
今月27日、作家でカヌーイストの野田知佑(のだ・ともすけ)さんが、ご病気のため徳島県の病院で亡くなられました。
84歳でした。
今から30年前、中学校の夏休みの宿題の読書感想文の題材で読んだのが野田さんの著書「日本の川を旅する」でした。
BE-PALというアウトドア雑誌に連載していたエッセイ「のんびり行こうぜ」をまとめたもので、ガクという犬を連れた野田さんが日本全国の河川をカヤック(正確にはファルトボート)で野営しながら漕ぎ下り、この川は最高だったとか、この川は最悪だったとか、水上からの独特の目線で舌鋒鋭く評価していくというものだった。
一緒に旅をしていたガクもカヌー犬などと呼ばれて一躍人気者になったりもして、チキンラーメンのCMに起用されたりもしましたね。
10代前半だった僕にとって野田さんのエッセイは衝撃でしかなかった。
勝手に入ってくる情報だけでぼんやり生き、何がいいとか何が悪いとか判断していた自分が恥ずかしくなった。
自分でその場所に行き、全て自分で判断する事でしか判らない事がある。
あらゆることを自分でこなし、あらゆることを全て自分の責任で決める。
そんな野田さんの生き方に憧れ、時には真似をしてテントを背負って全国の川を歩いて旅したりしました。
結局は普通に所帯を持ち、子供も二人生まれどこにでもいる普通のお父さんになってしまったけれど、今でもあの頃の清貧旅行の楽しかった記憶が僕の核になっています。
自然の美しさや厳しさ、全部自分でやること・出来る様になることの大切さ、自由とは何か、責任とは何か、そういう事を野田さんへの憧れの中から学びました。
生き方をそのものを教わりました。
一生掛かっても足元にも及ばないだろうけど、もっと近くに行けたらと思ってこれからも頑張りたいと思います。
野田さん、本当に有難うございました。
もう桜が満開ですよ
Posted at 2022/03/31 03:31:40 | |
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