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2022年09月10日 イイね!

Petri FTEEの素人修理(前編)

Petri FTEEの素人修理(前編)ペトリカメラという40年前に倒産した日本の老舗メーカーの製品に愛着を感じています。どちらかというと「安かろう悪かろう」の評価のもと長年不燃ごみ扱いになっていた中古品ですが、最近わずかに事態が好転しつつあります(個人の感想です)。
現在ペトリV6、FT黒、FTE黒の3台の実働品を持っています。いずれもヤフオクで買ったジャンクを自分で修理したものです。半年前に4台目としてFTEEというカメラを落札、修理を試みましたが「シャッター膜劣化で多数の穴あり」にて敗北宣言をしてしまいました。今回はリターンマッチを兼ねてジャンク品に410円入札、390円で落札するというアクシデント(笑)の結果、我が家に新入りがやってきました。

〇ペトリFTEEの説明


名前がややこしいですが、ペトリFTというのは絞り込み測光TTL機で今回のシリーズとは根本的に異なる設計です。で、このシリーズはペトリV6系の発展モデルで、そもそもペトリV6EEと命名される予定だったカメラです。Electric Eyeの名が示すようにFTEEは今でいう「シャッタースピード優先AEカメラ」であり露出は全自動です。世界初ではないもののごくごく初期のAE一眼レフであります。それのマイナーチェンジ版がペトリFTEで、中身は殆ど変わっていないそうです。

参考) 最も早く実用化されたのがシャッター速度優先AEである。これは、機械式のシャッターの速度を露出計に連動させて変更することはほとんど不可能だったからである。この時代に自動露出のことをEEと呼んでいたのは、当時の自動露出カメラが人間の目で虹彩に当たる絞りを制御して適正露出を得ることから、「電気仕掛けの目=ElectricEye」と呼んだからであった。 (Wikipediaより)


ついでに言うとPTTRIのロゴが中抜きのものが古いもので後に塗りつぶしのPETRIのロゴになります。旧ロゴの黒ボディFTEEというのを今まで見たことがなく、あればぜひ購入したいと考えています。



さて、最初の関門はこれですね。ふつうはこういう電池室が液漏れで死んでる奴は手を出さないのがセオリーでしょうけど。写真ではシャッター膜が健全そうでしたし、いくつも問題点があるものの過去に修理出来た症状であったので小銭を入力したというわけ。



CRC5-56を吹いて一晩放置、びくともしないので実力行使。電池蓋は前のを流用すればよろしい。それにしても硬い!!



この蓋を取らないと軍艦部のカバーが外せないので。

動作テストの結果、スローシャッターが全滅、開きっぱなしになります。右のアイレット(ストラップ取り付け金具)欠品。フイルムカウンタ固着。テスト通電でもメーター全く動かず、といった状態です。



まずは底蓋をあけて、例のカムシャフトの軸にCRCを塗布(刷毛と綿棒で掃除)劣化グリスを除去、注油をします。でも全然治らない。



ドライヤーでボディを45℃くらいに炙ってみる。突如スローシャッターが作動するようになりました。頑張れば治るぞこれは。



上蓋を外してレバーやダイヤルを取り付ける。外から見て原理や動作を観察する。
シャッターダイアル付近のギアや軸を掃除、注油すると常温でもスローシャッターが切れるようになりました。(この感激を一度経験すると沼に堕ちていくのです。)



自動露出を行うシステムについては、現代の感覚では電気制御だと思っていたのですが、シャッタースピードやフイルムISO感度の計算や制御は完全に機械式でありました。

シャッターダイアルの下にはカムがあり、ファインダーをまたぐ黒いロッドの平行運動に変換され、ボディー左側の灰色の円筒形パーツの方に向かいます。これがメーターユニットです。赤黒二本のリード線が入っていく先にメーターがあります。そのメーターを台座ごと回転させて針の起点を決めているのです。



さらにシャッターボタン半押しでこの針が機械的に固定され、さらに押し込む指のトルクで固定された絞りの値までレンズの絞り羽が絞られる、、、そういう仕組みだそうです。つまり電池と受光素子の回路以外はすべて機械制御。
この動きはまさに「スチームパンクの世界」であります。

実は前のFTEEはこのあたりの動作が非常に快調であり、総入れ替えを模索して安易に二台目を買ったのですが、、、、。正直言って技術的にはかなり難しそう。ここから進むか戻るかは思案の瞬間であります。




一方フイルムカウンターの不調は明るい時にゆっくりと原理を観察。ちいさなバネが二個外れていることに気が付きました。(バネをひっかける場所には何らかの切り欠きが存在するので、そこにバネが引っ掛かっていないのはオカシイ!と考えた結果。探して元に戻して軸に注油すると快調に動くようになりました。



これで露出計なしカメラとして一旦修復してフイルムを入れて試写。という段取りもアリなのしれません(前FTEEでは撮ってからシャッター膜の穴だらけに気付いた)が、蓋を閉める前にもう一度確認。

あれ、断線発見。

(続く)

Posted at 2022/09/10 14:41:43 | コメント(1) | トラックバック(0) | 銀塩写真 | 日記

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