先日報道解禁となり、動画サイトでMX-30のRotary-EVがあちこちで取り上げられた。
ネット上ではロータリーが2013年のRX-8の生産終了から11年ぶりに復活とあって注目する報道もあれば、PHEVでの発電のみで駆動に関係のないもののため、否定的な意見もあるのが現状だ。
ではMX-30 Rotary-EVはどんな車なのか。
公表された資料や数値から見てみたい。
文字通り、PHEVというのは今までのものは内燃機関での駆動とEVだけの駆動を使い分けながら、航続距離を延ばすというものがほとんどだった。つまり普段はEVでありながら、困ったときは燃料を使ったエンジンで駆動をするというのが他車の車である。MX-30のプラグインハイブリッドはシリーズ式ハイブリッドだという。
そこでハイブリッドについて種類と概要をまとめてみた。
スプリット式ハイブリッド
スプリット式ハイブリッドはモーターを二つ持ち、発電用と駆動用のモーターをもち、エンジンの動力をモーターに伝える割合を変えたり、逆に走行用モーターと発電用モーターにかかる負荷の割合を変えたりすることが出来、車の走行条件にあわせた適切な制御を行うことができる。プリウスがこの方式である。
パラレル式ハイブリッド
パラレル式ハイブリッドシステムはトヨタ以外のメーカーが多く採用するシステムで、エンジン一基とモーター一基の組み合わせが基本である。
一般的にはエンジンとトランスミッションの間に電気モーターが組み込まれており、モーターによる発電、走行をひとつのモーターで対応する。
シリーズ式ハイブリッド
シリーズ式ハイブリッドは現在のハイブリッドシステムから見ると少し特異なシステムで、走行は完全にモーターのみで行い、エンジンは発電専用に使われるシステムである。日産のe-Powerがこの方式である。
ちなみにホンダの場合は「シリーズ・パラレル方式」と言われその状況の応じて使い分ける方式だそうだ。
R-EVはこの中ではシリーズ式ハイブリッドで、PHEVの中では、唯一駆動用エンジンを用意しない車なのだ。
さらに、給電用のエンジンを持つ結果、航続距離を延ばすためにEVよりはバッテリーの容量が少なく、充電時間も少ない。
では他社の主なPHEVを比較してみたい。
確かにハイブリッドとしての燃費は悪いものの、充電時間は思ったほど時間がかからない。SUVとして重量も自社のMX-30のEVと比較すると重くなるが、ジェネレーターや補器類で重くなったそうである。またエンジンについても軽量に力を入れたようで動画サイト「Ride naw」でも取り上げられているが、アルミを使用した結果かなり軽量化されたようである。
5ドアハッチバック(セダン?)のプリウスは、別として売れ筋のSUVの車となると車両とエンジンとモーターとバッテリーで車両重量はおよそ2トン。多分に車両総重量となるとさらに約200㎏は増加するかもしれない。
マツダの考えとしては、普段の生活において通勤などで車で100㎞を毎回走行するユーザーはそう多くないと判断したわけだ。したがってむやみにバッテリーを大型にして重量や充電時間を増やすことをせず、バッテリーの容量を抑え、むしろ普段使いの良い車に仕上げることを目指した。そして、長距離運転の際はロータリーで発電して800㎞(推測)も走行できるようにしたわけだ。
さらにはバッテリーの容量が減った分、価格もいくらか抑えることができ、500万円を切るプライスが可能となったわけだ。
インプレッションを待たないとはっきりはしないが
エンジン音もかなり車全体で静粛性を高めているという。他のEVほどではないだろうが、ロータリーの音も抑えられているかもしれない。
バッテリーのみの走行では107㎞とあまり驚きの無い数値ではあり、燃費の悪いロータリーは給電のみという、従来のイメージからはあまり心に訴えることがあまり見当たらないが、SKYACTVIの考えに基づいてライトサイジングの考えで、ロータリーの排気量を上げてきたのではないか。また、コンパクトなロータリーを生かしたエンジンの組み合わせで仕上げたのが、このRotary-EVなのではないかと思う。
Posted at 2023/09/18 11:39:09 | |
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