
先日の事故で見た目捨てるクルマになっていた11アルト。
先輩の板金屋に預けて保険屋の見積もり待ちだったんですが、漸くOKが出たので修理に取り掛かります。
廃車見積もりは車価の20万円なのですが、特約で増額していたのでプラス10万の30万円まで出ることに。
どんだけボロい中古車でも、車両保険は入っておくもんだね。
これならしっかり直せるでしょう!

ぶつかった相手が2tくらいのトラックだったので、丁度ヘッドライトとかコアサポートの高さで当たっています。
バンパーはPPなので復元してぱっと見軽そうですが、コアサポと二番目のビームがエンジンまで届いてる様な按配。

コンデンサーとA/C電動ファンはクシャクシャ。
ただ今回良かったのは、サイドメンバーやクロスメンバーなどのゴツイフレームが押されなかった事。
コアサポートやヘッドライトバッフル程度なら、大きめのスライディングハンマーの引き出しで何とかなりますからね。

壊れた大ハンマーのヘッドから自作したスライディングハンマーで、ガツンと引っ張ります。
先ずは色々バラさずに、当たりの強い所を引っ張って粗出しします。
応力で繋がってる色んな所が動いちゃってるからね。

ちょろちょろお漏らししてるなと思ったけど、フレームを引っ張ったら漏水が激しくなったな。
色んな所に伝ってくるのでよく判らない。
ただまぁ、この辺で水が通ってるのはタービンだけですが。

結構引っ張りまして、漸く粗方出たっぽいのでコアサポートなどを外していきます。
エンジンやタービン周りには大きな損傷はないようで一安心。
コンデンサーのコアがクッションになってくれたんですね。

漏水箇所を発見。
コンデンサーのサポートブレースがタービンのLLCホースを傷つけていましたね。
ここは一応部品を準備してあったので無事交換。

まぁ、これで直るほど骨格板金は甘くないので、メジャーで簡易測定をしながら修正を続けます。
問題のない助手席側のフェンダーとのネジ穴の距離などを測り、叩いたり引っ張ったりしながら同じ値に揃えていきます。

フェンダーのガラス寄りのネジから、コアサポートの取り付け穴まで約58.2センチと。

まだ2センチ位はいってるか。
プレスラインで潰れて皺になってる部分もあるし、地道に当て板で叩いて伸ばし、再び引っ張ったりして元の造作を目指します。

こうやってコンコンと叩いてる時間が意外と好きだ。
どうにもならなそうな酷い状態のものも、時間を掛けて地道にやっていると段々復元されていく。
パズルでもやってる様な・・謎解きの要素もある。
艤装部品が左右対称ではないので、パネルもシンメトリーではない事が多い。
詰まり、答えがないのである。
多分こうだったんだろうという予測と、部品の正常な装着を足掛かりに復元を進めていく。

初日は午後からしか出来なかったのですっかり暗くなってしまったが、漸くコアサポートやコンデンサーなどがきれいに収まるようになってきた。
ここまでくると「貰ったな」という手応えを感じる。

翌朝、漸く届いた外装三点を修正フレームに合わせてみる。
チリ(隙間の幅)やツラ(パネルの高さ違い)は悪くない。

ヘッドライトは中古品に交換。
このまま決まってしまうのでは?
と思ったが、ヘッドライトがなかなか合わない。
ベースプレートのスタッドの穴位置が合わないところがある。
ライトバッフル周りをもう少し板金して微調整しました。

ヘッドライトとバンパーを合わせてみます。
概ねいいんですが、運転席側だけまだ数ミリくらいヘッドライトやバンパーが引っ込んでいます。
これはコアサポート側をクランプで咥えてガツンと引っ張って丁度良くなりました。

骨格の板金は決まりましたね。
塗装する前に小部品が全て問題なく取り付け出来るかどうか確認します。

叩いたり引っ張ったりした箇所は全て、足付けや脱脂をして塗装します。

最後にタービン周りのホースのコルゲートチューブを新品で巻き直し、エキゾーストに近い所はアルミの遮熱カバーで保護しておきます。

コンデンサーコアは実はストックがあったのですが、残念ながら電動ファンがなかったのでファン付の中古を結局買う羽目に。
ただ、奇跡の16000キロ使用という良品をゲットできたのはラッキーでした。
解体品なのか、配線がブチ切られていたのでカプラー配線移植。

コンデンサーはOリングを新品にして装着。
しかし、近々再びバラすかも知れないので、ガスだけは未充填です。
冬場はヒーターだけ使えれば問題ないでしょ。

フェンダーだけ白の良品が無く、ダサいストライプ入りの黒となりました。
中古のボンネットはボコボコだし、バンパーも傷だらけ。
まぁ、近日中に塗り直すんで別に何色でもいいんですが・・・
取り敢えずヲレの所では預かれないので、この状態で一回返却。
今週は天気が悪いので日曜日の塗装は無理かな?
フードの板金とフェンダーの内吹き位は出来るかな