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2019年05月11日 イイね!

純正スプリングカット

純正スプリングカットHIKO君のBNR34。

以前より、サスペンションの著しい性能低下の報告を受けていた。
リヤがポンポン跳ねて攻められないし、乗り心地も悪いと。

そもそも、純正のダンパーにエスペリアという激安ダウンサス仕様だったので、初めから高が知れているのだが、まだダンパーが生きているうちは言う程悪くなかった。(と思う。)


世の中の大概のダウンサススプリングは、縮み側のストロークが減少する分底突きさせない為に、純正と比べればレートも高く設定されている。
硬めのバネで低く構えるので、初めの内は攻めても調子が良かったりするのだけど、スプリングという物はヘタってくるとどんどん車高が下がって来てしまい、事更にストロークが減っていってしまった挙句、サスペンションダンパーも同じようにヘタって抜けてくるので、硬いバネの振幅ばかり強調するような乗り心地になり、底付きも相まってポンポンと跳ねるようになるのだ。


このクルマをダウンサス仕様にしたのはヲレだが、それも最早10年近く前。
とっくにスプリングはヘタリ切り、ダンパーは抜けきって、今の状態に至る訳だ。


もう10年になるのか…早いものだな。


まぁ、兎に角サスを交換するしかないんだが、ストックで純正のほぼ新品ダンパーが一式あるのでそれを使いたいと言うのだが、使えるスプリングは純正か市販のダウンサスしか現状存在しない。

車高が下がり過ぎてしまったのでエスペリアはもう使いたくないんだけど、純正車高は嫌なんだと。

・・・今のヲレに言わせると、よもやそのまま純正を使う事がお勧めでしかないのだが、やはりまだ少しは下げたいという美意識があるようだ。


以前より何度も電話口で相談を受けていたのだが、モノをよく見ていないので、「その内容だともう純正サスを少しカットして使うっていう選択肢しかないんじゃないか?」と、安易に返答していた。

ヲレの世代の人間ならごく自然な流れである。

ただ、ダンパーも純正のままのバネカットなので、純正の縮み側のストロークが減っただけという仕様でしかない。
街乗りでの乗り心地はいいだろうが、攻めるには少し弱いかな。

減衰を調整できる社外ダンパーで使うか、スタビライザーなどでロールを抑制するかなどしないと物足りないかも知れないが・・・
とにかく現状が酷すぎるので、スプリングカットだけ履行して欲しいという話でした。



純正スプリングは2セット有り、そのまま使うことはないし切って使えなければそもそも要らないとの事だったので、躊躇なくカットに入ります。

先ずはひと巻き。
これくらいなら純正ダンパーでも遊ばないぎりぎりくらいかな。


カットしてみてからですが、ちょっと嫌な予感がします。

純正ショックは、ダンパー下側のお皿の外周の立ち上がりがなく、バネがぐるりと一周している部分で内掛けして外れない仕組みなので、ひと巻き切ってしまうと不安定になってしまいそう。


実際組んでみるとこんな感じ。

1G掛けてしまえば、潰れて対角がシートと接するので外れ止めが効くけれど、ジャンプしたりして伸び切った時に下に落ちてしまう可能性が否めない。

昔ハチロクに乗っていた頃は、車高調入れるまではよくバネがシートの下に落っこちて一ヶ所だけ超車高短とかになっていたな。


ボロハチロクならその都度よいしょ、とか言って直せばいいが、GT-Rでやることじゃないなw


流石にこれじゃヤバいかな・・・
HIKO君に連絡して、一周切ったら外れ止めが効かなくなるけど、一周以上切らないと車高が変わらなそうだから、どの道使えないかも・・・と。


しかし後日連絡があり、「純正サスカットでもやり方があるみたいです」と。

HIKO君の知り合いで、GT-Rでレースをやってたひとに相談をしてみたらしいんだけど、その人は純正サスカットを色々試して、外れないギリギリで車高も下がるという切り方を見つけ出したというのである。

そのデータを聞いてきたので、残りのもう1セットで試してみたいというのだ。

話を聞いてる限りではやや半信半疑である。
純正形状のスプリングは、上も下も最初の一周は外れ止めでただの一周をしてから立ち上がっているので、車高を決めることに関与していないのでは?と思ってしまっていた。

でも、一周以上切ったら確実に外れ止めが無くなってしまう。

この時点で純正サスカットはナシかなと判断できる。



でも切り方があるだと???


聞けばレース屋とはいえ還暦も過ぎたおじいちゃんである。
ブラフや記憶違いもありそうだけど、それでもいいならとやることにしました。


それで聞いてきたカッティングデータが、

F   上側1/2巻き 下側3/4巻き
R 上側1/2巻き 下側1/2巻き


と言うことで、上と下も切るというデータです。
やはり、一周切ってしまうと外れ易いという事を警戒したデータですね。
基本的に半周なら外れない、そして線間の狭いフロント下側なら3/4まで行っちゃおうみたいな感じでしょうか。

かなりギリギリを攻めてると思います。

半周切るだけでも水平自立はしなくなるので、やはりショックに組み付ける際には少し注意が必要ですね。


アッパー側のラバーのバネの当たり位置が変わってしまうので収まりが悪いです。
車体に取り付けた後も、ジャッキを降ろして1Gを掛ける直前まではスプリングの上下が大きくずれていないか確認します。

当分使ってアッパーのゴムに癖がつけば、ズレにくくなるでしょう。



オート○ックス車検の整備で舐めさせられたというブレンボのエアニップル。
10ミリが入らないからって、12ミリで行こうとしたんだね・・・

違います。

ブレンボはミリ規格ではなくインチ規格で作られているので、7/16インチというサイズです。
ミリに換算すると11.113ミリとかになるので、一回でも使った事がある11ミリのボックスがあればほぼ間違いなく作業できます。

ブレンボキャリパーのネジ関係はかなりしっかり締めないといけないものが多いので非常に固く、適当な工具を使うと舐めてしまったり緩まなかったりと失敗が多いです。

エアニップル如きと舐めて掛かるとホントに舐めてしまいます。
12角ではなく、6角の工具を準備して作業しましょうね。


さて、遂にタイヤを付けてGT-R着地。

ほう、確かに適度に下がっている。
前が指3本、後ろが指2本半と言った感じか。

何故下がるのかと考えてみたけれど、線間の狭い1Gでの密着領域での総量が単純に減るからなのかも知れない。

スプリングは完全に潰してもゼロにはならないからね。
棒の直径×巻きの回数分の高さは残る。
だから、どう切っても切った巻き数分の高さは減るって事だね。

概念の理解の問題であった。



なるほどいい勉強になったなぁ。
altいまどきノーマルスプリングをこんな風にちょっとづつ切っていく事ないからなぁ。




Posted at 2019/06/04 06:30:04 | コメント(1) | トラックバック(0) | 人のクルマも直します | クルマ
2019年04月30日 イイね!

春の東北から

春の東北から少し遅出しですが、今年の五月連休は長かったねぇ。
1/3ヶ月休みでしたからね・・・。

まぁ、お陰で色々出来たんですが、下手な夏休みよりも休暇が長かったんで秋田にある妻の実家にも数日帰ってました。

ゴールデンウィークの頃の東北はいいよ。
関東ではとっくに終わってた桜が丁度見ごろだし、新緑の美しさが普通じゃない。
残雪の山々に、雪解け水で増水した最上川。
山菜やお酒もおいしいんだよな。

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春色に染まった畦道を、相も変わらずの速力でぶっ飛ばしていく白いGC8です。

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関東の天気は連休を通してイマイチだったようですが、こういう時はこちらでは大概ドピーカン。
なんていい気分なんだ!

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しかしこのGC8も、長きに渡って良く隷属してくれている。
購入の年ころから毎年欠かさず帰省していますからね、15年間も長期帰省の足として働いてくれた。
峠に雪山にサーキットにと手加減せずに使い倒してきたのに、なかなか頑張るじゃないか。

よく壊れるだの二流メーカー車だのと罵りながらここまで来たが、実際は手放す気にならないいいクルマである。

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家族で帰省という道中でも、桜のチェックは欠かさないヲレ。
まだ宮城県下ですが、巨大なカヤの樹と共生している桜というものと出逢いました。
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根元周りはすっかりカヤの樹なんですが、5~6メートル位の高さの所から急に桜が生えています。

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「八木のカヤ」と呼ばれている推定樹齢830年の大樹です。
着生している桜はカスミザクラという種類で、ちょうど見ごろを迎えていました。
宮城県大崎市指定の天然記念物です。

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この2人は5歳と3歳になりました。
笑顔がヘタクソな次男w

常にけんかや悪ふざけが凄まじく、彼らの相手をするにはヲレの全ての時間と体力を投入しても到底足りません。
なかなかブログが書けないのはそのせいです。

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鳴子ダムの建設によってできた人造湖「荒雄湖」です。
この時期は雪解け水を大量に湛えていて、白っぽく濁っていますね。
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地図にないつり橋でパチリ。
この先行き止まりとはありましたが、進入禁止ではありませんでしたのでね。

春の強風が吹き荒び、つり橋はぐらぐら。
危険なので、チビ共には絶対出てくるなと一喝して撮りました。

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あの山を越えたら秋田県です。
沢山のオートバイがツーリングを楽しんでいます。

クルマでもなかなか気分がいいけどね、
風を感じ、鼓動を感じ、機械や自然と一体になる。
やはり走る楽しさではオートバイには敵わないんだよな。

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それでも風や光を感じたくてちょいちょい寄り道してしまう。

急に広がる田園と、背後には神室山系が美しい残雪を抱えている。
こんな雄大な風景が広がっていたら、そりゃあ立ち止まってもみたくなる。

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何だかんだ言っても仲良しの兄弟。

のどかだ。

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峠越えで標高があるので、そこかしこの桜がまだまだ満開。

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GCは性能と利便性を追求した結果、ノーマルの値まで車高が上がったので、多少の段差も未舗装も殆ど気兼ねなく突破できるようになりました。

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只でさえ山が無いナンカンが泥だらけであるw
まぁ、逆に新品に履き替えてこないでよかった。

実は新品タイヤは既に準備してあるのだ。

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人気のない桜の林に釣られて入ると、そこはカタクリの群落でした。
屋敷か学校の跡と言った感じの場所でしたが、
基礎しか残っておらず、古いソメイヨシノと、地面いっぱいのカタクリにフクジュソウに・・・

何とも不思議な美しい場所でしたが、妻と次男は爆睡中。
長男と観察しながら撮影していました。

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最後に「決めろ」といったらこの顔ですw
さすがヲレの子だな。

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もう撮れ高は充分なので半ば満足していましたが、走っていると美しい場所が沢山ある。
なかなかおじいちゃんチに着きません。

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おじいちゃん家に着いても、すぐ裏山は大自然です。
山桜の咲く丘の上で鳥海山を眺めたり、神様を祀っている祠に手を合わせたり、イモリが居る小さな湧水池もありました。

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子供たちが家でおやつを食べている間に、ひとりで散歩。
リンゴやサクランボ畑の脇の畦道をどんどん行くと、また鬱蒼とした森の入り口がありました。

夥しい数ののゼンマイが生えています。
ゼンマイの森ですね。
勝手に収穫しても怒られることは無さそうですが、そろそろ帰ればこごみやコシアブラの天ぷらが待っているので勘弁してやろう。

そこから先は道と言う道はなく、藪漕ぎも嫌なので静かに後にします。



土筆など足の踏み場もないほど生えています。


ウチの妻は結構アホなので、割と大きくなるまで鳥海山が富士山なのだと思っていたようです。(こちらでは秋田富士とも言うそうですね)


さすがに富士山はもう一回りデカいって。

altお義父さんが古希なのでお盆にも帰ります。

Posted at 2019/05/21 00:03:52 | コメント(1) | トラックバック(0) | far away | 旅行/地域
2019年04月27日 イイね!

ワンツーファイブ定期メンテナンス

ワンツーファイブ定期メンテナンス「最近PCXとかその辺に千切られるのがちょっとね。」
と文句を言うアドレスオーナー。

アドレスがPCXとかに負けるかなぁ。
150㏄とかのがあるからその辺のクラスじゃないかなぁ・・・。

何か、もう少し速くならないかな?ということで、
ぶっちゃけ4ストの125なんて弄っても大して速くならないし、元々遅い中でのドングリの背比べでしかない中で、唯一の小型ボディであるアドレスは軽さで群を抜いているのである。

ライダーがやや重すぎる・・・事を除けば、出来ることはそれほどないのだが。
まぁ、ベルトやウェイトローラーも摩耗してきてるだろうし、ギヤオイルもそろそろ交換時期。
基本的な定期メンテナンスをやるついでに何か出来ないかな?

という事だった。

エンジンのボアアップと言ったベースの底上げ以外で少しでも変わるかもしれないのはスクーターならではのプーリーの変更くらいかなぁ。
マフラーを換えたって、エアクリーナーを換えたって、CDIを換えたって4ストは速くならないのだ。(封印されているようなポテンシャルがないのだ。)

プーリーもややギャンブルである。
ギヤが一段増えたって、そこまで持って行ける底力があってこその話。
良くても、下トントンの上が5~10キロ伸びるようになったかな?が御の字であろうな。

ま、10キロ伸びたらだいぶ違うけれどね。


横綱とか使わないでちゃんとデイトナのセットを使います。
ベスト重量のウェイトローラー付きでセッティングの必要ナッシング。


さすがに外径デカいな。
ただ、アドレスはケース自体が小さく、内容物がギリギリで納まってる感があるのでこの辺が限界と言った感じ。



新品ベルトとの差は2ミリ位かなぁ。
それだけでも最高速が5~10キロは落ちていたと思われる。

ベルトは値段が変わらないからと言って強化ベルトというものが準備されていましたが・・・、こういう物の強化品って意味があるのだろうかと思ってしまう。

摩耗は普通にするんだろ?


ベルトとプーリー組み込み完了。




あとはケースを開けた時にしか交換できないギヤオイルの交換と、
車高調整やらサイドスタンド取り付けやらこまごまとした整備を済ませ、若干面倒な依頼内容へ。


冬場だった事もあるだろうが、長いとひと月近く乗らない事もあるらしく、バッテリーが弱ってセルスタート出来ない事があるとか。

まぁ、そういう事もあるだろうな・・・

バッテリーのマイナス端子を外しておけば?
と、言っておいたんだけど、それはそれで工具使うのが面倒だとか、スイッチみたいなので何とかならないかなぁ・・みたいな話だったので、
マイナスのケーブルを切って適当なスイッチでも付けとこうかと思ったんですが、思いの外ケーブルが太い。
工具箱のトグルスイッチじゃ直ぐに焼けてしまうかも。

バッテリーのカットオフだからリレーってのも違うしな、
とにかく定格のデカいスイッチは何かないかな、って見つけたのが・・


なんかのクルマから外したイグニッションスイッチw
これなら容量的に何の問題も無いでしょ。

コイツをバッテリーのマイナスケーブルに割り込んで、ON/OFF出来るように作りました。


オプションでシガーソケットを取り付ける用の穴が元々開いてたので、そこからメットインに引き込み、邪魔にならなそうなところで固定。

イグニッションスイッチなので、当然OFF→ACC→ON→STARTとありますが、ACCすっ飛ばしてONで導通です。
鍵の先っぽで適当に操作してもらいましょう。

この形状なら、誤操作もないでしょうし安全ですね。



最後に経年で色褪せしたフェンダーやら錆などが目立ってきたマフラーなどを簡単にタッチアップ。



取り敢えず、3年分くらいのアンチエイジングと、プチチューンを済ませました。

全体的に小ぎれいになりましたね。


今考えるとこのアドレスも人のバイクとは言え色々やったな・・・
速くなるチューン的なのは初めてだけど、オールペンに全ライティングLED化に、ジェネレーターの全波整流化、グリップヒーター・・・

まずマフラーだのエアクリだのって所に行かないのが大人の仕様。
(まぁ、無駄な事はしないってだけですが)


アドレスV125、きれいに乗っていればまだまだ古さは感じさせないですね。

altまた密かに巻き起こるバイクブーム。


Posted at 2019/05/10 05:53:34 | コメント(0) | トラックバック(0) | ヴァイクも直します。 | クルマ
2019年04月21日 イイね!

平成最後のメンテナンス

平成最後のメンテナンス平成16年の初めにヲレの所へ来て早15年。
平成10年生まれのウチのGC8が令和を迎えようとしている。

もう他で見かけないぞE型STiのRA。
Vリミテッドじゃないところがミソなんだよな・・・。
(白いクルマが良かったから)

イプ太郎と冠して可愛がってきたけれど、平成最後のメンテナンスでした。


峠に繰り出したら左右とも切れてしまったラックブーツの交換に・・




ぶっ壊れてたスタビリンクを新調し、久々にフロントをクスコのスタビライザーに。
キビキビしたフットワークを取り戻すか。


しかし、極端にアンダーステアになってしまい、元々クスコ3段調整のリヤスタビを強めようと潜って見ると、リヤのスタビリンクのボルトが片方無かったっていう・・・。

前後スタビレスだったんかい!


変色し過ぎてクスコブルーに見えませんが、クスコスタビですw

純正の樹脂のスタビリンクがブチ折れるので、余り強めたくないんだよね。
なので3段中真ん中続投で行きます。
これでリヤダンパーの減衰上げてもアンダー気味なようだったら、やはりフロントスタビはノーマルに戻すようですかね。

リヤデフのLSDもちょっと強すぎる。
センターデフも復活したようなので、リセッティングしてスプリングを一枚分弱めるかね。

この辺をちゃんと全部合わせたらようやく、
GDBのサスの本来の動きが判るかな。




連休二日目に腰をやってしまったので、1台足回り交換の予定があったんだけどキャンセル。

ポンさんの所でGDB2台分のエンジンオイル交換だけやって、
あとはのんびりしていました。


あんだけ忙しい時期には踏ん張ってたくせに、連休に入ると決まって腰痛が復活するのは何故なんでしょう・・・。


おっと平成が終わってしまう。


altさよなら平成、こんにちは令和!



Posted at 2019/04/30 23:57:00 | コメント(1) | トラックバック(0) | GC8メンテナンス | クルマ
2019年04月09日 イイね!

いま、再びの山梨

いま、再びの山梨年に一度だけ、友人と各地の桜を巡る旅をしている。

樹齢が1000年とも2000年とも言われている桜の王や、歴史の重要人物が手植えをした、花見を楽しんだ、馬を繋いで休んだ、そんな伝説が残るような桜の神々に会いに行く旅。
自分たちのライフワークのひとつとなっている。


元々僕たちは、子供の頃から都会の雑踏や社会のよしなし事を嫌い、バックパックを背負ってあちこちを歩いて廻った。


とても純粋だったんだ。



自然の美しさにかけがえのない尊さを感じ、あらゆる動植物を可愛いと感じていた。
学生の頃の長い休みには離島や僻地にテントを背負って赴いた。

過剰生産過剰消費が基本の利便生活の矛盾を、何もない山の中できちんと理解し、何もかも自分たちの事は自分たちでやるという事の大切さを痛感する。

そうやって、自分たちにとって必要なものと実社会との距離感を測っていた。


僕たちは、よく川沿いを上流から海まで歩く旅をした。
鉄道も来ていないような所が多かったので、バスで行ける所まで行き、野営しながら海を目指したんだ。

遠くでホイッスルのように猛禽が鳴いている。

川向こうの山の斜面には、雑木林に混じって山桜がぽつぽつと咲いているのが見える。

ただそれだけだ。
だけど、そのただそれだけが、この上なく美しいと思った。


特に華美ではない。
山桜など花弁も小さいし色味も少ない、開花には若葉が混ざってしまうし鑑賞用には向かないと言っていい。
そもそも並べて沢山植わっているものではない山に勝手に咲いている自然の桜である。

だけどため息が出た。
当時持ち歩いていた銀塩フィルムカメラにこそ収めなかったが、こころのフィルムにはしっかりと焼き付けられているのである。

高校2年生の春だったか。


この時に感じた世界の美しさが、今の自分の全てなんじゃないかと思う。

お互いに社会人になり、ストイックな旅は一時中断。
あんなに嫌いだった社会の荒波に揉まれ、幾人かの女性と付き合ったのちに結婚。

ただの普通のひとになっていく。


だが、旅をしていたあの頃に見た裾野の山桜が忘れられない。長良川や古座川の澄みきった流水が忘れられない。

あの頃の記憶は、憧憬となって心のフィルムに焼き付いたままなのだ。

そして、そろそろそれらを現像してみたいと思うようになった。


そう思い立って友人のコウヘイと再び動き始めたのが10年前・・・
始まりは山梨からだった。


山梨には全国からひとが訪れるようなラスボスクラスの一本桜が多数あり、この中には国内最老桜である山高神代桜が含まれる。
これに照準を合わせると、樹種や標高的にまだ早い桜が数多くあり、いちどきに全てを見て回ることは出来ない。

今回は前回訪れこそしたものの、まだ見頃ではなかった名桜を主に見て回ることにしたのだった。


雨ばかりだった4月前半、一か八かで取った有休が大当たりで、モーゼの十戒かってくらい晴れ渡りました。

持ってるなぁ~。

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大きな富士山が出迎えてくれました。

いつも花やフルーツに囲まれていて、甲斐駒ヶ岳や、八ヶ岳、霊峰富士に見守られている。
山梨は一時間程度で赴ける近県にもかかわらず、風光明媚で素晴らしい風土だと思います。

相変わらずのコウヘイの愛機ヴィッツRSで出発です。


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メジャーな樹はもう終盤と予想していましたが、わに塚が意外と咲き遅れていて丁度満開という現地情報もあり、最初に一発大関クラスのエドヒガンを見て行こうということになりました。

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通称「わに塚の桜」です。
過去のブログでも何度か取り上げたことがありますね。

平場の桜よりやや開花が遅いので、何度かリベンジチャレンジをしています。

この桜は満開であることもそうですが、霞の少ない澄み切った空が揃えば八ヶ岳との素晴らしいコラボが実現する有名な撮影スポットでもあります。

プロが何度も何度も通って、漸く納得のいくシチュエーションを求める。


この日はそんな奇跡のシチュエーションでしたw

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とても晴れているけど、北の風が入っていてウィンドブレーカーを着ていてもかなり寒い・・・でもそのお陰でこの空気の透明度である。
南風が入ると湿気が多くなり霞がでてしまうのだ。

今日はヤバイ。
僕とコウヘイはそう感じた。

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何だか出来過ぎている風景にシャッターを切りながら、春の風を胸いっぱいに吸い込むと、日頃シンナーや粉塵に侵されている肺胞のひとつひとつが浄化されていくような気がした。

菜の花の匂いがした。


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神代桜のすぐ近くの無名ながら絵になっているエドヒガンも満開。
バックの甲斐駒ヶ岳が雄々しい。

こんな風に寄り道をしながら、以前にも訪れたことのある眞原の桜並木へ。

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一見満開のように見えますが、並木のアーチの中はまだ3分4分と言った感じ。

ここも標高が高いので遅いんですよね。
それでも日当たりのいい東側だけが咲き進んでいて絵的には悪くない。

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黄色いキャップを被っている方がだ い ですねw
古い一眼レフをしつこく使い、何とかいい絵を撮ろうと頑張っています。


コウヘイはさらりとフルサイズに買い替えてワンランク上の写真に挑戦しています。

いいなぁ・・・フルサイズ。
高くて買えないです。



ふん(´゚д゚`)写真は機材じゃネーヨ!


みたいな。
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さてさて、次は割と念願だった「本村の関の桜」
ここの開花は特に遅く、何度も訪れているものの、まともな開花に遭遇したことが無い。

しかし、今回はこの御姿である。


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幹回りが大きくてなんて重厚な桜だろう。
写真の僕も満足そうである。

1973年に白州町指定の天然記念物に指定。(現在は近隣7町村合併があり北杜市となっています。)
すぐ脇の道路が旧街道であり、関所の近くだったことから「関の桜」と名付けられたと案内板には説明されています。

マイナーな樹なこともあって来客は少な目。
静かな里山の桜です。
こういう樹が渋くていいですね。

しばらくじっくりと見上げてしまいました。


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次の桜もなかなか開花に巡り合えない遅い桜、
「白秋保育園の桜」です。

関の桜同様、初めて開花時期に訪れることが出来ました。

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特別に由緒ある老桜という訳ではないんですが、畑から狙ったときのダイナミックな甲斐駒と保育園の桜とのマッチングがとても美しいんです。


文句なしの満開だぁ・・・

平日だったので、多くの園児たちのはしゃぐ声が聞こえてきました。
絶対に良い保育園だろうなどと思ってしまいます。

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清春芸術村といういわゆるアートギャラリーへ。
桜に囲まれた美しいイベントモールです。

周辺の桜が目的でしたので入館こそしませんでしたが、いつも有名な芸術家のエキシビジョンを公開しています。
友人のコウヘイは演劇家なので割とよく訪れているようです。

僕も博物館や美術館などは割とよく行く方なので、今度来たときは入館してみようかな。(大人1500円とちょっと高めですが。)



さてそろそろ昼ですが、韮崎エリアから少し戻って勝沼方面へ。
そこから若干山の方へ上がって乾徳山の麓は牧丘町にあるしだれ桜が目当てです。

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勝沼エリアでも富士山はしっかりと見えている。



日光がトップライトにあたる南中付近では桜は白飛びしてしまってあまりいい絵は撮れない。

ので、高台にある狙いのしだれ桜の前に、麓の公民館で弁当を食ったりして少し休憩タイム。
周辺をロケハンしたり、機材の点検などをして、夕方の本番に備えます。


勝沼は韮崎よりも若干標高が低いので、基本的に桜自体は早く、
平場は殆ど終わってしまっています。
近辺の他の桜を少し一瞥してきましたが、花桃やサトザクラを残して殆ど終わってしまっていました。

川沿いの峻嶮な渓谷を登り切った所にも「天王桜」という有名な桜があるんですが、こちらは逆に蕾すらかたく絞ったままでした。

やはり孤高のしだれ一本で行くしかなさそうです。


ここはトワイライト狙いなのですが、一応日中に下見をしておきます。

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「乙ヶ妻(おっかづま)の枝垂桜」
甲府盆地を見下ろす牧丘町の高台に座する樹齢200年程のしだれである。



実は昔、私だけで単独で訪れたことがあるんですが、
他の桜との兼ね合いを考えた結果やや早かった記憶がある。

当時はマイナーな桜で、日曜に訪れたのにも関わらず、観客は自分の他にアマチュアのカメラマンがひとり居るだけだった。
だが、近年どういう訳か知名度が上がったようで、多くの来客で賑わっていて驚いてしまった。


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その理由の一つとして、しだれ桜周辺の樹を切ったことが関係しているのかも知れない。

自分が訪れた当時は周辺は梅林と杉が周りを覆っていて、こんなに見晴らしが良くなかったように記憶している。
数年前に大流行した梅の伝染病「PPV(プラムポックスウイルス)」が関係しているのかも知れない。

当時青梅の梅林にもPPVが蔓延し、2013年には断腸の思いで市内全ての梅の木を伐採した。
ウイルスの根絶やしには完全伐採以外選択肢はなかったのである。

勝沼など青梅から見たら山ひとつ向こうという感じ。
蔓延を防ぐために伐採をしたのかも知れない。





しかし、物事とはどう転がるか判らないもので、
その功罪というのか、副産物というのか、見晴台のように開けた高台からは富士山と甲府盆地を見下ろすことが出来る景勝地になってしまった。

梅の伐採と同時に、見晴らしの妨げになる杉林も少し切ったのが良かったのかも知れない。
有名になって観光客が多く訪れるようになったせいか、以前は行なっていなかった夜間ライトアップまでされるようになったようだ。

平日に訪れているのにも関わらず、多くの人たちが訪れていた。
土日来ていたら撮影どころではなかったかも知れない。


なるほどなるほど、随分と状況は変わってきているようだ。


しかし、なんという凄まじいロケーションであろうか。
山の斜面に咲く巨大な枝垂れ桜と、澄み渡る青い空。
遠くに甲府の市井を見下ろし、その背景には冠雪の霊峰が堂々と座している。



神や妖の存在を身近に感じるような、現実感を失った世界がそこにはあった。




時間つぶしに少し近所を散策してみる。
土壁の蔵や納屋、古い神社や、民家の花桃などを横目に山梨という所の風土を感じている。



辺鄙な里山だと思う。
一言で言えば田舎だ。


人の手の入っていない原始の森も美しいが、こうやって人が不便な山奥にきちんと順応して自分たちの暮らしをしているという事そのものが美しい。
共存のカタチが美しいと感じるのだ。

環境が厳しければ厳しいほど、身の回りが必要なものだけで構成されていく。
あっても無くてもいいような無駄なものがあまりない。
家の造りも、クルマも、一人ひとりの趣味や人付き合いも、どうでもいいようなくだらないものが無い。

田舎は封建的だという。
狭い世界でまとまっているから、人間関係なども濃くなっていくんだろう。
でもそれは、その世界で生まれ育った人には当たり前の事なんだろうし、都会人のように隣の家の人の事も知らないと言ったスタイルだと、きっと生活していけない。
「田舎暮らしが憧れでした」なんて言いながら外から来た人では、相当砕けないと馴染んで行けないと思う。

だから、ここで生きていく術や正解というものは何だろうとか、人々の暮らしぶりや人柄を見て想像したりする。



「ヲレだったらここで生きていけるだろうか」


とか、
考えたりしますね。


僕やコウヘイは多分生きていける。
まぁ、コウヘイは判らないが・・・僕は大丈夫な気がする。


何故⁉自然が好きだから???


否。

確かに自然は美しいが、それが好きかどうかは問題ではない。
どんな環境にでも順応できるかどうか、という割とシビアな話なのである。

僕もコウヘイも、東京に生まれ東京に育った都会人であることは間違いないだろう。
だがしかし、こころのやり取りそのものを淘汰していく集団密集生活にはずっと辟易しながらやってきた。

コウヘイもそういうタイプの人間だったから、僕と一緒にしていた「旅」の中に求めているものが同じだった。


結果と利益だけを求め、周りを顧みずに最短距離を行く生活。
上辺だけでやり取りする人々。
その何処に人間としてのサティスファクション(本当の満足)があるのか判らなかった。

死ぬほど沢山の人間が居るというだけで、そういう感じになってしまうのだ。



東京は全国から利益を求めて人が集まる多民族国家みたいなものだから、ギラギラした奴らが多いのは確かだ。
他の奴を踏みつけてのし上がっていい生活を手にした奴だとか、蹴落とされて心に傷や闇を抱えて能面みたいな顔でやっと生きてる奴だとか、いろんなクソ野郎が沢山居る。

そして、どちらも思ってるのは「気を許せばやられてしまう」という猜疑心だろう・・・

そりゃ、玄関の扉を閉めたら直ぐに鍵を閉めたくなる気持ちも解る。



四人に一人はメンヘラだと言われている今の社会で、どれだけ心豊かに生きていけるかどうかというのは、人生の大きな課題だと思う。

それは本当に思う。


どれだけ仕事ができるとか、どれだけ技術があるとか、どれだけ金が稼げるとか・・・どれもそこそこは必要だけど、一番必要な事じゃない。

一番大事なのは、人と如何にうまくやれるかどうか。
この一言に尽きる。


如何ににいい友達が出来るか、
如何に同じ会社のひとと仲良く出来るか、
如何に妻や子供といい関係でいられるか、
如何に今日会っただけの誰でもない人と笑顔で過ごせたか、

人生の全てはここに集約されていると思う。


昔はそれが判らなかったから、
「僕が僕であるために」と思う事に必死で、人を傷つけて、結果自分も傷ついていた。

技術や知識があれば何とかなる、アイデンティティーをなくしたら終わりだと思っていたけど、実際はそうじゃなかった。
何時だって何かを壊すのは自分自身。
人間これ以上大切なものを失う事があるだろうか、と言う程の挫折も味わった。

自分がこれまで大事だと思っていたものが、実はそうでもない。
あまり自分を守り過ぎる事に意味が無いんだなぁ、と思うようになった。


元々直感で判断するシンプルな脳なので、
気付くことで方向転換出来たのだ。


誰とでもうまくやれれば、何処でだって生きていけるんじゃないかなぁ。
きっとその方が楽しい、


とね。


思っているよりも日没が早かった。

高台だからもう少し西日が残ると思っていたが、山を登っている最中に捉えたこの一枚を最後にバーミリオンの残光は山陰に遮られてしまった。



一気に辺りは暗くなり、ぽつぽつと街の灯りが輝きだす。
ここからが本番なのだ。

ここだという場所に三脚で陣取り、深まっていく宵闇の中でカメラの撮影モードや、シャッターレリーズの動作確認などをする。
あまり明るいレンズではないので、F値を上げ過ぎるとスローシャッターになり過ぎてしまう。

なるべくパンで撮りたい。
かと言ってISO感度は極力上げたくない。

バランスの難しい所なのだ。


「このレンズはこういう場面で絶対にゴーストが出ないからいいよ」
「何とかさんがインスタで言ってたから真似して買ってみたんだけどいいよ」
「ツイッターの○○ってひと××ちゃんだったんだ」
「え~、ラインのスタンプってそんなに儲かるの?」
「とにかくね、いいものはどんどん真似しないとね、道具で決まるからね」


自分よりやや高いベストポジションにさっさと陣取ってた野郎が、近くのカメラ女子みたいなのにデカい声で能書き垂れてるのがさっきからうるさい。
アマだかプロだか知らないが、ちゃんと写真を判ってるような奴が話すような内容じゃない。

普段は温厚なヲレだが、何だかイライラするぜ。
(僕や私で通してきたのについにヲレが出てしまう・・・)


道具で決まるだと?
思ってても言うんじゃねえよクソが。

前のくだりでヲレが垂れてた能書きと逆行するんだよ。


大して出来そうもない奴ほど、現場でウンチクを並べたがるのはクルマもカメラマンも同じだな・・・スペックばかり気にする奴には信念がない。


そうこうしていると遂に桜の周りのスポットライトが点灯し始めた。
ライトアップが始まったのだ!

グレー一色だと思っていた空が、対比で鮮やかなブルーに変わる。


驚くべきことに、無風だった。

最高でISO400のまま、10秒まで開けたがブレは殆ど無かった。
風に揺れやすい枝垂れ桜では有難い異例のシチュエーションである。

後ろのクソ共も流石に黙って息を呑んでいる。
最低限の心得はあるようだ。


一体何だこれは、こんな事があっていいのかという雰囲気に包まれている。
皆黙って一様にシャッターを切っている。


数秒おきに青の濃さが増していく、蒼が青になり、藍色になっていく。
僅かな残り時間で究極を追求するエンペラータイムである。

どう撮っても美しくなってしまうのが逆に難しい。

スローシャッターは記録に時間が掛かるので、その時間すら惜しい、長いと感じてしまう。



一番いいと思う所では結局みんなが集中するので、ありきたりになってしまうのではないか・・・少し下から回り込んで狙ってみると三日月が入れられる。

月齢は3.8、上弦の月である。


コウヘイがあろうことか三脚を忘れたというので、いい感じの所で代わるがわる撮影していた。

だけど、その間じっくりと肉眼で見上げる時間が出来たんだ。



写真はストイックになれば成る程、何を撮っているのか判らなくなる時がある。技術や構図の黄金比に拘るあまり、もはやそのものを見ていない時がある。

「いや~、今日のは良かったな。」とか言いながらロクに桜を見ていないで帰るという事になるのだ。


普通の人にとって写真は、その時の思い出だとか、記録、追求があるとしたらありのままが写せればいいのにとか、そういう所だと思う。

しかし、写真家と言った辺りに足を突っ込んで長くやってる人にとっては、自分の中にある理想のイメージの具現化作業なのである。
電線や看板などの人工物を入れたくないだとか、色の対比が悪いものは写らないようにするだとか、ありのままを写そうなんて気はさらさらない。

それそのものの、そのままの姿を全然見ていないじゃないか。

そう気づいたのは子供の運動会を見に行った時だった。
結局自分の子供のハイライトシーンは全てファインダーしか覗いていなくて、自分の肉眼で全く見ていない事に気づいてしまったのだ。


だから、カメラを構えないで肉眼で静かに見上げているという時間がこんなにも贅沢なんだなぁ・・そんな風に思ってしまった。


「美しいなぁ・・・。」

この日初めて本当にそう思ったのかも知れない。
インスタだか何だか知らねえけどさ(やってるけどw)、写真もクルマも仕事での人付き合いもそう、なんでも上辺ばっかり取り繕ったって駄目だよな。

メッキなんか直ぐに剥がれてしまう。

それを何のためにやってるのかって信念が無いと、心が伝わらない。



僕たちにとっての桜は、若き日の僕らの原点を象徴しているようで、その懐かしい日々を再び表現したいだけだった。
だけど、表現者としてのゴーグルを取っ払えばこんなにも美しいという事が言葉ではなくてこころで理解できる。

後ろの連中にイライラしていたのは、あいつらがクズだからではなく、
自分たちもそうなりかねないという事が気に入らなかったからなのかも知れない。(まぁヘラヘラした野郎だったけど)


人が嫌いだった学生の頃は、植えてある桜には余り興味を持てなかった。
だから山の斜面に一人で咲く孤高のヤマザクラに共感を抱いた。

でも、今追いかけている里山の桜は決して自然の美ではない。
当時の人々がいろんな想いを込めて植え、みんなで守っているから今年も咲くのである。人の手によって生み出される美である。


「ヲレだったらここで生きていけるだろうか。」


このシダレザクラは現にここでしっかりと根を張って今年も立派に咲いている。
でもそれは、周囲の人々に愛され面倒を見てもらってきたからに他ならない。



自分がその時々に追う人生の縮図を、常に桜が体現しているんだという事に気が付いた。
ただただ綺麗だと感じるものを追い求めているだけだと思っていたのに、
自分が思い悩み、挫けた自分にいつも方向を指し示してくれるのが桜だったんだ。



今回は人生哲学みたいな詰まらない話になってしまったけど、

桜には縮図がある。
宇宙があるんだ。


曼荼羅みたいなものか、


でもこんな姿を見たら、強ち嘘でもないって思いませんか?

alt最近は長いブログは流行らないってさ。



Posted at 2019/04/29 11:17:08 | コメント(0) | トラックバック(0) | 桜を追いかけて | 旅行/地域

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2009/09/13 00:37:18
 

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