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2025年11月09日 イイね!

クネのGDB

クネのGDBクネのGDBは、ヲレがAE86からGC8への移行期のゴタゴタの頃に同時に買い替えを実施したので、2004年の秋ごろである。
ちょうど21年前の今頃なのかな。


一年落ち走行5000キロという車両が、うちの近所の中古車店で破格で出ているので、無事故が本物か一緒に確認に行って欲しいという事で、夜の車両置き場に見に行ったのを憶えている。
小さな個人店での直接買い取りだった為に随分安く出ているのを、クネは見逃さなかった訳だ。


「大丈夫、本物だよ。」


当時現役の自動車板金屋の職人だったヲレは、ドアパネルのチリや面、塗装の状態など、大修復の誤魔化せない部分などを直ぐに見抜くことが出来たので、自信をもって事故歴無しを保証してやった。

クネはその次の日のうちに、手付金100万円を置いてきて購入手続きを済ませたというから驚きである。

そんな行動力もそうだが、
それよりも何よりも、STIの希望のホワイトで1000キロ走行というほぼ新車のインプレッサを相場より50万円以上安く見つけてくる情報収集能力と、裏が取れたら即断で現金を置いて決めてくるという・・・

いつの時代も現金が一番強いんだよという事を知っている人の、、不動産の未公開物件の買い付けみたいな買い方に、怖ささえ感じた。


当時から(今でも)長時間ネットに齧りつくこと自体が苦痛なヲレには、絶対に見つけられないだろうなと思ったし、コイツは日本で一番暇な男なのかも知れないなと本気で思った。



そんな、目を細めて懐かしむ程に昔話になってしまったクネGDBの購入秘話。
丸21年を経て22年目になった訳である。






峠に雪山にサーキットに・・・20年以上も変わらずに走りに走って、エンジン降ろして整備して、、

こんな事までして乗り続けるなんて当時の本人も思わなかったであろうが、まぁ、ヲレが居たからという事もあるが、壊れやすいスバル車をずっと現役の状態で維持し続けてきて今に至る。





詳細は整備手帳に記したが、20年無着手であったリヤサスペンションのアーム類のブッシュ交換。
ライフの短い極端な強化品やピロなどはもう使わない。
おじさんだしね・・・元から強化品みたいなクルマだから必要ないんだよ。


雪を走ってるせいか、ボルト類も腐食し易く固着するので全交換。
部品が出る内にね、替えておくのがいいと思う。


全て純正ブッシュでの交換なので、プレスや適当な治具を使って地道に交換。
ブッシュ大きめのトレーリングリンクが大変なんだけど、まぁアホみたいに色々駆使して何とかしました。

高いアームASSY買った所で、ナックル側は自力でやらないといけないし、そのナックル側もデルリンの分割式みたいな交換が簡単なものもあるけれど、硬すぎて音が出そうなのでそもそも無し。
ハッキリ言って、GDBの様に元が良く出来過ぎているクルマは、弄る所が無い。
純正の素晴らしいバランスを崩さない程度に、自分の走り方や好みに合わせてほんの少しだけモディファイする程度に留めて走ることに専念した方が良いと思う。


違いの判らない奴程、色々弄りたがり強化したがる。
自分でセンスの無い変なクルマに仕上げているのに、どうもセッティングが決まらないなぁ・・なんて言ってたりする。


どれだけ弄って手を入れてもいい方への振り幅は小さいもので、元々出来の良いスポーツカーなら100を105にするのが精いっぱい。

足を換えて、デフを換えて、エンジンに手を入れたって、全部合わせても5%変わればいい方だろう。
でも弄り方が悪いと、100が簡単に70にも60にもなってしまう。
失敗してる時の減点の振り幅が異様にデカいのである。
知識も経験もない素人が、雑誌やショップ、ネットで聞きかじった情報だけで弄れば、チューニングの正解率が更に下がっていく。
客商売の世界からフィードバックしようとしたって無駄なのである。

つまり、メーカーが威信をかけて仕上げてきた100を如何に崩さない事が無難か判るだろう。


どれだけ金掛けて弄ったって、ハッキリ言ってどっかでの勝った負けたの差にはならない。
だったらその分ガソリン代に回して走り込んで、腕で勝負する方がずっと勝率が上がるだろうよ。

と、言うのが我々のクルマ弄りと走りに対するポリシーなのである。
だからヲレやクネのインプレッサは、足とデフとシートポジション位を決めたら、あとは殆どノーマルである。

最近はサーキットなんて殆ど行かなくなってしまったけれど、夏山も雪山も走るので、どうしても真ん中取ったマルチな仕様になってくる。
10年20年と乗るので耐久性も大事。
家族や人も乗せるので乗り心地や騒音も気になる。


結局ノーマルが一番バランスがいいってなっちゃうんだよね。



そんなこんなで足回りリフレッシュが済んだクネGDB。
年明けにはエンジン周りの二回目の大改修も予定している。
「更にもう10年乗ろう計画」である。


クタクタのマシンを直したら、コロナ禍から休止しているぺったんこ組のイベントの再開も目論んでいる。
ぺったんこ組同窓会とでも言おうかな。


また声を掛けるから、まだ走れる人は待っていてね。
Posted at 2025/11/30 00:33:16 | コメント(1) | トラックバック(0) | 人のクルマも直します | クルマ
2025年10月19日 イイね!

GDBのリヤサスペンションブッシュ

GDBのリヤサスペンションブッシュ命の危険さえ感じるようだったクソ暑い夏が、いきなり終わった。


突然の秋かと思いきや、朝晩は冬の先ぶれを思わせる冷え込みである。
最近はまったく夜更かしをしないので風邪も引かないですが、ブログとかは夜更かししないと書けないですね。
屋外作業はしやすい気温になってきましたが、週末ごとに天気も悪いし、何もしないまま今年も終わりそうですw




クネのGDBはヲレのGC8の前年度に買ってるんで、もう所有で22年になる。
自分がAE86からGC8に乗り換えて、
クネがGC8(VerⅡ)からGDBに乗り換えて、
二人で関東近郊の峠でやらかしまくってた全盛期から20年以上も経ってしまった。

あの頃、最早ヲレたちの敵はいないだろうと思わせるようなハイパフォーマンス戦闘機だった二台のインプレッサは、このまま行くと中々手放せないでずっと持っている(乗っているじゃない)お爺ちゃんの古いクルマに成り果てようとしている。




しかし、皆も知っている通り、ノーメンテでただ持っているだけでずっと走ってくれる程スバル車は甘くない。
クネのGDBも、謎のエンスト症状が出るとか、足回りからギコギコ異音がするとか、何年も前からガタが来ているのは知っている。

ヲレもアラフィフになり、クネガレに行くのもすっかり面倒くさくなってしまったが、コイツのGDBくらいはずっと面倒を見てやろうと思っているので、重い腰を上げることにする。


まずは足回りから。
フロントのトランスバースリンク周りのブッシュは数年前にリフレッシュしているので、残りはリヤ廻りのみ。
トレーリングリンクとラテラルリンクのブッシュを初めて交換します。


以前のリヤナックル脱着の際にもあったが、今回もナックルの所のロングボルトの固着。

こうなるとどうやっても外れない。

ボルトの頭側だったからラテリンごと外せたけど、ナット側だったらボルト切らないと外せないぞ・・。


トレーリングリンクのリヤ側はナックル側に圧入なので、ナックルを外すか車上交換しかない。
ナックル外したってプレス機に掛けようとしたらハブバラしてバックプレートまで取らないと無理じゃねーか?
ハブベアリング何でもないのにナックルフルOHになっちゃうの超無駄だな。

ネットで調べるとギヤプーラーとかで交換してる人も居るみたいだし、真似して車上で頑張ってみるか。


取り敢えず、GDBはこのままにしてアーム類持ち帰り。





ラテリンは小さいから、丁度いいソケットがあれば簡単に交換できるけど、トレリンは結構デカ目なのでウチの油漏れバリバリなトラックジャッキプレスじゃ結構ギリギリです。
治具もちょうどいいのが無く、近所のビーバープロの商品をノギスで測りまくって、イケそうな鋼管継手を発見。
何とか打ち抜き、打ち込み共に上手くいきました。


プレスなど家の設備も老朽化が進んできました。
こちらもそろそろメンテが必要ですかね。


Posted at 2025/10/26 13:05:32 | コメント(0) | トラックバック(0) | 人のクルマも直します | クルマ
2025年02月07日 イイね!

復活!アルトワークス

復活!アルトワークスタイミングベルト劣化損傷によるバルブクラッシュと判明した11アルトワークス。
半年の不動状態からようやく脱出のプロセスが見えた。
ストックの部品なら沢山あるので、原因さえ判っちまえば幾らでも直せてしまうのである。

外したヘッドを見てみると、
思った程のクラッシュではなく、ギリギリピストンに届いちゃった位の曲がりであった。
当然ピストンも無傷。

作り直したヘッドを搭載すれば走るように出来る。


ヘッドもインテークバルブを交換すれば直りそうだったけど、ストックのヘッドがあるので、バルブ磨きとシール交換程度のリフレッシュをして乗せた方が間違いないな。

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という訳で、メタルクリーンでカーボンやスラッジを綺麗にしたストックヘッド。
バルブもきれいに磨き直したので、新しいオイルシールを組んでバルブ周りを組みます。
バルブコンパウンドとタコ棒(ドリルチャックにセットできるパワー系自作治具)で一気に擦り合わせを済ませます。


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ロッカーアームなどを間違えないように組みます。
軸の棒を一回左右逆に組んだことがあって急いで組み直した事があった。
間違えるとロッカーアームのジャーナル部のオイル穴が合わなくなるので、焼き付いちゃうかもしれない。

一日だけ運用してしまったが、焼き付いてはいなかったw
(よく後から気付いたな)


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シングルカムはタペット調整が簡単でいい。
シクネスゲージがあればドライバーと12のボックスで調整出来ます。

IN 0.14ミリ EX 0.16ミリで揃えておきます。

F6Aが・・・しっかりタペット詰めてもパタパタ煩いのはご愛敬。



これでヘッドは完成。

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あとはシリンダーブロック側のガスケット面をきれいに掃除して、ヘッドの装着に備えます。(実はこういう掃除関係が一番大変)
オイルストーンでゴリゴリやるんだけど、車載でやるとブロックの水穴やオイル穴にカスが落っこちちゃうんだよな。

なので、エンジン発電機とコンプレッサーを持ち込んで、
最後はエアーガンの負圧を利用して間口に近い所は吸い出すんだけど、多少は落っこちていくので、エンジンオイル交換を最後にやることで対処。

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水漏れがしやすいインマニとの接合部もしっかりきれいにしておきます。

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新品のヘッドガスケット。
左右にも裏表にも間違えられるので、注意。
#1#2間にある銅パッキン穴がバルクヘッド側に来てれば大丈夫。

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ヘッドボルトを対角締めで決めて、インマニを取り付けます。

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インマニガスケット、水穴周りだけ液ガスを塗付しておきました。
本来は要らない筈ですが、丁寧に組んでも水が漏れる事が多いので念の為。


狭いのでボルトナットを閉めるのが大変ですが、色んな工具を駆使してしっかり取付します。

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タイミングベルト取り付け。
これまた見づらいですが、クランクスプロケの合いマークとカムスプロケの合いマークをしっかり合わせます。
カムが半周ごとにクランクが一周するので、カムスプロケにある圧縮上死点の印と、排気上死点の印、どちらで合わせても同じです。

6年で駄目になったタイミングベルト。
普通車のように10年10万キロ持つとは思っていませんが、でもまぁなかなか本当に駄目になるケースが珍しいので、びっくりしました。

オイルやクーラントの滲みなどの影響を受けて劣化しやすくなったりする事もありますが、今回はそのケースに当て嵌まりません。
割安な社外品を使ったから劣化が早いなんて事があるのかな?
(純正品ではないとは言ってもちゃんと三ツ星のヤツを使ってます)

大人しく乗られているクルマならここまで早くないのかも知れませんが、割と飛ばす奴に毎日ブンブン乗られている様なシビアコンディションであれば、4~5年5万キロ以内程度でベルト周りを新調するように心掛けた方が良いのかも。
(実際の推奨サイクルはどれ位なんでしょうね・・)


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タイベルカバーを付けてクランクスプロケ付けて、レベルゲージのOリングは新調して・・・など、ひとつひとつを丁寧に確実に決めて行きます。

エキマニやタービン周りを組み付けして、新品の補機類ベルトを張り、ガス漏れしていたA/Cコンプレッサーとコンデンサー間のホースを交換。
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この辺の配管継ぎ目のOリングは全部新調しました。


さて組み付けも終わったしエンジンオイルとエレメントを換えたら、いざ始動!
と思い、とっくに上がっているバッテリーに対してGC8からジャンプコード接続。
所が、バッテリーが死に過ぎていてセルが中々回らない。。。
死亡バッテリーの低電圧に引っ張られて、相対電圧が12.0V程度にしか上がって来ない。

バッテリーは交換しないと駄目そうだな・・・

だが、取り敢えず今掛けたいんだよ。
問題なく掛かる事を確認して、晴れやかな気分で残りの作業を完遂したい。

ジャンプコードでGC8と繋ぎっぱなしにしてもう30分放置。
アルトの電圧計が13.5V付近まで復活した事を確認し、セルクランキングON!

オオオォォォォォォ・・・ンンン!!!!!


半年振り位に無事エンジンが掛かりました。

エンジンさえ掛かっちゃえば、自家発電できるのでジャンプコードを外してクーラントを注いでエア抜きを済ませます。
しっかりエア抜きをしたらラジエターキャップを取り付けて水やオイルの漏洩が無いかチェック。

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デスビを脱着してるので点火時期がめちゃくちゃ。
なので、先ずはタイミングライトで点火時期を調整します。


しっかり暖機を済ませ、アイドリングの回転数が安定した状態を作ることが大事。
エアコンなどもOFFにして、電動ファンなどが回っていない時を見計らって手早く作業。
バルクヘッドの助手席側にあるダイアグコネクターのC⇔Dを短絡させてECUの点火時期制御が入らないイニシャル状態にし、タイミングライトでクランクスプロケの切り欠きとタイベルカバーの目盛りを見合わせながら、デスビ固定ボルトの長穴
部分で回して調整します。

不経済にもハイオク仕様にしているので、点火時期は10度付近まで進めました。

この調整によりエンジンは軽やかに吹け上り、軽量フラホも相まって8千回転までビュンビュン回るようになりました。



昔のクルマは、ブースト圧やら点火時期位なら自分でセッティング出来たのがいいよね。
今は全部ECU任せ、何を弄るにしても全てロムを書き換えないと何も変えられない・・・そんな時代になりました。

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さて、エンジンを掛け、水入れて、点火タイミングを決めたら、最後にエアコンのガスチャージを行います。
専用ポンプで真空引きを行い、低圧側のニップルからガスチャージを行っていきます。
冬場なので気化率が悪く、なかなかガスが入って行かないですが、それでも時間を掛けて二缶半程チャージ。

これでエアコンも冷えるようになったと思います。



さてさて、これで全部終了かとかと思いきや、燃料計の針が上がって来ない・・・
最初ガソリンがもう無いのかな??

・・と思ったが、いや待てよ・・・燃料ポンプを換えた時にかなりタンクが重かった事を思い出す。
あの感じだとまだ半分以上は入っていた筈。
これは配線の接触不良だな。


積み下ろしの際、燃料ポンプやゲージのハーネスが短くて無理してたからな・・
押し上げてボルトで固定する直前で抜けてしまったのかも知れない。
面倒ですが、もう一度燃料タンクを降ろして結線し直します。
陽が落ちると寒くなるからな・・・

明るいうちにやっちまわないと。


確認するとやっぱり燃料ゲージの一極端子が抜けかけてました。
短いんだよな・・・配線が。

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なので、ゲージの配線だけ20センチ程延長し、平ギボシの端子も、抜けにくいものに新しくしときました。

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エンジンを掛け、燃料ゲージの針が上がってくる事を確認してから
試運転がてらスタンドまで行って洗車機にぶち込みます。
半年放置分の汚れを落とし、タイヤにエアを入れたりして漸く実働車に戻った事を実感。
しっかり水温と油温を上げてから負荷運転をして、機関に問題が無いかなども確認。

まぁ、こんなとこだろ。


このアルトワークス(HA11S型)は、初年度登録が平成10年なので、実はウチのGC8と同級生です。
26年前のクルマですね。

パワーウインドウの上げ下げも苦しくなってきましたし、ボディー剛性もありません・・エアコンの効きも悪い、エンジンもパタパタカチカチ煩いですし、常に何か臭いますw

ですけどね・・何ですかね・・・圧倒的に楽しいんですよね。


軽くてエンジンにパンチがあって、ビュンビュン走ります。
今回こそ原因の特定に時間が掛かりましたが、日頃から致命的な不具合が多いというような事は無く、殆どが直ぐに直るマイナーなトラブルで済んできましたし、古いからと言ってそれほど緊張しながら乗るような感じではありませんでしたね。

このオーナーもほぼ毎日通勤やお出かけに使い、16年乗って、乗って帰って来られないようなトラブルは1~2回程度でした。



古いし壊れて走らなくなったからと言って捨てるのは簡単ですが、面倒でもこうやって直せば、次の道が開ける。

今回の修理は、錯綜したせいで余計な所も色々とリフレッシュしてしまいましたが、次のオーナーも決まったので無駄ではなかった。
銭金の問題ではなく、やった事が報われたなという気持ちになります。

実際はヘッドのOHと、タイミングベルトの新調で直った筈ですが、イグニッションコイルやプラグコードなどの点火系を新調。
ついでにエアコンガス漏洩個所のホースを交換し、コンプレッサーとコンデンサー周りのOリング、補機類のVベルトも交換。
バッテリー新品。
燃料ポンプもヴィッツ1300用の物に交換したので、必要以上に調子よくなってます。


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次の持ち主の所でも元気でな!

alt買ったのはポンさんだけどな!
Posted at 2025/02/11 03:53:50 | コメント(0) | トラックバック(0) | 人のクルマも直します | クルマ
2024年11月03日 イイね!

エンジンが掛からない原因

エンジンが掛からない原因夏頃からずっと不動の11アルトワークス。

オーナーが仕事から帰ってきて、家の前でアイドリングで停めて荷物を降ろしたりしている内に気が付いたらエンストしていたという症状で、セルを回しても一向にエンジンが掛からないという所から始まった。

取り敢えず家の前だったので、セルクランキングで駐車スペースまで動かすように電話で指示。
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ダイアグには#42クランク角センサーの履歴。
これが表示されるときはだいたいデスビのピックアップコイルのトラブルなのだが、デスビは割と最近リビルトに交換したばかり。



一応確認してみるがデスビは白と判った。



うーむ・・・、キーオンでの燃料ポンプの音は聞こえてるし、やはり点火系だとは思うのだが、どうにも決め手がない。
まずはクランク角センサーのエラーコードが出る、というところから疑っていかなければいけないのだが、当のピックアップコイルではない。
点火信号が出せないという事でもあるので、タイベル切れなどのカム/クランクの同期不良の可能性もある。
タイベルカバーの上の方のボルトだけ取ってカバーをちょっとだけずらして覗き込む。

ベルトは切れている様子はなく、指で押した感じ張りも問題が無いと思われた。


点火系の配線をイチから全部追っていく事にした。

スパークプラグにプラグコードにデストリビューター、イグニッションコイル。
イグニッションコイルに一時電流は来ているので点火信号に基づくアースのスイッチングが成されていない。
要するにECUに点火信号が来ていないので、スパークの許可が下りないのである。


調べてみたが、ECUのピン配列図が拾えなかったので弁当箱内部の表記を元にクランク角センサーの入出力を確認する。
16ピンの右から3列目。
「N+/N-」がクランク角センサー。

ここは12ボルト制御ではないうえ、オシロスコープなども無いので、詳しいチェックが出来ず。
テスターで測っても微弱電流がチロチロ動いてるだけで何だか判りません。
ECUの電源線の入力や、センサー電源の入力も問題なく入っている。

ECU~デスビ間の導通チェックをしてみたがショートや断線はナシ。




判らん・・・詰んだか。




イグニッションコイルやプラグコードを新調してみますが、やはり関係ない。


ECUの異常かも知れないと、自動車用ECUの専門業者にECUを送ってチェックしてもらったが、プリント基板上の見えてる所には特に問題はないとの事でしたが、ICの内部に関してはブラックボックスなので判らないとの事でした。
それを言われちゃうと、折角金払ってチェックに出しても疑惑が晴れないんですけど・・・。


電装のチェックと言ったって、この頃のシンプルな構造の自動車なんて高が知れてるので、大して見る所が無い。
単純が故に判らなくなってしまった。
こういった始動トラブルは対極的にみると大体「燃料」か「点火」かどちらかの話になる。

こういった昔のクルマなら点火系と言えばスパークプラグやコード、イグミッションコイルやデストリビューター(デスビ車でなければイグナイターなど)が殆どだが、そのいずれかでなければ、ECU自体の破損も視野に入れなければならない。

最近のクルマでは殆どがダイレクトイグニッションと言って、イグニッションコイルとイグナイターが一体になっていて気筒ごとに個別に点火している仕組みになっているが、気筒別に点火しているので、壊れると言ってもひとつづつ死ぬので、エンジンが掛からないという事は殆ど無い。
あとは点火タイミングを取るためのカムやクランク角センサー、吸気側のエアフロメーターなどがあるが、これらの良否はダイアグで検知できるので判りやすい筈だ。

これら点火系でないならもう燃料系と割り切れる筈だが、燃料系は特に単純で、ECUがフューエルポンプリレーをONにすれば、ポンプモーターが回る仕組みだが、最近のクルマではECUやフューエルポンプコントローラーのようなユニットがコマメにポンプのON/OFFや強弱をコントロールしたりしている。

キーオン直後とクランキング時にポンプ直前まで通電していれば、システムに特に問題はなく、あとはポンプの良否だけである。


自分のGC8のように、キーオン時にポンプの音がするのに、セルクランキング時に通電していないというグレーなケースも稀にあるので、出来ればきちんと燃圧が掛かっているか見たい所だが、一般的には簡単ではないので、取り敢えずは通電状況と音で判断するだけでも大体の事は判る。


ポンプもポンプコネクターも外なのでタンクを降ろして、直接確認。
ついでにポンプも交換しちゃいます。

元々、レガシー用の165ℓ/hという大きめのポンプが入っているので、大きな吐出音はキーオンで聞こえては来るのだが、もう10年近く使ってますし、燃圧が足りていないのかも知れない。

燃圧とやかくを調べるよりも交換した方が早い。



まだ数百キロしか使われていないヴィッツ1300のポンプ。
軽ターボには充分でしょう。


色々組み換えて、ヴィッツポンプ装着。
端子を留めているスタッドが折れてしまったので、仕方ないので半田で留めました。


これでポンプとタンクを戻し、エンジンスタート!
・・・しませんw

まぁ、望みは薄かったのでそれほど期待してませんでした。
取り敢えず燃ポンは違うという事が判った。
こういう事ってね、違うとは思ってもエビデンスが無いと結局ずっと引っかかって残るので、直接確認して潰していくしかないんだよね。


エンジンルームの役物は全て正常。
燃料系も正常。
あとはECU本体か、エンジン本体の機械的なトラブルしかない。

余計な雑念が無くなっていくと急に視界が開けてきたりする。


今回、だいぶバッテリーも弱ってきてるので、GC8とジャンプコードで電源供給をしながら、セルモーターを回した。
これまで各部の負担を考えて、初爆がないと判断できる時点で一瞬でキーをオフにしてきていた。
しつこく回すことはセルモーターにもバッテリーにも大きなダメージを与える。

だが、今回はコードで繋いで少し長めにクランキングしてみた。
一向に掛かる気配はないのだが、少しおかしい。

やけにクランキングが速いのである。
速いと言うか、軽すぎると言うか、セルモーターが突出せずに空打ちしてるのか?
とも思ったが、ギヤを入れてクランキングするとクルマは動こうとするので、フライホイールとはしっかり噛んでいるようだ。

なんか圧縮がしっかり掛かっていないような軽さ。
シュシュシュシュシュ!と抵抗なく回る感じである。


何で気付かなかったんだ?


カムとクランクシャフトが正確に同期していないような圧縮の無い軽さである。
タイベル切れだとバルブは全く開かなくなるので、クランキング時の圧縮感はしっかり感じられる。(ベルトは切れていないが)
ピストンに穴が空いたり、バルブが折れるなどで圧縮が掛からないとなっても、全気筒でならない限り、ここまで軽くはならない。

そうなると、ベルトのコマ飛びや、スプロケのキー折損などによるのバルタイの狂いが怪しい。


もうその辺しか考えられない。



ベルトカバーの隙間からちょっと覗いただけでは判らなかったが、何かそういうトラブルが起こっているとしか考えられない。

何でもっと早く気付かなかったんだろう。


ただまあ、タイミングベルト交換の要領になるので確認はちょっと面倒だが、もうエンジンでなかったら丸ごと捨てるような局面なので、最後まで見ておこう。

狭いうえになかなか緩まないクランクプーリーのボルト。
チェーンレンチでガッチリ固定し、メガネを掛けて単管パイプ延長で本気で回して漸く撃破。


あ~・・・なんじゃこりゃ。

・・・ベルトのコマがだいぶ無くなっている?


一つ二つコブが飛んだってバルタイが狂う事はなかなか無いだろと思ったが、10個くらい飛んでる所がある。
これじゃあ、クランクスプロケの所で滑っちゃうか。



それにしても酷い・・・劣化・・なのか?



正直、普通車と違って軽のタイミングベルトが10年10万キロ持つとは思っていない。
でも、半分じゃ早いかな?という程度の認識。
このクルマもエンジンを何度か作り直して、その度にタイミングベルトを交換している。

だが、今のエンジンを組んだのは調べてみるともう既に6年前だったか、
使った距離も5万キロくらいではないだろうか。
そろそろかな~と思ってもいい頃だけど、切れたりコマが取れたり損傷に至るという認識はなかったな・・。
最近のタイミングベルトは本当に丈夫で、10年くらい使ったって切れたりひび割れたりなんて事は殆ど見た事が無い。

だから、少し油断していたな・・・当時軽自動車最強エンジンと言われたスズキのF6Aターボ。
そのパフォーマンスの前には、タイミングベルトへの尋常ならざる過酷な影響があるのかも知れない。

あとは近年の夏の非常識な猛暑の影響もあるのかも知れない。
せいぜい車検2回にタイベル交換1回、もしくは4年に1回程度の頻度でメンテナンスを実施した方が良いのかも知れない。

幸いF6Aは、ピストンとバルブが衝突しない構造なので、ベルトの交換だけで復活できる。


夏以降忙しくてコマメに見に来られなかったせいもあるが、原因追及に時間が掛かってしまった。
結局のところGC8の時よろしく、
直感的に最初に疑った箇所のトラブル・・・タイミングベルト周りのトラブルであった。

しかも負荷運転中の破損などではなく、アイドリングでの停車中に症状が出たという所・・突然死といったら電装系だろうという思い込みが、判断を鈍らせた要因のひとつである。

色々と手を掛けてきたクルマであった為、このまま捨てるような事にならなくて良かったなと胸を撫でおろした反面、つくづくトラブルシュートのセンスというか、単純にクルマの知識に乏しいなぁ・・・と肩を落とすような案件であった。

altベルトは手配中、近日中に復活予定

Posted at 2024/11/10 22:18:31 | コメント(0) | トラックバック(0) | 人のクルマも直します | クルマ
2024年10月27日 イイね!

34GT-Rのハブベアリング

34GT-RのハブベアリングHIKO君のBNR34 スカイラインGT-R。
も、もう納車されてから15年も経つのか・・・。

早いものだね。
まあ、あのブログの頃のヲレもクネも全くクルマは変わってないせいで、ついこの間って感じがするけれど・・・
丁寧に面倒を見ていれば、15年でも20年でも全然乗れるって事ですね。

そんな虎の子のBNR34。
取引価格が不動産みたいな値段になっているので、もう見えるような所に駐車できませんね。
HIKO君のようにしっかり鍵付きのシャッターガレージに仕舞えないなら所有すること自体が難しいでしょうね。


最近タービンを新調し、エンジンマウントやミッションのマウントを交換したらしいんだけど、駆動系の唸り音のような異音が気になるらしい。

ヲレも助手席で音を聞いてみたけれど・・・
言われてみれば聞こえるっちゃあ聞こえるけれど、強化マウント入れたらこんなもんじゃねえか?って感じでもあるし、気にし過ぎな感じもしないでもない。
ヲレのGCの方がよっぽど唸る音は室内に入ってくるので、そもそもの話ではあるけれど・・・。
ギヤの歯当たりのような感じだけど、ハブベアリングがダメでもこんな音するかな?とも言える。

まぁ、ハブだとか、これまでノーメンテできた部分も残ってるので、ハブやドライブシャフトのメンテナンスを今回してしまいたいという事で作業となりました。


前にやったじゃん。
って思ったんだけど、よくよく考えたらそれは32の頃のハブだったナ。。


リヤはパーキングブレーキがあるからナックルの取り外しがちょっと面倒。


リヤのドライブシャフトは15年間ノーメンテ。
ブーツもなかなか切れない所だからね、疎かになりがち。
ヲレのGCもリヤのドラシャはブーツが切れないから放っておいたんだけど、やっぱグリースは劣化して流動性を失くすからなのかな、有る時酷い異音がするようになって交換するしかなくなった。

やっぱ10年に一回はブーツとグリースを取り替えた方が良いね。


外したナックルアームを持ち帰り、ベアリングの交換。


リヤハブはボールベアリングなので、ベアリングASSYがナックルアームにボルトで固定されています。


外れてきたリヤハブ。
ハブフランジは再使用なので、プレスで取り外して新しいベアリングに圧入します。


フロントはナックルに直接ベアリングが圧入なので、全部プレスでの作業となります。



色んな治具を駆使してハブフランジを打ち抜き、ハブベアリングを打ち抜き、新しいベアリングを圧入し、フランジを圧入します。
34Rクラスのハブだと、12トンのプレスで押してもなかなか動き出さず、プレスのシリンダーがぶっ壊れるんじゃないかってくらい押します。
ヤバそうなときはトーチで炙ったりして、ようやくベアリングが抜けてきます。



無事に4か所ベアリングを交換する事が出来ました。



ただ、リヤドライブシャフトのインナー側のブーツやらフロントナックルのオイルシールやらが欠品で揃わなかったので、この日は組める所まで。




廃盤で新品は出ないが、超音波洗浄と吐出量の確認を済ませたリビルト品(リビルトと言うのか判らんが)というインジェクターを準備してあるというので、交換する事に。


レールに繋がるホースも2本交換して始動チェック。
しっかり一発で始動し、完全暖機後もしっかり吹け上がる事を確認。

問題無しだね。



この日はこれで引き揚げ。
翌週末はお互いに都合がつかないので次の作業は2週間後。




ブーツが届いたのでドライブシャフトの作業。

シャフトをカップから分離して、古いブーツとグリースの交換をするだけですが、兎に角グリースでベトベトになるのでとても家の中では出来ませんね、表で段ボールや新聞紙を敷いての作業です。

古いグリースを極力取り除きながら、CVジョイントに異音の原因になるような焼けや傷などが無いか時間を掛けて確認します。
ずしりと重いR240デフ対応のドライブシャフト。
インプレッサのドライブシャフトなんかとは耐久性は桁違いと言った感じがします。

全く傷んだりしてる雰囲気はありませんね。
気にしているような異音とは全く無関係でしょう。


意外にも右の方がやや長いリヤドライブシャフト。
リヤデフの形状が関係しているのかな?


分割式など使わずにきちんと純正ブーツ(いや、アウターは社外品だったが)で交換したので、あと20年は切れないでしょうw



さて、フロントナックルのインナーシールも打ち込んだので、車体への組み付け。



ブレーキパイプ、ホースの取り回しが特殊なので、どうやって付いてたっけな?と考えながらの作業になりました。


リヤは殆ど組み終わっていて、ドラシャを取り付けるだけです。
各アーム類のボルトを1G組み付けをして、ハイキャスロッドの調整で左右のトーをしっかり揃えます。



各部の締め付けを再度確認したら、タイヤを付けて試運転。

HIKO君試乗後曰く、

根本的な唸り音のようなものは無くなってはいないんだけど、ずっとしていた音がひとつ無くなってタイヤがしっとり回転するような感じになったと。
あと、インジェクター交換の効果なのか、吹け上り方が全然違うとの事。
エンジンのピックアップが凄く良くなったのだという。

インジェクターなんて25年25万キロ交換してないだろうから、何発か出の悪いのがあってもおかしくないからね、漸く本来の調子を取り戻したのかも知れないね。


駆動系の唸り音がハブでもドラシャでもないなら、デフとかトランスミッションのギヤの歯当たりの音とか、単純にハイグリップタイヤの走行音だったりもするので、その辺を触った時に音が変わるかどうかを気にしてみる事だけど、正直異常というレベルのものではない(スポーツカーなんてこんなもんだろレベル)ので、デフやミッションのオイルをしっかり換えたりだけしていれば、不安がる必要はないのではないかな?

ノーメンテの懸念材料がまた幾つか減ったので、本人ももうそんなに気にならないみたい。

しかしまぁ、GT-Rぐらいのクルマとなると、25年経ったって、気になる部分(しかも壊れてもいない)がこの程度ってのが凄い。
GC8なんてどんだけ壊れたと思ってるんだよ。
エンジンだってデフだってハブだって何回取り替えたかもう判らない。

各コンポーネントのキャパシティーが一回りも二回りもデカい。
これなら600馬力とか800馬力とか出したって壊れないのが判ります。


スカイラインGT-R
何年経ってみても相変わらず凄いクルマだなと思います。
altあと5~6年でみんな30万キロとかになりそうだな・・・




Posted at 2024/11/09 01:59:54 | コメント(0) | トラックバック(0) | 人のクルマも直します | クルマ

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何シテル?   06/30 04:17
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