【モータースポーツファン　Nジャン】 HとNの時代

注：演出の為、登場人物は敬称略とさせていただきます。

春の穏やかな季節から
夏という新しい季節に変わる。

緑深きその場所で
音速のマシン達が走りぬけていく。

ヒーローズレーシング。
日本屈指のレーシングチームだった。
抜擢ドライバーは後に「日本一速い男」と呼ばれるようになった。

星野一義。

モトクロス・ライダーから日産ワークス・ドライバーへ。
富士スピードウェイをホームにしていた男だった。

ヒーローズレーシングは翌年２台体制となる。
鈴鹿ではマツダ・サバンナRX-3、FL500、FJ1300でその名を馳せた男が加わった。

中嶋悟。

中嶋にとって星野は越えるべき兄だった。

国内名門チームに「星野」「中嶋」という最強のドライバーが揃っていた。
しかし正確も走り方も対照的だった。

レース前、星野は緊張で食事が喉も通らない。
中嶋は平気で食べていた。

中嶋はシーズンが終わるとヒーローズレーシングからⅠ＆Ⅰレーシングに移籍した。
「「同じチームにナンバーワンドライバーはふたりも要らない」が理由だった。

中嶋は後に進出したHONDAエンジンを手に入れると快進撃。
一方、星野はHONDAエンジンと契約できず我慢の日々。
星野はHONDAが欲しいと訴えた。
遂に星野もHONDAを手に入れ快進撃。

星野か…
中嶋か…

HONDAは後にF-1へ復帰。
初のフルシーズンエントリー日本人ドライバーが誕生した。中嶋だった。

フラッシュライトを浴びて眩しそうな中嶋。
枕元を何度濡らしたかわからない星野。

運命は紙一重なのか…

2010 Formula NIPPON Round 3 FUJI。
http://www.f-nippon.co.jp/race/2010/rd3/information-outline.html

HOSHINO RACINGとNAKAJIMA RACING。

火花散る。