
残作業と云っても大した作業はない。
社外エキマニの周辺遮熱をやり直しながら、クーラントやオイル漏れなどが無いかチェックし、やり残していたミッションマウントを交換するだけである。
クルマはエンジン換装後街乗りで数回乗っただけで、エンジンの良し悪しが判るほど乗ってはいないが、劣化ターボインテークからの二次エア吸入が無くなった事で、ハンチング症状が解消され、それだけでも絶好調と感じてしまっている。
水が減らないとか、オイルが減らないとか、ちゃんとアイドリングするとか、
何の不調も無く走れるだけで、インプレッサというクルマは充分過ぎる位の性能がある訳で、それをしっかり維持していく事自体が難しい訳です。
初年度登録からからもう26年。
「基本的にどこかが壊れてる時間の方が長い」それがGC8に乗るという事だと思っていただこう。
ただ、どうしてそう迄してGC8に乗るのかという話なんだけど、実際ヲレにも良く判らないんだよね。
要するにすぐ壊れちゃうなんてのは出来損ないのクルマだとは思うんだけど、運転した感じはダントツに素晴らしいというか、クルマの動きってこう有って欲しいという理想を具現化したような、思い通りに動かせるクルマ、それがインプレッサだった。
リヤのスタビリティーの感じがフロントに対してちょうどいいというのかな、適度に崩しやすい所がいい。
もっとスタビリティーを上げたいとか、もっとパキパキクイックに曲げたいとか、サスペンションの調整で簡単に変えられるところもいい。
最近の殆どのスポーツカーはシャーシ剛性が高く、アンダーにもオーバーにもならずに高速で旋回し、低速から図太いトルクが出て加速ラグも無い。
1.5リッター前後の3気筒エンジン車が昔のGT-Rより速く走ってしまう時代になってしまった。
凄い時代である。
でも90年代にAE86でドリフトし、やEFシビックでタックインをかましてた世代からすると、何か速く走ることが簡単過ぎて詰まらないと感じてしまう。
当時、運転が上手いと言われる人や走る事自体が本当に好きな人がランエボに乗らなかった事と同じ理由で、今の激速コンパクトには食指が動かないのである。
GC8には伸びしろがあった所も面白かった。
そのままじゃ壊れちゃうけど、後期の部品を流用したり冷却系を強化したり色々考えて対策すると、壊れないようになったり、まだ出来る事があると思わせる所が乗り続ける原動力だったのかも知れない。
何か、やってやろうという気になったね。
走り屋なんでね、峠やサーキットでみんなと競争するような事をずっとやってきた訳だけど、でも速さだけを追求してきたかと言うと結果的に違うんだなと今では思う。
どちらかと言うと、
上手さというか、巧さというか、追求していくと難しくてできなかった事がだんだん出来る様になってくるという自身の成長が面白かったのがクルマという趣味で、バランスよく適度に速いクルマであれば何でもよかったというのが本当の所だと思う。
だからこそのGC8インプレッサだったのだね。
ヲレくらいの世代が乗って面白いと感じるフィーリングがあり、適度に壊れて弄りの方も満足させてくれる。
壊れなきゃヲレだって部屋でエンジン作ったり載せ替えたりなんてしないつーの。
自分で触れなかったのならヲレは絶対に乗らないw
まぁ、GC8ってそういうクルマだね。

まだ走行は数百キロ程度ですが、取り敢えず問題はナシ。
エンジンオイルやクーラントの量も安定しています。
やっぱりエンジンオーバーホール直後に思うのは、タペット音や、ピストンの首振り、コンロッド大端部のノック音などのメカニカルノイズが大幅に小さくなる事。
低回転程判りやすい音なので、アイドリングが静かだなというのがすぐに判る違いです。
いつもの事ですが、
本当にお金を掛けられないので、最低限のリフレッシュしかしていませんが、今回は珍しくピストンリングを新調したので、圧縮やオイル消費に関わる部分は復調したかなと思います。
クランクピンとコンロッドのベアリングは当然交換。
あとはGDBコンロッドの流用である。
ここが唯一の高性能部品かな?
街乗り位では違いは全然ワカリマセン。

GDB等長エキマニ用オイルパンとバッフルの流用もしましたが、効果としてはオイルの片寄りを防ぐ位のもので、パッシブというか・・・専守防衛部品なので、何か違いが判るというものでもありません。
どちらかと言うと、今使っているタービンのボールベアリングがいつブッ飛ぶか判らないので、壊れた時にツインスクロールタービンにすんなり移行できるようにするための準備みたいなものでもあります。

エキマニ周辺のホースや配線などを、ゴム管カバーというコーナンとかで売ってるアルミのフレキ材で養生し直します。
これがめちゃくちゃ安いのに全然使えるんで、重宝しています。

ラジエターを社外の分厚いのに交換すると、必然的にラジエターファンがエンジン側に近づくんで、ファンモーターのコネクターやハーネスがエキマニなどにとても近くなる。
以前にコネクターがエキマニの傍で溶けてしまっていた事があったので、エキマニ側もハーネス側も厳重に遮熱処理しました。

あとは、準備だけしていて後回しになっていたミッションマウント。
これも海外製のSTI強化マウントです。
ウマで上がってる状態で、ミッションメンバー丸ごと外して、マウントとクッションラバーを交換し、メンバーを戻すだけ。
やれば20分位ですね。

なんかそれ程ヘタって無い気がするな。
どこかで一回交換しているんだっけ?
よく覚えていないが、それでも、最低でも過去10年はやっていないと思う。
替えていたとしても純正部品だと思うので、今回はエンジンに合わせての強化マウントへの交換ですから、よりカチッとしてビリビリウォンウォンと室内に異音が入り込んでくるんだろうなと期待してたんですが、大して変わらず。
ていうか、全然変わんねえな・・・。
そもそも、デフマウントとメンバーにウレタンのカラーブッ込んじゃってる時点で唸り音マックスなんで、これ以上うるさくならないだけなのかも知れない。

現在走行およそ25万5千キロ。
26年目で25万キロなら、まぁ大して乗ってない方だろ。
トリップメーターはボタンが壊れたので表示できなくなってしまったw
おかげで燃費を一切気にしなくて良くなりました。

お気に入りのデフィのDINゲージ。
とにかくダッシュ上にポコポコメーターくっつけるのはダサいと思ってるので、これ以外の選択肢が無い。
アイドリング油圧は、油温が約90℃で2キロ弱。
大体狙った通り位だろうか。

20年間ほぼ変わらなかったコクピット。
特筆すべき点は何もない。
大事なのは、全てが操作しやすい位置にあるという事。
ブリッドのバケットシートは、スーパーローではない標準のシートレールで目線が丁度いい。
シート前後は足がクラッチを踏み込んだ時にやや膝が曲がる程度の距離。
ステアリングチルトは最も下げで、ハンドルは近めがいいのでスペーサー入れて更にディープコーンにしている。
フォーミュラカーのように肘を伸ばして真っすぐ構えると、ドリフト時に正確な送りハンドルが出来ないのだ。
あとはインテリアとは関係が無いが、攻める走りや繊細な運転をしたい時は靴を履かないで裸足で運転している。
シートバックの位置もここに一番ハマるように調整しているのだ。
保安上あまり関心出来る事ではないだろうが、とても運転しやすいのである。
そうやって、ハンドルを1ミリ切った時、アクセルを1ミリ踏み込んだ時の絶妙なフィーリングを存分に楽しめるクルマがGC8インプレッサというクルマである。
ドライバビリティーで言ったら、今のハチロクとかNDロードスターとかの方が上ではないかと思う事も多いが、今のスタビリティーの高いFRのシャーシを見ると、GC8の方がよっぽどじゃじゃ馬なんじゃないかと思う。
ただまぁ、それでもね・・・貴重だからって大事に大事に乗るようになったら違うというか、本末転倒なのでね、気兼ねなく楽しめなくなったら、躊躇なく乗換えですかね。
今回作ったEJ207K。
どれだけ踏めるようになったかが勝負だな。
全然乗ってないがな!