アルテッツァ。
かつてトヨタで生産されていた、2000ccの自然吸気エンジンを搭載し新世代のハチロクと謳われた、FRのスポーティーセダンである。
「RS200」に積まれる3Sは、当時の2000ccNAエンジンの中では最高出力である210馬力をカタログスペックに持ち、可変バルタイ機構を持つBEAMSシリーズに於いて唯一デュアルVVT-iを装着する、最新で最後の3Sとなった。
しかし実際のところは、クソ遅いただのオッサンセダンと叩かれることが多く、
その魅力について、深く検証されることは殆どなかった。

各メーカーのスポーティーカーは、パワー競争の真っ只中。
時代はターボ。
自然吸気で認められていたのは、ホンダエンジンくらいだった。
只でさえ四駆ターボ全盛の中、FRはモアパワーを求められ、
その殆どはドリフトへ流れることとなる訳だが、アルテッツァはそのどこにも属していなかったと思う。
パワーも少なく車重も軽くない。
当時の若者には少々刺激が少なかったと言わざるを得ない。
だけど、今こうして改めて見てみると、全てが程よくて扱い易いいいクルマである。
1360kgの車重も、今となってはそれほど重い部類じゃない。
前後ダブルウィッシュボーンという豪華な懸架装置に、純正で17インチのタイヤホイール。
それにブレーキが意外といいよ、アリストとかと同じじゃないかなぁ。
リヤだけ大型対向キャリパーを奢っていて、明らかにブレーキング時の旋回性能を意識している。
パワーは無いよ、直線じゃターボ車に歯が立ちません。
でも、ブレーキングから旋回にかけてのシャープさは見た目にそぐわない程秀逸。
トラクションコントロールOFFとトルセンLSDで、テールスライドも意図的に起こせるよ。
細かいところが意外と良くできていて満足度が高い。
あちこちフニャフニャなクセにやたらパワーばっかりあるクルマが多い中、
全体の完成度が高い面白いクルマだよ。
上手い人が乗ると
遅くない、運転が楽しい。
まさにハチロク的なクルマなんだなと今になってみると判る。
走りはじめの若造じゃ、この良さはワカランだろうな・・・と思ったあたりで気付くわけだ。
やっぱりオッサンのクルマだってことにw

9万キロという走行僅少車w(これはマジで少ない方)をノリさんが見つけてきたので、軽くリフレッシュして全開走行に備えます。
手始めに、タイミングベルトと水回りのホース交換いっときましょうか。

ラジエター外すとこんなに前に空間ができるアルテッツァの3S‐G。
何だか違和感だな・・・。
他の3Sと言えば、カルディナに、セリカに、MR2に・・・整備面倒なイメージしかない。

IN・OUT ともに可変するバルタイ機構を持つデュアルVVT‐iプーリー。
圧縮比11.5のハイコンプレッション。
3Sのメカチューンでこれ以上はない罠。
MR2のGリミテッドに積めば結構いいかもな。

3Sで9万キロとか全然訳ないな。
アタリもついてないんじゃないか?wwwww
オイルも水漏れも殆どないな。
パイクスピークを走ってたタコマの3Sは900馬力だってからね、まさに屈強。
鋳鉄シリンダーブロック最強。
NAで使う分には、壊れるイメージが描けないw

ウォーターポンプは殆ど真正面から見えているのに、ほんの一部分だけACコンプレッサーのブラケットの下に入り込み共締めされている。。。
ボルトを抜いても取り外せるスペースはなく、
面倒でもACコンプレッサーを外してどかし、ブラケットは完全に外さないといけないようでした。
( ´-`) .。oO(これさえなきゃ、ここ最近で一番簡単なタイベル交換だったなぁ・・・)
最後にエンジンオイルは10W-60というワイドレンジタイプで交換。
エレメントも交換。(これまで伝統のエキマニの裏ではなく、オイルパンの脇で下から作業)

サーモの所から水が漏った跡があるな。
結構水が減ってた雰囲気。
3リットル位しか出てこなかったぞ・・・。
車種問わず、サーモハウジングから水が漏るケースは多い。
こういう地味なところから水の減りに気づかずに、
深刻なオーバーヒートなどを誘発させてしまうケースは少なくない。
ヘッドが歪んでしまえば、大概のエンジンはアウトだ。
オイルの量の確認よりも、LLCの量確認の方が大事なくらいだよ。
新しいLLCは5.5リットルくらい入りました。

久々にクルマ預かってクネガレージで作業。
思いほか大変で疲れちまった・・・。
帰りに試走で、ありえないほどブン回してみる。
不思議なギヤ比の6速MT。
1速7500回転以上回してから2速に入れないと、5000回転以下に落ちて失速する・・・。
1速↔2速間が離れすぎててちょっとつながりが悪いなぁ。
2速のスピードレンジが高すぎて、テクニカルで使いづらいな。
なるほど、後期でローファイナル化する訳だ・・・。
あとは、やはり気になるレーシングのピックアップ。
クラッチもそろそろ怪しい雰囲気があるんで、まずはフライホイール軽量化かな?
これだけでだいぶ楽しくなるはず。
ちょっとアルテッツァ革命を起こしたくなってきたw