
土曜日、仕事から帰ってライブカメラ確認。
・・・うーむ、志賀高原すら路面が見えちゃってるな。
流石に今日は無いだろ。。。
先々週の南岸到来時に、クネが声を掛けずに一人で行った事を怒っていたヲレは、クレームを付けていたのだ。
「お前ズルいぞ、なんで一人で行ったんだよ、ヲレあの晩全然行けたんだぞ。」
「そんなこと言ったって、カメラじゃぶっちゃけ誘うような路面じゃなったから・・・」
「完全圧雪でサイコーだった位の事が書いてあったぞ!」
「行ってみないと判らないし・・・」
「あのな・・お前の方がリサーチ力はあるんだから、一か八かでもいいんだよ、今年最後かも知れなかったんだからな・・・外れでただのドライブだっていいじゃねぇかよ。」
「・・・。」
「既読スルーでも着信無視でも諦めずに連絡しろよ。」
・・などと支離滅裂な文句をぶつけていたので、出動なら必ず連絡は来る筈だった。
「このカメラみたら流石に今日は出ないか・・・」
子供を風呂に入れて寝かしつけながら、そのまま自分も寝てしまっていました。
午前1時、どうも妙な胸騒ぎで目を覚ます。
隣の部屋の携帯電話を見に行くとクネから2度着信アリ。
ラインには、「今日来ないと後悔しますよ」の文字。
ライブカメラを確認すると各地で降雪を確認。
「えー!何時降ったんだよ。。。」
「起きるのが遅すぎた・・」でライン送信。
「大丈夫まだまだ間に合う。」でクネ返信。
仕方ねえな・・・3時頃に現地に入れれば2時間は走れるか・・・

久々の中央道フルスロットル巡行。
家から2時間かけずに現着のペース。
途中の吹雪でホワイトアウトが凄くてフォグだけで走ったよ・・・
しかし、高速の出口手前くらいで何だか違和感を感じる。
「何だろ・・・音か?」
過給音が大きい気がする。
エンジンのトルク特性も若干違う?
パワーはあるけどトルクが薄くなってるような・・・そんな感じ。
油水温油圧異常なし、ブーストも問題なく掛かってるのでサクション系の抜けではないなぁ。
気のせいかなぁ。
以前あったようなベルトのタイミングずれって感じでもない。
エンジンのリズムや本質的な部分に変化はないけれど、反映されている結果がいつもと違うような・・・そんな違和感。
何かがおかしいぜ。
料金所を出てすぐのスタンドに入って漸く気付いた。
エキゾーストか? 超爆音 になってる事に!
アチャー、こらヤバイね・・・完全にダメなレベル。
またタービンサポートの蛇腹か、エキマニ・マフラーの折損かな・・・
フロアの下から覗き込みながら、音源付近をマグライトで照らしてみると・・・
純正触媒の後ろのパイプに、指で作るOKサインの輪っかくらいの穴が開いていました。
「ひええ、デカい穴・・・」
流石20万キロ、何でもダメになるねぇ。。。
取り敢えず走れることは判ったので、ハイオクガソリンを満タンにして、山を上がります。
雪がうっすら積もり始める入り口付近でクネと合流。
「どうだ、まだ走れそうか?」
「走り屋のクルマはエリア全山で3台程度、まだ全然ですよ。」
「だいたい、出る連絡が遅いんだよ。。」
「・・・雨雲が掛かる予報って事前にメールしてたじゃん。」
「それは予報だろ、気温が高かったから信用してなかったよ。」
「寒波が入る予報だったよ。」
「だって夜8時半で蓮池の路面が見えてたんだよ?行けると思わないだろ。」
「電話したのに・・・」
「マッタク、子供と一緒に寝ちまったよ。。」
またブツクサ言いながら走行スタート。
不思議なもんで、マフラー爆音はすぐに気にならなくなる。
真横向けても踏めば堪えるね、食う雪だよ。
隠れアイスバーンも少ないし、ガンガン踏めるね!楽しいです!!!
ここのコースは、道幅は広すぎず狭すぎずといった感じで、2速と3速の繰り返し、中間に短いストレートのある左・左は3速のまま一発で繋いだりする。
山頂付近でストレートが多くなると4速に入るコースだ。
途中、右・右で間の直線を一発で繋ごうとしたら軽くスピン。
毎年毎年、最初の一本は必ずここの繋ぎで回ってる気がするが・・
何故だろう・・・と今更になって考えてみたけど、丁度谷が切れて日中陽が入る所だからここだけ溶けてアイスバーンになるんだろうね。
憶えておこう・・(何年目なんだよ)
頂上も近くなり、次の低速の右を抜けてギヤ上げたら3速のまま振りっ返しという立ち上がりで、突然ギヤがすっぽ抜ける。
「今度は何なんだよ・・・。」
思わず呟いてしまう。
シフトレバーがプラプラになってニュートラル領域のまま惰性で登っていく。
短いストレートの中腹くらいまで粘って、やや左に寄せて停車。
・・・こんな雪山で不動とかだと結構深刻である。
兎に角ちょっとレバーをカチャカチャしてみる。
「ん?」
グリグリすると、どっかのギヤに入った感じ。
手応えはないけれど、クラッチを繋ごうとしてみると走り出せそう。
1速には入った模様。
シフトアップは出来そうにないので、取り敢えずそのまま頂上まで行きます。
「この雪しかない世界のどこで修理すんだよ・・・。」

スキー場のペンションの前の街燈に吸い寄せられるように停車。
マフラー爆音なので、アイドリングは出来ない・・・
取り敢えず、速攻でジャッキアップしてミッション周りを確認。
マイナス10℃以下の環境なので、長い時間は掛けられない。
数分が勝負である。
ヤバイ・・・超寒いぜ。

下回りからの確認ではリンケージに問題はなく、ブーツから上の問題だと判る。
急いでコンソール周りを外すと、レバーの麓が外れてました・・・。
ミッション主機じゃなくて良かったぜ。
どうも、3速に勢いよく叩き込み過ぎてジョイントの樹脂のハウジングが割れたみたいです。
ぐいぐい押し込んだら復旧。

外れた時の勢いで、レバーを真下のプロペラシャフトに対して、インナーブーツ越しに押し付けたみたいで、ブーツに穴が・・・
まぁ、こんなもんで済んでラッキーだったな。
延べ10分で改修完了。

満月とはいかないが、まだまだ月は明るい。
しかし・・・フロントパイプと言い、シフトリンケージと言い・・・
立て続けのマイナートラブルに警戒感が募る。
運が悪いと言えばそれまでだけど、
詳しくチェックしておけば兆候はあったはずだ。
でも、それに気付けなかった・・・何かが抜けている証拠だ。
こういう、悪い事が続くときというのは、大体自分が悪い。
普段やるべきことがきちんと出来ていないから、こういうことになるのだ。
折角来たのだから飽きる程走りたかったが、この体たらくではまだ何かありそうだ、、、
あと一本半くらいで止めておくか。

タイヤはまだまだ食う。
製造から4シーズン目のナンカンですよ。
アジアンのスタッドレスなんて、前評判だけ見ても最悪なんで3シーズンで捨てる予定だったけれど、4シーズン目まで使えた。
山がないんで、流石に今回で終わりにするけれど、サイプがあったらまだ全然行ける感じ。
来シーズンもナンカン新品投入でいいなw
スタッドレスもう3部山位なのに結構前に進む。
圧雪で浅い雪なら山が無くても全然遊べるけど・・・ザクザクした所だとちょっとわからんな。
まぁ、兎に角センターデフがきちんとしていればどうにでもなるのだ。
でも、去年よりは確実に食ってないので5シーズン目続投はナシだな。


最後に一本走って、
去年と同じところでまたデジカメパチパチ。
ちょっと物足りないけれど、いいんだこんなもんだよ。
もう質より量って歳じゃないしね・・
今は自分の時間が少ないからね、圧縮された時間の中で多くの事をつかみ取らねばならない。
タイヤの感じ、
デフのバランス、
足の感じ、
自分の運転、
次回までにやりたいことは全て確認できた。
何よりも、相棒とまた今年もこうして雪山の星空の下で楽しい時間を過ごせた。

充分でしょ。
下ってコンビニで5時。
山を下りると爆音が気になるな・・・ドリ車の直管シルビアみたいな音になっちゃったよ。
セブンイレブンのコーヒーとシフォンケーキで一服。
最近はセブンカフェより、セブンオリジナルのジョージア缶93円にハマっている。
一番美味い缶コーヒーではないだろうか。
あと一発くらい行けるといいね~なんて話しながら、もう5時過ぎか・・・
ヤバいな・・・嫁が寝てる隙にこっそり出て来たんだった。
「日曜はそれ程早起きしないから、7時までには帰りたいな。」
「それじゃあ、ばひゅーんと単独で帰るようだね。」
クネは途中で洗車して帰るのだという。
クネと峠を走るようになってもう17年。
雪山は12年間一緒に走っていることになる。
スノーではお互い一回もクルマが変わっていないのだ。
多くの連中が僕たちの間を風のように走り抜けていったけど、僕たちは何も変わっていない。
この白いGC8とGDBの二台コンビを色んな所で、かなり多くの人たちが見かけてきた筈だが、初めの頃に出会った人たちは、このスタイルで未だに変わらずに走っているとは思うまいな。。。
多くを食い散らかさない。
時間をかけて検証し、本当にいいものだけをほんの少しづつだけフィードバックしていく人生。
長生きの秘訣である。
常に進化を求めながらも、何も変わらないというこの二律背反こそが、
僕たちのライフスタイルなのである。
余計なものに埋もれなければ、本当に必要なものは残る。
時間が勝手に証明してくれるのだ。
そう、僕たちのインプレッサのように。

でもあと一回くらいは走りたいなぁ。。