
子育てや仕事の忙しさの合間を縫って、チョコチョコと見に行けた今年の桜。
ダイジェストになりますが、振り返ってみたいと思いますね。
え?
子供だの桜だのクルマのネタが少ないって?
そんなこと言ったって、元々ヲレはこっちがメインだし・・・
空とか、花とか、そういう自然の美しさをファインダー越しに切り取りながら、自分の心情的な揺らぎを自分勝手にリリカルに綴っていこうと思って始めたブログなんで、そもそもクルマネタはついでなんだよね。
みんカラでやれば、穴埋め企画はクルマで出来るなと思っただけの事でしたw
クルマの事は、判る人にしか判らないじゃない。
不特定多数の方々に発信するブログなのに、一般のひとに理解されないようなコアな内容に傾倒するのはあまり好きじゃない。
なんか、内輪だけで盛り上がってるみたいでダサいな・・・と思ってしまう。
たまにカルトなのも面白いとは思うけど、自分の本筋はもっとみんカラ受けしないものだったりします。
まぁ、最近は月に数回くらいしか更新も出来なくなってきたので、内容も端折りに端折ってる感じですが、
コアなクルマネタも、自然や旅の記録も、誰が読んでも判りやすくを心がけたいと思っています。
判らないにしても、目で見て楽しんでもらえたらと思って写真もいつも多めにしています。
そんな訳で、扉の一枚は奥多摩湖。
ここも、最盛期は桜の美しい東京都の山上湖で、平野部より一週間から十日ほど開花は遅いです。

随分久しぶりに来た気がします。
そんなに桜だらけって訳ではないんですけど、
20年くらい前にハチロクで来て、桜が満開で美しかった記憶が元で「奥多摩=桜」というイメージに支配されています。
湖畔の駐車場とか要所要所で植わっており、対岸の桜などが静かな水面に反射してとても映えるんです。

西側奥のドラム缶橋という浮橋周辺が好きで、いつもここにクルマを停めてました。
圏央道が開通してから、非常にアクセスが良くなりました。
渋滞箇所などもなく、子供たちを連れてドライブなんてのにはとてもうってつけですね。
ここで調子に乗って大菩薩峠の方から塩山に降りたり、小菅から大月とか藤野辺りに降りると、中央道の渋滞にハマる恐れがあるので、奥多摩周遊道路から、五日市方面へ抜けるのがベストでしょうね。
1時間で都内へ帰れます。

月夜見第一駐車場。
ここから見下ろす奥多摩湖や、山間に暮れなずむ夕日が美しいです。
日中はライダーが非常に多く、ちょっと怖い。
夜間は通行禁止になるので、閉門前の18時台がおすすめ。
駐車場もガラガラだし、通行量も僅少。
軽く流しながら下れますw
閉門前の全開アタック車両などがたまにいるのでそれだけ注意。

檜原村を抜ける際にライトアップされていたバス停の枝垂れがきれいでした。
ところ変わって、南信駒ケ根方面。
昨年叶わなかった旅の相棒コウヘイのと桜旅。
年に一度の桜を巡る写真旅である。
今年は時間が作れたので、早朝よりヴィッツを飛ばして長野へ。
飯田から高遠へ北上するプランを計画しました。

飯田は、駅周辺に桜の古木擁する神社仏閣が多数点在し、最盛期には桜の古都と化す。
しかし、今回はちょっと遅かったかな・・結構葉桜。
高遠メインで考えると合わないのは仕方がないんだけどね・・・
立派なお釈迦さまが樹前に座するお寺に一件寄ってみて、これはこれでいい雰囲気でしたが・・・
今回飯田は割愛することに。
半端な状態で見るのは勿体ないからね、
ハイシーズンを狙って出直すことにします。
ここからは高遠に向かってどんどん北上していくので、ちょうど満開のエリアに入っていきます。
ちょいちょい名のある古木を寄り道していきます。

笹見平の枝垂れ桜
飯田から程近いですが、一段高い所にあるので丁度満開でした。

道路脇にある民家の桜ですが、何とも立派な枝ぶり。
すぐ隣の農具小屋におばあちゃんが座っていて、見に来てくれてありがとうねと笑顔をほころばせていました。
自慢の桜なんでしょうね。
こんな桜が自分の畑にあったらそりゃ誇らしいでしょう。

さらに山道を走りながら北上していくと途中にある大草城址公園。
バックの駒ヶ岳がもはや絵画の趣です。

オッサンたちがマミヤの中判とか持ち出して場所取りしてましたw
しかし思ったのは・・会社という枠組みから解放されたオッサンというのは、気持ちが自由になり過ぎてるのか節操がないなということ。
公園なんて公共の場なんだから誰がどこにいようと自由な筈なのに、聞こえるように「あいつ邪魔だな~」とか「空気読めよ」みたいなことを言っている。
それはお前だろ・・・
ファインダーに入りそうになった人が申し訳なさそうに低姿勢で避けていくのがなんだかな・・・
写真に夢中になるのは勝手だけど、別にあなたたちの土地じゃないからね。
真岡のアマチュアカメラマンの一件もそうだけど、ジジイのマナーが悪い。
人生後半戦だからって、ガツガツすんじゃねーよみっともない。
と言っておこうw

基本的には自分の目で見て楽しもう。
カメラで構えると威圧的だからね・・・
誰かの迷惑にならなそうだったら、こっそりカメラを持ち出してさっと切り取って何食わぬ顔をしてる位の見栄は張ってほしいものだ。
自分の趣味で公共の秩序を乱してはいけない。

更に北上して、高遠より程近い箕輪町内にある樹齢1000年の古木。
「中曽根の権現桜」
県指定の天然記念物にも指定されています。
撮影時で若干早い気がしたが、迫力のある佇まいに圧倒されました。

「あれま、和尚さんが枝に座ってるよ!」
先に来て見物していたおばちゃんが驚いたような声を上げている。
ううむ・・・本当だ・・・。
ある一定の角度から見ると、梢にお坊さんが腰を掛けているように見える枝がある。
そういう風に言われるとそうにしか見えないから不思議だ。
「成る程・・・権現様とはこういうことか。」
しかし、この日は天気が良くて良かった。
最も美しいとされる満開後数日間が好天に恵まれるとは限らないですからね、
グズグズした天気の中見ごろを終えることも少なくない。
やはり撮影日和は晴天青空がいい。
この後、数日間天気が崩れる予報だったので、やはりタイミング的にはベストに近かったのかも知れない。

山あいの断崖にはもう山ツツジが咲いている。
夜気を残す北側斜面に暖かい日差しが差し込んで、薄紫色のツツジがキラキラ輝いている。
ふと見つけてクルマを停め、静かに見上げている時間がいい。
こういう時間が人生のすべてのような気がする。
どれだけ経済的に豊かでも、こういった些細な真実を見失うほど忙殺されたくない。
自分が死ぬ直前まで最後まで持っていたいのは、こんなちいさな生命をも慈しむ気持ちである。
きれいだなぁ、と思うものを大事にしたいという気持ち。
どうせみんな最後は一緒なのに、損得蓄えで生きてたって仕方がない。
家も貯金も死んだら無意味だしね。
今年の桜も良かったねぇ、とか言って死んだらいいと思うんだ。

この日の最後を高遠城址公園で締めくくろうと思っていたので、周辺の立派な樹をあらかた巡っておきます。
正直回り切れない。
午前中の飯田スタートがちょっと余計だったかな。
初めから高遠周辺を攻めておけばよかった。
昼食をとれそうな場所を探しながら、道すがら目立つ樹々に立ち寄っていきます。

弁当を食べながら、早出の疲れを桜色の名もない公園で癒します。
一段上がったところにある、本当に名もない公園。
誰もいない。
たまに県道を通るクルマの音か、鶯の声位しか聞こえない。
澄み切った春の空気、薄紅色に染まる静かな公園の一角で、久しぶりの暖かい日差しを受けながら、しばしのお昼寝タイムです。
何だか充分に満たされた感じですが、本丸はまだこれから。

クルマをUターンさせてまで、立ち寄ったグラウンドの桜。

勝間薬師堂のシダレザクラ。
観光バスが立ち寄っていくほどの立派なシダレザクラが境内に数本植わっており、
向かいの山からもはっきりと確認できる巨木である。

周辺のお墓の桜。
古い桜というのは基本的に、お寺とかお墓とか、神社とか、連綿と続く歴史の中で殆ど動かない不動産に残っていくものである。
民家の庭木だの、農地や山林の桜なんてのは長い時間軸で見ていくと目まぐるしく変わっていくものなので、樹齢数百年なんてものは稀である。
お墓の桜なんてのは割と好きである。
死者を静かに護っているようで、厳かでいいではないか。
桜巡りはお墓巡りみたいなものだ。

可愛らしいバス。
いよいよ本丸「高遠城址公園」です。
武田信玄の五男が城主の頃に、織田家の侵攻により落城。
明治四年の廃藩置県の際に、旧藩主たちの手により桜が植えられ公園として整備された。
公園内は1500本のコヒガンザクラが一斉に満開を迎え、山全体がさくら色に燃え上がるようである。
毎年さくら祭りが催され、全国から観光客が訪れる関東版の吉野山といった風情である。

どこもかしこもさくら色だ。
何だか現実感がなくなるほどに満開の桜に埋め尽くされている。

人工的な美の結論。
そんな感じである。
ヲレはLEDのイルミネーションなんかを見ても浅はかだなとしか思わないが、古い神社仏閣と山川草木の組み合わせには感動してしまう。
どちらも人工的な美学追求だとは思うんだけどね。
歴史的背景や自然との共存を果たしていた昔の人々の深い叡智、積み重ねた時間の重みなどが加味されるんだろうか。

日没後、園内のライトアップが展開されるというので、一旦公園を出て、しばしの周辺散策。
西日が射す一瞬などをしつこく狙っていきます。

裏手の山寺の桜と鐘楼が落陽に輝いていました。
うーん、ぶらぶらしてみるもんだな。
平野部の対岸は駒ヶ岳なので日没は早い。
鐘撞き堂から見下ろしていると、夕日はものの数分でやまなみに沈んでいきました。
美しい高遠の落日。

宵闇が一気に迫り、気温がぐっと下がり出しました。
しまったなぁ・・・ちょっと薄着でした。
園内のぼんぼりに明かりが灯り、要所要所の樹々に照明が当てられます。

午後6時を過ぎました。
なんだか狐につままれたような、怪しい美しさが園内を支配しだします。
4月半ばとはいえ長野県の山の中。
気温は恐らく5度を下回ったと思います・・・恐ろしく寒い。
にも関わらず、人出は更に増える一方で、日中にも増して園内は賑わいを見せています。

池の周りには木道が整備され、ライトアップされたコヒガンザクラが水面に反射しています。
通路を塞いで危険なので、木道上に三脚を立てないように注意書きがあるのですが・・・
ここでも節操のない大人たちが、
馬鹿みたいに陣取って三脚でバルブ撮影などをしている。
山登りをして、自然はいいねえとかいいながら煙草をポイ捨てしてるような・・・そんな違和感を感じます。
あんたらの美学は一体なんなんだ。

何だか、屏風絵巻を眺めているようなタイムスリップしたような世界。
正直ここまでとは思っていませんでした。
確かにこれは、全国から観光バスが来るのも頷けます。
自分は本来、人でごった返すような有名な観光地には興味を示しませんが・・・
日本屈指の桜の名所という所を、一度は見ておこうとこの地を訪れました。
固有種タカトオコヒガンザクラ。
街中が、全山が、さくら色に染まる。
まさに桜の国と言ってもいいかも知れない。
関東圏の有名な桜は、エリアという大きな括りで見ると一通り見てきたような気になっていましたが、
掘り下げていくと、まだまだあるなという感触です。
来年は、何処の、どんな桜が見られるかな。
気管支炎みたいになってたけど・・漸く治ってきた^^;