
我が家に64エブリイが来て早5年。
妻が毎日通勤に使う傍ら、キャンプや子供たちの習い事の送り迎えなど様々なシーンで活躍できるコンパクトでアクティブな4WDマシーンとしてチョイスしたのが、DA64Vエブリイバン(ジョインターボ4WD)だった。
妻の初代通勤機のスバルR2がMTだったこともあり、エブリイもわざわざMTを探して購入。

内装がワゴンと同様のグレードの過給付き(ジョインターボ)の4WDでの、マニュアルトランスミッション車の中古流通が当時全国で5台しかなかったが、たまたま近場の軽バン専門店が保有しており、車両を見に行ってみる。
距離は10万キロと乗ってはいるが、内外装の綺麗さが決め手となりそのまま購入。
整備で何とかなるものならどうにでもなるが、ボディーや内装が腐ってると結構どうにもならないからね。(車両交換した方が早いみたいな)

エブリイのMTはタイヤハウスが室内にせり出してる関係で足元がやや窮屈なのだけど、コラムシフトでウォークスルーになってるお陰でそこまで気にならない。
サンバーなどのようにお尻の下にタイヤがあれば、足元も広く取れて小回りも利いたりするのだけど、その代わりショートホイールベースなので高速が不安定で怖い。
エブリイはこのロングホイールベースとフロントミドシップマウントのレイアウトのお陰で高速道路で120キロを超えても不安げなく巡行できる安定感がある。
インプレッサが出動できない際にはエブリイで秋田へ帰る事がある事を考えると、このスタビリティーは捨てがたい。
ワゴン内装で広々と4人乗れて、子供たちの乗せ降ろしに活躍の両側スライドドア、キャンプ用品フル積載でも余裕のラゲッジスペース、悪路でも高速でもハイパフォーマンスのK6Aターボプラス4WD。
ウチの生活スタイルの上では最強の軽自動車ではないだろうか。
だがしかし!
10万キロ走行ならわりと距離僅少と思ったのだが、オイル上がりがあるのか、エンジンオイルがすぐに無くなってしまう。
さすがにこれはちょっとと・・・
買った車屋にクレームと言うか、返品を匂わせつつ修理代金の折半を持ちかける。
折半とはいってもエンジン交換に関わる工賃は全てこちらで持つので、ネットで買う中古エンジンの費用を半分だけ持ってくれないかと交渉。
実際は10万円のエンジンと送料数千円の合計の半分なので5万円程度を持ってくれたら、そのままでは売れないクルマの返却と返金に関しては不問という条件なので、普通に経営している会社なら絶対飲みますよねw

こちらとしても、5万円程度で優良な中古エンジンに換装できるので、割とウィンウィンな結着だったと思う。
(クネにはそんなこと思ってるのはお前だけだと言われたけど)

エンジンの不安が無くなったので、クタクタだった足回りをカヤバで新調し、マイルドアゲバン仕様にする為のリフトアップキットを導入、
トランスバースリンクも新調したら、信じられない位乗り心地が快適になりました。
リフトアップもね、バネで上げるだけの見た目仕様ではなく、乗り心地も走行安定性を損なわないボディーリフト式を選択。
小加工はありますが、大掛かりにならずに取り付け出来ました。

綺麗な部品の流通が少ないのに、車高制限のある機械式駐車場で(妻が)バックドアをぶっ壊してきたので、渋々色違いの部品で交換。
どうせオールペンだから何色でも良かったのだけど、同色の銀だと10万円、小汚い緑だと3万円なら、安い方でいいだろう。
(これで3年以上乗る事になるw)

オフローダー仕様を意識しながらバンパーを切ったりブロックタイヤを履かせたりしながら、スタイリングを詰めていく。
こうやって数年かけて詰めていく頃には、小僧どものスポーツの関係で殆どキャンプにも登山にも行けなくなっているっていう矛盾。
まぁそれならジムニーとかシエラとかでいいんじゃないかって感じにもなりましたが、子供たちの習い事の持ち回りでの送り迎えで、数人乗せる事が多くなったので、ジムニーじゃ狭いな。
新しいノマドが欲しかったが当分は買えない雰囲気。
やはり、エブリイをリファインしての続投は必須となる。

昨年は
自分のGC8のエンジンオーバーホールで忙しかったが、今年は落ち着いていたので、漸く重い腰を上げて購入当初から計画していたエブリイのオールペイントを敢行。

あちこち板金はしているが、殆どは購入当初からの細かい凹みや傷などで、妻はバックドア以外は全くぶつけていない事が優秀だなと思った。
オールペイントとなるとやはりやや大掛かりとなるので、毎日使っているクルマでやるには土日づつ進められる手順分けと的確な計画が必要となる。
店に預ければ、すぐに着手してもらっても2~3週間は預けて、30~50万円程度の費用は必要になるだろう。
それを使用の合間をみながら自分でやらなければならないのだ。
まずは凹みや傷の修復をする板金作業を土日休みのタイミングでやり切る。
次の土日休みで、バックドアやルーフなどの先行塗装を済ませる。
(ここは別色だった為都合二週に渡っている)
そして、ペイントの邪魔になる小部品の取り外しと本塗装で2日。
細かい組み付けと塗装の磨きなどの仕上げで2日。
正味10日間程度の計画で完成する計画だ。
平日は通勤などで変わらずに運用しながら、土日でキリよく細切れにしていくと今のヲレではこの辺が限界である。

二週間ほど空き、先ずはバックドアを単品で仕上げる。
そもそも色違いのドアを付けてる関係で、ドア内を元のボディー色のシルバーで塗装。(とは言っても調色用の原色が足らず、適当に作ったシルバーだが)
外側よりも内側の方がボコボコで汚い3万円ドアなので、ちょっと叩いてパテ付けてきれいにしました。

そしてオールペンのメインカラーとなるスズキのカラーコードZVL。
新しいジムニーなんかに使われているミディアムグレーという色です。
ジャングルグリーンも検討しましたが、濃い目のグリーンなのでブラックとの色分けが映えないなと思い、ギリギリで変更しました。
パナロックの塗料だと、調色に必要なのは234ホワイトと030チンチングブラック、233オーカー、225オキサイドレッドの4色で、軽バンのオールペイントとなると4キロは欲しい所。(屋根をブラックで仕上げる事を忘れていたので実際はそんなに要らなかった)
手持ちの原色では全然足りないので、ホワイトとオーカー、オキサイドレッドは購入が必要となり、全部で2万円弱掛かってしまった。
まぁ、こういう場合はペンキは後々の補修用などの為に余計に作っておくと便利で、缶に入れて保存しておけば5年くらいは全然とって置けます。

バックドアだけミディアムグレーになりました。
コイツを先に塗っておきたいのは、塗装の始点と終点を作りたいからで、大面積がぐるりと繋がってしまっていると、一周して戻ってくる頃には最初に塗り始めた所が乾いてしまっていて、ツヤが繋がらなくなってザラザラになってしまう。
リヤゲートで区切れていれば右から塗り始めて左で終われるので、塗装の仕上げにが相当楽になるのである。

さて翌週は、ドアバイザーやエンブレムなど小部品の取り外しと、ルーフのみの単体塗装。
両面テープでしっかり固定されている部品は糊などの後処理が地味に大変で時間が掛かる。
ヒートガンやシンナーを使いながら、根気強く手でシコシコ作業していくしかないのである。

あとはルーフの縁でマスキングをして、ブラックを2K(クリヤー仕上げ)で塗装。
バックドアの所はバランスを考えるとドア内になる部分まで塗れてる方が良さそうなので、マスキングがえらい大変だった。

ハイルーフの屋根の上は高過ぎて届かないので、天板の広い踏み台を新たに買いました。
他の用途が今のところ無いし、邪魔なので無駄な気もしますが、今は一万円もしないで買えるんでね、板金も塗装も踏み台が無いと出来なかったので、必要経費かな。

さて、板金を済ませ、バックドアとルーフの先行塗装を済ませてしまえば、いよいよ大詰めです。
会社も忙しくて土日休みもなかなか取れなかったので、また数週間開いてしまいましたが、ようやく土日の連休週があり、梅雨入り前のきわどい時期に連日の晴れ予報。
この土日で決めるしかありません!

先ずは初日でミラーやドアノブ、リヤバンパーなどを外して、それぞれツヤのブラックや、チッピング仕様の半艶ブラックなどに塗装。
水切りモールは新品に交換するので壊しながら毟り取って、ドアガラスのガイドレールのモールも邪魔なので取り外さなければならない。
ドアがいっぱいあるのでドアノブ取るのが結構面倒くさい。
ドアミラーはボディ色の部分だけをツヤのブラックで塗装したんですが、可動部分の麓付近で塗りにくい所が出来てしまうので、可動軸のところのネジを外してプラプラにして、細かくマスキング。
こういうのも、とにかく面倒くさい。
本当は、翌日の本体塗装の車体のマスキングをだいぶ進めてしまおうと思っていたのですが、疲れすぎて小部品の塗装までやった辺りで殆ど動けなくなりセーフモードへ・・・。
普段の仕事でただでさえ疲れ切ってるのに、たまの休みの度に朝から板金だの塗装だのオールペンバラシだのと・・・
35度の酷暑のなか、限界まで身体を酷使しているので流石に気力だけでは続かないな。。
マスキングが進まないと、明日の本チャン塗装が出遅れる訳だが、今日無理をして体調を崩せば明日の塗装そのものが無理になってしまう可能性もある。
もう日も長いし、やろうと思えばもう少し進められるけど・・・朝からやってるんでね、初日は17時半で切り上げる事にしました。

さて本体塗装日、本チャン。
今回はソリッドカラーだから多少の虫やゴミは磨いて消せるので、レンガレ借りずに野吹きで行きます。
かと言って占拠時間をかなり取るので、その辺の空き地や道路脇では何を言われるか判らない。
・・ので、河原で塗る事にしました。
河川敷は河川法で国が管理をしているものの、法律的には誰の土地でもない公共性の高い敷地です。
ゴミを捨てたり周りの人に迷惑を掛けなければ基本的には何をしててもとやかく言われる可能性は低い場所。
環境を極力汚すことなく、なるべく人気のない端っこの方でクルマのペンキを塗るくらいなら、そんなに怒る人は居ないでしょう。(多分)
河原でバーベキューしながらバカ騒ぎして、最後に汚れたバーベキューセットをゴミごと捨てて帰る輩が問題になっていますが、そんなクソみたいな連中よりは遥かに謙虚で慎ましいじゃないか!
と、誰にともなく呟きながら、殆ど人が訪れない端の方のようやく見つけた木陰でのオールペンマスキング。

前後バンパーとヘッドライトを外して、ドア内を塗らないオールペンマスキング。
両側スライドドアがとにかく鬼で、全部貼るのに6時間掛かりました。
ヤバイ、もう夕方だよ。
発電機を使ってアストロコンプレッサーを回し、追加タンク込みで64リットル。
充填にやや時間が掛かりますが、片面は一発で吹き切れるので、何とかなりますね。

パナロックは二液塗料なのでクリヤーは無くてもいいですが、やはりクリヤーありとなしではツヤも塗装の強度も全然変わってきますね。
色だけならすぐ乾くのでさっさと終わらせて帰りたい衝動に強く駆られますが・・・せっかく準備してきているのでクリヤーで仕上げます。
塗装が落ち着くまで30分程待って、最低限のマスキングだけ剥がしたら、取り敢えず前後バンパーとヘッドライトだけ仮付けして家に帰ります。
余ったペンキもその辺に捨てたりせず空缶に戻し、ゴミも一つも残さずに帰る。
公共の場所を私的に使うのであれば、最低限の配慮と人としてのマナーを守りましょうね。
しかし、この日の最高気温は36℃。
気温が36℃っていうのは、日陰に居ても空気が36℃あるという事なので、結構厳しかった。
気力でやり切ったものの、軽い熱中症のようになり微熱やだるさが数日間残り、翌日から仕事に行くのが結構厳しかったよ。(行ったけどな)
この天王山さえ乗り切っちまえばあとはどうにでもなるので、
この勝負は勝ったw
でも5月のGW辺りから板金を始めて、6月の梅雨入り前に塗装まで済んじゃえば気温的にはそこまで厳しくないだろうと踏んでいたんだけど、甘かった。
まさかの35℃超えに6月中に追いつかれるとは思わなかったんだ。
もう年齢的にそんなに無理は出来ないな・・・と切に思ったけれど、
購入当初から考えていたエブリイのオールペイント。
5年越しの計画が漸く形になりました。
クネがホイールが黒じゃないのが惜しいとか余計な事ばかり言うから気になるな・・・。