
本当は19日から3日間は恒例の高原キャンプと洒落込む予定だったのですが。
狙ったように台風直撃。
こればかりはどうしようもないね・・・
相方のコウヘーも詰まったスケジュールに延期もままならないとのことで、残念ながら今期は中止となってしまいました。
うーむ・・・これは残念。
一年の半分位の英気はこれで養っている筈なのだが、
流石のヲレ達も、台風には勝てません。
でも、このままではあんまりだと思い、
一日だけでもちょろっと出かけてこようということになった。
そこでヲレが提案だ。
「GCのシェイクダウンを兼ねて、河口湖にうなぎでも食いに行こうか。」
「シェイクダウン?」
「完成したばかりのレーシングカーが初めて試走することをシェイクダウンと言うんだよ。」
「うなぎ???」
「もう土用の丑だろ、河口湖はうなぎだって良く聞くよ。」
「野外でどうこうって天気ではないから、クルマの試走をしながら美味いものでも食いに行けば、実際雨でも関係ないでしょ。」
「台風の中クルマ止まったらヤだぞ。」
「・・・大丈夫。」
久しぶりに道志みちでのんびり行こうということになった。
クルマはちょいちょい休憩の度にオイルの量見たり、LLC噴いてないか見たりしてるけど問題ナシ。
エンジンも調子イイし最高なんだけど、問題はソコじゃないね・・・。
とんでもない雨だよ・・・いや、嵐か。
道路は排水しきれずにソコソコの川になり、砂利や泥土で溢れかえっている。
たまに欄干の隙間から見える道志川は、見たことも無いような濁流に変貌しており、激しい轟音が山間に響いている。
台風の本隊は明日ではなかったのか・・・
天気予報や平野部の雰囲気では、午後から雨が降り始めて明日接近・・・
と聞いていたのだけど。。。
台風の影響とは言え、山間部だからね・・・一時的なゲリラ豪雨だろうと予測。
一抹の不安を黙殺し、うなぎ食べ隊は富士五湖方面を目指す。
道志みちを抜けた先も降雨量は収まらず、
停電になってるところあり、冠水している幹線道路ありで、正直うなぎ屋営業しているのか状態。
何故こんな日に山梨まで出張ってうなぎを食わねばならないのかは良く判らないし、
ソコは聞かない約束なんだけどw
要するに、、、
希望的観測だけで行動しているってことなんだwww
そんな懸念を払拭してくれるかのように温かい照明を灯していた一軒を選び、
待望のうな重でスタミナチャージ。
別に頼んだうなぎの肝焼きがヤバかったなぁ・・・。
あ~、日本酒あたりで一杯やりたいところだったけど、そこは日帰りマイカー出動のツライところよ。
念願かなったヲレたちは、他に特に要求することも無く来た道を戻ることに。
のんびり道志みちを戻るだけだ。
まぁ、そうは言ってもシェイクダウン。
ブッ飛ばす訳ではないけれど、エンジンやクルマ全体の雰囲気やバランスの確認がしたいんだ。
アシはまだノーマルのサスだけど、この史上最悪のヘビーウェット。
普通に走るだけでクルマのネガは如実に出るので、試走には絶好のコンディションといえるかも。
別に全開走行でなくたって、アシやトラクションのテストは結構出来る。
自分の場合は、ストレートもコーナーも等速になるような走り方をすることが多いよ。
進入で減速しないようにフェイント気味に早めに姿勢つくって、コーナーは極力アクセルで曲げ、立ち上がりはスピードが乗り過ぎないようにじんわり抜いていくような・・・
今回の仕上がりは・・・
デフ的には、アクセルオフでドアンダー、オンで切り込むとインに巻き込んでくれる感じ。
ここまでインに引っ張ってくれる感じはこれまで無かった。
今までは、リヤこそ出て姿勢はつくれるものの、インには付けない操縦性だった。
このアクセルオンでフロントアクスルが牽引してくれる感じはいいね。
多分良く判らないですよ、なんて言われていたヘリカルデフの恩恵をココまで感じるとは思わなかった。
雪の次に厳しそうな台風コンディションだったお陰かな。
正直、ド派手にハイドロ喰らっても、どうしようもなくなってブッ飛んで行きそうな不安は感じなかった。
アクセルさえ少しでも開けていれば、進入で折角作ったヨーが途中で乱れることがなさそうだ。
前後アクスルのトラクションが安定することの真の恩恵はコレなんだ。
エンジンの低回転のトルク特性が激しく良くなったことも、ウェット性能向上に大きく貢献しているよ。
等長エキマニによるレスポンスアップが大きく影響していることもあるが・・・
全域での大幅にパワーやトルクが向上しているのが判る。
鈍感なヲレでもハッキリ判るよ。
何をバカな!そんな魔法のようなことがあるものか・・たかだかオーバーホール位で・・・絶対プラシーボだろ。
そう思うかもしれない。
でもね、片側2気筒がウォータージャケットまで抜け抜け、バルブとバルブシートも、あちこち虫食い状の傷だらけだったし、タペット隙間も広すぎだしバラバラ。
ターボで強引に回してはいたけれど、全くトルクが無かった。
正直200馬力出てたかかどうか・・・(爆
マウント新品なのにアイドリングでエンジンブルブル揺れてたことや、
ブーストメーターの針が細かく振動してたことなど、
ようやく合点がいきました。
今までなんて酷いクルマで戦ってたんだ・・・。
タペットきっちり揃えて、圧縮完璧。
5キログラムのフライホイールにクラッチ新品(ウソ、中古だけどw)、
さらにヘリカルLSDで逃がさずトラクションに換えても、
3000rpmから充分に加速できるんだ。
アクセルオフの減速感の重みの違いで、今までのエンジンがいかに軽かったかが良く判るよ。
コレは久々にケッサクエンヂンかも知れない期待が・・・。
オイル換えてからの全開でトバなければだけど・・・
やっぱEVCとか付けてブースト押さえて守らないとな~。
そんなこんなで、一般車に紛れながら、
ド素人のコウヘーをビビらせるような走りをすることも無く、静かにテストタイム終了~。
のハズだったが・・・大月に抜けるT字の所で土砂崩れの為
全面通行止め。
うああ~マジか・・・ココまで来て・・・。
急遽大月側へ抜けて、甲州街道まわりで帰ることに・・・
滝のような雨の中でもバツグンのトラクションを感じつつも・・・ヒーコラ山越えて国道20号まで。
ところが・・・とんでもない渋滞!まさか・・・。
まさかまさかの中央道終了・・・。
全ての車両が大月と上野原から外に出されてる。
そして一般道情報・・・大垂水全面通行止め。
これはマズイ。
最後の望みは上野原から秋山に入って、青野原か青根に抜ける作戦。
これも、只の週末渋滞には非常に有効な迂回路ですが、軟弱な路肩の狭い峠道ですので、異常気象では一か八かだ。
甲州街道から離脱し、秋山方面へ向かう・・・
上野原ICから排出された数え切れないトラックや乗用車が、出口の無い明日へ向かって徒労な隊列を連ねている。
自分を含めたほんの僅かな数台だけが・・・
誰もが諦めた大きな壁に挑戦するかのように山岳へ向かってゆく。
山岳路になるにつれて、降雨は苛烈を極めた。
両サイドから滝のように雨水が横溢し、道路はもはや浅くもない濁流になっている。
気の小さいヤツでは、もうこの時点で引き返すだろう・・・
いや、普通に危険だというだけの事なのかも知れない。
そして辿り着いたのは
「この先全面通行止」の立て看板だった。
・・・この先にも住人は居る。
ゲートが閉まっているとか土砂崩れとかではなさそうだった。
連続の雨量が一定を超えたあたりで、通行止めの指示をしなければならないという事なのだろう。
「行けるところまでいこう。」
看板の脇をすり抜け、真っ暗な深い峠道へ入っていく。
このあとも二つほど同じような看板を無視しながら、殆ど河川と化した路面を水飛沫を上げながら登坂してゆく。
若干崩れた赤土斜面の泥や倒木が、シケインをつくっているものの、
幸いなことにどうしても通れないところはなく、なんとか道志みちへ抜けることが出来ました。
あんなにドキドキした峠アタックは初めてかも知れません。
あんなにもの凄い雨の中を長時間走り続けたことも初めてです。
いつもは1時間半の帰り道が3時間半になりましたが・・・
引き返したらその日のうちに帰れなかったと思います・・・
多分危険な行為であったので、真似してもらいたくないですが・・・
あなたがその道を知っていたらどうしましたか?
