念願だったアクセラ i-STOPの試乗を行いました。
エンジン
i-STOPを搭載するFF系は、2000ccのDOHC筒内噴射エンジンです。パワーは150馬力とありますが、スムーズでパワーもそこそこ出ています。筒内噴射のためか、ちょっとがさついた感じがありますが、ほとんど音は聞こえないため、気にしなければわからない程度です。少なくとも、ロードスター(NC系前期型)の同系列エンジンより少しがさつく程度です。
i-STOPについて
0.35秒で始動するとありますが、確かにすぐに始動します。瞬時というほどではなく、一瞬遅れるような感じはあります。ブレーキペダルから足を離し、アクセルペダルに置く前に始動は完了しますので、発進性能には影響は出ません。ヴィッツのアイドルストップよりもずっと完成度が高く、安心していられます。エンジンのみで走行する車ゆえ、プリウスと比べてしまうのはかわいそうですが、シビックハイブリッド程度ではあるといえます。
なお、10分程度の試乗でしたが、1分30秒もアイドルストップが出来ました。この「節約できた」達成感(?)は、アイドル運転がある車では味わえません。
トランスミッション
CVTですが、トヨタのCVTのような「ゴムバンドで引っ張られるような加速」「あっという間にシフトアップされる」事はありません。トルクコンバーター式ATのように、滑らかな走行感です。日産のものに近い感じですが、日産より少し劣る程度です。このストレスを感じさせない変速感は大したものです。
訂正
5速ATだそうです。お恥ずかしい限りです。シフトショックは非常に小さく、変速スケジュールも適切です。道理で違和感がないわけだ!
サスペンションとステアリング
大変すばらしい乗り心地です。フラットというものはこういうものか、と思い知らされます。
ストロークを渋るトヨタ車や、
自分の尻でショックを吸収するホンダ車とは大違いです。反面、
しなやかにストロークする日産車や
最近のスバル車とは全く違うため、これは好みの問題です。路面の凹凸は軽く感じさせながらも、不快な突き上げが皆無です。うねりに対しても車があおられることがなく、全くリラックスして走れます。たとえて言うなら「乾いている」という乗り心地です。デミオで感じた硬さは感じられません。
デミオのときは、ステアリングのクイックさを認める反面、遊びが少なく神経質すぎるように感じましたが、この車ではセンター付近がやや遊ぶようで、リラックスして運転できます。
ボデー
しっかりしていますね。突起乗り越え時にブルブルと車体が震えたり、位相が変わるような感じがしたりしません。乗り心地のフラット感は、このボデーも大きく寄与しているんだろうなあ。
ただ、少し前の
トヨタ車が好んで使っていた、サイドウインドーの「Jライン」をこの車は採用しているため、斜め後方の視界は良くありません。これは良くないですね。交差点で曲がるときに、ストレスを感じます。幅は大変広くなり、「ファミリア後継車が1745mm」と言う人もいます。気持ちがわからなくもありません。運転中は気にならないのは事実ですが、これを5ナンバーサイズで仕上げてくれたら、もっと良かったと感じずにいられません。もっとも、室内は広くて快適なので、それに満足できれば幅のことを忘れられるでしょう。
内装
やや落ち着かないデザインの内装といえます。「未来感覚」が強いといます。運転中は車の前を見るから内装は見えないのですが、それでも落ち着き感はありません。「この車に乗るとほっとする」と感じさせるティアナやブルーバードシルフィの対極にあるといえます。ですので、年配の方は落ち着かないかもしれませんね。
まとめ
マツダのまじめさが良く現れた車といえます。とにかく乗っていて視界の点以外にストレスがありません。ボデーのしっかり感とフラットな乗り心地はこの車の最大の美点です。きっと買って満足感が高い車だと思いますよ。確かにハイブリッド自動車に比べると燃費は劣るでしょうが、車は燃費だけで走る物でもありません。車を買い換える人で、「今回が人生最後の車で、その最後にハイブリッド自動車を経験しておきたい。」という人でなければ、なかなかお勧めの一台です。
Posted at 2009/09/07 21:55:23 | |
トラックバック(0) |
試乗 | クルマ