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2021年12月30日 イイね!

年内滑り込みエンジン始動

年内滑り込みエンジン始動本当に忙しかったんだ。

こんなコロナ禍にあって、会社での仕事が究極に忙しくなり、極小企業ということもあって労働基準もコンプライアンスもあったもんじゃなかった。
収入はそれなりに良かったが、自由な時間がないのだから、それは人よりも稼いだとは言えない。

ただただ自分の時間を労働時間につぎ込んだだけに過ぎない。

矢鱈と頼まれるから、年がら年中ひとのクルマの面倒を見ているんだけれど、何度も言うけれど基本的にはただのサラリーマンなので、自分の休みを削ってクルマを直しているだけなのである。



そんな中でのポンさんのエンジン製作依頼。

時間が掛かるけれど、ヲレの割ける時間の中でしか進められないからね・・・
そう念を押して釘を刺してのスタートだったが、やりかけの仕事が手元に残ってる事が基本的に嫌なヲレは、最大限の尽力で進めた積りだったが、3月にドナーエンジンを準備する所から始まってエンジンが完成するまでに9か月も掛かってしまった。
まぁ、内5ヶ月は受注生産のピストンや、ボーリングの作業待ちではありましたが、まさかここまで掛かるとは思っていなかったので、最後の方はなんとか年内に間に合わせたい一心でしたね。


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GDBCの中古シリンダーブロックとストックで持っていたヘッドでのエンジン製作でしたが、タイベルカバーの背板や、水回りの配管、インテークマニホールドなど現車エンジンからの移植部品が迫り、漸く車両側の作業となりました。

25万キロ走ってなお特にトラブルもなく走っていたSTi verⅤ EJ207。
おつかれ生です。


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カバーの背板を移植して漸くタイミングベルトの組み付け。

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数えきれないほど組み付けてきたEJ20のタイミングベルト。
非常に長いベルトを使っていますが、特に難しい点はありません。
通常のレシプロエンジンの基本に忠実に組むだけですね。

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腰下はGDBの物ですが、GC8のヘッド(GCのECU)主導でドライブするので、クランクスプロケはGC8の物を使います。

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贅沢にも樹脂のカムスプロケは新調しました。
各所の合いマークがしっかり揃っていればタイミングは間違いありません。

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全ての印が揃っていますね。
こうやって面倒でもいちいち写真を撮るのは、間違いのない作業が行われたかどうかのエビデンスになります。

フェーズⅡから左バンクのインテークのみ金属スプロケになりました。

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仮組みで間違えてGC用を付けていたオイルレベルゲージ。
比べてみると長さが違います。

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レベルゲージの差し込みの位置はGCもGDも同じと思いますが、LOW/HIの高さが変わっていますね。
GDBCの等長エキマニ用オイルパン内では基本油面が上がっているという事になります。

オイルパンの底辺の高さは殆ど変わっていませんが、GDBですり鉢状になったことで簡単に言うと縦長になったので同じオイル量を入れたら油面は上がるという単純な理屈だと思うんですが、これはストレーナーの空吸い対策だと思われます。

GC8でも空吸いでのメタルブローが問題となっていましたが、エンジンオイルを500㏄程多めに入れておくとメタル流れが防げていました。
GDBCのオイルパンではすり鉢状に縦長にすることでオイルの片寄りを防ぎ、油面を上げることで更に空吸い耐性を上げたのだと推測できます。

GDではGCになかったバッフルを追加する事でクランクシャフト側へのオイルの飛び込みを防いでいるので、ぎりぎりまで油面を高められたのでしょう。

レベルゲージひとつで色々推察できるなあ。
(あくまで推測)

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GD用レベルゲージを取り付けし、水回りの配管を全て移植してショートエンジンが完成。




さて、エンジンを狭い部屋から外へ引きずり出し、車体に乗せる準備です。
多忙故時間も無いので、下調べ無しの現物合わせでのシリンダーブロック流用。

GC用で行くのか、GDB用を用いなければならないのか、
見比べながらの部品選定です。
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先ずはツインスクロールタービン流用に伴う周辺配管の移植。
水の配管が一本違う。
GCではL字型に曲がっている配管が、GD用ではストレート状になります。
曲がっているとGDBタービンと干渉します。
ヘッドに圧入の水の戻りの配管は同じ物でした。

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あとはタービンのステーも当然GDBの物を使います。

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水冷オイルクーラーと周辺配管は、GC用GD用共に使えますが、GD用の方がクーラーの容量が大きい事と、水の配管がよりエキマニを避けているので、迷わずGD用を選択。

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これで漸くタービンとエキマニ、インマニを装着する準備が出来ました。

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GDBCの等長エキマニの装着。
純正の遮熱板は極力そのまま使った方がいい。

火災が多いインプレッサ。
バンテージなどなるべく使わない方がいいのだ。

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GDBタービンVF37を装着。

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等長形状とツインスクロールの4-2の集合管。
タービンの風量がGC8から特別増えた訳ではないが、排気干渉を極力抑えた排気システムとなっている。

排気干渉とは何なのか知らない人の為に少しだけ中訳。


偶数気筒数のエンジンに必ず存在する排気干渉。
複数気筒の排気バルブが同時に開くことで、排気タイミングの気筒が無排気の気筒の通路に逆流する事で発生する排気抵抗である。
高圧の排気流路の途中に低圧の部屋が現れれば、そちらに圧力が移動してしまうからだ。

水平対向エンジンは構造上1・2と3・4とが同時に上下するピストンなので、等間隔にずらして上下させる直4などに比べて排気干渉が出やすいエンジンと言える。
昔のスバルのエンジンがVツインのようなドコドコと腹に響く排気音を轟かせていたのはその排気干渉によるものだった。
それらをうねるように長い排気管を用い合流するタイミングを巧みにずらして集合させることで排気干渉をだいぶ抑えることが出来る。

社外の等長エキマニなどに交換するとドコドコ音が消えるのはその為である。

GC8用の社外やBG9エキマニではタービンの手前で集合させていましたが、1・2と3・4を分けてギリギリまで個別に導くとより高い効果が望める為、GDBのC型からタービンハウジングまで二系統で分けて合流させる手法が取られました。
これがツインスクロールターボです。
カタツムリの中で、排気ホイールに当てる直前まで二系統で分けているんです。

よく考えてありますね。


因みに、GC8のシングルスクロール用の等長エキマニでも、殆どのメーカーがタービンサポートまでの二系統分けであるのに対し、シムス(マキシムワークス)のみがタービンサポート一体型でタービン直前まで二系統に排気を分けた構造としています。
取り付けこそ大変ですが、非常に拘った作りのエキマニだったんですね。


GC用のどんな社外エキマニよりも優秀なGDBC純正エキゾーストマニホールドと、ツインスクロールタービンのセット。
等長だ不等長だと言うだけで劇的にパワーアップするとは思いませんが、ほんの数%の排気効率の向上と、直列エンジンのように音が揃う事の合わせ技で非常に良くなった!と感じさせるような、プラシーボの助長が殆どとは思います。

GDBが速いのはツインスクロールターボだからではなく、AVCSで低速からのバルブタイミングを最適化した事と、より高過給を掛けても壊れない頑丈なシリンダーブロックが与えられた事が90%以上ですので、エキマニだのツインスクロールターボだのというのはオマケみたいなもんでしょう。


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そうは言っても、その数%の積み重ねがチューニングというものですから、2%を5か所やったら10%ですからね、それに幾ら掛かるかという事はさておいても、確実に体感できる違いが出てくるというもの。

ターボ車なんですが、NAのメカチューンに近いような、
今回はそういう細かい積み重ねの先にあるものを見据えて作っています。


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あとで交換しようとしたら大変な、インマニ裏側の燃料ホースとかPCV系のホース類を全部交換します。
一部汎用のホースとなっているのは廃盤により注文できない部品があるからです。


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ブログだから数日分を通しで繋げちゃってるんだけど、載せる積りで外に出したのに載せるまでいかなかったとかで再び室内に仕舞わなきゃいけないとかがありました。
ここまで出来上がってくると半端なく重いので、運ぶことそのものが一苦労。


頭の中ではトントン拍子で考えて、ここまでは行くだろうという積りで始めるんだけど、大体は頑張っても6~7割位しか進みませんね。
ネジ山が潰れててボルトが入っていかないだとか、ホースが嵌めにくいとか、案外下らない事が足を引っ張って時間を食う事が多い。


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それでも翌週には漸く新しいエンジンが積み込まれ、車体側に残されていたパワステポンプやらA/Cコンプレッサーなどの補機類を組み付けていきます。

ひとつノーマークだったのは、VF37タービンとTY754ミッションとの干渉で、エンジンを嵌める際にベルハウジングのリブの部分がタービンのアウトレットフランジとガッツリ当たります。

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絶対にそのままドッキング出来ないレベルだったので、サンダーで一気に削ってやりました。

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あとはラジエター付けて、フロントパイプ付けたらもうエンジン掛かっちゃうな。。。
これは今日中にもらったかな?

そう思いながら、下に潜ってフロントパイプを合わせようとするものの中々入らない。

「だいちゃん、もうちょっと上だよ。」

ポンさんが上から見ててくれているんだが、
下側のスタッドの一か所はもう入ってるんだけど・・・
おかしいなと思って改めて上から確認すると、

カタチが違って全然合いません。

あれ、もしかしてGDBC型タービンにGCのフロントパイプ付かないのか?(爆
フランジの互換性があるようなイメージだったが、、、AB型までだったか。

これも全然ノーマークだったわww


またしても本日エンジンが掛からない事が確定!
ちゃんと調べとけよクソが!みたいな感じなんですけど、そんな下調べすらしてる余裕が無かったというのが正しい。

毎日毎日、体調不良に近い疲労を背負って遅くに帰宅し、土曜日も休日出勤。
日曜日だって家の事をやりながらの限られた時間しか車両製作に充てられないのだ。


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それならそれで、他の事をどんどん進めておかなければね。
気を取り直してブリッツのアルミ一体型ラジエターを組んでおきます。

フロントパイプは社外品を注文する事にしましたが、ハッキリ言っていつ来るか判らない。
一ヶ月も二ヶ月も待たされることも覚悟しなければ。


そう言えば、クネ太郎のGDBもフロントパイプ換えてたな。
元々付いていたヤツはまだ持ってる筈。
そう思ってその場で電話してみると、「あるかどうか確認してくるからまたあとで電話します」とのこと。

まぁ、クネのがあれば社外品で時間が掛かっても、取り敢えずエンジンを掛けることは出来る。


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元々純正オプションのラムコのメーター類が付いていましたが、今回デフィの連成計(DINゲージ)を取り付けするので新たに温度センサーやプレッシャーセンサーの取り出しを考えます。


ラムコの油圧はオルタネーター裏側の、本来純正の油圧スイッチが装着されている箇所から取られていたので、油圧スイッチは?と疑問でした。
しかし、純正ハーネスの油圧スイッチ用1極線にはしっかり信号線らしきものが接続されています。

どこから来てるのか辿ると、、メーターに繋がるラムコの油圧センサー線に混ざり、エンジンルームに戻ってきている模様。
どうやらラムコの油圧センサー(日本精機製)信号は、3連メーター本体に内蔵する基盤に入り、純正の油圧スイッチの信号へ変換してから取得ハーネスに戻しているみたいでした。

更によくよく見てみると、デフィの油圧センサー(当然日本精機製)とラムコのセンサーが同一品のようなので、油圧センサーだけはデフィの新品を使い、延長ハーネスは今付いてる物をそのまま利用して、同じ方法で純正の油圧スイッチを活かせそうです。
ラムコの変換ユニットだけダッシュボードの中に残しておき、そのまま接続。
デフィのメーター側は分岐すれば両方活かせますね。


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油温も同じところから取りたいので、ジュランの二股アダプターを使いました。
ここに色々くっつける時は、直ぐ後ろに「EJ20」の打刻があるので、車検の時に確認できるように配置しましょう。

そうこうしている内にクネから入電があり、「丁度そっちに用事があるから1時間位でブツを持っていきます」の旨。

もうヲレはタイムリミットなので、この日は帰りますが、
次回訪問時に注文した社外品が来ていなければ、クネの持ってきたGDBC純正フロントパイプを装着してエンジンを掛けることにします。

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とまぁ、色々と手を尽くしたんですが、納期が1ヶ月以上待ちという事で頼んだサードのメタルキャタライザーがたった数日で到着w

クネ太郎のキャタライザーの出番は無くなりました。
(それでも直ぐに持って来てくれた事、感謝しています^^)

高温化する部位に玄武岩系のバンテージを巻き付けて、準備完了。
GCでは使わない下流側のセンサーボスはメクラボルトを入れておきます。

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サードは純正のフレキシブルジョイントと通常フランジとの両方に対応しているので、アダプターがひとつ挟まります。
タービンのガスケットと、純正接続の球面ガスケット、あと写真に無いですがキャタライザーとアダプターの間に普通のガスケットが入ります。

家に合った球面ガスケットが何故かトヨタ用でしたが多分同じ物でしょうw

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同梱のヒートインシュレーターをブレーキマスターバックに貼り付けし、遮熱対策。

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あとは何のことは無いですね。
無事フロントパイプを装着。
サードは随分とフロア下にせり出しますね。

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中間パイプとの接続面も、新品のボルトとガスケットを使って問題なく取り付け出来ました。
ただ、サードのパイプが太すぎてここで一気に絞られますね(汗


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タービンの遮熱板はGC用しかないので、そのままでは流石に付きません。

フロントパイプ側の拡大と、タービンサポート側の干渉部分カットで下の方は殆どなくなってしまいました。
耐熱塗料で再塗装して装着。

直近のパワステホースが素のタービンに晒されてしまうので、ヒートインシュレーターを巻き付けておきました。

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インタークーラーを取り付け、エンジンオイルを注入。
クーラントもある程度入れておきます。
今一度、未接続のホースや各部の締め忘れなどがないか再確認し、バッテリーターミナルを接続します。

少し長めのキーオン(インジェクター系統の燃圧が安定するまで)からのエンジンスタート。(ここは大袈裟にせずさり気なくさっさと掛けるのがヲレ流w)

やや長めのクランキングからの初爆でエンジンは掛かるものの、一気にふけ上がりそうになったので一旦エンジン停止。(割と多いので直ぐに切る準備をしているw)


またかよチクショウw



スロットルの動きが悪いか、ワイヤーの取り回ししかないんだけど、ワイヤー取り付けのブラケットやら色々チェックするが何故かワイヤーがやや引っ張られている。
一度スロットルのスプールからタイコを取り外して掛け直すと、ワイヤーの張りが正常になった。

どこだったのか良く判らなかったが、スプールにちゃんと嵌まってなかったのかも知れない。


始動前のクランキングが長く、
エンジンオイルは充分に充溢していたと思うので問題ないでしょう。

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気を取り直して再始動。
乾いた排気音と共にしっかりと一発で始動します。

無事アイドリング領域を保っている事を確認して、スロットルワイヤーの遊びの調整をやり直します。
アイドリングしている間に、クーラントのエア抜きをしながら補充を続け、サーモスタットが開いてエアが完全に抜けたらキャップを取り付けます。

まだ暖まり切っていない内に途中一回アイドリングが不安定になりストンとエンストしましたが、ECUは完全リセット状態だったので、O2とか水温とかの各センサー類の不活性とISCVの連携が取れていないだけだったと思います。

しっかり暖機した後は、何度かエンジン停止、再始動を繰り返しても一度もエンストする事はありませんでした。


あとはラッピング(初期のアタリ付け)で7~8時間ほどアイドリングで放っておく感じになるのでエンジンを掛けっ放しにするのですが、改めて下回りをチェックすると、何かが漏れている!

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エンジンオイルだな・・・。

初めの内は何度下から確認しても全くそういう箇所はなかったのに、時間を掛けて伝ってきたという感じ。
だとしたら油圧経路ではないな。


頼む!ベルハウジングの中じゃありませんように!!!

再びエンジンを降ろしたくない一心で・・・
こころの中で本気で祈りながら、漏洩個所を探します。
一か所一か所、時間を掛けて丁寧に作業をしてきたという自負がある。
原因が思い当たらない。


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エンジンの背面を伝ってきているが、何故かオイルパンの縁にはオイルは来ていない。
リヤクランクシールなどだと必ずここが湿ってくる。
タービンのオイルラインは全く問題がない。
ベルハウジングの外側を伝って、その上から垂れてくるようだ。


シリンダーブロック上面???

PCVのホース類は一つも余っていないハズ。
全部接続したことを何度も確認している。


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急いでインタークーラーを外すと、インマニの下側にエンジンオイルが飛び散ったような跡がある。(写真では邪魔なのでPCVバルブのホースは外してあります)

まだどこだか良く判らない。

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更に覗き込むと、見慣れない大型ニップルがある。
あそこから飛び散るようにオイルが噴出していたようだ。

位置的にクランクブリーザー系なのは判りましたが、クランクシャフト直上なので、ウエイトの回転に合わせて飛沫が直撃しそうなニップルですね。
GC8にはないPCVです。

インマニ載せたら全く見えないし、インマニ側のホース類が余らなかったので全く気付かなかったな。
これは本当にノーマークだった。

GDBエンジンを買ったときに付いてきたインマニの方を確認すると、PCVバルブはこのニップルに直接一本で接続されていたようです。
他のブリーザーホースは別で集合して、ターボインテーク側で吸引。
GC8だと、もう少しヘッド側にあるニップルに他のブリーザーホースも集合させてPCVバルブに行っているので、こんなニップルはないんですよね。

シリンダブロックのGC8との相違箇所の確認を、PC上の展開図での確認しかしていなかった事に寄る見落としですね。。
まさかブリーザーニップルがGDBCで追加されているとは・・・。



そんなオチでしたww


あとは適当なシリコンキャップを見つけてきて被せ、バンドで固定。
基本的には負圧なのでこれで大丈夫でしょう。
場所が場所なので大変でしたが・・・

あとは飛び散ったオイルをしっかり掃除して、インタークーラーを装着。
再びエンジンを掛けます。


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無事ラッピングに戻れました。

本当はインタークーラーの流用や、ポンさんの準備していた点火系の強化キットなどもあるのですが、最初に色々やり過ぎてしまうと、初期不良などが出た時に原因追及が迷走する恐れがあるので、慣らし運転の間くらいはノーマルで乗っていてもらいましょう。

あとで一つづつ丁寧に組んでいけばビフォーアフターも判りやすくて楽しいでしょ。(本当は大変だから少しづつやりたいだけw)

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エキマニのお陰なのか、ピストンのお陰なのか、アイドリングの排気音がGC8とは結構違います。


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なんかやはりGDBっぽい。
あとは、メタルキャタライザーで響き方が変わりますね。
乾いたような籠り音がします。


早く回してみたいですがここは我慢ですね。


日没までの2時間ほど、アイドリングで放置し、新たなオイル漏れや水漏れなどがないかしつこく確認して本日は終了。

あと5~6時間ほどはアイドリングで放っておいて欲しいですが、それは連休中にポンさんに任せます。
駅伝の関係でどうせ乗れないというので、追加メーターなど細かいアクセサリーの取り付けは連休明けにまた来ることにして、今年の作業は終了です。



最後の最後にオチがついて焦りましたが、
大した下調べも無く決行したGDBCシリンダブロック流用オーバーホール作業。
思った程難航はしませんでしたね。

何か違っても全て組み換えや小加工で行ける程度。
この程度で高強度なGDBのセミクローズドデッキのブロックが使えるなら安いもんですね。



GDBC以降のセミクローズドデッキ流用に関して、
一応これだけは気にしておくべきポイントを箇条書きにしておきます。


◎GDBピストンや社外ピストンを使う場合はヘッドガスケットを厚いものに。
◎オイルレベルゲージはGDB用。
◎スプロケ類は当然全てGC8用。
◎クランク角センサーやノック、水温など、センサーは全てGC用に付け替える。
◎水冷オイルクーラーはGC/GD用どちらでも使える。
◎タービンまで流用するならエキマニ・オイルパンもセット。
◎タービン流用するならフロントパイプもGDB用w
◎追加のクランクブリーザーニップルのメクラ。


ヘッド/インマニはGC8用をそのまま使うので、ECUを含めた制御系は全てGC8用をそのまま使います。
メカニカルの相違点のみ置き換えていくだけの作業です。



今回ECUは弄らずに純正そのままでスタートしますが、A/F計などでチェックしながら、危ない所があるようならフルコン化も視野に入れてもいいかも知れませんが、必須とも思いません。

ブーストアップも考えていませんし、
ノーマルのECUも割と優秀なので、この程度なら補正の範囲ではないかな~。
ヲレのGC8もクネのGDBも排気系はフルでやってるけどECUはノーマル。
クネのは一回コンピューター換えたけど、結局戻しちゃったしね。

余程の事が無い限り、何だかんだ純正ECUで行けちゃうんだよね。


ま、壊さない程度に様子を見ていきましょう。


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alt正月休みに入った途端に関節炎が出て動けなくなるって言う・・・








Posted at 2022/01/04 06:29:25 | コメント(0) | トラックバック(0) | EJ20壊して直す | クルマ
2021年11月27日 イイね!

ぺったんこ組

ぺったんこ組「運動会」

最近はコンプライアンス的にNGなどと言われて久しいぺったんこ組の峠の集会ですが、参加者はそもそも生まれつきの暴走族の集まりですからね・・・

そんな事言われても・・・みたいなw


昔から近所の走り屋連中とつるんで走ったりはしていましたが、峠の運動会と銘打って開催を始めたのが2010年頃からなんで、もう10年以上になりますね。
何だかんだレーサーが参加するようになってからだったな。

当時はヲレも、AE86の乗り換えから幾ばくも経ってない頃なんで、フロントデフ無しのローグリップタイヤでブリブリドリフトしまくっていた頃だね。
それでもこの頃はまだ二駆組も多く、四駆に乗ってる奴も素人ばっかりだったので、ヲレやクネの独壇場だった時代w

いい時代だったなぁww


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FDにシルビアに、レガシィに・・・
懐かしいな、もう10年以上も前なのか。

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雨でも関係なかったねぇ。

社会のクズが一堂に会し、唯一輝く檜舞台だった「運動会」
クルマの好きな奴らが、通勤や日曜日の渋滞の中でグズグズやってるだけで満足できる訳はないんだよな。

サーキットや自動車競技は妥協点ではあるかも知れないが、唯一の終着点だともヲレは思わない。
誰もが、いつでも好きな時に乗る事が出来るクルマという「自由」の中にこそ、その帰結点を模索している。

社会的な観点からみて、
肯定できるような説明は一つも思いつかないが、
その原点は、自動車の免許を取って初めて自分のクルマのハンドルを握った時のドキドキやワクワクの中に集約されている気がする。

スピードや背徳感に酔っているのでは決してなく、
自分が追い求めたロマンを信じ、それを追い続けながら生き残る。


その方法がどこにあるのかを探す旅路。


それに人生を賭けてきてしまったおろかな日々。

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2016年頃。
この頃が一番盛り上がっていたかな?

元気な走り屋が沢山居た頃である。

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ただ、この頃から感じ始めたのは、新たな一軍機が増えないという事実。
正味な話、レーサーや猪さん以降増えていない。

若手が居ない。


・・・別に、伝統を引き継いでいこうとか下らない事を考えてる訳じゃないけれど、初めはそれに迎合してくれる輩が意外にも多くて、そういう連中の拠り所になればいいなくらいには思っていた。

こういう事での関りが無ければ、クルマなんかとっくに辞めていましたなんて人も結構いたので、無駄ではなかったなとは思えた。


あとは、メンバー内に○日本戦とかでトップ争いをするような奴もチラホラ出てきたので、コンプライアンス性を意識しなければならなくなり始めたことなどがある。

有名になれば「運動会」みたいな裏社会での活動を公には出来ないからね。

現場の臨場感を、歯に衣着せぬリアルな物言いで表現していくのがヲレのブログスタイルだったのだが、それがやや難しくなって、
飼いならされた犬のような目で言葉を選ぶようになってしまった。

自分で書いていても判る。
これでは読み手のこころの琴線に触れない。


きっとこんなブログでは詰まらないだろうな・・・。




そう思いながら綴る事に何の意味があるのだろう。

ブログと言うのは、「こんな内容でも読んでくれる人が居るんだな」という事を原動力に書くので、自分の為の記録というか日記の為に書いても何の意味も無い。

そんなものは非公開でアップロードするか、
手帳にでも付けておけばいいのだ。

だから、書きたい事を書けなくなった瞬間にそれは意味を持たなくなる。
そうなると、若干不貞腐れ気味になってみんカラから足が遠くなってしまうのだ。

書き方の問題なのかも知れないけれど、「おろかな日々」で無くなってしまったらもうだ い のブログではないのである。


何言ってんだかね、
そんな偉そうなものでもないんだが。

ただまぁ、近年盛り上がりに欠けるのは、自分のせいもあるのかも知れないなと思っているという事である。

全ては結局、この運動会のブログから始まったと言っても過言ではないのだから。


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今回、参加者は少なめですが、相当久しぶりに黒鷹ちゃんに会いました。
運動会に来るのは初めてだったかな?

会ったのは10年ぶりくらいかなぁ。
当時からやたらと距離乗るぶっとんだ娘だなとは思っていましたが、最近はようつべやら色んな所で見かける有名人になってしまったので、それほど久しぶりと言う感じがしなかったw

まぁ、相変わらずブッ飛んではいるなw


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レーサーもすっかりハチロク乗りになったな。

練習用のグラベルタイヤってことで後ろでヌルヌル走っていたようですが、それでも普通のハチロクのスピードではなかったね。
なんだか楽しそうで羨ましいな。


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あとはもうどうにもならないというか、手が付けられないのは猪さんの35と白猪さんのヤリスですかね。

もうこいつ等はスルーするしかない。



熟練のドライバーが今のクルマに乗っちゃダメですよね。

フツーは往年の古いクルマとかに拘って、それで若手が乗る今のクルマを蹴散らすみたいな事をしていく年代(勝手な想像だけどw)だと思うんだけど、長年の経験と培ってきた技術を最新の戦闘機で披露するとか・・・


ダメだってばw


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あとは誰だか判らんけど、現地で物欲しそうにこちらを見ていた黒GCの青年が。


「おいお前!誰かと待ち合わせか?」

「いえ、そういう訳ではないんですけど・・・」

「だったらそんな端っこに居ないで混ざれよ、何やってんだよ。」

「あの、いいんですか?」

「いいよいいよ、しかし大体誰なんだよお前はw」



・・という強引なやり取りから合流してくる子も居たりして。

きれいなGC8D、STIバージョン3であった。
この中期ウイング、ヲレのGC以外で久々に見たわww



今回の運動会、現地集合でしたしNGOも一周くらいしかしてない(ヲレは単独で一発レッキしたけど)ので、大したトピックスはありませんでしたが、何と言っても35RとGRヤリスの速さですかね。

前を走らせて後ろから追っかけたんだけど、どうにもならん。
どんどん離れて見えなくなってしまった。

ヲレも全然クルマに乗っていないし、峠なんてレーサーやクネ太郎と来た以来ではあるけれど、タイヤもまだAR1バリ山だし別に調子は悪くなかった。
ていうか寧ろいい方だったw



何かこう、構造の違いのような決定的な差を感じましたね。
もうおよそ25年前のGC8と、現代の四駆ターボの最高峰との違い。



これまでストリートの戦闘機のアペックスなんてGDBとかCT9Aとか、あの辺から変わらんだろと思っていた。

GC8はその辺から見ても一歩劣るロートルな機械だが、この位の差ならあとは技巧と工夫で全然食えるだろとそう思っていた。
こっちはテクで勝負しているんだから、一世代前のマシンというのは丁度いいハンデだろと。

まぁ、そんな考えが通用していたのも10年くらい前までだったんだな。


気が付けば、もう更に10年経過していた。
ハチロクには2.4Lの水平対向エンジンが搭載され、1トン切りのスイフトにはターボが装着、GT-Rは車重のハンデなどものともしない超絶テクノロジーの塊となり、コンパクトハッチのヴィッツにはBMEP29.7Barという国内最高峰のターボエンジンを搭載した4WDスポーツGRヤリスに生まれ変わった。

クルマと言う機械の速さへの進歩は全く止まっていなかったのである。



もうヲレのような旧い人間には、それに合わせていく事は難しい。
ハチロクやシルビアで育った人間には、その技術をフィードバック出来るようなクルマでないと面白くないのだ。

クルマが追い付けないというより、人間が追い付けていないのである。


そして隅々までこの手で触れて、理解し、メンテナンスを施せる機械でないと同調できないし安心できないのだ。
今のクルマだって、ダメになった純正部品を交換するくらいの事はできるだろう。

ただ、クルマを速くするためにこれまで培った知見や技術を反映させる余地が少なすぎる。
足回りも、ECUも、吸排気や駆動系などのトータルバランスも、初めから余りにも良く出来過ぎていて、何も触れないという気がする。
そしてクルマが全て遣ってくれてしまう。

何だかそれでは詰まらないんだよな。


貧乏なヲレは、中古のエンジンやミッションを買ってきて載せ替えたり、自分でオーバーホールして使い続けられるからこそクルマを続けてくることが出来た。
そもそも新車でクルマを買ってきて、あとは全部人任せでクルマ遊びが出来るような身分ではないという自覚があるからだ。

今のヤリスやGT-Rを無理して手に入れたとして(無理だけどw)、20年後に全て自分で面倒を見ていられるだろうか。


何か、そういうイメージが余りにも湧かないので、新しいクルマに食指が向かないというのがある。
何とかなりそうなのが、せいぜい新しいハチロク&BRZ位ではないだろうか。
まぁ、新しいクルマを否定している訳では全然なくて、これはあくまで個人的な事情でしかない。


35Rにしろ、GRヤリスにしろ、恐らく人類で最後の純粋な内燃機関のスポーツカーではないかなと思う。
暴力的にハイオクガソリンを食らい、官能的な咆哮に換えていくハイパワースポーツエンジン。


・・・もう最後だよ。
買えるならなら買っておいた方が良い。

あと10年強でモーターと水素エンジンのみのクルマ社会になる。
ヲレたちがエンジンというおろかな機械を楽しむ事の出来る最後の世代なのである。


ヲレはただ、人生最後のエンジンをEJで終わらせるかFAに切り替えるかで迷ってるだけで、どっちが楽しいのかなと・・エビデンスを探しているだけなのだ。
ギリギリまで遊び倒す積りなのは変わりません。


速いかどうかというのは一つの結果であって、
好きなクルマ、楽しいと思えるクルマに乗る事が先ず第一だろうからね。

自分の気に入っているマシン、手塩にかけて面倒を見てきた相棒を持ち寄って夜のお山でワイワイやるのが「運動会」の楽しさだから・・・

出来れば続けて行きたい。




10年前。

今。

そして10年後。




みんな50とか60とかになってしまっているけど、どうしているかね。
ヲレやクネは超低代謝なので恐らく殆ど変わらない。
レーサーやYuu君は根っからのアスリートだから、今の世界で更に上り詰めていくのかな?趣旨変えはあるかも知れない。
その他の連中は、半分が辞めて、半分が現役からは退くものの、そういうクルマには乗り続ける・・・みたいな感じかな。

かなり高カロリーな世界なので、そうとう理由がない限り続けられないというのが本当の所だろうね。






要するに馬鹿だけが残るw



また立ち位置が確認出来たじゃないか。

負ければ悔しいが、それがまた次への原動力となる。
まだGCで何かできることは無いのか・・とか。(まだGC8でやる気なのかよw)
未だにそういう事が面白いんだよなぁ。


来年は夏、冬と、ちゃんと二回やろうかな。

みんな今年もお疲れ様。
altレーサーが言うように、今度は新しいコースを考えてもいいかもね

Posted at 2021/12/20 02:31:39 | コメント(1) | トラックバック(0) | カーライフ | クルマ
2021年11月07日 イイね!

5歳と11か月

5歳と11か月先日、忙しさの合間を縫って、三度登山へ。

去年位からキャンプに誘って欲しいだとか、登山に行ってみたいだとか、お誘いがある息子のお友達家族。
夫婦ともに日体大卒のアスリート家族である。
上が8歳、下が6歳が全く同じの保育園友達です。


こちらもそれ程頻繁にやる方ではないんだけれども、誘われるのでいい機会だからと行くようになった。
奥さん同士が仲がいいんだよね。
気を遣わないというか・・・ママ友って感じではなく、普通の友達って感じみたいで、いい時はいい、ダメなときはダメって気兼ねなく言えるのがいいみたい。

ヲレはこんななんで、向こうが誰でも問題ないんだけどw
アッチの旦那さんもいつも楽しそうだから、いい関係なのかも知れない。


前回の登山もショートだけど結構上級向けコースだったと思う。
それでももっと欲しがってる感じなんで、久々にちょっとロングのガツンとしたコースに行ってみようと思い、丹沢の玄関口大倉からアクセスする「鍋割山」へ。
丹沢は大昔、塔ノ岳、丹沢山、蛭ヶ岳と宿泊で縦走しますし、近年でもレーサーやクネとヤビツから丹沢山まで行った記憶がありますが、鍋割山嶺は初めてです。

只の鍋割山ピストンなら4~5時間と言った所ですが、状況見ながらお隣の塔ノ岳を目指すルートを検討してのスタート。
経験も体力もない只の素人のウチの妻が心配ですw




朝8時に大倉バス停周辺の駐車場で待ち合わせ。
身支度を済ませて直ぐに出発です。

畑のある民家の脇から小径に入ると、鍋割山へ続く林道となります。


今年で8歳になった「そう」。
ひょうきんな性格なのか、冗談ばかり言って人を笑わせようとします。
だからなのか、何処に行ってもみんなに好かれている印象。



お友達家族の長男「たけちゃん」も、「そうくんたちと一緒じゃなきゃ絶対に山登りなんて行かない」と言っているらしく、逆にうちらと一緒じゃないと登山そのものが出来ない状況らしい。


保育園時代からそうだった。
勉強が特別できるとか、運動神経が突出しているとか、そういう物は一切ない。
いたって普通の少年なのだが、まわりに人が集まってくる。
友達からも先生たちからも、何故かみんなから愛されている。

そういう能力なんだろう。



れんと同い年のしおりちゃんというのがかなりヤバイ。

体力や運動能力は、この中でもずば抜けているのがこの子だと思う。
お兄ちゃんのたけちゃんも運動神経は素晴らしいが、大人しい性格で、人見知りだったり怖がりだったり普通の子供っぽさがあるのだが、しおりちゃんには弱点がうかがえない。




沢山の沢が登山道を横切っており、飛び越えられる程度のものもあれば、丸太の橋がかかったものもある。
子供たちは、飛び跳ねるようにそれを越えていく。



普段はシャイだというたけちゃんと、ウチのれんも、そうを中心に道中ずっと笑顔でふざけ合っている。

「一番仲のいい友達は誰なの?」と質問すると「そう君」と答える弟のれん。
保育園での事を聞きたかったのだが・・・まぁ、それでもいいかと思った。
彼にとってはそれが事実なのだ。

お兄ちゃんが大好きなのである。


ボランティアの水運びをするというたけちゃん。

よせばいいのに・・などと思ってしまう大人が無粋なだけで、
子供とは基本的に正しい事に真っすぐな、真面目な生き物なのである。





等高線の狭まったキツイ急登攀が続きます。
妻も、所々で足が止まります。

標高を稼いでいく毎に、麓ではまだそれ程でもなかった紅葉の色付きが美しくなってきました。





朱く染まった登山道を、まるで重力など感じていないかのように、トントンと登っていくれん。
山登りなど子供にとっては訳ないのだなと痛感させられる。

初めは、こんな小さな子が大丈夫だろうかとか、途中でおんぶでもする羽目になるのでは?とか心配していたが、全て杞憂であった。
大人の方が余程リタイヤしそうである。






山頂直前の鬼の急階段をクリアした頃には流石にこの表情。

お母さんを待ちながらなので、先頭組(友人夫婦+そう)からやや遅れたものの、無事「鍋割山」山頂へ到着。




みんなこの山荘で提供している鍋焼きうどん(1500円)を目的に登ってきているらしく、登山客は殆ど例外なく外でうどんを啜っていました。
お山価格なのは判るが、1500円は高いねぇ。

僕たちは自分で昼飯を準備してきているので、頼みませんw


ここまできて食べないのかよwww みたいな。


山頂での協議の結果、折角ここまで来たのだから塔ノ岳の山頂を踏んでいこうという事になり、ピストンルートを取らずに奥の尾根を進むことになりました。

既に昼を回っていたのでぶっちゃけ時間的には厳しい。

塔ノ岳がお隣とは言っても、1時間半は掛かりますし、そこから大倉まで降りていくルートも、3~4時間の道程。
明るいうちには降りられない予感がしましたが、一応ヘッドライトなども準備してきましたので、何とかなるでしょう。。


ブナの原生林を駆け下っていくしおりちゃん。





神奈川のバックスクリーンとも言える丹沢山地。
都心からも最も近い人気の登山エリアである。

だが近郊と侮るなかれ、その山容は実に険しく奥深い。
ツキノワグマやニホンカモシカなども生息しており、手つかずの自然が色濃く残る国定公園である。

この大自然に憧れ、中学一年生の頃に友人と東西に縦走したことが私の登山の始まりである。
ヤビツ峠から入って最高峰蛭ヶ岳に至るまで2泊も掛かった。
当時は子供だったので国定公園内で野営が出来ないという事を、山小屋の人に聞くまでは知らなくて、小屋の裏手に秘密でテントを張らせてもらったというエピソードがある。



そんな青春の思い出の地に、妻や子供たちと訪れる日が来るとはね。



一番山に訪れたい時期なのに、秋ごろっていつも忙しい事が多いから、なかなかこれまで登山出来ないでここまできた。
お友達家族の誘いがなければ、結局日々のつまらない煩雑さに紛れて終わってしまう筈だったこの季節。

別に連休でもない只の日曜日に、普通に「行こうよ」と誘われたことが寝耳に水だったのである。

きっと子供たちにとっても一生モノの大切な時間になる。
少しくらいの予定は動かしてでも、「行こう」そう思えた。


ぶー垂れている割にはフィジカルに問題がある訳ではなく、その都度おやつを提供するだけで復活する単純なれん。

足元の丸太の陰に「きれいな花があるよ」と教えてくれた。

よくみるとあちこちに竜胆(リンドウ)が咲いていました。








ふと見上げると、冷たく透き通った風が紅や黄色の梢を吹き抜けていく。
今この瞬間、ここに居るというだけの事が、言葉に出来ない程素晴らしい事だなと、こころで感じている。

丹沢は新緑が美しいが、落葉のこの時期も本当に美しい。


こういう事を理屈抜きで共有できる相手とでないと、一緒に登山というのは出来ないだろう。

このママ友夫婦も、こういう事が心の底から好きなんだなと感じる。









鍋割山から塔ノ岳までの尾根は、見晴らしがよくてとても気分がいい。

南側を見下ろせば、秦野平野と相模湾を一望し、北側を覗き込むと蛭ヶ岳や檜洞丸が座する奥丹沢が待ち構えている。



お隣とは言ったものの結構歩きました。
しっかり一時間半掛かってしまった。
360度視界が開けると、海抜1491メートル塔ノ岳山頂です。


鍋割山からは見えなかった富士山がしっかり見えています。


雲海の上に聳える霊峰富士。
最後にこれが見られただけでもここまで来た甲斐があったというものだ。


塔ノ岳は丹沢で恐らく最も人気のある山ではないだろうか。
大山方面からの縦走も出来るし、今回のように鍋割山、雨山からの目的地となる事も多い。
奥深い丹沢の中で、日帰りで行ってこようと計画するとだいたい塔ノ岳が限界だからともいえる。
完全に360度のパノラマ眺望があるのもこの塔ノ岳だけである。

ここから更に奥の丹沢、百名山丹沢山を経て最高峰蛭ヶ岳や、檜洞丸などへ至る起点ともなっている。



塔ノ岳登頂の感動もそこそこに、一同はさっと下山の途に就きます。

ここから大倉方面までは降りていくだけでもまだ3時間弱は掛かりますので、15時過ぎにここに居るという時点で、下山中の日没が避けられない事が確定。
17時頃には、西日は箱根の山々に没してしまうので、山林の中は漆黒の闇となります。





登山が好きな人が「そろそろ飽きてきましたね」って聞いたことがないので、こういう一生やりそうな趣味を一緒に出来る家族ってなかなか貴重である。
ガチ登山だけは、なかなか付き合いだけでは付き合い切れないだろう。



陽も傾いてきた。
光量は充分で陰影が深くなる時間帯、写真家としてはいい時間である。



次男「れん」が5歳と11か月での塔ノ岳登頂。
同時刻に降り始めた登山女子たちも、「あんなに小さい子が・・・。」という顔で見ている。


れん本人たちにとっては何のこともないと言った感じであったが、大人の感覚からすると、なかなか立派な事だなと思った。
私でさえ、初めてここに立ったのは中学校一年生の夏だ。
やっとの思いで登ったという記憶がある。




れんだけではない、8歳のそうとたけちゃん。
競い合うように凄まじい速力で駆け下っていく。
とてもついてはいけない。


子供が凄いのではなくて、大人がだらしがないのだなと思った。


前回の棒ノ折山の時には何度も下りで転んでいたれんとそうだけど、今回は転ばなかった。
転ばずに安全に降りていく身体の使い方を学んだのである。



杉林の中を抜ける木道を降り切ると、突然広がる黄金色の世界。

真っ赤に燃える夕陽が紅や黄色の広葉樹林に降り注ぎ、
ため息が出るようなワンシーンとなっていた。





今にも箱根の外輪山に沈まんとする刹那の残光が、この世でも最も美しいのではないかと錯覚するような、山岳の美術を創り上げている。

この時間にここに居なければ、
見る事の出来ない絶景がそこにはあった。

後ろから、しおりちゃんと降りてきていたたけちゃんのお父さんが、
足を止めて見上げているのが見える。
これには誰もが感動してしまうのではないだろうか。


この眩いような陽光の芸術は、ほんの10分程度であったのと思う。
程なくして周囲には帳が降り始め、宵闇の登山道となった。

昏くなるのが思ったよりも早い。

準備しておいたLEDのヘッドランプを使う。
地図で位置確認をしてみるが、現在地が正しければまだ40分以上は歩く筈である。

自分は先頭集団となっている子供3人に付いて歩いているので、彼らの足元を照らしながら歩いていく。
全員で固まって降りていないので、後ろのお父さんや、やや遅れてきている奥様同士のグループが心配でしたが、どうやらスマホのランプで照らしながら降りてきている模様。

よくよく見上げてみると、私たち以外の下山者もみんな、
ヘッドランプや懐中電灯などではなく、スマホのランプを片手に歩いているようだ。


時代だな・・・。


ちゃんと準備してきてるのヲレだけかよ・・・みたいな。



漆黒の林道を下り切り、18時過ぎにようやく麓の民家の脇に出ました。

朝8時からスタートして、休憩込みで10時間超の周回路でした。
かなりキツイしかも長いコースでしたが、みんなよく頑張ったな。
ハッキリ言って上級者コースです。

子供たちに関しては、体力的な心配は最早していなかったけれど、途中で飽きたりして駄々を捏ねるような事になれば面倒と思っていましたが、そんな心配もいりませんでしたね。
友達同士で最後まで楽しそうに登山を終えました。

何の問題もないな、もっと上級者コースでも大丈夫そう。
ていうか、大人の方が大丈夫かなって感じ。

でも、ウチの妻も最後まで、それほど遅れる訳でもなくちゃんと付いてきた。
舐めてたけど結構出来るんだな。
登山も、行く度に今回はラクだったとか、キツかったけど楽しかったとか、あまり文句のような事は聞いたことがないし、自覚がないだけで意外とこういう事が好きなのかも知れない。


それよりなにより、家族同士で登山やキャンプが出来るというかけがえのない仲間が出来たことが何よりもうれしい事なのかも知れない。



尊いです。

alt殆ど筋肉痛にならないヲレもなかなか素晴らしいw

Posted at 2021/12/07 01:57:47 | コメント(0) | トラックバック(0) | Nature's | 日記
2021年10月10日 イイね!

バックドア交換

バックドア交換「ごめん、かなりやっちゃったんだけど。」

仕事中に受け取ったラインの画像を見た瞬間に、ヤフオクで中古部品を探すって言う・・・。

フェンダーとかドアのある程度の凹みだったら、
脱着が面倒だったり外した部品の処分が面倒なので、裏から叩いて何とか直すんですけど、エブリイのバックドア屋根側の膨らみは手が全く入らない。
穴を開けたり溶着機でくっつけて引っ張ったりすればカタチには出来ると思うが、裏側の防錆処置がしっかりできないので、何れ腐って穴が空いたりパテが剥がれてきたり長持ちしない。

長く乗ろうと思ってるクルマなら、交換が最も良いだろう。

しかしまぁ・・・


「なんでこんななる?」

「マンションにあるマッサージ屋さんの駐車場に入れようとしたら屋根がぶつかりました。」

「機械式の立体駐車場か・・・」

「普通の軽自動車が入れない所があるとは思わなかった。」

「あーいうのは高さ制限があるんだよ、160センチ以上ダメとか書いてなった?」

「知らないよ、このクルマが何センチか知らないし。」



迂闊だった。
普段の行動範囲にこういった施設は無いと思っていたので、注意喚起をしていなかった。。

昇降機を使って立体的に自動車を格納する機械式駐車場というものがある。
縦の空間が高さに比例して使えるので、設備面積に対して大量のクルマを保管できるというメリットがあるので、都心部、地価の高い駅周辺や、駐車面積の少ないマンションなどによく設置されているのだが、セダン全盛時代に設計された古い物が多く、1550ミリ制限だとか、高くても1600ミリまでなんてものが一般的である。

最近ではクルマと言ったらミニバンやSUV、トールワゴンが大半を占めているので、古い機械式駐車場なんてものは、完全に時代に合わなくなっているのだが、設備の入れ替えには相当な費用が掛かるので、そのまま使っている所が多い。

未だにセダンに乗っているのは最早、時代遅れのジジイか、格好をつけた金持ち位のもので(筆者は前者である)、その辺の駐車場を見渡したって、セダンを見つけるのが難しい位である。
ワゴンRですら1650ミリもあるのだから、何だったら駐められるんだよみたいな感じです。

ウチのエブリイバンはハイルーフで、元々1875ミリもあるのに、40ミリリフトアップして大径タイヤを履いているので1940ミリ位にはなっています。
「全高2000ミリ以下は不可」と注意喚起しておかないといけませんね。

alt
・・まぁ、もう遅いんだけどね。

しかしまぁ、真一文字に潰してきたもんだね・・・。
サスが縮み込んで屋根が挟まったらしく、なかなか抜けられなかったらしいw

どれだけ鬼バックで駐車すんだよ。。

ガラスが割れなかっただけ不幸中の幸いなのか。

alt
個配無理という商品だったので、最寄りの西濃の営業所まで取りに行った中古のバックドア。
確かにデカいな・・・リヤシートフラットにして箱を潰しながら斜めにして漸く押し込んだって感じでエブリイで運んできました。

中古のドアなんて1万円とか1万5千円くらいでしょ、
あれだけ走ってるエブリイのバックドアなんて中古で選びたい放題だろ、なんて思ってたらとんでもない。数も思った程出てないし、ボコボコのゴミみたいなのが3万、同色のきれいなのなんて言ったら10万円くらいします。

おいおいクルマが買えるぞ・・・。


元々商用の貨物自動車なので、ちょっとくらい凹ましたって直すことは無いし、ギリギリまで使って過走行やフロント大破で廃車になったクルマからしか部品が出ないのでしょう。
思ったより出回っていないので値段も高い。

どうせ丸塗りの予定なので、色なんて気にせずに小傷や塗装の傷みなどは無視して極力大きな凹みのないものを探し、妥協に妥協を重ねてようやく見つけたものでも3万円・・・仕方なく購入です。


alt
妻や子供たちはお友達家族とズーラシアに行ってくると言うので、この日曜日の日中を利用してゲートを交換してしまいます。

本来こういった作業は一人だと面倒なんですが、いい具合に鉄骨の梁があるのでタイダウンベルトで吊りながら全然一人でも出来ましたね。

大掛かりに見えますが、リヤゲートなんてヒンジのナット4つとダンパー、ドアロックやブレーキランプの配線カプラーが二つあるだけなので、直ぐに外れます。
ただ、重量物の脱着に関する機微を理解していないと色んな所を傷にしてしまいますかね。

でもまあエブリイのバックドアはそれ程重くないですかね、
ひとりでも全然担げます。

alt
チクショウ・・・

よく見たら屋根も少し凹んでるな。
ここも補強が入ってるから裏から叩けないんだよ・・・。
まぁ、リブ形状のてっぺんくらいか・・ここも熱を入れないで簡単な叩きとパテで直しとくしかないな。

alt
無事グリーンメタリックのバックドアへ交換w

何が大変て、苦労して純正のハーネスに割り込ませたドラレコのリヤカメラ配線をまた引き出さないといけないのがバカらしい。
二度と触らない部分だと思っていたので大変だけど丁寧に引き込んだのに。

あとはバックドアのキーシリンダーだけ元のヤツと付け替えて元通り使えるようにしました。


alt
あれ?意外とアリか???

と思ったけど、いやナイな・・・大体汚いんだよこのバックドア。

みっともないから早く塗って欲しいと言われたんだけど、そんな暇はないんで当分放置ですね。
このまま放っておかれるんだったら凹んだままで良かったとか言われたんだけど、そんなもんかね・・・色が違っても形がちゃんとしていればヲレは気にならないんだが。

感覚の違いかな。


外したバックドアはモーターだのドアノブだのと小部品は全て剥ぎ取って、邪魔なんで取り敢えず二つにぶった切っておきました。
あとはガラス外して鉄板細切れにすれば燃えないゴミの日にポイです。

だいたい大袋二つぶんくらいにはまとまりますよ。
alt
altせっかく綺麗なバックドアだったのによ。
Posted at 2021/11/23 05:42:41 | コメント(2) | トラックバック(0) | ラブリー!エブリイ | クルマ
2021年09月19日 イイね!

EJ207を組み上げる

EJ207を組み上げるだ い です、お久しぶりです。


ブログの更新がなかなか出来ませんが、死んだからではありません。
PCに向かうような時間がゼロだからです。
僅かにあるようなプライベートな時間は、ほぼ全て家族と過ごす時間に費やしてしまって残りません。

最近は酷い老眼の為、皆さんのようにスマホでサクサク作業出来ないので、
落ち着いてPCに向かい、写真の整理などをしながらゆっくり作業できる時でないとブログの更新は難しいですね。

なので、最近は多忙過ぎて難しい訳です。


唯一の休日も、半分は仕掛中のポンさんのGCのエンジン製作に使っているので、その他の依頼は今請けられない状況が続いています。


もう少し待ってほしいな。



まぁそんな訳でね、
ポンさんのエンジン製作だけは少しづつですが進んでいました。

alt
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ブロック締結ボルトのシールワッシャーも新品を準備したので、漸く左右ブロックをドッキングできます。

alt
新品ベアリングを乗せ、たっぷりとアッセンブリールブを付けたらクランクシャフトを乗せます。
遊んだコンロッドがシリンダー内壁を傷にしないようにマスキングテープ簡単に張り付けて養生しています。
ピストン取り付け前に簡単に剝がせるようにね。

4か所のパッキンも忘れずに乗せ、クランクケースの気密をよく考えながら液体ガスケットを塗付してドッキングさせます。
液体ガスケットは余り銘柄には拘っていませんが、材料屋のHIKO君がよくくれるロックタイトの5699を使っています。


alt
GDBの整備書による締付順序は、全て対角締めで、右から6本左から4本のジャーナルボルトをおよそ1.5~2.0キロで締めたのち、全て90°の角度締めでフィニッシュです。
ウォータージャケット内で留まるボルトのみ新品のシールワッシャーを用い、2.0キロスタート、外側で留まるボルトは右側からの6本の内、前2本が1.8キロ。左からの4本の前2本が1.5キロスタートと細かく違っていました。

今まで気にしたことなかったけど(整備書なんて見ていないので)、今回は人のエンジンなので一応確認してみました。


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液体ガスケットが固まったら、ピストンの組み付け準備です。
HKSピストン付属のリングを取り出して、合口の確認をします。

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これは今回使わないGDB純正のSTI鍛造ピストンですが、参考に計測しておきます。
STDΦ92.0㎜ 409ℊですね。

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こちらはHKSの鍛造ピストンΦ92.5㎜で、368.5ℊでした。
40gも軽いですね!


今回色々計測して非常に関心したのは、東名パワードにしろHKSにしろ、社外製品の精度の高さ。
手持ちの安物のスケールでは測る意味なんて無いのでは?と思う程少数点以下まで重量は揃っているし、クリアランスも揃っている。

なので、今回は重量合わせなどはしていない。
というか、する意味なんて無いほど違いが計測できないのである。

どうせ合っているのにチマチマと苦労して計測していくのがバカらしくなってしまう。


alt
だが計測する!


これはクルマの運転と一緒で、だろうでは済まされない事も極少数ではあるが確実に存在するからである。

しかし、やはりピストンリングの合口も全て基準値で揃っている。。。


これも単衣にナプレックと帝国ピストンリングの技術力の高さが成せる結果なのでしょう・・・ありがとうとしか言いようが無い。


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小さなピストンなら手で優しく組む方が安全だが、EJはビッグボアなので、ちゃんとピストンリングエキスパンダというリングへの負担を最小限にしながら押し広げられるプライヤーを使って組み付けました。(写真は3ピースオイルリングを取り付けした所)

高いリングなんでね・・・折ったら最後ですので慎重に。


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ピストンをシリンダーに挿入するんですが、ピストンピンはサービスホールを使って後から挿入するので、ピン入口の反対側のスナップリングは先に付けておきましょう。

コンプレッサーを使ってリングをバッチリ締め付けて、ハンマーの木柄などでパコンと叩くとスコンと入ります。
締め付けが甘かったり、慎重にちょっとづつ叩こうとすると入る前にリングが広がって失敗します。

ガッチリ強めに締め付けて、勢いよく一気に叩き込むのがコツですよ。
アストロ製の安い奴ですが、全て一発で入ります。


そして養生のマスキングテープを外し忘れるっていう!
ピン挿入穴から剥がせたけどね・・・w

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ピストンは向きが決まっているので、ちゃんと決まった向きで押し込めばコンロッドの小端部はすんなり入るはずです。
クランクシャフトも手で回して微調整しながら真芯を出してピンを黄銅棒などで叩いて打ち込んでいきます。

ピストンピン穴の背中にスナップリングを入れ忘れるとここで泣くことになりますwww

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ベルハウジング側も同様に、4気筒4か所。
確実にスナップリングが溝に入っている事を確認して、最後に蓋をします。


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さて、ピストンが無事取付出来たら、オイルストレーナーやらオイルパンの装着ですが、東名のバッフル&スチフナーの取り付けです。

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クランクシャフト方面へのオイルの飛び込みを防止するバッフルプレートは純正でも付いていますが、それをより強化した形状になっています。

スチフナーはブロック下面とオイルパンの間に挟んで共締めなので、液体ガスケットを塗りこんで装着します。

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ストレーナーもスチフナーを挟むので、スチフナー上面とストレーナー自体のOリングの装着を忘れないように。
ここ忘れると、油圧が掛からなくなりますよ。

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オイルリターンのパイプの所のOリングも新品に。

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付属のキャップボルトでオイルパンを取り付け。
エキマニとタービンはGDB用を使うので、オイルパンも当然GDB用です。


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リヤ側のクランクシールを打ち込みます。

リップスプリングの脱落がないかよく確認します。
以前外れていた事があったので・・・(エンジン積んでから気付くっていう)

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プラハンなどで丁寧に打ち込み。

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オイルポンプを取り付けします。

以前にGRBのメタルブローが何故多いか?というような話になった時に、オイルポンプの内部のネジが緩んでいたというような報告がありました。
全てのケースでそうだったのかは判りませんが、締付不良があるようなロットが一定数流れてそういう事態を引き起こした可能性は充分にあります。

このベースエンジンはブロー報告の殆ど無いGDBC型用なので大丈夫だとは思いますが、一応締付の確認だけはしておきましょう。
内部のネジと言ったらトロコイドハウジングの皿ネジしかありません。

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コチラも新品のOリングを乗せて、液体ガスケットで取付します。

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フロント側のオイルシールも打ち込んで漸く腰下が完成です。

あとはヘッドなどを取り付けしていくんですが、先に作ってしまうと輸送が困難になるので、ヘッドとシリンダーブロックはバラで運んで現地(ポンさん宅)で組み立てることにしました。

これならそれぞれ一人で運べます。


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きれいに修正面研したヘッドとブロック上面を傷に出来ないんでね・・・
大変でしたが、かなり気を遣って養生し大事に運びました

ポンさん宅の一室にスペースを作ってもらい、エンジンスタンドにセット。
ヘッドの取り付けに入ります。

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純正ですが、ヘッドボルトやヘッドガスケットは新品を準備。

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HKSの鍛造ピストンに、精密なボーリングとプラトーホーニング、
ブロック上面の修正面研の加工面。

機械加工の美の集大成とも言えるような仕上がりを見せたシリンダーブロックですが、これで見納めとなります。
見た目の美しさ以上のパフォーマンスを、これからは見えない所で発揮してくれることを期待して、ヘッドとブロックをドッキングします。


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HKSのピストンはEJ20用と銘を打たれ、GC8もGDBも同じ物を使います。

GC8のVerⅢ以降では1.4ミリガスケットの使用で純正と同等の圧縮比(8.0)となるようなので、それに倣ってVerⅢ・Ⅳの純正品(1.4ミリ)のヘッドガスケットを使います。
標準の0.8ミリガスケットだと8.2まで上がってしまうようで、ブーストを掛けずに使うならこちらの方がレスポンスは良さそうですが、やはりしっかりブーストを掛けてパワーを出したいですからね。


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alt
新品のストレートピンを打ち込んで、ヘッドガスケットを合わせます。

alt

EJ207のヘッドボルトの締付方法(GC8もGDBも同様でした)

①ヘッドボルトのネジ部とワッシャに組付け用のルブを塗布する。
②対角締めの順序で30N-mで締め付ける。
③同じ順序で70N-mで締め付ける。
④すべてのボルトを180°緩める。
⑤更にもう一度180°緩める。
⑥対角締めの順序で40N-mで締め付ける。
⑦同じ順序で80~90°の角度締めをする。
⑧更に同じ順序で40~45°の角度締めをする。
⑨センターの2本だけ40~45°増し締めをする。

*対角締め順序
 1.センター上 2.センター下 3.左上 4.右下 5.左下 6右上


alt
シリンダーヘッド取付完了。

ヘッドカバーは仮付けです。
この状態でタペットクリアランスを測定すると・・・6箇所くらい基準値を外れてしまう。
やはり結構狂ってきますね。

ヘッドもブロックも両方面研してるのでもしかしたらそのままいけるのでは?
と思いましたが、そういうもんでもなさそうですね。

次回からはヘッド単体での仮合わせは割愛しよう。
しっかりとヘッドボルトを締め付けてから計測し、そこできちんと調整すれば不足のシムの注文も一回で済むしね。

3箇所は入れ替えだけで上手く基準値内に収まりそうですが、あとの3箇所は再注文しかなさそうです。
シムレスリフターは1個2000円もするんでね・・・なるべく入れ替えのパズルで何とか収めたいところですが、それでもどうにもならない所は買うしかありません。

仮合わせの際に8個、今回の調整で3個。
結局16バルブ中11個も買う羽目になりました。。。


元々他のヘッドに入っていたバルブリフターですからね・・・
ゼロからの調整なんで仕方がないか。

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買い足したバルブリフターで組んで改めて計測すると・・・急に冷え込んだせいかまたちょっと狭くなってる・・・。

まぁ、もう許容範囲なんで無視してもいいんですが、それでも狙った数値にすんなり入ってこないのはアタマに来ますね。
年中23℃とかに保たれたエンジン室などの必要性という物が良く判ります。


結構変わってくるんですよ。

スコンと入っていたシクネスゲージが入らなくなるんです。

シムの計算表と睨めっこしながら、更なる入れ替えで上手く真ん中が取れるような組み合わせがないか、もう少し良くなる入れ替えはないか・・・
やらなくても変わらないかも知れないような細かい作業に、更に何時間も掛けて詰めて行き、漸く妥協点に辿り着きました。

何が大変て・・カム直打ちDOHCのタペットクリアランスの調整が一番時間が掛かるんだよね。
ロッカーアーム式なんてドライバー1本で一瞬じゃないか。
トラブルとは無縁のHLAってのは未だに出来ないんだろうか・・・。

そんな風に思ってしまう程、エンジン組み立ての後半部分での大半を占める作業が、タペットクリアランス調整です。


alt
あとは簡単です。

カムシャフトを取り付けして、新品のヘッドカバーパッキンやカムシールを組み付けていきます。
コレで漸くショートエンジンが完成です。


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時間が掛かったなぁ・・・。


タイミングベルトまで掛けようかと思ったけど、タイベルカバーの裏板はこれから降ろすエンジンの物を移植しないといけないんだった。。。

次は何をするにも実車のエンジンを降ろさないとな。





という所までのブログでしたw

alt実はもう降ろしてきました。


Posted at 2021/11/17 01:10:04 | コメント(2) | トラックバック(0) | EJ20壊して直す | クルマ

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愛車一覧

スバル インプレッサ WRX STI イプ太郎 (スバル インプレッサ WRX STI)
峠にサーキットにジムカーナに雪山に、ファミリーカーに、10年以上お世話になってます。 ...
ホンダ ホーネット250 ホンダ ホーネット250
通勤でもう一つ欲しい余裕と、老後の楽しみの為に30年ぶりに単車を買いました。 五十路目前 ...
スズキ エブリイ エブ子ちゃん (スズキ エブリイ)
妻の通勤&保育園送り迎え及びキャンプ用に買い替えました。 不整地走行を想定した4WDに、 ...
カワサキ KSR-I カワサキ KSR-I
ずっと憧れだった川崎のスペシャル原付も気が付けば25年落ち。遂に買ってやりました! フ ...
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