クラゴン親方のブログ一覧

ではそろそろシメの準備に入りましょうか。

あまり引っぱるのもアレですのでね。

ご存知の通りオレもホンダ車に乗っております。それもインテＲとＳ２０００の２台も。

ニュル最速のタイプＲと聞けば少しは期待もしちゃうじゃないですか。あの出来にガッカリしちゃって。インテＲ（ＤＢ８ね）の部品はないし、次はどーすりゃいいんですかね。

ただ「サーキットを楽しく走るクルマが欲しい」というだけなのに、なぜこうも外して来るのか（笑）。

前に書いたフィットに代表されるように、個々のクルマの性能はいいし、ホンダの持つ高い技術力が反映されています。

なんだけどサーキットを走ると、今持ってるインテＲの代わりにならないんですよ。

それはＤＣ５を持ってる人にとってはその後のタイプＲが同じかもしれないし、ＦＤシビックを持ってる人にとてはＦＫシビックがそうなるような気もします。持ってみないとわからないけれど。

ホンダはもっと、シビックとか、インテグラとか、タイプＲとか、そういう名前の持つ意味、ユーザーの期待を大切にした方がいい。

２０年も３０年もかけて培ってきた名前を使うなら、その名前にユーザーが持つ期待もそれだけ大きいものです。

クルマの名前というのは、技術者が一生懸命クルマを造って、ユーザーがお金を出して買って、長い時間をかけて社会に浸透した共通の言語・記号ですから。

記号の意味するところは時間の経過で変化するものでもありますが、誰かが一方的に決めるものでもないです。

例えばシビックタイプＲではなくて、シビックＧＴとか、アコードタイプＲとか、そういう名前だったらもっと違う評価になるでしょう。アコードにしちゃずいぶん攻めたな！　とか（笑）。

でも実際のところはシビックタイプＲだから買ったという人が多いわけじゃないですか。

ＥＫ９のシビックタイプＲを期待して今のシビックタイプＲを買った人にとっては、やはり違うと思われても仕方ないでしょう。

そうすると限定車で試乗もできない、というのがネックになって来るわけですよ。


クルマの名前でいえば、ＣＲ－Ｘの次のＣＲ－Ｘデルソルみたいにヘコーとなるクルマは昔からあったわけでして、ある意味伝統ともいえますかのう（笑）。ここは広い心でスルーしましょう。



実はシビック東北シリーズ（通称）最後のチャンピオンがオレですから。たぶん。

ニュルやタイプＲにもうるさいですが、シビックにだってうるさいんですよ。

期待通りはさすがに無理でしょうから、期待を的確に把握しつつ、その期待を超えるという方向になって欲しいなと。

たぶん次がラストです。

はいはーいクラゴン部屋やってきましたよ。

シビックで盛り上がっていただくのは嬉しいんですが、それではオレが生きていけませんので（笑）。クラゴン部屋の話は最優先で割り込み転送です。

今回は鈴鹿。

フルコースです。Ｆ１と同じあのレイアウトです。

日本でクルマ好きでサーキットを走っているなら、一度は走りたいのが鈴鹿サーキットでしょう。

部分的な難易度でいえばニュルブルクリンクにも匹敵しますたぶん。ニュルは突拍子もないエクストリームな難しさ、鈴鹿はより深く攻略していく難しさとでもいいますかね。

クラゴン部屋としても、鈴鹿で開催できるくらいになったんだなーと感慨深いアレもあります


メインストレートからの１コーナーはさりげにとっても下りで、下りなのに短時間のブレーキからすぱーん！　と入って行くとこです。

なぜすぱーん！　かといえば、けっこうなバンクがついてるから。鈴鹿の難しさは絶妙に狭いコース幅と、だけど高い速度でコーナリングできるバンクですな。



デグナーひとつめ、通称デグ１も難しい。

ここは改修したコーナーで、１～２コーナー、Ｓ字とはリズムが全く違います。

普通に入ると速度が遅いことが多いのに、ちょっと攻めると飛び出してしまう、なかなか不思議なコーナーでもあります。しかもインの縁石が高くて姿勢乱しやすいし。

さらにデグ１が上手くいくと、デグ２が止まらないというプレイが発生します（笑）。

Ｆ１ドライバーも一番コースアウトが多いのはデグナーじゃないかな。



天気予報ではちょうど走行時間の午前中までが雨だったのに、実際には雨は降らないで、走行終了した瞬間に豪雨が来ました。

逃げ切った（笑）。

個人的には雨が降っても楽しいんですが、弟子のみなさん、走行会のみなさんにはリスクが低い方がいいですから。

今年は台風や低気圧がけっこう強烈みたいですし、みなさんくれぐれもお気をつけてお過ごしください。

鈴鹿稽古の次回開催は１２月１７日（土）の予定です。

クルマ本体の話はだいたい書いたので、７５０台限定販売の話をしましょうか。

もちろんよくない話です。

７５０台の枠に対して１０倍以上、一説によると１万人の抽選応募があったという報道もあります。とりあえず応募だけしてみた人もいるだろうけど、多くは欲しくて欲しくて仕方ない人のはずです。

そういうみなさんにとっては、とんでもないプラチナチケットでしょう。

その希少性が、ちょっと気になっておりましてね。

クラゴン部屋の弟子となると、どこかの親方のせいかかなり仕上がっているので（笑）、こっちが気を使ってもむしろ「ブッ込んでください！」と言います。

が、普通の人だったらそりゃ無理ですよ。

ニュル最速のタイプＲが、１０倍の抽選を通った希少車が、４２８万も出したマイカーが、悪いはずがない。

と、なるのが人情というモノです。

本当はちょっと違うなと思っていても、そんなはずはないと自分に信じ込ませるとでも言いますかね。

満足してらっしゃる方には何の関係もない話なので無視していただいていいんですが、サーキットを走る前提で、他のタイプＲやＳ２０００から乗り換えたみなさんにとってはどうか。

ブログをやっていれば抽選に当たった報告とかするじゃないですか。

それで「すごい」「うらやましい」と言われたあとに、良くないとか、思ったのと違うから手放すとかそんなこと言えないでしょ。

これではホンダファン、タイプＲファンにとって踏み絵ですよ。

自分でも踏みたくないのに、踏んだら踏んだでファンの仲間から裏切者と攻撃されそう。

抽選に落ちて買えなかった人からしたら「文句言うならこっちによこせ」となっても不思議ではありませんぜ。これでは誰も幸せにならない。

サーキットを走るクルマ選びは、クラゴン部屋の弟子のみなさんにとって、安全そのものの話です。

オレだってインテＲとＳ２０００持ってるんだから、ホンダオーナーを敵に回さない方が賢いはずなんですがね。弟子のみなさんのためなら踏み絵くらい軽く踏み抜いてやりますぜ。アクセル踏むのも得意ですが。

まあ昔からこういう役割なので、やるならオレだとも思っておりますよ。


７５０台即完売、抽選に１万人が応募、というのは、商売としてはかなり上手くいってるでしょう。話題になるところまで含めて。

それが結果としてクルマの評価を歪めたり、オーナー同士がつまらない思いをしたり、そういうことにつながっていくようなら、いいことではないな。

クルマの良し悪しはなかなか難しいアレでしてね。

「ニュル最速のタイプＲ」などと言われると、ちょっと待てと言いたくなりますが、人も荷物も積めてたまにサーキットを走るクルマとしては、十二分に選択肢に入る人もいるでしょう。

一般道の長距離移動なんかはよさそうです。かなりサスが硬すぎではありますが。

シビックはセットアップが問題だと何度も書いておりますので、ここで素のいいクルマを挙げておきましょう。



フィット。

フィットはとてもいいです。ロードホールディングはいいしステアバランスもいい。トレース性もそこそこいいです。あくまでも普通車なので、アライメントとかぺぺぺーとやればそれだけでかなりサーキットにも合いそうです。

普通は普通なんだけど、その普通のレベルが高い。

フィットでコレができるんだから、シビックはもっと違うやり方ができたと思うんだけど…。

ステップワゴンだって走りはいいし、ホンダのクルマは今でも走りがいいんですよ。背の高いクルマしかないだけで。

基本的なレベルは高いんだから、その流れで行けばいいのに、サーキット向けになった瞬間に力みまくって外してしまうのもホンダらしさですかのう（笑）。某所長の言葉をお借りすれば。

この良くない流れはＦＤ型のシビックタイプＲでけっこう出ていまして、さらに進んでしまったのがＦＫ型です。

本当に惜しい。

違う話を書こうと思ってたんですが、コレはコレでいいか。

次回はもう少し具合の悪くなりそうな話です（笑）。まだ続きます。

あんまり辛いのもアレですので甘い方向も書きましょうか。

まずは速い。

確かリンクサーキットで２名乗車で５８秒２くらいは出ているので、１名乗車なら５７秒５くらいは出るでしょう。真夏の時期としては非常に速いタイムです。

タイプＲ＝最速という定義なら、性能を達成してるともいえます。

ただし、路面の荒れているサーキットでは、コントロールするのにけっこうな腕、というよりは危機回避能力が必要です。

個人的にはタイプＲ＝最速だとは思いませんが。もともと素性のいいクルマをやりすぎちゃった（笑）というのがタイプＲでしょう。


次に路面のフラットなサーキットに限定していえば、あまりスキルがなくても速いタイムを出すことができます。

サーキットに慣れている人にとっては、自由度が低くて何もできない電子制御も、そうでない人にとっては安心ドライビング装置ともいえます。

サーキット入門者向けタイプＲです。

タイプＲには限らないかな。サーキットに行ったことがないみなさんが、安全にタイムを出しやすいクルマです。

その意味では、今の時代のサーキット車ともいえるかもしれません。


ボディもサスも剛性なんかは悪くないと思うし、エンジンもそれなりに速い。ブレーキのコントロール性も耐フェード性も純正パッドにしてはかなりのモノです。

ブレーキで止まらない映像は、ブレーキシステムの問題でも電子制御の問題でもなくて、サスペンションの接地性の問題です。

個々のパーツの性能は高いと思うんですよ。ただ、そのパーツを合流させるときの味付けがよくなかったんだよなー、というクルマです。

チューニングの方向性でいえば、可能な限りインチダウンして、もっとスプリングとダンパーを柔くして、質の高い動きをするダンパーにして、あとは車高とアライメントでかなりイケる…と思うんだけど、ストロークしない前提のサスペンションジオメトリーがどうかな、というところですかね。