
90年前後のバブル期は個性豊かな車が多く開発されていて、U12型はファミリーカーのポジションで・・・・なんてジャーナリスト的正論は置いておいて
いつも思うのは、偉大な510型と910型の存在です。
U12もヒット車であったことは確かですが、ユーザー視点でいったい何が違うのか?昔から思っていました。
私にとって印象的だったのは910型です。
まだ免許は持っていませんでしたが、「かっこいいなあ」とCMを見て思っていましたし、街を走る実車やカタログを見て「乗ってみたいな」と思っていました。
当時からインパクトは大きかったですし今でも一番好きなブルーバードです。
飾り気のないシンプルでクリーンなデザインのボディー。
ボクシーな箱型形状、精悍なフロントマスク。
真っ赤なボディーにメッキのモールの縁取り、イメージリーダの4Dr H/Tや2Dr H/Tは最高にカッコよく感じました。
極めつけはターボモデルの登場でブラックアウトしたモールが走りをイメージさせるTURBO SSS-S ってSが4つも付いていました。
主力のL型エンジンが排ガス対策でパワーダウンして久しく、当時はターボが付いただけで話題になる時代でしたからZ18ETがブルーバードに搭載され走りのSSSが復活したことは、先行するセドグロのターボ以上にユーザーは期待したと思います。
ジャパンにターボが搭載されたのはその後の事です。
当時人気絶頂だった沢田研二(現在は爺さん)のカッコよさを上手く車に被らせたCM戦略が好評で、TOYOTAコロナが比較CMを作るくらいでした。
(スカGをターゲットにした、名ばかりのGTたちは道を空ける。が有名ですが、沢田研二風の男が高所から落ちるCMでブルもやられていましたね。)
その時の2Drのコロナも歴代随一のデザイン重視でしたね。たしかキャラはロジャームーアだったような、コピーは「舞台は主役を待っていた。」だったかな。
今思えば910型ってユーザーの購買意欲をそそる個性だらけの車であったと思います。
まさにキャッチコピー通り「ブルーバード、お前の時代だ。」でした。
その910型は510型をリスペクトしていますが、
前2世代(810、610:ついでに710スタンザも)が不人気だったのでリスペクトが好意的に受け入れられました。(上記車種は旧車になって人気が出ています。)
U12型のデザインは910型やU11型を少し丸くした形で、プレスラインの入れ方やフロントのデザインも、910型をリスペクトしています。
(音楽でいうところのカバーってやつですね)
あまり極端に変えるとウケが悪く、変えないと代わり映えが無いので丁度良い程度に丸めた時流に乗ったデザインです。
日産からすれば自社の910型を超える必要は有りません。当時のライバル車を抑えればよいので外観をリスペクトした方向性は間違っていなかったと思います。

(リスペクトとはいえU12も素敵なデザインに仕上がっていると思いませんか?)
そしてATTESAやDOHCのSR/CAエンジンを専用シャシーに載せたU12型は910型を性能で超えても、ユーザーの心をつかむ「魅力」とか「期待」にはちょっと届きませんでした。
バブルで経済状況は良かったですが惜しかったですね。
別の見方からは
U12型の生産が終わってもまだTAXI仕様の910型は継続生産されていて
商用バンはU11が継続並行生産されていましたし、マキシマは独立させたので
思えば910、U11、U12という3世代のブルーバードが新車で購入可能という前代未聞な状況でした。
同一車種に複数の車型を作ると設計自由度が下がるのと販売イメージがまとまりませんね。
TAXIと商用バン、豪華仕様を切り離したところにもU12型の成功要因が有ったとも思います。
開発ターゲットはファミリーユースに絞り込まれました。(業務用はじーちゃんとオヤジに任せたわけです)
話の最初に戻って時代の要求した「魅力と期待」に「分りやすい個性と幅広い適合性」でどれだけ応えたかが910型ブルーバードとU12型ブルーバードの違いかなと思っています。
そして偉大な510、910在ってのU12と勝手な解釈をしております。

(フロントのデザインもじ~ちゃんに似ていますね)
番外編
610型通称サメブル ブル史上最低人気だったのに最近人気急上昇で
玉数が少なく中古車価格がうなぎのぼりになっています。
2000GT-X(L20SU 5MT 2dr有鉛ハイオク仕様)が父の愛車で私も免許を取ってから乗っていたので驚いています。→実質ケンメリの箱替え車ですよね。
U12型も再評価されて人気もそろそろ上がってくれないかな?無理かな。
Posted at 2018/06/24 18:49:27 | |
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