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2021年11月07日 イイね!

5歳と11か月

5歳と11か月先日、忙しさの合間を縫って、三度登山へ。

去年位からキャンプに誘って欲しいだとか、登山に行ってみたいだとか、お誘いがある息子のお友達家族。
夫婦ともに日体大卒のアスリート家族である。
上が8歳、下が6歳が全く同じの保育園友達です。


こちらもそれ程頻繁にやる方ではないんだけれども、誘われるのでいい機会だからと行くようになった。
奥さん同士が仲がいいんだよね。
気を遣わないというか・・・ママ友って感じではなく、普通の友達って感じみたいで、いい時はいい、ダメなときはダメって気兼ねなく言えるのがいいみたい。

ヲレはこんななんで、向こうが誰でも問題ないんだけどw
アッチの旦那さんもいつも楽しそうだから、いい関係なのかも知れない。


前回の登山もショートだけど結構上級向けコースだったと思う。
それでももっと欲しがってる感じなんで、久々にちょっとロングのガツンとしたコースに行ってみようと思い、丹沢の玄関口大倉からアクセスする「鍋割山」へ。
丹沢は大昔、塔ノ岳、丹沢山、蛭ヶ岳と宿泊で縦走しますし、近年でもレーサーやクネとヤビツから丹沢山まで行った記憶がありますが、鍋割山嶺は初めてです。

只の鍋割山ピストンなら4~5時間と言った所ですが、状況見ながらお隣の塔ノ岳を目指すルートを検討してのスタート。
経験も体力もない只の素人のウチの妻が心配ですw




朝8時に大倉バス停周辺の駐車場で待ち合わせ。
身支度を済ませて直ぐに出発です。

畑のある民家の脇から小径に入ると、鍋割山へ続く林道となります。


今年で8歳になった「そう」。
ひょうきんな性格なのか、冗談ばかり言って人を笑わせようとします。
だからなのか、何処に行ってもみんなに好かれている印象。



お友達家族の長男「たけちゃん」も、「そうくんたちと一緒じゃなきゃ絶対に山登りなんて行かない」と言っているらしく、逆にうちらと一緒じゃないと登山そのものが出来ない状況らしい。


保育園時代からそうだった。
勉強が特別できるとか、運動神経が突出しているとか、そういう物は一切ない。
いたって普通の少年なのだが、まわりに人が集まってくる。
友達からも先生たちからも、何故かみんなから愛されている。

そういう能力なんだろう。



れんと同い年のしおりちゃんというのがかなりヤバイ。

体力や運動能力は、この中でもずば抜けているのがこの子だと思う。
お兄ちゃんのたけちゃんも運動神経は素晴らしいが、大人しい性格で、人見知りだったり怖がりだったり普通の子供っぽさがあるのだが、しおりちゃんには弱点がうかがえない。




沢山の沢が登山道を横切っており、飛び越えられる程度のものもあれば、丸太の橋がかかったものもある。
子供たちは、飛び跳ねるようにそれを越えていく。



普段はシャイだというたけちゃんと、ウチのれんも、そうを中心に道中ずっと笑顔でふざけ合っている。

「一番仲のいい友達は誰なの?」と質問すると「そう君」と答える弟のれん。
保育園での事を聞きたかったのだが・・・まぁ、それでもいいかと思った。
彼にとってはそれが事実なのだ。

お兄ちゃんが大好きなのである。


ボランティアの水運びをするというたけちゃん。

よせばいいのに・・などと思ってしまう大人が無粋なだけで、
子供とは基本的に正しい事に真っすぐな、真面目な生き物なのである。





等高線の狭まったキツイ急登攀が続きます。
妻も、所々で足が止まります。

標高を稼いでいく毎に、麓ではまだそれ程でもなかった紅葉の色付きが美しくなってきました。





朱く染まった登山道を、まるで重力など感じていないかのように、トントンと登っていくれん。
山登りなど子供にとっては訳ないのだなと痛感させられる。

初めは、こんな小さな子が大丈夫だろうかとか、途中でおんぶでもする羽目になるのでは?とか心配していたが、全て杞憂であった。
大人の方が余程リタイヤしそうである。






山頂直前の鬼の急階段をクリアした頃には流石にこの表情。

お母さんを待ちながらなので、先頭組(友人夫婦+そう)からやや遅れたものの、無事「鍋割山」山頂へ到着。




みんなこの山荘で提供している鍋焼きうどん(1500円)を目的に登ってきているらしく、登山客は殆ど例外なく外でうどんを啜っていました。
お山価格なのは判るが、1500円は高いねぇ。

僕たちは自分で昼飯を準備してきているので、頼みませんw


ここまできて食べないのかよwww みたいな。


山頂での協議の結果、折角ここまで来たのだから塔ノ岳の山頂を踏んでいこうという事になり、ピストンルートを取らずに奥の尾根を進むことになりました。

既に昼を回っていたのでぶっちゃけ時間的には厳しい。

塔ノ岳がお隣とは言っても、1時間半は掛かりますし、そこから大倉まで降りていくルートも、3~4時間の道程。
明るいうちには降りられない予感がしましたが、一応ヘッドライトなども準備してきましたので、何とかなるでしょう。。


ブナの原生林を駆け下っていくしおりちゃん。





神奈川のバックスクリーンとも言える丹沢山地。
都心からも最も近い人気の登山エリアである。

だが近郊と侮るなかれ、その山容は実に険しく奥深い。
ツキノワグマやニホンカモシカなども生息しており、手つかずの自然が色濃く残る国定公園である。

この大自然に憧れ、中学一年生の頃に友人と東西に縦走したことが私の登山の始まりである。
ヤビツ峠から入って最高峰蛭ヶ岳に至るまで2泊も掛かった。
当時は子供だったので国定公園内で野営が出来ないという事を、山小屋の人に聞くまでは知らなくて、小屋の裏手に秘密でテントを張らせてもらったというエピソードがある。



そんな青春の思い出の地に、妻や子供たちと訪れる日が来るとはね。



一番山に訪れたい時期なのに、秋ごろっていつも忙しい事が多いから、なかなかこれまで登山出来ないでここまできた。
お友達家族の誘いがなければ、結局日々のつまらない煩雑さに紛れて終わってしまう筈だったこの季節。

別に連休でもない只の日曜日に、普通に「行こうよ」と誘われたことが寝耳に水だったのである。

きっと子供たちにとっても一生モノの大切な時間になる。
少しくらいの予定は動かしてでも、「行こう」そう思えた。


ぶー垂れている割にはフィジカルに問題がある訳ではなく、その都度おやつを提供するだけで復活する単純なれん。

足元の丸太の陰に「きれいな花があるよ」と教えてくれた。

よくみるとあちこちに竜胆(リンドウ)が咲いていました。








ふと見上げると、冷たく透き通った風が紅や黄色の梢を吹き抜けていく。
今この瞬間、ここに居るというだけの事が、言葉に出来ない程素晴らしい事だなと、こころで感じている。

丹沢は新緑が美しいが、落葉のこの時期も本当に美しい。


こういう事を理屈抜きで共有できる相手とでないと、一緒に登山というのは出来ないだろう。

このママ友夫婦も、こういう事が心の底から好きなんだなと感じる。









鍋割山から塔ノ岳までの尾根は、見晴らしがよくてとても気分がいい。

南側を見下ろせば、秦野平野と相模湾を一望し、北側を覗き込むと蛭ヶ岳や檜洞丸が座する奥丹沢が待ち構えている。



お隣とは言ったものの結構歩きました。
しっかり一時間半掛かってしまった。
360度視界が開けると、海抜1491メートル塔ノ岳山頂です。


鍋割山からは見えなかった富士山がしっかり見えています。


雲海の上に聳える霊峰富士。
最後にこれが見られただけでもここまで来た甲斐があったというものだ。


塔ノ岳は丹沢で恐らく最も人気のある山ではないだろうか。
大山方面からの縦走も出来るし、今回のように鍋割山、雨山からの目的地となる事も多い。
奥深い丹沢の中で、日帰りで行ってこようと計画するとだいたい塔ノ岳が限界だからともいえる。
完全に360度のパノラマ眺望があるのもこの塔ノ岳だけである。

ここから更に奥の丹沢、百名山丹沢山を経て最高峰蛭ヶ岳や、檜洞丸などへ至る起点ともなっている。



塔ノ岳登頂の感動もそこそこに、一同はさっと下山の途に就きます。

ここから大倉方面までは降りていくだけでもまだ3時間弱は掛かりますので、15時過ぎにここに居るという時点で、下山中の日没が避けられない事が確定。
17時頃には、西日は箱根の山々に没してしまうので、山林の中は漆黒の闇となります。





登山が好きな人が「そろそろ飽きてきましたね」って聞いたことがないので、こういう一生やりそうな趣味を一緒に出来る家族ってなかなか貴重である。
ガチ登山だけは、なかなか付き合いだけでは付き合い切れないだろう。



陽も傾いてきた。
光量は充分で陰影が深くなる時間帯、写真家としてはいい時間である。



次男「れん」が5歳と11か月での塔ノ岳登頂。
同時刻に降り始めた登山女子たちも、「あんなに小さい子が・・・。」という顔で見ている。


れん本人たちにとっては何のこともないと言った感じであったが、大人の感覚からすると、なかなか立派な事だなと思った。
私でさえ、初めてここに立ったのは中学校一年生の夏だ。
やっとの思いで登ったという記憶がある。




れんだけではない、8歳のそうとたけちゃん。
競い合うように凄まじい速力で駆け下っていく。
とてもついてはいけない。


子供が凄いのではなくて、大人がだらしがないのだなと思った。


前回の棒ノ折山の時には何度も下りで転んでいたれんとそうだけど、今回は転ばなかった。
転ばずに安全に降りていく身体の使い方を学んだのである。



杉林の中を抜ける木道を降り切ると、突然広がる黄金色の世界。

真っ赤に燃える夕陽が紅や黄色の広葉樹林に降り注ぎ、
ため息が出るようなワンシーンとなっていた。





今にも箱根の外輪山に沈まんとする刹那の残光が、この世でも最も美しいのではないかと錯覚するような、山岳の美術を創り上げている。

この時間にここに居なければ、
見る事の出来ない絶景がそこにはあった。

後ろから、しおりちゃんと降りてきていたたけちゃんのお父さんが、
足を止めて見上げているのが見える。
これには誰もが感動してしまうのではないだろうか。


この眩いような陽光の芸術は、ほんの10分程度であったのと思う。
程なくして周囲には帳が降り始め、宵闇の登山道となった。

昏くなるのが思ったよりも早い。

準備しておいたLEDのヘッドランプを使う。
地図で位置確認をしてみるが、現在地が正しければまだ40分以上は歩く筈である。

自分は先頭集団となっている子供3人に付いて歩いているので、彼らの足元を照らしながら歩いていく。
全員で固まって降りていないので、後ろのお父さんや、やや遅れてきている奥様同士のグループが心配でしたが、どうやらスマホのランプで照らしながら降りてきている模様。

よくよく見上げてみると、私たち以外の下山者もみんな、
ヘッドランプや懐中電灯などではなく、スマホのランプを片手に歩いているようだ。


時代だな・・・。


ちゃんと準備してきてるのヲレだけかよ・・・みたいな。



漆黒の林道を下り切り、18時過ぎにようやく麓の民家の脇に出ました。

朝8時からスタートして、休憩込みで10時間超の周回路でした。
かなりキツイしかも長いコースでしたが、みんなよく頑張ったな。
ハッキリ言って上級者コースです。

子供たちに関しては、体力的な心配は最早していなかったけれど、途中で飽きたりして駄々を捏ねるような事になれば面倒と思っていましたが、そんな心配もいりませんでしたね。
友達同士で最後まで楽しそうに登山を終えました。

何の問題もないな、もっと上級者コースでも大丈夫そう。
ていうか、大人の方が大丈夫かなって感じ。

でも、ウチの妻も最後まで、それほど遅れる訳でもなくちゃんと付いてきた。
舐めてたけど結構出来るんだな。
登山も、行く度に今回はラクだったとか、キツかったけど楽しかったとか、あまり文句のような事は聞いたことがないし、自覚がないだけで意外とこういう事が好きなのかも知れない。


それよりなにより、家族同士で登山やキャンプが出来るというかけがえのない仲間が出来たことが何よりもうれしい事なのかも知れない。



尊いです。

alt殆ど筋肉痛にならないヲレもなかなか素晴らしいw

Posted at 2021/12/07 01:57:47 | コメント(0) | トラックバック(0) | Nature's | 日記
2021年10月10日 イイね!

バックドア交換

バックドア交換「ごめん、かなりやっちゃったんだけど。」

仕事中に受け取ったラインの画像を見た瞬間に、ヤフオクで中古部品を探すって言う・・・。

フェンダーとかドアのある程度の凹みだったら、
脱着が面倒だったり外した部品の処分が面倒なので、裏から叩いて何とか直すんですけど、エブリイのバックドア屋根側の膨らみは手が全く入らない。
穴を開けたり溶着機でくっつけて引っ張ったりすればカタチには出来ると思うが、裏側の防錆処置がしっかりできないので、何れ腐って穴が空いたりパテが剥がれてきたり長持ちしない。

長く乗ろうと思ってるクルマなら、交換が最も良いだろう。

しかしまぁ・・・


「なんでこんななる?」

「マンションにあるマッサージ屋さんの駐車場に入れようとしたら屋根がぶつかりました。」

「機械式の立体駐車場か・・・」

「普通の軽自動車が入れない所があるとは思わなかった。」

「あーいうのは高さ制限があるんだよ、160センチ以上ダメとか書いてなった?」

「知らないよ、このクルマが何センチか知らないし。」



迂闊だった。
普段の行動範囲にこういった施設は無いと思っていたので、注意喚起をしていなかった。。

昇降機を使って立体的に自動車を格納する機械式駐車場というものがある。
縦の空間が高さに比例して使えるので、設備面積に対して大量のクルマを保管できるというメリットがあるので、都心部、地価の高い駅周辺や、駐車面積の少ないマンションなどによく設置されているのだが、セダン全盛時代に設計された古い物が多く、1550ミリ制限だとか、高くても1600ミリまでなんてものが一般的である。

最近ではクルマと言ったらミニバンやSUV、トールワゴンが大半を占めているので、古い機械式駐車場なんてものは、完全に時代に合わなくなっているのだが、設備の入れ替えには相当な費用が掛かるので、そのまま使っている所が多い。

未だにセダンに乗っているのは最早、時代遅れのジジイか、格好をつけた金持ち位のもので(筆者は前者である)、その辺の駐車場を見渡したって、セダンを見つけるのが難しい位である。
ワゴンRですら1650ミリもあるのだから、何だったら駐められるんだよみたいな感じです。

ウチのエブリイバンはハイルーフで、元々1875ミリもあるのに、40ミリリフトアップして大径タイヤを履いているので1940ミリ位にはなっています。
「全高2000ミリ以下は不可」と注意喚起しておかないといけませんね。

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・・まぁ、もう遅いんだけどね。

しかしまぁ、真一文字に潰してきたもんだね・・・。
サスが縮み込んで屋根が挟まったらしく、なかなか抜けられなかったらしいw

どれだけ鬼バックで駐車すんだよ。。

ガラスが割れなかっただけ不幸中の幸いなのか。

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個配無理という商品だったので、最寄りの西濃の営業所まで取りに行った中古のバックドア。
確かにデカいな・・・リヤシートフラットにして箱を潰しながら斜めにして漸く押し込んだって感じでエブリイで運んできました。

中古のドアなんて1万円とか1万5千円くらいでしょ、
あれだけ走ってるエブリイのバックドアなんて中古で選びたい放題だろ、なんて思ってたらとんでもない。数も思った程出てないし、ボコボコのゴミみたいなのが3万、同色のきれいなのなんて言ったら10万円くらいします。

おいおいクルマが買えるぞ・・・。


元々商用の貨物自動車なので、ちょっとくらい凹ましたって直すことは無いし、ギリギリまで使って過走行やフロント大破で廃車になったクルマからしか部品が出ないのでしょう。
思ったより出回っていないので値段も高い。

どうせ丸塗りの予定なので、色なんて気にせずに小傷や塗装の傷みなどは無視して極力大きな凹みのないものを探し、妥協に妥協を重ねてようやく見つけたものでも3万円・・・仕方なく購入です。


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妻や子供たちはお友達家族とズーラシアに行ってくると言うので、この日曜日の日中を利用してゲートを交換してしまいます。

本来こういった作業は一人だと面倒なんですが、いい具合に鉄骨の梁があるのでタイダウンベルトで吊りながら全然一人でも出来ましたね。

大掛かりに見えますが、リヤゲートなんてヒンジのナット4つとダンパー、ドアロックやブレーキランプの配線カプラーが二つあるだけなので、直ぐに外れます。
ただ、重量物の脱着に関する機微を理解していないと色んな所を傷にしてしまいますかね。

でもまあエブリイのバックドアはそれ程重くないですかね、
ひとりでも全然担げます。

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チクショウ・・・

よく見たら屋根も少し凹んでるな。
ここも補強が入ってるから裏から叩けないんだよ・・・。
まぁ、リブ形状のてっぺんくらいか・・ここも熱を入れないで簡単な叩きとパテで直しとくしかないな。

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無事グリーンメタリックのバックドアへ交換w

何が大変て、苦労して純正のハーネスに割り込ませたドラレコのリヤカメラ配線をまた引き出さないといけないのがバカらしい。
二度と触らない部分だと思っていたので大変だけど丁寧に引き込んだのに。

あとはバックドアのキーシリンダーだけ元のヤツと付け替えて元通り使えるようにしました。


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あれ?意外とアリか???

と思ったけど、いやナイな・・・大体汚いんだよこのバックドア。

みっともないから早く塗って欲しいと言われたんだけど、そんな暇はないんで当分放置ですね。
このまま放っておかれるんだったら凹んだままで良かったとか言われたんだけど、そんなもんかね・・・色が違っても形がちゃんとしていればヲレは気にならないんだが。

感覚の違いかな。


外したバックドアはモーターだのドアノブだのと小部品は全て剥ぎ取って、邪魔なんで取り敢えず二つにぶった切っておきました。
あとはガラス外して鉄板細切れにすれば燃えないゴミの日にポイです。

だいたい大袋二つぶんくらいにはまとまりますよ。
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altせっかく綺麗なバックドアだったのによ。
Posted at 2021/11/23 05:42:41 | コメント(2) | トラックバック(0) | ラブリー!エブリイ | クルマ
2021年09月19日 イイね!

EJ207を組み上げる

EJ207を組み上げるだ い です、お久しぶりです。


ブログの更新がなかなか出来ませんが、死んだからではありません。
PCに向かうような時間がゼロだからです。
僅かにあるようなプライベートな時間は、ほぼ全て家族と過ごす時間に費やしてしまって残りません。

最近は酷い老眼の為、皆さんのようにスマホでサクサク作業出来ないので、
落ち着いてPCに向かい、写真の整理などをしながらゆっくり作業できる時でないとブログの更新は難しいですね。

なので、最近は多忙過ぎて難しい訳です。


唯一の休日も、半分は仕掛中のポンさんのGCのエンジン製作に使っているので、その他の依頼は今請けられない状況が続いています。


もう少し待ってほしいな。



まぁそんな訳でね、
ポンさんのエンジン製作だけは少しづつですが進んでいました。

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ブロック締結ボルトのシールワッシャーも新品を準備したので、漸く左右ブロックをドッキングできます。

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新品ベアリングを乗せ、たっぷりとアッセンブリールブを付けたらクランクシャフトを乗せます。
遊んだコンロッドがシリンダー内壁を傷にしないようにマスキングテープ簡単に張り付けて養生しています。
ピストン取り付け前に簡単に剝がせるようにね。

4か所のパッキンも忘れずに乗せ、クランクケースの気密をよく考えながら液体ガスケットを塗付してドッキングさせます。
液体ガスケットは余り銘柄には拘っていませんが、材料屋のHIKO君がよくくれるロックタイトの5699を使っています。


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GDBの整備書による締付順序は、全て対角締めで、右から6本左から4本のジャーナルボルトをおよそ1.5~2.0キロで締めたのち、全て90°の角度締めでフィニッシュです。
ウォータージャケット内で留まるボルトのみ新品のシールワッシャーを用い、2.0キロスタート、外側で留まるボルトは右側からの6本の内、前2本が1.8キロ。左からの4本の前2本が1.5キロスタートと細かく違っていました。

今まで気にしたことなかったけど(整備書なんて見ていないので)、今回は人のエンジンなので一応確認してみました。


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液体ガスケットが固まったら、ピストンの組み付け準備です。
HKSピストン付属のリングを取り出して、合口の確認をします。

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これは今回使わないGDB純正のSTI鍛造ピストンですが、参考に計測しておきます。
STDΦ92.0㎜ 409ℊですね。

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こちらはHKSの鍛造ピストンΦ92.5㎜で、368.5ℊでした。
40gも軽いですね!


今回色々計測して非常に関心したのは、東名パワードにしろHKSにしろ、社外製品の精度の高さ。
手持ちの安物のスケールでは測る意味なんて無いのでは?と思う程少数点以下まで重量は揃っているし、クリアランスも揃っている。

なので、今回は重量合わせなどはしていない。
というか、する意味なんて無いほど違いが計測できないのである。

どうせ合っているのにチマチマと苦労して計測していくのがバカらしくなってしまう。


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だが計測する!


これはクルマの運転と一緒で、だろうでは済まされない事も極少数ではあるが確実に存在するからである。

しかし、やはりピストンリングの合口も全て基準値で揃っている。。。


これも単衣にナプレックと帝国ピストンリングの技術力の高さが成せる結果なのでしょう・・・ありがとうとしか言いようが無い。


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小さなピストンなら手で優しく組む方が安全だが、EJはビッグボアなので、ちゃんとピストンリングエキスパンダというリングへの負担を最小限にしながら押し広げられるプライヤーを使って組み付けました。(写真は3ピースオイルリングを取り付けした所)

高いリングなんでね・・・折ったら最後ですので慎重に。


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ピストンをシリンダーに挿入するんですが、ピストンピンはサービスホールを使って後から挿入するので、ピン入口の反対側のスナップリングは先に付けておきましょう。

コンプレッサーを使ってリングをバッチリ締め付けて、ハンマーの木柄などでパコンと叩くとスコンと入ります。
締め付けが甘かったり、慎重にちょっとづつ叩こうとすると入る前にリングが広がって失敗します。

ガッチリ強めに締め付けて、勢いよく一気に叩き込むのがコツですよ。
アストロ製の安い奴ですが、全て一発で入ります。


そして養生のマスキングテープを外し忘れるっていう!
ピン挿入穴から剥がせたけどね・・・w

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ピストンは向きが決まっているので、ちゃんと決まった向きで押し込めばコンロッドの小端部はすんなり入るはずです。
クランクシャフトも手で回して微調整しながら真芯を出してピンを黄銅棒などで叩いて打ち込んでいきます。

ピストンピン穴の背中にスナップリングを入れ忘れるとここで泣くことになりますwww

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ベルハウジング側も同様に、4気筒4か所。
確実にスナップリングが溝に入っている事を確認して、最後に蓋をします。


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さて、ピストンが無事取付出来たら、オイルストレーナーやらオイルパンの装着ですが、東名のバッフル&スチフナーの取り付けです。

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クランクシャフト方面へのオイルの飛び込みを防止するバッフルプレートは純正でも付いていますが、それをより強化した形状になっています。

スチフナーはブロック下面とオイルパンの間に挟んで共締めなので、液体ガスケットを塗りこんで装着します。

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ストレーナーもスチフナーを挟むので、スチフナー上面とストレーナー自体のOリングの装着を忘れないように。
ここ忘れると、油圧が掛からなくなりますよ。

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オイルリターンのパイプの所のOリングも新品に。

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付属のキャップボルトでオイルパンを取り付け。
エキマニとタービンはGDB用を使うので、オイルパンも当然GDB用です。


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リヤ側のクランクシールを打ち込みます。

リップスプリングの脱落がないかよく確認します。
以前外れていた事があったので・・・(エンジン積んでから気付くっていう)

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プラハンなどで丁寧に打ち込み。

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オイルポンプを取り付けします。

以前にGRBのメタルブローが何故多いか?というような話になった時に、オイルポンプの内部のネジが緩んでいたというような報告がありました。
全てのケースでそうだったのかは判りませんが、締付不良があるようなロットが一定数流れてそういう事態を引き起こした可能性は充分にあります。

このベースエンジンはブロー報告の殆ど無いGDBC型用なので大丈夫だとは思いますが、一応締付の確認だけはしておきましょう。
内部のネジと言ったらトロコイドハウジングの皿ネジしかありません。

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コチラも新品のOリングを乗せて、液体ガスケットで取付します。

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フロント側のオイルシールも打ち込んで漸く腰下が完成です。

あとはヘッドなどを取り付けしていくんですが、先に作ってしまうと輸送が困難になるので、ヘッドとシリンダーブロックはバラで運んで現地(ポンさん宅)で組み立てることにしました。

これならそれぞれ一人で運べます。


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きれいに修正面研したヘッドとブロック上面を傷に出来ないんでね・・・
大変でしたが、かなり気を遣って養生し大事に運びました

ポンさん宅の一室にスペースを作ってもらい、エンジンスタンドにセット。
ヘッドの取り付けに入ります。

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純正ですが、ヘッドボルトやヘッドガスケットは新品を準備。

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HKSの鍛造ピストンに、精密なボーリングとプラトーホーニング、
ブロック上面の修正面研の加工面。

機械加工の美の集大成とも言えるような仕上がりを見せたシリンダーブロックですが、これで見納めとなります。
見た目の美しさ以上のパフォーマンスを、これからは見えない所で発揮してくれることを期待して、ヘッドとブロックをドッキングします。


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HKSのピストンはEJ20用と銘を打たれ、GC8もGDBも同じ物を使います。

GC8のVerⅢ以降では1.4ミリガスケットの使用で純正と同等の圧縮比(8.0)となるようなので、それに倣ってVerⅢ・Ⅳの純正品(1.4ミリ)のヘッドガスケットを使います。
標準の0.8ミリガスケットだと8.2まで上がってしまうようで、ブーストを掛けずに使うならこちらの方がレスポンスは良さそうですが、やはりしっかりブーストを掛けてパワーを出したいですからね。


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新品のストレートピンを打ち込んで、ヘッドガスケットを合わせます。

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EJ207のヘッドボルトの締付方法(GC8もGDBも同様でした)

①ヘッドボルトのネジ部とワッシャに組付け用のルブを塗布する。
②対角締めの順序で30N-mで締め付ける。
③同じ順序で70N-mで締め付ける。
④すべてのボルトを180°緩める。
⑤更にもう一度180°緩める。
⑥対角締めの順序で40N-mで締め付ける。
⑦同じ順序で80~90°の角度締めをする。
⑧更に同じ順序で40~45°の角度締めをする。
⑨センターの2本だけ40~45°増し締めをする。

*対角締め順序
 1.センター上 2.センター下 3.左上 4.右下 5.左下 6右上


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シリンダーヘッド取付完了。

ヘッドカバーは仮付けです。
この状態でタペットクリアランスを測定すると・・・6箇所くらい基準値を外れてしまう。
やはり結構狂ってきますね。

ヘッドもブロックも両方面研してるのでもしかしたらそのままいけるのでは?
と思いましたが、そういうもんでもなさそうですね。

次回からはヘッド単体での仮合わせは割愛しよう。
しっかりとヘッドボルトを締め付けてから計測し、そこできちんと調整すれば不足のシムの注文も一回で済むしね。

3箇所は入れ替えだけで上手く基準値内に収まりそうですが、あとの3箇所は再注文しかなさそうです。
シムレスリフターは1個2000円もするんでね・・・なるべく入れ替えのパズルで何とか収めたいところですが、それでもどうにもならない所は買うしかありません。

仮合わせの際に8個、今回の調整で3個。
結局16バルブ中11個も買う羽目になりました。。。


元々他のヘッドに入っていたバルブリフターですからね・・・
ゼロからの調整なんで仕方がないか。

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買い足したバルブリフターで組んで改めて計測すると・・・急に冷え込んだせいかまたちょっと狭くなってる・・・。

まぁ、もう許容範囲なんで無視してもいいんですが、それでも狙った数値にすんなり入ってこないのはアタマに来ますね。
年中23℃とかに保たれたエンジン室などの必要性という物が良く判ります。


結構変わってくるんですよ。

スコンと入っていたシクネスゲージが入らなくなるんです。

シムの計算表と睨めっこしながら、更なる入れ替えで上手く真ん中が取れるような組み合わせがないか、もう少し良くなる入れ替えはないか・・・
やらなくても変わらないかも知れないような細かい作業に、更に何時間も掛けて詰めて行き、漸く妥協点に辿り着きました。

何が大変て・・カム直打ちDOHCのタペットクリアランスの調整が一番時間が掛かるんだよね。
ロッカーアーム式なんてドライバー1本で一瞬じゃないか。
トラブルとは無縁のHLAってのは未だに出来ないんだろうか・・・。

そんな風に思ってしまう程、エンジン組み立ての後半部分での大半を占める作業が、タペットクリアランス調整です。


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あとは簡単です。

カムシャフトを取り付けして、新品のヘッドカバーパッキンやカムシールを組み付けていきます。
コレで漸くショートエンジンが完成です。


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時間が掛かったなぁ・・・。


タイミングベルトまで掛けようかと思ったけど、タイベルカバーの裏板はこれから降ろすエンジンの物を移植しないといけないんだった。。。

次は何をするにも実車のエンジンを降ろさないとな。





という所までのブログでしたw

alt実はもう降ろしてきました。


Posted at 2021/11/17 01:10:04 | コメント(2) | トラックバック(0) | EJ20壊して直す | クルマ
2021年09月06日 イイね!

緊急修理2

緊急修理2週明け月曜の日中に着信アリ。
嫌な予感がするな・・・。


仕事の合間に掛け返すと、
「今日の朝、走ってる最中に急にエンストしてエンジンが掛からなくなっちゃったんだ・・・悪いんだけど、夜にでもちょっと見てくれないか?」

この間、タービンブローで車検が取りやめになってバタバタしたアルトワークスのオーナー、ウッチーからの入電であった。

「立て続けだな・・・。」



通勤でほぼ毎日乗っているから、一日でも乗れないと不便なのは判るが、直ぐに走れるようになるかは判らんぞ。
そう言って、夜にちょっと点検に行く事にしました。


詳しく状況を聞くと、朝の通勤で鎌倉街道を走行中に、急にパパンと軽いアフターバーナー音と共に、エンジンストール。
そのまま息を吹き返すことは無かったという。

セルモーターは勢いよく回るが、エンジンが掛かる気配すらない模様。


仕方なく出勤を取りやめにし、レッカー車を呼んで家路に着いたという。


うーん・・・話を聞く限りだと電気系統っぽいけれど、バッテリー上がりとかオルタネーター不良のような感じじゃないな。

セルは勢いよく回る。

最後にアフターバーナーがあった事から推察できるのは、燃料は最後まで送っていたという事だろう。
恐らくフューエルポンプでもないだろうな。

そうなると、点火かメカニカルだ。

デスビの先は3気筒ある訳だから、プラグにしろコードにしろ三つ同時に死ぬことはない。
点火系ならデスビ本体か、イグニッションコイル不良が怪しい。

メカニカルなら、タイベル切れか・・・バルブが割れるなんて事もある。
でもタイミングベルトが切れたら全バルブが全閉だから、まともにクランキング出来ないよなぁ。

コマ飛びでタイミングがずれて圧縮が掛からなくなるなんて事も無くはないけど・・・二つ三つ飛ぶくらいならエンジンは掛かるんだよな。
バルブもイッコ欠けた位なら、残りの2気筒でちょっと頑張ろうとはしてくれる。

とにかく初爆すらなく、全く掛かる気配が無いってのは・・・
燃料が来てないか、点火に係わる中枢が何か停止しているか・・・このどちらかである事が殆どである。


取り敢えず、タイミングベルト周りの点検と燃ポンの動作確認、イグニッションコイルとデスビの点検が出来る道具だけ持って夜半に診察となりました。
残業や休日出勤続きのヲレにとって、月曜日の晩からの緊急出動は身体に堪えるな・・・。



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タイベルカバーの上側をめくってちょっと覗いてみるものの、トラブってる様子はない。
ベルト自体は2~3年位しか使ってないから、まだ全然新しいんだよね。
自然に切れる訳はないんだよ。

F6Aシングルカムは基本的にバルブクラッシュはしない構造らしいので、切れても張り替えるだけで済みますが、取り敢えず最悪のケースは免れた模様。
クランキング時の吸排気の音を聞く限りでは、動弁系の破損なども無さそうな感じです。

機械的には全く正常という感じ。



次に、6.3のロングエクステンションを聴診器にしてフューエルポンプの作動音を聞いてみる。
レガシィターボ用のポンプを付けてるんで、聞こえない訳はないw

イグニッションONで燃圧が安定するまでの数秒間、ギュー・・・っと派手な音が聞こえます。
やはりポンプも違う。



あとは点火系かなあと、タイミングライトで点火時期でも見てみるかと、ライトのクリップをコードに接続するものの、セルを回しても一向に光らない。
おかしいな・・・確かにエンジンが掛かって回転が安定しないと正常な点火時期は判らないけれど、点火に合わせてストロボは光るはず。

それが全く点灯しない。


「点火してないな。。。」


イグニッションコイルが飛んだか、ポイントが折れたか割れたか・・・。

大分絞れてきたな。



点火系ならダイアグに残っているかも知れないと思い、点検コネクターを短絡。
42番、クランク角センサー不良と出ました。

デスビ点火車両は、信号をECUで制御してないので、クランク角センサーという物自体は無い。
この場合はカムシャフトからタイミングを得ているデストリビューター内部にあるピックアップコイルから送られる信号の事である。

この信号を元にイグニッションコイルで高電圧を発生させ、それを再びデスビに送ってポイントで分配しているのである。


alt
デスビキャップを外してみると、明らかに事件が起きている事が判った。
ポイントの軸に銅線みたいなものが巻き付いてしまっている。


「何なんだこれは・・・。」


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ピックアップコイルのセンシング部分の蓋が吹っ飛んで、中のコイルがほどけてしまった様である。

これでは点火信号など送れる筈もない。


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主軸のシール不良からのオイル漏れで一度中古交換しており、外した物をまだ持っていたので、それに付け替えます。
丸ごと交換するとまたオイル滲みが再発してしまうので、本体はこのまま使い、ピックアップコイルのみ移植する事にしました。


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シクネスゲージを持ってきていなかったので、ローターとコイルの距離(エアギャップという)を測れませんで、適当にギリギリ接触しない程度で調整しましたが、問題なく無事エンジンは掛かるようになり、普通に走れるようにはなりました。(基準は0.2ミリ程度)



このまま同程度の中古品での運用ですと、またいつか近いうちに同じようなトラブルになることが想像に難くないので、リビルト品を直ちに手配して交換する事に。

リビルト品もね、こんな古いクルマの物がまだ出回っているだけでも有難い事。
それすらいつ買えなくなってもおかしくはないので、今回は迷わずに交換する事に決まりました。
リンク品で25000円程度ですね。

オイル漏れのコアと爆発コイルでお返ししましょうww

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後日。

リビルト品が届いたと言うので、
夜に寄ってもらい、ウチの前の路上で交換作業。

しっかりタイミングライトも機能し、ハイオク仕様にしている事もあって、レギュラーガソリン仕様で-5度程度(アイドリング時)なのに対して、-9~-10度辺りまで進角させることによって無事完調となりました。



ふうっ・・・。

エンジン全損に繋がるような厄介な内容じゃなくて良かった。
どれだけ不具合が生じていても、全く走らなくなるっていう事は本当に稀。

このアルトワークスに於いても、
登録より24年目になるネオヒストリックに分類されるような車両だが、事故以外でのレッカー運搬は今回が初ではないだろうか。

それくらい、全く走らなくなるという事はなかなか無い、という事である。


取り敢えず、
再び不具合を解消し、走れるようになりました。



エバポレーター&エキスパンションバルブと、社外ラジエターへの交換の予定があったのですが、直近での限られた作業枠を使い切ってしまったので、またずれ込みますね。
夏も終わってエアコンの必要性も無くなってきたので、当分は平気でしょうけど。




時間があれば・・年内に出来るといいな位の話ですw


alt滑り込みでオリンピック応援の白ナンバーを取得してきたそうですw



Posted at 2021/10/04 00:18:49 | コメント(0) | トラックバック(0) | 人のクルマも直します | クルマ
2021年09月04日 イイね!

マークXにLSD

マークXにLSDコンスタントにブログを更新できない日々が続いております。


私事ですが・・お盆過ぎから会社の仕事量が尋常じゃない事になり、只でさえ身体を使う技術職なのに、屈強を自負する僕でさえそろそろ限界を迎えそうです。

基本毎日3時間4時間の残業に、休日も出勤で更に残業・・・。


そろそろ何とかならんかな。。

こんなコロナ禍で、仕事があるだけ有り難いのかも知れませんが・・・ちょっと極端なんだよな。
断った仕事が転注になるとまず帰って来ないので、やり切るしかないのが中小企業の辛い所ですね。


そんな合間でも、頼まれてるエンジンを組まないといけないとか、クルマが止まっちゃったから見てくれだとか、このパーツ付けて欲しいだとか、様々なニーズに応えなければいけないという実情があります。

チオビタドリンクを一気飲みし、両手で頬を叩き、全盛期の勝俣邦和よろしく「っしゃあ!」と掛け声をかけて単発の依頼を迎え撃っていますw


ちょっと前の内容ですが、会社の知り合いのマークX。
型式はGRX130で、ついこの間絶版になりましたマークⅡ3兄弟シリーズの末っ子の最終型。
ファイナルエディションという奴です。

コイツに機械式LSDを入れて欲しいという事で色々調べてみると、クスコからラインナップがある。
トヨタの8インチという規格なので、今のハチロクとかBRZのデフと共通のようですね。

ただ、どういう訳かRSもMZも即納できないらしく、ハイブリッドデフというシリーズだけが直ぐに出せるという事でした。

ハイブリッドデフとはなんぞやと調べてみると・・・

まず、昨今の自動車の電子制御の統合デバイスによる4輪の監視マネージメントは緻密で厳しく、やたらとガチガチのLSDなどを入れてしまうとしょっちゅう制御が入ってしまってまともに走れないとか、ATへの負担が大きくなり過ぎてフェイルセーフが入ってしまうとか・・・

昔のように「LSDを入れる→楽しく走れる」という簡単な図式ではない模様。

TRCをOFFにしてやれば一時的にそういった制御が介入しないようには出来るが、普段からやたらと制御が入るようでは煩わしいので、街乗り普段乗り程度では制御が介入しない程度の緩めのイニシャルトルクと、しっかり踏んだ先で初めてガチっとロックする機構の独自のプレッシャーリングとカム角が設定された低速マイルド仕様のLSD。

それがクスコのハイブリッドデフ。
と、言う事みたいです。



そこまでマイルドがいいなら、ハチロク純正のトルセンLSDでも流用すれば間違いないのだが、機械式を知ってる人にはマイルド過ぎる。
でもでも、鬼組みのMZやRSではガチ過ぎるみたいな人向けですかね。

まぁ、ATしかないマークXには丁度いいのかも知れません。


そんな訳で、事前に色々相談はされていたものの、話だけだろうと呑気に構えていたら、とんとん拍子に物を全部揃えてしまった様なので、どこかでやらないとね~なんて言ってて。
会社も忙しいから土曜も出勤だし、日曜はフルでやったら死んじゃうしで、考えた挙句・・・

土曜日仕事終わりにデフ降ろして部屋でLSD組み込みで半分。
日曜日午前中にクルマに取り付けしてで半分のまさにハイブリッドなプランで行く事に。

これなら日曜の午後はゆっくり出来るし、家庭内のタスクも守れるな。



みたいなね。。

やらなきゃいけない事の量は変わらないんだけど、最近はいっぺんにやるのが厳しくてね・・デフなんて訳ないだろと思いつつも、初めてのクルマなんかは思ったよりも時間が掛かるし、突貫でやるよりも前後編で分けた方がラクできるんだよね。

そんなこんなでハイブリッドデフ土日半日組み付けのハイブリッドプラン。



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こういう日に限って結構な雨。
駐車場は屋根下なんで決行しますが、風が強いとまあまあ吹き込んできます。

クソが!やってやるぜ。


FRのリヤデフなんて楽勝だろうと思いましたが、最近のクルマは細かくブレースバーのようなものが入っていたり、アンダーボディー気流の整流パネルのようなものがやたらと付いています。

それでもまぁ、デフ自体はボルト4本とペラシャのボルトナット、ドライブシャフトの差し込みのみ。
ドライブシャフトは、アーム類の分解が面倒なのでそのまま下げて行って抜けてくるかチャレンジです。


リヤメンバーで留っている12のヘキサゴンボルト前のスペースが狭い・・・。
ソケットは差せても、ラチェもスピンナも取り付け出来そうにありません。
こんなデカいサイズのヘキサゴンのL字なんてもってないなぁ。

alt
少し考えた後、ソケットのヘキサゴンに直接メガネを掛けて回すことが出来ました。(差し代が短すぎるとこれも出来ない)


危ない危ない・・・これがダメなら他に方法が無かったわ。


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無事リヤデフは着陸。
ドラシャも下げていくだけで抜くことが出来ました。

ノーマル状態でのバックラッシュを計測。
0.13ミリといった所でした。

同じくらいの値で調整できればいいけど、シムも全種類などは準備していないのでどうなりますかね。




取り敢えず、クルマ側の作業は本日は終了。
オーナーのBさんにはお帰り戴きます。


さて、帰って飯食って風呂に入ってもまだ寝られません。
本日中に調整まで終えてフタを閉めないと接着剤が乾きませんからね。

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さて、組み込み前にハイブリッドデフの中身を確認しておきます。

1WAY用クロスシャフトをプレッシャーリングが挟み、それをさらにフリクションディスクとプレートが挟んでいるのは従来のLSDと変わりませんが、その外側に見慣れないリングとRSに使っているようなコイルスプリングが見えます。


ほう。

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仔細を見ていくと、プレッシャーリングにはRSスプリングが入れられる溝が切ってあり、クロスシャフトのカムもレスポンスのいい深い角度に変える事も出来る。
要するに共通部品と言う事だ。


イニシャルトルクを掛けるためのスプリングはRSのように内側からではなく、新設のリングを介して外側から掛ける事で、プレッシャーリングの押し広げを遅らせて、日常使用領域でロックしないようにしている模様。

このリング機構のお陰でフリクションプレートの枚数は片側最大12枚から6枚に減少してしまっているが、極端な効きを落として更にマイルドにする為なのだろう。

逆にこの部分を無くしてフリクションプレートやディスクを入れ、コーンプレートかRSスプリングを入れてやればタイプMZにもタイプRSにもなるという事ですね。


要するに中身の組み換えだけで上手い事やってるな!
って話でしたw


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よく見ると、片側6枚にまで減少しているクラッチプレート群にも関わらず、さらに内爪と外爪が重なっている物がありますね。
最大7面の摩擦面を出せる中で、3面が無駄になる配列です。

これでは本来の6割位しかロック力が出せない。

ただでさえMZやRSの半分の枚数なのに、そこから更に6割では折角の社外機械式LSDも勿体ないと感じてしまうヲレ。
(まぁ、コンセプトに合わせたセッティングなんだろうけど)

イニシャルトルク自体は新設のプレッシャースプリングという物で出しているようですし、プレッシャーリングのカム角も浅い方を選べば、しっかり踏まないとロックが始まらない構造ですから、最大のロック率は高めてもそれ程問題は無いハズ。

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100%で組んでおきましたw

オーナーも、即納できればRSでもいいやと言っていた位なので、そこまでフォーマルな性能に拘ってはいない筈。
出荷状態のセッティングでは逆にガッカリさせてしまうかも知れないので、これは正解だと思う。

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しっかりフタを閉めてと。


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キャリヤ側からノーマルのオープンデフを取り出します。

ここで肝心になるのは、サイドベアリングアウターレースの外側に1枚づつ入っているバックラッシュの調整用シム。(リヤデファレンシャルサイドギヤシャフトワッシャという部品w)
左に3.05、右に2.85という物が入っていました。

元々入っていたデフを外して戻すだけなら、リングギヤのバックラッシュは変わりませんが、今回のようにデフそのものが社外などに変わってしまう場合は、結構隙間が変わってしまうので、シムを交換して調整が必要になります。


元々入っているシムの厚みはバラしてみないと判らないので、事前にドンピシャのシムを準備出来ません。
通常、ショップなどではここで一回作業を中断してシムの発注に入るか、仮組でまあまあ値が良ければそのまま行っちまえで組んじゃうんでしょうけど、狭すぎると熱膨張時にギヤが届いちゃってブローするし、広すぎてもインパクトで割れたり、ギヤが偏摩耗して音が出たりとあまりいいことがない。
バラす前が0.13ミリだったのなら、やっぱり0.13前後で戻してあげたいところ。

ですが、この土日しか時間がないので一発で決めなければなりません。


かと言って、50種類くらいあるシムを全部購入する訳にはいかないので・・・
こういう時はヤマ勘でだいたい当たりを付けて20枚くらい注文して勝負するという方式を取っています。

41334Cリヤデファレンシャルサイドギヤシャフトワッシャ
2.80から3.28ミリの間で約50種類のラインナップがありました。
1枚400円弱。

全部買えば間違いないでしょうが、えらい金額になります。
20枚程度なら1万円弱。
自宅ガレージで時間が掛けられるなら、バラしてから2~3枚注文して済ませられますが、1日で終わらせることがマストなので、これは仕方がない出費ですね。


3.00ミリを真ん中に、前後10枚づつ程度準備しました。
これでヤマ勘を外すとかなり残念な事になりますが、これでイケなかった事は無いですね。
(適当だけど・・・)

この辺の煩わしさを見ると、スバルのリヤデフのバックラッシュが薄いシム数枚の組み合わせだけでやりくりできる構造は素晴らしい。


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ノーマルデフからリングギヤを移植して、準備しておいた新品のサイドベアリングを圧入します。
ネットではリングギヤは焼き嵌めなどとの記述をみましたが、冷間でも抜けますし、嵌りますね、特に問題ありませんでした。

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先ずは元々入っていたシムで組んでみて値を見ます。
大体0.17~0.18ミリでした。

標準値が0.13~0.18なので、ギリOKっちゃOKなんですが、広い方にギリってちょっと嫌だなぁ。
まだ登録から2年程度の新車なので、狭い方で組んであげたい。


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折角いっぱいシムを買ってあるので、しっかり調整してみます。

0.05ミリ程度リングギヤを近付ける方向でシムの選定をします。
今回もヤマ勘は大体当たりましたが、危なかったよ。
薄い方に寄せたのが正解でしたけど、厚い方に寄せた20枚だったら2.80ってのは入ってこなかった。

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近くの段ボールなんかに書きつけながら何度か組み直します。

デフ自体が別物ですし、サイドベアリングも新品なのでそもそもの全幅が変わってきますから、左右の厚みの変更量が同じになるとは限りません。
元のシムの厚みの合計だとややキツキツだったので、片方を少し減らして調整しました。


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数回調整して、バラす前と同じ0.13~0.14ミリという値にまで持っていくことが出来ました。
これならアクセルON/OFF時のギクシャク感も出ないでしょう。

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バックラッシュさえ決まっちゃえば、あとはキャップの本締めを確認してキャリヤの蓋を閉めて終わりです。
気が付いたら夜中の3時くらいになってた。



やっと寝られる・・・。

でも翌朝は午前中に終わらせたいので、早く起きなきゃな。




結局、7時頃起きようと思ってたけど、10時過ぎ・・・。
まぁ、しょうがねえか。
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デフ玉運んで車体に取付します。

しかし、200馬力以上を受け止めるデフは結構重いな・・・。
インプのR180に慣れているヲレにはトヨタの8インチ(ていうか、まだこのデフ玉使ってんのかよ・・・)とかR200とかってのはやっぱりデカい。


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アンダーボディーのフラット化の為に、窪んだ所がないように色んなパネルが付いている。
デフの両サイドにもレゾネーターのような樹脂のパーツが付いて、徹底的なフラット化がなされていました。


近年のスポーツカーから大型のウイングが廃されてきたのも、こういったディフューザーがしっかりしてきたからで、偏ったピッチングを生み出す大型ウイングやフロントリップスポイラーなどよりも、アンダーボディーの整流化によるダウンフォースの方が効果が高いのだという。

全部カバーリングされちゃって整備する方は大変だけどね、こうやって時代と共に機能パーツやトレンドが変化していく。


いいものは古いクルマにも取り入れてみたいし、色々と参考にはなりますね。

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降ろすときは何とか抜けてきたドライブシャフトのインプットですが、入れる時は突っ張っちゃってなかなか難しいね・・・。
苦労しそうだったので、削られる前に素直にロアアームの片側を外しました。。
これなら一発で入ります。


調整のない部位ですのでアライメントは大丈夫でしょう。


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無事搭載し、デフオイル充填。
オイル量は1.2Lなので、チビ缶ひとつじゃ足りませんよ。

最初の500キロくらいで一度交換が望ましいので、多めに準備しておきましょう。



古いクルマなら、ウマに載ったままギヤを入れて駆動させたりして最終点検するんですが、今のクルマでそれをやるとABSとかEBDが誤作動を検知してチェックランプが点きっ放しになったりするので、実際に走ってチェックするだけです。


まず走り出してクッと踏むと、チャッと言う感じのプレッシャーリングが押されてプレートが密着する時の音が割とハッキリ聞こえる。
不快ではないが、素人には聴きなれないだろう。
アクセルを踏まない惰性の旋回では殆どイニシャルトルクに寄る抵抗感はない。
車庫入れなどでのフル転舵でも引きずるような引っ掛かりは全く感じなかった。

しかし、カーブなどで意図的に大きくスロットルを開けると、駆動両輪は瞬時ににズザザとロックを開始し、面圧の低い内側のタイヤが無様に空転するという事は一切おきそうもない。
純正トルセンなどよりも明らかにレスポンスが良く、機械式LSD感は充分に感じる。

片側6枚プレートと、クスコにしてはマイルドなLSDではあるが、充分ではないかと思える能力がある。

超ハイグリップタイヤを履いてジムカーナとかになったら判らんが、このオーナーも、そもそもガチじゃねーし、たまに峠や高速を流すだけなら、普段乗りで不快感が無い分最高のLSDではないだろうか。



今回このLSDの構造を理解するにあたり、イニシャルトルクの調整やあり方について新しい視点で考察できて、いい勉強になったかな。

低イニシャルで高いロック率を出せる社外LSDはいいなぁと思いました。



やっぱ走るクルマにはLSDは絶対必要!

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alt純正のホイールがやたらとカッコいいな・・・。
Posted at 2021/09/26 11:10:47 | コメント(2) | トラックバック(0) | 人のクルマも直します | クルマ

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「[整備] #その他 HA11S アルトワークス 社外ラジエター装着 https://minkara.carview.co.jp/userid/271921/car/262720/7405733/note.aspx
何シテル?   06/30 04:17
だ い です。空白が二つですw 板金塗装と整備をちょこっとかじってマス。
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2009/09/13 00:37:18
 

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