
だ い です、お久しぶりです。
ブログの更新がなかなか出来ませんが、死んだからではありません。
PCに向かうような時間がゼロだからです。
僅かにあるようなプライベートな時間は、ほぼ全て家族と過ごす時間に費やしてしまって残りません。
最近は酷い老眼の為、皆さんのようにスマホでサクサク作業出来ないので、
落ち着いてPCに向かい、写真の整理などをしながらゆっくり作業できる時でないとブログの更新は難しいですね。
なので、最近は多忙過ぎて難しい訳です。
唯一の休日も、半分は仕掛中のポンさんのGCのエンジン製作に使っているので、その他の依頼は今請けられない状況が続いています。
もう少し待ってほしいな。
まぁそんな訳でね、
ポンさんのエンジン製作だけは少しづつですが進んでいました。

ブロック締結ボルトのシールワッシャーも新品を準備したので、漸く左右ブロックをドッキングできます。

新品ベアリングを乗せ、たっぷりとアッセンブリールブを付けたらクランクシャフトを乗せます。
遊んだコンロッドがシリンダー内壁を傷にしないようにマスキングテープ簡単に張り付けて養生しています。
ピストン取り付け前に簡単に剝がせるようにね。
4か所のパッキンも忘れずに乗せ、クランクケースの気密をよく考えながら液体ガスケットを塗付してドッキングさせます。
液体ガスケットは余り銘柄には拘っていませんが、材料屋のHIKO君がよくくれるロックタイトの5699を使っています。

GDBの整備書による締付順序は、全て対角締めで、右から6本左から4本のジャーナルボルトをおよそ1.5~2.0キロで締めたのち、全て90°の角度締めでフィニッシュです。
ウォータージャケット内で留まるボルトのみ新品のシールワッシャーを用い、2.0キロスタート、外側で留まるボルトは右側からの6本の内、前2本が1.8キロ。左からの4本の前2本が1.5キロスタートと細かく違っていました。
今まで気にしたことなかったけど(整備書なんて見ていないので)、今回は人のエンジンなので一応確認してみました。

液体ガスケットが固まったら、ピストンの組み付け準備です。
HKSピストン付属のリングを取り出して、合口の確認をします。

これは今回使わないGDB純正のSTI鍛造ピストンですが、参考に計測しておきます。
STDΦ92.0㎜ 409ℊですね。

こちらはHKSの鍛造ピストンΦ92.5㎜で、368.5ℊでした。
40gも軽いですね!
今回色々計測して非常に関心したのは、東名パワードにしろHKSにしろ、社外製品の精度の高さ。
手持ちの安物のスケールでは測る意味なんて無いのでは?と思う程少数点以下まで重量は揃っているし、クリアランスも揃っている。
なので、今回は重量合わせなどはしていない。
というか、する意味なんて無いほど違いが計測できないのである。
どうせ合っているのにチマチマと苦労して計測していくのがバカらしくなってしまう。
だが計測する!
これはクルマの運転と一緒で、
だろうでは済まされない事も極少数ではあるが確実に存在するからである。
しかし、やはりピストンリングの合口も全て基準値で揃っている。。。
これも単衣にナプレックと帝国ピストンリングの技術力の高さが成せる結果なのでしょう・・・ありがとうとしか言いようが無い。

小さなピストンなら手で優しく組む方が安全だが、EJはビッグボアなので、ちゃんとピストンリングエキスパンダというリングへの負担を最小限にしながら押し広げられるプライヤーを使って組み付けました。(写真は3ピースオイルリングを取り付けした所)
高いリングなんでね・・・折ったら最後ですので慎重に。

ピストンをシリンダーに挿入するんですが、ピストンピンはサービスホールを使って後から挿入するので、ピン入口の反対側のスナップリングは先に付けておきましょう。
コンプレッサーを使ってリングをバッチリ締め付けて、ハンマーの木柄などでパコンと叩くとスコンと入ります。
締め付けが甘かったり、慎重にちょっとづつ叩こうとすると入る前にリングが広がって失敗します。
ガッチリ強めに締め付けて、勢いよく一気に叩き込むのがコツですよ。
アストロ製の安い奴ですが、全て一発で入ります。
そして養生のマスキングテープを外し忘れるっていう!
ピン挿入穴から剥がせたけどね・・・w

ピストンは向きが決まっているので、ちゃんと決まった向きで押し込めばコンロッドの小端部はすんなり入るはずです。
クランクシャフトも手で回して微調整しながら真芯を出してピンを黄銅棒などで叩いて打ち込んでいきます。
ピストンピン穴の背中にスナップリングを入れ忘れるとここで泣くことになりますwww

ベルハウジング側も同様に、4気筒4か所。
確実にスナップリングが溝に入っている事を確認して、最後に蓋をします。

さて、ピストンが無事取付出来たら、オイルストレーナーやらオイルパンの装着ですが、東名のバッフル&スチフナーの取り付けです。

クランクシャフト方面へのオイルの飛び込みを防止するバッフルプレートは純正でも付いていますが、それをより強化した形状になっています。
スチフナーはブロック下面とオイルパンの間に挟んで共締めなので、液体ガスケットを塗りこんで装着します。

ストレーナーもスチフナーを挟むので、スチフナー上面とストレーナー自体のOリングの装着を忘れないように。
ここ忘れると、油圧が掛からなくなりますよ。

オイルリターンのパイプの所のOリングも新品に。

付属のキャップボルトでオイルパンを取り付け。
エキマニとタービンはGDB用を使うので、オイルパンも当然GDB用です。

リヤ側のクランクシールを打ち込みます。
リップスプリングの脱落がないかよく確認します。
以前外れていた事があったので・・・(エンジン積んでから気付くっていう)

プラハンなどで丁寧に打ち込み。

オイルポンプを取り付けします。
以前にGRBのメタルブローが何故多いか?というような話になった時に、オイルポンプの内部のネジが緩んでいたというような報告がありました。
全てのケースでそうだったのかは判りませんが、締付不良があるようなロットが一定数流れてそういう事態を引き起こした可能性は充分にあります。
このベースエンジンはブロー報告の殆ど無いGDBC型用なので大丈夫だとは思いますが、一応締付の確認だけはしておきましょう。
内部のネジと言ったらトロコイドハウジングの皿ネジしかありません。

コチラも新品のOリングを乗せて、液体ガスケットで取付します。

フロント側のオイルシールも打ち込んで漸く腰下が完成です。
あとはヘッドなどを取り付けしていくんですが、先に作ってしまうと輸送が困難になるので、ヘッドとシリンダーブロックはバラで運んで現地(ポンさん宅)で組み立てることにしました。
これならそれぞれ一人で運べます。

きれいに修正面研したヘッドとブロック上面を傷に出来ないんでね・・・
大変でしたが、かなり気を遣って養生し大事に運びました
ポンさん宅の一室にスペースを作ってもらい、エンジンスタンドにセット。
ヘッドの取り付けに入ります。

純正ですが、ヘッドボルトやヘッドガスケットは新品を準備。

HKSの鍛造ピストンに、精密なボーリングとプラトーホーニング、
ブロック上面の修正面研の加工面。
機械加工の美の集大成とも言えるような仕上がりを見せたシリンダーブロックですが、これで見納めとなります。
見た目の美しさ以上のパフォーマンスを、これからは見えない所で発揮してくれることを期待して、ヘッドとブロックをドッキングします。

HKSのピストンはEJ20用と銘を打たれ、GC8もGDBも同じ物を使います。
GC8のVerⅢ以降では1.4ミリガスケットの使用で純正と同等の圧縮比(8.0)となるようなので、それに倣ってVerⅢ・Ⅳの純正品(1.4ミリ)のヘッドガスケットを使います。
標準の0.8ミリガスケットだと8.2まで上がってしまうようで、ブーストを掛けずに使うならこちらの方がレスポンスは良さそうですが、やはりしっかりブーストを掛けてパワーを出したいですからね。

新品のストレートピンを打ち込んで、ヘッドガスケットを合わせます。
EJ207のヘッドボルトの締付方法(GC8もGDBも同様でした)
①ヘッドボルトのネジ部とワッシャに組付け用のルブを塗布する。
②対角締めの順序で30N-mで締め付ける。
③同じ順序で70N-mで締め付ける。
④すべてのボルトを180°緩める。
⑤更にもう一度180°緩める。
⑥対角締めの順序で40N-mで締め付ける。
⑦同じ順序で80~90°の角度締めをする。
⑧更に同じ順序で40~45°の角度締めをする。
⑨センターの2本だけ40~45°増し締めをする。
*対角締め順序
1.センター上 2.センター下 3.左上 4.右下 5.左下 6右上
シリンダーヘッド取付完了。
ヘッドカバーは仮付けです。
この状態でタペットクリアランスを測定すると・・・6箇所くらい基準値を外れてしまう。
やはり結構狂ってきますね。
ヘッドもブロックも両方面研してるのでもしかしたらそのままいけるのでは?
と思いましたが、そういうもんでもなさそうですね。
次回からはヘッド単体での仮合わせは割愛しよう。
しっかりとヘッドボルトを締め付けてから計測し、そこできちんと調整すれば不足のシムの注文も一回で済むしね。
3箇所は入れ替えだけで上手く基準値内に収まりそうですが、あとの3箇所は再注文しかなさそうです。
シムレスリフターは1個2000円もするんでね・・・なるべく入れ替えのパズルで何とか収めたいところですが、それでもどうにもならない所は買うしかありません。
仮合わせの際に8個、今回の調整で3個。
結局16バルブ中11個も買う羽目になりました。。。
元々他のヘッドに入っていたバルブリフターですからね・・・
ゼロからの調整なんで仕方がないか。

買い足したバルブリフターで組んで改めて計測すると・・・急に冷え込んだせいかまたちょっと狭くなってる・・・。
まぁ、もう許容範囲なんで無視してもいいんですが、それでも狙った数値にすんなり入ってこないのはアタマに来ますね。
年中23℃とかに保たれたエンジン室などの必要性という物が良く判ります。
結構変わってくるんですよ。
スコンと入っていたシクネスゲージが入らなくなるんです。
シムの計算表と睨めっこしながら、更なる入れ替えで上手く真ん中が取れるような組み合わせがないか、もう少し良くなる入れ替えはないか・・・
やらなくても変わらないかも知れないような細かい作業に、更に何時間も掛けて詰めて行き、漸く妥協点に辿り着きました。
何が大変て・・カム直打ちDOHCのタペットクリアランスの調整が一番時間が掛かるんだよね。
ロッカーアーム式なんてドライバー1本で一瞬じゃないか。
トラブルとは無縁のHLAってのは未だに出来ないんだろうか・・・。
そんな風に思ってしまう程、エンジン組み立ての後半部分での大半を占める作業が、タペットクリアランス調整です。

あとは簡単です。
カムシャフトを取り付けして、新品のヘッドカバーパッキンやカムシールを組み付けていきます。
コレで漸くショートエンジンが完成です。

時間が掛かったなぁ・・・。
タイミングベルトまで掛けようかと思ったけど、タイベルカバーの裏板はこれから降ろすエンジンの物を移植しないといけないんだった。。。
次は何をするにも実車のエンジンを降ろさないとな。
という所までのブログでしたw
実はもう降ろしてきました。