑らせて落ちてしまうかも知れないような危険は、全身が鈍ってしまっている我々大人の方が余程大きいのだ。

山頂手前の鬼の急登攀もなんなくクリアし、木々のトンネルを抜けると山頂へ出ました。

棒ノ嶺(棒ノ折山)969メートル。
折角見晴らしのいい頂上でしたが、あいにくの曇天。
ただ、雨は降らずに堪えてくれています。
暑すぎず寒すぎずで、気温的には丁度良かったかも知れません。
簡単に準備してきたおむすびやから揚げ、お湯を沸かしてカップラーメンなどでお昼を摂りました。
繰り返すようだけど、
苔むした岩場に、滑りやすい沢、ロッククライミングのような鎖場があると思えば、新緑の美しいなだらかな森林のトレイルがあったり、低山の面白みが全部詰まったような楽しい登山道だった。
近郊である事もあって人気のコースではあるが、
コロナの件もあるからか、ひとも疎ら。
いい時期に来たのかも知れないね。

山の地図によると、登りは3時間程度でも下りは1時間半程度の標準時間。
しかし大概の場合、下りの方がキツイのが山登りというものです。
重力に引っ張られてどんどん足が出てしまい、知らない間に自分のペースをややキャパオーバーしてしまうんですよね。
長男も次男も、何度か転び、木の根っこに頬を打ち付けたりして随分と男前になってしまいました。
なだらかに見える下りに油断してどんどんペースを上げてしまうからです。
一足毎の着地箇所の確認が間に合っていないんですよね。
一度だけ転んだそうは、ひとしきりベソをかいた後、「顔どうなってる?」と外観のチェックを求め、スマホで撮った写真を見せると・・
「思った程じゃないか」とやや安堵した後、必要以上にゆっくりと確認しながら残りの行程を終えました。
地道に中堅の星を目指すタイプ。
れんは、派手に何度か転びましたがギリギリの所で泣かず、コンチクショウという表情で再挑戦する感じ。
ペースも落とすことなく、確認の精度を上げて行こうというやり方でした。
死ななければナンバー1になるタイプだな。
ヤベエな登山、性格がモロに出るな・・・。
妻も、ペースは遅いけれど、ちゃんと最後まで歩き切ったな。。
思った程遅れてこなかった。
登山はね、体力や技術で登るのではなく、気持ちで登るもの。
決まったペースなんて無いんだから、最後まで気持ちが折れなければ必ず踏破できる。
速い人に付いていこうとすると疲れるし、ゆっくりな人に合わせても疲れる。
特に自分のペースが大事なのが登山なんです。
だから、みんなで山登りに行っても、基本は一人で登ってる様なものなんだよね。
休憩しながら離合し、最後まで歩ければOK。

サツキにシャガに・・色とりどりの季節の植物もキツイ行程を和ませてくれます。

アスリート一家の友達家族は、当然特にアクシデントなども無く無事行程を終えました。
お父さんはボルダリングをやってたらしいので、今回みたいな登山は楽しかったでしょうね。
でも、きちんとした登山はほぼ初めてらしく、後で聞いたら思っていたよりもきつかったと言っていました。
下りで転びまくってた「れん」も、全身土だらけ顔が傷だらけのくせに、「めちゃくちゃ楽しかったよ!」と目がきらきら。
あのくらい子供にとっては何てことないのかもな。
朝7時半から登り始め、午後3時過ぎに下山。
僕も久々だったので、いい足馴らしになりました。
ていうか、かなりきつかった・・・