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イイね!
2009年02月28日

ブロークランクの検証。

ブロークランクの検証。 部屋のスチールラックに載っかりっ放しだった
EJのクランクシャフトだよ。


一昨年、峠でエンジンブローしたイプ太郎。
ソッコーで安い中古エンジンに載せ換えたのだけど、さすがは走行不明の8万円エンジン・・・全開走行には10分と耐えることは出来なかった。

再びのベアリングブロー、さすがに元エンジンをOHすることを決め、マンションの駐車場でのリビルト作業を開始することになったのだ。

この時の1000キロでお役御免になった、WRXエンジンよりバラしたクランクシャフトなのだ。

随分放っぽりっぱなしだったけれど、久々に見てみようかな、
ブローしたコンロッドベアリング(メタル)を。


このエンジンは4番のコンロッドだった。

高回転時に、オイルの潤滑が追いつかなくなり焼きついてしまうのがベアリングのブロー。
(メタルブローとも言うね)

EJでブローと言えば、メタル。
その次がピストンの棚落ちかな?
メタルが8割だとおもいます。

EJの持病とも言うべきものだけど、
水平対向エンジン故の構造上の独特の原因があるのだ。


バラして僕が知りたかったのは、各ベアリングのオイルクリアランス。
ブローとの関連性を知りたかったのだ。

ブローを免れた1~3番のクリアランスを測ってみると・・・

#1  0.050㎜
#2  0.045㎜
#3  0.051㎜

基準値が 0.02~0.046㎜ 限度値が 0.064㎜

総じて、基準値をやや超えた値を示したが、恐らく通常の乗り方では問題ない程度だと思われる。


ブローした大元のSTIクランクシャフトでの値は0.038㎜前後でした。

それでもブローしたのだから、0.050㎜前後などというのは、攻めるエンジンでは大きすぎるのかも知れない。

熱交換器ノーマルのGC8で攻めると、エンジン油温は130℃を遥に超える。
そこに8000rpmに迫る高回転を強いられては、数分の命も仕方がないのかも知れない。

これがCA18や3Sなら恐らく何でもないだろう。

しかし、水平対向だと致命的な打撃を負ってしまうのは何故なのか、
それは、短いクランクシャフトを持つホリゾンタルエンジン特有のウィークポイントがあった。



この先は、独特の薀蓄に興味がある方のみ読み進めたらいいと思いますが、



EJは偶数の気筒が左右に分かれて、水平にレイアウトする独特のレシプロエンジン、こんなエンジンが採用されているのは、ポルシェと一部の戦車位な物ですが、その実は、いたってオーソドックスなレシプロ構造だ。

この構造による恩恵は、エンジンの全長を短く取れ、重量物を低い位置におしなべる事が出来ることで、コレを実現する為の様々な工夫が見て取れる。

放熱性と軽量化の為のオールアルミエンジン。
幅を抑える為のラージボア、ショートストローク、
ゆえの高回転化。

上げればキリがないのだが・・・

気筒の並び方を真上から見た絵を想像して欲しい。
EJ20や25なら4気筒。
2気筒が左右に並ぶのだけど、真向かいではなく、助手席側(#2、#4)の気筒が、運転席側(#1、#3)に対して半気筒後ろにずれている。

こうしなければ、一本のクランクシャフトにピストンを繋ぐことが出来ない。

要するに、半気筒分づつの距離でコンロッドを繋がなければならないので、当然各ベアリングの幅が狭くなってしまうのだ。

ただ幅を狭めるだけでは、ベアリングの面積が少なくなってしまう。
そこで、クランクのジャーナル部(ベアリングの当たる軸部分)を太くとることで、面積を増やしたのだ。

これで漸く、同クラスの直列エンジンと同等のベアリング面積を稼ぐことができた。

コレはレースエンジンなどの製作でも常識的な手法で、当然ともいえる設計なのだが・・・これには落とし穴があった。

ベアリング外周が大きくなりすぎて、
オイルの充溢に時間が掛かってしまうということだ。

これには、適切なオイルクリアランスの管理と、油温管理が重大な課題となる。
クリアランスが増大した状態では、オイルがジャーナルを一周する前に横から流れ出してしまい、完全潤滑が果たせなくなるようなのだ。

高油温で高回転が重なるとこれが顕著になり、一瞬の油膜切れがエンジンを終了させる。


これが、EJエンジンのメタルブロー持病の真相だろう。

このエンジンを長く使う為には、メタルあたり方がかなり重要になる。
油温のマネージメントも同じ位に気を遣うべきだ。

信頼できる高粘度オイルを使用し、高油温時には上まで回さないとか、オイルクーラーの装着で最高油温を落とすことなどは、おそらく必須とも思える。

温度計を一つだけ付けるなら、間違いなく油温計だ。


ヲレのEJもOH後もうすぐ3マソ㎞、丁寧にナラシて、オイルクーラーを装着、油温だけは気にしながら、手加減なくぶん回していますが、今のところは何ともなし。

注意点は何とか押さえられたようだ?


気が付けば、福島遠征で10マソ突破。OH後2.5マソ・・・。

頑張れオイラのEJ20K!

今逝かれてもおこす余裕ないから・・・

ブログ一覧 | EJ20壊して直す | クルマ
Posted at 2009/02/28 23:14:04

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この記事へのコメント

2009年3月1日 6:31
こういう情報、助かります!!

やはりメタルなんですね・・
長い慣らし無しなら強化メタルで5000kmぐらいゆっくりと慣らすなら純正・・
と聞きました

またエンジンやるんですが・・メタルをどうしようか悩んでます(懐事情(^_^;)

あ、こちらはもうすぐ2マンキロです~
コメントへの返答
2009年3月2日 1:25
強化メタルだからブローしないとは言い切れませんよ・・・メタルの役割上、必要以上に強度を上げられない部分。

油膜が切れても耐えられるメタルなど存在しないのですよ。

完全潤滑が果たされているのなら、チューニングエンジンでも、純正メタルで充分でしょう。

その為に必要なコトは?

・・・を考えるといいですよ。
2009年3月1日 7:07
為に成ります、、、私はオイルク-ラ-なども装着していないし
購入時についてきた油温計もオイルドレンからセンサ-が伸びていたのが
気にいらず撤去したままです。
コメントへの返答
2009年3月2日 1:28
攻めないのなら、完全ノーマルで全く問題ないと思います。

足りないと感じたことを、一つ一つ足していくのがチューニングというものだと考えています。
2009年3月1日 22:22
こんばんは。

水平対向エンジン、大好きです。
小さい頃からスバルの独特なエンジン音が好きで好きで。

でも水平対向ってエンジンは難しい一面もあるのですね。
ぶん回すエンジンには油温管理が必須という事が写真で
分かりました。
コメントへの返答
2009年3月2日 1:35
独特の排気干渉音が好きな方は結構いますよね。

自分はあまり拘りありませんが(笑

画一的ゆえのウィークポイントが存在するエンジンは結構存在します。

V型や、2ストローク、REなども独自の弱点があったりしますね。
それらを正しく把握して対策していくことがクルマ弄りの楽しみであったりします。
2009年3月1日 22:32
水平対向のキツイ所だよね。
オイルメンテがとても大事だし。
高回転で頑張っちゃうとエンジンの寿命は急激に落ちちゃうし。
難しいエンジンだよね。
だいさんみたいに自分でできればいいのですが・・。
コメントへの返答
2009年3月2日 1:46
出来てもなるべくやりたくないですね・・・いちいち面倒なエンジンなのだ。

超高粘度オイルと油温管理。


これは必須の鉄則と考えます。
2009年3月2日 16:45
勉強になります。

足回りをいじったり、気合整備などは大好きなのですが、実はエンジンを開けて作業したことが無いのです。当然、エンジンに関する知識もほとんど有りません(泣)

コメントへの返答
2009年3月2日 18:47
エンジンは聖域のようにいわれがちですが、実はとても単純な構造です。

よくこんな簡単な仕組みでクルマを走らせる心臓部になるものだなぁと、組みながら関したりしますよ。

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「[整備] #その他 HA11S アルトワークス 社外ラジエター装着 https://minkara.carview.co.jp/userid/271921/car/262720/7405733/note.aspx
何シテル?   06/30 04:17
だ い です。空白が二つですw 板金塗装と整備をちょこっとかじってマス。
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