
N岡君のGDB、鷹目のF型だ。
未だにGC8なんかに乗ってるとね、15年前のインプレッサでも最高峰の戦闘機に見えるんだよね、未だに。
GR/GVBすらみんなVABに乗り換えちゃってるこの昨今に、
世間的にはGC8もGDBも殆ど変わらんだろ、という感覚ですが・・・EJ20搭載のスポーツAWDは、エンジンやトランスミッションなどのコンポーネンツとシャーシの総合力が、GDBのC型からほぼ完成したと言っていい。
ヲレ的には3ナンバーの幅や、1400㎏を超えている車重など、サイズ面でやや一線を越えてしまっている感はあるのだが、ボディー剛性やエンジンの耐久性、トランスミッションやデフの完成度などのトータルバランスが突出しているのがこの辺のモデルである。
これ以降のリヤマルチリンクのモデルは、安定感ばかりを重視してしまっていて、FRのようにクイクイと曲がっていく感覚が無くなってしまった。
そういうただの優等生は自分の望むところではないのだ。
だからね、GC8やGDBをきちんと直してもっと乗ろうぜ!
ってお話ですw
N岡君は、ヲレのブログには実は10年以上前から登場しているキャラである。
彼がまだ大学生だった頃かな、彼が在籍する某大学の自動車部をみんなで出入りしたりして、若い奴等みんなで集まったりしていたな。
既にその当時から、ワカモノの自動車離れが懸念されていた時代で、そんな中でもこれだけクルマバイクが好きな奴が居るんだなぁ~と思ったものでした。
N岡君はEGのシビックか何かに乗っていて、一生懸命エロゲー系痛カッティングステッカーを自作していたのを憶えている。
最後は峠でクラッシュして、LSD入りのミッションだけ降ろしてあげて捨てたんだっけな。
そんな彼も、もうすっかり大人になって社会人になって、高値で安定しているGDBもなんのそので購入してくる身分になった。
我々のコミュニティーに在籍していると、クルマがどれだけ古くても何とかなる!と勘違いしてしまうらしく、未だにGC8だとかGDBだとかってのを平気で買ってくる奴が居る。
そして、ヲレの所に持ってきてアレコレ何とかしてくれと懇願するのである。
N岡君もその一人で、つい去年まではDC5(これも古い!)を直し直し乗っていましたが、満を持しての最終形態インプレッサWRX・STiを購入し、スターティングメンテナンスに入ったのだ。
GDBのF型と言えど、最初の曲がり角と言われる10年などとうに経過しており、タイミングベルトや水回りのホース、燃料ポンプやエンジン補機類といった消耗品の更新が待たれている。
費用も掛かるので、いっぺんに全てとまでは言わないが・・長く乗りたいのなら、最初の数年で計画的にメンテナンスしていくべきである。
逝ったらヤバイ箇所から優先順位を決めていって、
順番にやっていくのがいい。
エンジン全損はヤバいので、先ずはタイミングベルト。
そして水漏れもエンジン全損の危険をはらむので、水回りのホース類。
とりあえずこの辺を押さえておけば、クルマを捨てるか直すかを迷うような大事件は避けられる。
あとは、出先での立ち往生が困る燃料ポンプや、オルタネーター・セルモーターの新調。
パワステポンプの不具合も、オルタネーターとベルトを共有しているので厄介だが、近場なら最悪ベルトを切ってバッテリー残電力と重ステで帰って来られないことはない。
こういったエンジン補機類の他にも、
走れなくなることはないが、エアフロメーターやO2センサーの寿命でエンジンが不調になるなど枚挙に暇がない。
まぁ、あんまり細かい部分は壊れてから考えればよい。
とにかく上記のような内容から鑑みて優先順位を確定し、ヤバい所から早めにメンテナンスしていけば、数年で取り敢えず安心して乗れるインプレッサが出来るかな。
競技車両や本気組のクルマなんかは、エンジンのオーバーホールなんかも何処かでやらないといけないと思うけど、それはまあ別問題と捉えていいんじゃないかな。
壊す人は整備万全でも一瞬で壊すし、壊さない人はどれだけ長く使っても壊さない。
ヲレも完全にブローしたらそりゃ仕方がないけど、基本的には決定的な不具合が出るまでは修理しないしね。
あんまり細かい事気にしてたら古いクルマなんか乗れねー!
って事なんだけどね。

取り敢えず、このGDBも未交換のタイミングベルトから。
ついでにラジエターホースやヒーターホースなど、水回りのホースも取っかえます。
久々だな・・鷹目のGDBは、前に仕事でS204のエンジンのオーバーホールをした時以来かな。
確か、峠でタコって橋の欄干に激突し、タイミングベルトが切れてエンジンブローという内容だった。
あれも酷い事故だった・・・200万円で買ったクルマを一ヶ月でクラッシュさせ、200万円で直すっていう・・・
まだ二十歳そこそこ位の若者が親名義の鬼ローンで直したクルマだったな。
バルブが中空で貧弱なので、ポキポキと折れたり曲がったりで腰下は全くの無傷っていう奇跡のお陰で、ヘッドのOHだけでエンジンは復活出来たんだっけ。(封入ナトリウムが漏れ出て燃焼室で結晶化していましたがw)
そもそもSシリーズだと腰下のS専用部品が注文出来ない(在庫なしメーカーオーダー不可)とかで直せなかったんだけどね。。。
とにかくタイベルが切れるとそういう酷い事になる。
10万キロや15万キロくらいじゃ、普通に使っていれば先ず切れることはないけれど、切れてからじゃ遅いしね。

GC8なんかだと、大した難関がないので始めた瞬間に終わったようなもんだったけど、GDBからのEJ20は、IVCSの関係でカムスプロケのボルトがヘキサゴンになっており、とても緩む気がしない程に固く締まっている。
後の整備の事など全く考えていないかのような締め付けトルクである。
インテーク側は構造上オイルが通うので、通常の規格以上のトルクで締まっているようなのだが、IVCSの無いエキゾースト側も同様のトルクで締まっているようで、これが兎に角緩まない。
自信や道具が無いようなら、場合によってはカムシールを交換しないという選択肢も選んでいいと思う。
最近のクルマのオイルシールは非常に品質が向上しており、割と長く乗っているGD系などでもオイルが滲んでいるケースは殆ど無かった。
それでもヲレは出来る限り整備のセオリーに則っていきたいので、挑まなければならない。
1/2スクエアのほぼ新品のヘキサゴンソケットを用い、60センチスパンのロングスピンナで本気の力を籠める。
中実の大型ハンドルが大きくしなり、どのボルトをとっても一撃で緩まない。
それでもどうにか3か所を撃破し、2番4番のエキゾーストカムのスプロケに挑むが、スピンナーのハンドルがしなるばかりで一向に緩む気配なし。
そこで、中空パイプでしならないもう少し長めの90センチというスピンナーを部屋から出してくる。
これでダメならボルトが駄目になるだけなので、コイツを出すというのは最後の手段なのである。
ソケットの先端を確認する。
先の三か所での戦闘での損傷を見る為である。
熱処理により極限まで表面硬度を高められたクロムバナジウム鋼が、内掛けのボルトの中でそうそう損傷することはない(ボルトが負けるからね)が、浅掛けで斜めに入力してしまったり、カムアウトにより損傷する事もある。
武器が万全でないなら勝負を挑むべきではないのだ。
先端に問題がない事を確認し、スピンナーハンドルにセット。
ゆっくりとボルト穴の一番奥までしっかり着床させ、最も入力損失のない90°で首振りを固定。支点に手を添えながら一気に引き上げるイメージで力を掛けます。
ぐに。

ボルトが負け始める感触有り。
このまま力を掛けてもボルトが完全に舐めてしまって、次回の改修時に難しくなってしまうのでここで断念です。
ここまでくると正規の方法では緩みませんね。
ここだけは今回は諦めます。
トーチなどで炙れる部分ならここまでなる前に撃破できたかもしれませんが、樹脂のスプロケを挟んでいるのでどうにもなりません。
次回(いつになるか判りませんが)この辺の整備をすることがあったら、スプロケは割るつもりで完全に咥えてロックし、ボルトにヘキサゴンソケットをしっかり溶接してしまえば確実に緩むでしょう。

スプロケがしっかりと外れてくれたカムやクランクは、きちんとオイルシールを交換します。

シールを交換したら、スプロケットを元通り装着して新しいアイドラーなどを取り付けしていきます。
新品のウォーターポンプにサーモスタットを載せてこれらも元通りに組んでいきます。
サーモなんて純正でいいよ。
暖まったら開きっ放しだから。
ローテンプサーモなんて、暖機を遅らせるだけの無意味なパーツです。
冬場の朝イチになかなかヒーターが暖まらないだけですね。

新品ベルトを張りました。
各部の合いマークなどは散々紹介してきたので割愛しますね。
向かって左下のアイドラーを、ベルトを装着した後に取付するとラクですかね。

あとは室内で並行して3連メーターなどの取り付けを行っていたN岡君が、最後にセンサー取付の段階になったので、アタッチメントを使って油圧や水温などを取ってやります。
油圧・油温はオルタ下の純正の油圧センサーの取り口から、ジュランの長ナットタイプのアダプターで取得します。
二股なので、純正の油圧センサーは生かせませんが、特に警告灯も付かないようで取り敢えずはこのままで。
水温もGCみたいにインマニ下の純正水温計センサー穴から取ろうと思ったんですが、1/8タップの取得口が無いですね・・・時間があれば穴あけしてタップ立てても良かったんですが・・・
ラジエターホースに挟むアダプターを準備しているようなので、それでいきますか。

LLCのエア抜き中に配線を確認するN岡君。
あとちょっとだぞ~。

白のSTi、カッコいいね。
直したS204を試運転で振り回したことはあるけれど、こんなに速いクルマがあっていいのかと思うくらい速かった。
限定的な超テクニカルじゃない限り、自分が乗るGCが、自分が乗るGDに追いつくことは絶対にないなぁ・・と言葉ではなく心で理解できるレベルの違いであった。
そうだなぁ、
昔ユイマル君のエボ9を駆って出た時の感覚に似ているかな。
どこからでも加速する圧倒的な低速トルク(まぁ、比較しちゃえばエボのが上ですけど)と、突っ込み過ぎても間に合うブレーキ。
唯一違うのは、ドライバーの神経回路とのシンクロ率かな。
エボは無理やり言う事を利かせる感じ、インプは合わせてくれる感じ。
とでもいうのかな。
そうは言っても、それらの違いは気持ちよさの差くらいのもので、
これほどの戦闘力でガツンと止まってドカンと加速できれば、結果的に速さにそれ程の違いはないかな。
低速がより太いエボの方が速いかもって感じ。
でも、この辺のポテンシャルを限界まで引き出すことは、ストリートでは殆ど無い事なので、日頃運転していて気持ちがいい、楽しい、と思える方が所有しているメリットは大きい。
だから誰がどう見たってエボの方が速いのに、
結果的にではあるが、走る連中はスバル乗りの方が多いって事のような気がする。
ヲレの偏見ですけどねw
まぁ、そういうニッチな話はさておき、どんなクルマだって大事に面倒見ていればその人にとってはかけがえのないいいクルマ。
だからみんな各々大変でも旧車だとか、部品が無いような変なクルマに乗って喜んでるでしょ。
みんな合理性とか抜きにして、そういう事が楽しいだけなんだよな。
クルマ好きなんて、大して乗れもしないのにスペックがどうだタイヤがどうだと屁理屈こねる奴ばっかりで面倒だけど、傍から見たらただの馬鹿だからね。
馬鹿が正しい人に向かって正当性を主張したって無駄なんだから、正々堂々と馬鹿やってればいいんだと思う。
それがヲレたちってもんよw
作業終わりで邪魔ばかりしてくる大馬鹿野郎予備軍たち。

もう少し大きくなったら、ヲレのバイクとかを勝手に直結で乗っていきそうで怖い。
鍵は隠さないからせめて壊さないで欲しい。。
こいつらマジでグレムリンみたいでヤバイ。