
いつも面倒を見ているアルトワークス。
このブログにちょくちょく出てくるのだが、
このオーナー、高校の頃からの知り合いで、大昔にFC3Sやらランエボやらに乗っていた頃からクルマの面倒を見てきた。
そろそろ30年来になろうかというで友人ある。
なので、これまでも結構無茶な緊急修理などにも仕方なく応じてきている。
整備などは出来ないが、車検程度は面倒なので自分で行ってこいと言って手ほどきをし、自分で通せるようになったのである。
今回も、前の週にウチに寄らせて、
検査に合格するか確認だけはしておいたのである。
ところが当日。
車検に行くその足でマフラーから白煙がもくもく上がり、ブーストが正圧に上がらなくなったという。
行く足でって・・・そんな事ある?
余りに煙幕が酷いので流石に車検は厳しいだろうという事で、予約を取っていた検査は中止。
そのまま帰ってきたという。
まぁ確かに、以前から(というより最初から)エンジンOH時に移植したRHB31タービン(キャロルに付いていたカプチーノ用タービン)からのオイル滲みがあり、どうやら中にも回っちゃっているのは判っていたんですが、過給は問題なく掛かっていたので、ギリギリまで使おう・・・という按配ではあった。
ここにきて一気にブローとは。。
(せめて車検を継続してからにしてくれよ・・・)
車検も翌週に通さないと切れてしまうとの事で、この週末に直さないと色々厳しいという。
かく言うヲレも、金曜日にコロナワクチン接種の一発目をかました直後なので、どうなるか判らない状況。
接種後の用心で土曜日を休みにしてあるのに、そこで直すしかないな・・・。
結局
「熱が上がったら出来ないからな!」という事で引き受けましたが、熱も特に上がらず・・・
若干だるくて腕がちょっと痛ぇな、って位で頑張れば何でも出来ちゃいそうな自分が嫌です。

タービンくらいなら3時間位か・・・と仕方なくクルマを引上げに行き、作業を始めます。
ブーストは全く掛からないのでタービンホイールはスティックしている模様。
兎に角マフラーからの煙幕がヤバイ。
信号待ちでは後ろにいたバスが少し距離を置いて停車する程の煙です。
恥ずかしいなぁ・・・
カチカチ山だよこれじゃあ。

もう数えきれないくらいエンジン周りの作業をしていますが、その度に配管を少し折り曲げて退かすコンデンサー。
ついにプシー!とか言ってガスが漏れてしまいました・・・。
仕方ないよなぁ・・毎回丁寧に外してガス入れ直してられないし。
ここの配管は確か、捨てる前のキャロルから外してストックしてある筈。
取り敢えず無視して先に進もう。。

結構オイルの外部漏洩が激しいな。
タービンのどこから漏れるんだろ。。
それとも中での漏れが激しくて、過給時に配管の繋ぎ目から滲み出すのかな?
完全に死んでる感の凄いカプチーノタービン、摘出します。

水とね、エンジンオイルの配管だけ外せばあとはあとは煩わしい所は無いかな。
しょっちゅう作業してるので、ボルトナットの固着も無い。

タービンが外れました。
なかからドバドバオイルが出てきます。
これが全部スロットルに行くんだから、そりゃあ白煙モクモクだよ。

ガッチリ固着して回らないタービンホイール。
メタルタービンなんてボールベアリングと違い、単純な構造なのになんで回らなくなっちゃうんだろうね。
バラシて見てみたいところです。

吸気側でオイルドバドバのRHB31。
貴重なタービンではあるので、羽根の損傷が無ければOHして使いたい所。

取り換えるタービンは、エンジンOH前に使っていた運用期間の短いリビルト品。確か1年位しか使ってなったんじゃなかったかな?
まぁ、軽タービンの格安リビルト品なんてあまり信用出来ないけどね・・・
問題なく使えていた物なので、取り敢えず仕事場に戻ってもらいます。

デロデロのタービン周辺をパーツクリーナー2本くらい使ってしっかり清掃。
手が入らない部分なのでね、ここでしっかりやっておかないとずっと汚いままになってしまいます。
あとはサクサク組んでいくだけなのですが再び事件が・・・。
オイル配管のバンジョーが折れるっていう^^;

ネジ山がブロックの中に残っちゃったよ・・・大丈夫かよコレ。
そんなに強く締めなかったけどな・・・
銅ワッシャだからまあまあ締めとかないとオイルが漏れるとこ。
でも中空のボルトだから弱いな・・・難しい所だ。
さて、こんなボルトあったかな?
GC8のボールベアリング用じゃあ油圧は掛からんしダメだろ。
部屋のネジ箱をガサガサやるものの、パワステ系のデカいバンジョーしかないな・・・と思ったが、年末に取り換えたエブリイのK6Aのがどこかにあった筈だな。

ありましたね。
サイズも一緒っぽいな。

残ったネジはエキストラクターで簡単に外れました。
タービンは無事交換完了です。

最後にエンジンオイルを新油に交換し、試運転。
何か、ノーマルタービンの方が速い気がする・・・。
下から過給が掛かるからなのかな。
それともカプチーノタービンの方が最後の方は調子が悪くてイマイチだったのかな?
兎に角ぐわっと加速してくれて、パンチのある走りが帰ってきた感じ。
当分はコレでいいんじゃないかな?
インタークーラーなどの吸気側の配管はなるべく掃除をしましたが、インマニまで外して洗ってられないので、溜まったオイルで少しの間はまだ白煙を吹くと思いますが、まぁ・・そのうち消えるでしょう。
オーナーは仕事なので、帰ってくるまでマシンは返却。

オーナー帰宅後に確認してもらうと、割れてしまった配管部分の部品は同じ物があるようなので、そいつを持って来てもらいます。
リキッドタンク~コンデンサー間の短い配管ですのでバンパーを外すだけで交換できます。
最後に真空引きをしてエアコンガスを3本ほど入れたらエアコンの効きを確認して作業終了。
簡単に書いていますが、これは熟知しているからで・・・
エアコンガスの充填作業は非常に危険な作業なので、熟練者からの直の講習を受けていない者は見よう見まねで作業せずに、プロに頼んでね。
高圧配管が爆発して失明した人も居ますよ。
実は、のちにエバポレーター&エキスパンションバルブの交換も予定していましたので、エアコンガスは再充填となりますが、この時期一日でもエアコンが無いのは厳しいでしょうから、取り敢えず仕方が無いですね。
先ずは車検に通してきてもらいましょう。
後日、車検は無事継続出来た様で一安心