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2012年12月09日 イイね!

MV-agusta-F3試乗記~リターンライダーへの道・完結編

MV-agusta-F3試乗記~リターンライダーへの道・完結編今回のリターンライダー活動の着火点となりました、MV-agusta-F3。300万円のserie-oroが先行していましたが、ついに150万円のスタンダードモデルのデリバリーが始まりました。やっと試乗もできますので、これでようやく車種選定も完了できます。(っていうか、先に椎間板ヘルニアを治さねば・・・)

このF3のトピックスの一つに、“逆回転クランク”があります。これへのインプレッションを読んでいると、かなり僕のツボに刺さるトピックスであり、現時点では盤石であったはずの本命が揺らいでしまうほどです。


ちなみに僕のツボというのは、
・DAYTONAの3気筒エンジンという機構は、独特のビート感を伴いながらもスムースに炸裂する回転フィールを
・YZF-R1のエンジンに採用されているクロスプレーン型クランクシャフトという機構は、上下死点に偏る回転モーメントノイズが突然きれいさっぱり無くなり、下半身までしか感じられなかったトラクションフィールがあたかも胸のあたりまで伝わってくるかのような“sweet”さを
といったように、「特異な機構がspecialなフィーリングをもたらす」ことです。4輪でも、ルーテシアRSのDASSなんかもう、酔いしれています。

ただこのF3の逆回転クランク、やはりイメトレではまったくイメージできません。まあでも、確実に順回転クランクとは違うフィーリングでしょうから、期待に胸躍らせ、試乗してきました。粋なディーラーで、市内から1時間ほど分け入ったワインディングコースでの試乗会でした。

発進は、今までのバイクの中で最も難しかったです。「確実にもう繋がったな」と思ってフルミートするとストール・・・。かなり長い間半クラッチをキープしなければいけません。再始動も、冷えているわけでもないのに、ムズがります。セル音のあとに着火し正常回転したと思っても、それからアクセルを大きく煽らないと途端にストール・・・。アクセル開度コントロールも難しく、百回転単位の微調整が全然できない。

エンジンフィールは、DAYTONAで感じたような3気筒の独特感はあまりありませんでした。とても回りの軽い4気筒という感じです。音はThis is agusta、F4譲りの乾いた高音が気持ちを高揚させます。

ブレーキも難しい!これはひょっとしたら逆回転クランクの影響かもしれません。まずフロントですが、タイヤが路面にめり込むフィーリングが感じ取れず、嫌な怖さがあります。リヤもいとも簡単にロック&ホッピングしますので、逆回転クランクの特性を考慮して大きめのブリッピング(=荷重をリヤに掛ける)が常に必要かもしれません。

と、私のメインディッシュである逆回転クランク、これ自体、僕に感じ取れたのはほんの少しだけで、しかも良い印象ではない・・・。

酷いのはリミッターです。コーナー立ち上がりで、エンジン音もいよいよ炸裂し始めるな!という一番オイシイところでリミッター発動・・・(泣)。タコメーターの半分から少し下あたりまでしか回りません。

あと、停止直前クラッチを切って空走していると頻繁にストールします。ディーラー担当者さん曰く「アタリがまだ付いていない」ということですが、直前に不整脈があったりしてストールするのでもなく、順調なアイドリングから唐突にストールするので、ちょっと不安要素で引っかかります。ちなみに、この個体はディーラーにて慣らし済です。

Serie-OroオーナーのLemondさんから教えて頂いてますが、本国仕様化によってストール症状(オーバーヒート時に頻発するらしい)や発進など含めて何から何まで改善・豹変するとのことで、必須でしょうね。

ミドルクラスらしい軽快感とagustaの真髄ともいえるエンジンサウンド、これにトラクションコントロールやアクセルマッピングモード切替などフル装備でこの価格ですから、一般的には“ベストバイ”と呼ばれるかもしれません。

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ただ僕からすれば、機械としての完成度や3気筒の独特感、バイクが本来の特徴とする“高機動力”をしっかりとライダーに提供してくれる信頼感など、DAYTONA675Rに大きく軍配が上がりました。(デザインや官能性についてはF3に完敗ですが・・・)

簡潔に表現すると「官能VS機能」の対決でした。
4輪で例えると伊⇔仏⇔独と、
「左に行けばいくほど官能は高く機能は低く、右に行けばいくほど機能は高く官能は低い」
と僕は位置付けているのですが、VW、BMW一辺倒だった自分は、一度はアルファロメオに食指を伸ばしながらも最終的にはルノーに落ち着いた経緯があります。最右翼から最左翼に行きかけたけど、中庸でハマったということです。
「官能も味わいたいけれども、土台にはソリッドな機能性が絶対に必要だ」という自分個人の志向性がここでも見事にくっきりと表れたと思います。
ちなみに、聞かれもしないでしょうが(笑)敢えて次点をあげるならば、YZF-R1でした。これからも夢枕に現れ続けるかもしれません・・・。


また、ちょっと自己満足的に嬉しかったのは、“自分の直感や評価軸がそれなりにしっかりしていたこと”に気付けたことです。DAYTONAは試乗行脚の比較的初期に試乗しました。その後色々試乗しましたが、当初直感的に感じた魅力が常に確固としてあり続け、他のバイクの魅力に揺さぶられることなく、ポールトゥウィンを飾りました。出会った瞬間に「あっ、僕はこのコ(バイク)が凄く好きだ!将来結婚(購入)するだろうな」と直感し、実際に成就するような。


さて、長期連載となった私の「リターンライダーへの道」もこれにて大団円(大袈裟)。振り返れば本当に沢山のバイクに試乗してきました。そしてそれぞれに、大変参考になる皆さんからのご意見やコメントなどを頂戴し、物凄くバイクへの理解が深まった数か月でした。誠に有難うございました。いや、理解が深まったというより、“底の見えない深みがあることだけが分かった”のかもしれません??
特にtak3さんはその評価軸が洗練されており、勿論バイクへの造詣も深いため、闇雲に動き回るかのような自分にとっては方向を指し示してくれるコンパスのようでした。special thanks!!

これからは“誇りを持って愛せる相棒”との蜜月を綴ることでしょう。その序章として、尊敬する雲上の導師が掲げておられる、バイクを愛する全ての人に深く深く宿るテーマを拝借しここに記します。


I love the Motorcycle and riding more than anything else on earth.
Of course there's danger;
but a certain amount of danger is essential to the quality of life.
-K26


Posted at 2012/12/09 08:07:08 | コメント(6) | トラックバック(0) | バイク試乗 | 日記

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