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2024年11月17日 イイね!

経過観察

経過観察エンジン載せ替え後漸く1000㎞走った。

お盆前に載せたが、安全確認が取れていなかったので休暇の帰省には使わず、たまの休日出勤と長男のバスケの送り迎えくらいにしか使っていませんでした。
潤沢な資金で完璧な整備を実施してる訳ではないので、エンジンはオーバーホールしたからってラジエターホースなどの水回りのホースは再使用だったし、応急処置で終わってる燃料タンクのホースなんかもまだ未交換。

何かまぁ、色々そのままの部分もいっぱいある訳で、それらが大きな作業のあとに一緒に駄目になるパターンは結構ある。
なので、のち数か月程度はエンジンの慣らし運転などをしながら、マイナートラブルが出ないかどうか慎重に見ていく必要がある。


経過観察だ。




オーバーホール後最初のエンジンオイル交換。
メタリックな揺らぎがハッキリと見える。

作りたてのエンジンなので、最初は摩耗紛が沢山出る。
なので最初の一発目は1000キロ程度でオイル交換をするようにしている。
バリが取れて、アタリが付いて、
ちょうどその位からエンジンが軽く回るようになるのがハッキリ判る。

エンジンの本当の性能を開放する前に、ここでオイルとエレメントを新調しておきたいではないか。



カストロールエッジ10W-50

いつもより少しお高いオイルを入れてやろう。
樹脂への攻撃性が高いのでフルシンセティックは余り使わないようにしてきたのだが、実際使うといいオイルはいいと判る。

ベースが柔らかいのでレスポンスはいいし、高温域でも油圧がタレない。
添加剤てんこ盛りの証拠だが、まだシールやパッキンは新しいので、最初のうちはまぁいいでしょ。



後のマイナートラブルとして、ラジエターホース(アッパー)がパンクしたので先日交換したのだが、完全撤去中のサーモスタットの戻しの作業がてら、ロアホースも交換しよう。


純正の78℃の新品を準備しました。

更にローテンプサーモなどを付ける人も居るけれど、走る走らないに拘らずハッキリ言って必要はない。
夏場は余り関係ないが、冬場などは適正水温になかなか到達しないのでガソリンを無駄噴きして燃費が悪いばかりか、ヒーターがなかなか暖まらなくて不便でしょうがない。

本気で走って水温が上昇すれば、何が付いていようが常に全開になるのだから、支障はないのである。

水温は、下げれば下げるだけ良いというものでないのだ。



まぁ、自分は付いていたサーモの不具合を心配してローテンプ通り越して筒抜けにしていた訳だがw
冬場はダメよ、寒くって・・・。



ラジエターを外して点検したついでにラジエターファンのシュラウドの錆が気になり、邪魔になるファンを取り外そうとしたら、留めてるM5ナットが固くてスタッドが折れた・・・ので、穴を掘ってネジ留め出来る様にして対応。


錆びの処置とファンの取り付けは無事終了。


ラジエター自体の点検は目視でマジマジ見るものの良く判らない。
コアの途中で漏れがあってもファンで直ぐに吸い出されてしまうし、熱で直ぐに乾いてしまう。
もう少し様子を見よう。



ラジエターからリザーブへ導くホースからも水漏れがあったので、手持ちのシリコンホースで新調。
やっぱり未交換のホースはひと通りダメだな・・・。


そりゃあまあそうか、26年前のだものな。



取り敢えずラジエターやらを戻して、新しいクーラントを入れて完了。



お次は年始めに購入してそのままだったウェザーストリップ。
この辺は廃盤が始まっているので、取り急ぎ買えるものを全て買ったという感じだった。

インプレッサのようなハードトップの要であるドアガラスとルーフ部分のウェザーストリップは左右共に購入出来ましたが、ドア下側のストリップは廃盤でした。

ま、こちらは日光に晒されていないお陰か、それほど傷んでいないのでその内再版されたら買う事にしましょうか。


トランクリッドのストリップもまだ出たので買いました。
地味な所ですが、リフレッシュできるところはしっかりやっておこう。

後で廃盤になってから欲しがっても遅いからね。


古いものを外すのは引き毟るだけで簡単ですが、付けるのはちょっとコツが要ります。
全周を台形の溝にきれいに押し込まなければいけないのですが、奥縁を先に押し込んでおいて、手前の縁をヘラのようなもので押し込んでいく感じです。
自分は仕事でよくやっていたので、パテ用のジュラコンヘラを削って角を丸くしたものをSSTとして持っているので、そういったものを使うと簡単ですが、手だけで入れるのは大変だし時間が掛かりますね。

家にあるものだと、三角定規的なものがあれば代用出来そうですね。




ウェザーストリップは結構高いですよ。

ピラー部分だけでも左右で3万円程度しましたし、トラックリッドのストリップも9千円位しました。
ドアストリップなど部品が全て出たとしたならば、部品代だけでも7~8万円程度になるんじゃないでしょうか。

もう少し早く買っておけばよかったとちょっと後悔。。


GC8のような名車であれば、ヘリテージパーツのような名目でその内再版してくれるのでは?と思っているので、悠長に待っているとしましょう。

スバルは、ちょうど初年度から25年を経過したあたりから一気に廃盤が進むので、次はGD系のインプレッサがあと数年と言った感じですよね。
色々リフレッシュを考えている方は、今のうちに進めておくことをお勧めします。



あとは、長年踏み倒してきたペダル類。

ガタがあるとか異音がするといった不具合はないが、ゴムカバーは擦り切れてしまっているし、先日足元に謎の部品が落ちていて、最初は何の部品だか判らなかったのだが、グーグルレンズで調べてみると、クラッチペダルのストッパーであることが判った。

色々と草臥れてきてるんだろうなと思い、諸々部品を取ってリフレッシュする事にしました。

 
クラッチペダルは、カバーを外すと何故かサビサビ。
マスターシリンダーから液漏れなどをした際に、ペダル側に滴ってくるのだろうか。。。

何かこのままって訳にもいかないレベルだな。


クラッチのペダルストッパーやピボット部分のブッシュの交換も潜ってやるのは大変そうだから、ペダルは丸ごと外してしまった方が良いな。


ブラケットに嵌まっていた樹脂の部品が割れて脱落した模様。
これが無いとどんな弊害があるのだろうか。


構成しているのはストッパーピンとスプリング、あとは割れてしまった白いブッシュと、スナップリングで、紛失したものは無さそう。

ブッシュを替えて留め直すだけでいけそうです。


こんな感じ。
踏んだペダルが戻ってきた時の衝撃を吸収するショックアブソーバー的な部品です。


ペダル側にも金属同士がぶつからないようにブッシュが嵌っていますが、ストッパーが脱落したことで当たりが強くなり、砕ける寸前でしたね。
ここも交換です。


あとはピボット部分のジュラコンブッシュも交換しましたが、殆ど傷んでる感じはありませんでしたね。


ブレーキペダルのストップスイッチの所のブッシュも交換。


クラッチマスターのブーツから早くもフルード滲みが・・・。
まだリペアしてから3年位しか経ってないと思うんだけど。

インプレッサのクラッチオペレーター周りはタービンに近い所にあるせいか、直ぐに傷んでしまう気がする。
クラッチフルードは強酸なのでね、早急に直さないと。



ブッシュ類を全て交換し、錆びていたペダルはしっかり錆落としをして塗装処理。
これだけやっておけばいいでしょう。



あとはペダルを組み戻して、新しいゴムカバーを付けたら完了。

みんなアルミのペダルカバーとかをカッコいいとか言って付けたがるけど、ヲレは余り好きじゃないかな、雨とか雪山なんかで靴が濡れてると凄い滑るんだよね。
純正のゴムカバーが一番安心感があります。


このペダル周りのメンテナンス後、
数日乗ってみた所、どうもクラッチの切れる高さが結構上がってしまった。
ペダルそのもののガタと言うか遊びが無くなった事に加えて、無くなっていたストッパーが復活したことよってペダルストロークが変化したせいなのか、切れ位置がペダルを踏み込み始めて直ぐの所になってしまった。
走ってる最中、ミートポイントは常に少しずつ変化しているものだけど、暖まってミートポイントが高くなった時に、遂にはクラッチが切り切れなくなって滑ってしまう事もあった。

そもそも、今回のエンジン載せ替えに伴ってクラッチ周りもやや強化品を奢ったのですが、この時点で切れ位置は少し上がってしまっていた。
クラッチも強化品ほどクラッチのレリーズストロークが減少する傾向にあり、相対的に切れ位置は高くなる方へ変わるようだ。


そんな時は、マスターシリンダーのプッシュロッドの突き出し調整をする事でミートポイントの調整をすることが出来ます。
これの調整が結構シビアで、ロッドを一周も回すと大概回し過ぎで、半周回すだけでもクラッチの切れ位置が1割から2割くらい変わります。
手前に伸ばす方向に回す(マスター内部での押し始めの遊びを増やす)とミートポイントは奥へ移り、縮める方へ回すとどんどん上がってきます。

スバル車乗り全般は、ミートポイントが高くなり過ぎて困っている人が大半でしょうから、手前に伸ばして遊びを増やす方への調整となるでしょうね。


調整は簡単です。
止ナットを緩めれば、プッシュロッドは手で回るくらいなので、ぐりっと回して伸ばしたり縮めたりします。

自分の場合はペダル全戻しでもクラッチが切り切れない程ミートポイントが手前になってしまったので、3/4周ほど回して伸ばしてやると、フルストロークを100とすると98くらいだったミートポイントが、65~70くらいの所に移動。
かなり操作がしやすくなりました。

冷間でやや低いかな?位の高さであれば、走り出して暖まるとちょうどいい感じになったりします。


ご参考に。



もう歳の瀬。

秋田へは必ず帰るんでね、サスを純正ショックに交換してスタッドレス履かせて、雪の準備だけはしといたんですが、衝撃の事実が発覚。



ラジエター漏れとるやん・・・



こういうのがあるから、経過観察が必要になるんだよな。

altラジエター・・アルミ一体型激安2万円シリーズは避けたいのに、ブリッツの4万円台が廃盤・・・


Posted at 2024/12/08 21:17:16 | コメント(1) | トラックバック(0) | GC8メンテナンス | クルマ
2024年11月04日 イイね!

ソロツーリング

ソロツーリング紅葉のシーズンというものは驚くほど短い。
ひとつのエリアに限定してしまえば、ベストな期間は二週間もないだろう。
今週は天気が悪いし、来週は忙しいし・・・なんて悠長なことを言っていると、あっという間に落葉し、真冬が訪れる。

なので・・いい時期であれば、たまたま時間があって、明日は随分と天気がいいみたいだなと思ったら、それは千載一遇のチャンスなのである。


子供たちはバスケだサッカーの試合だで夕方まで遠征。
ヲレも特に整備の案件は入れていなかったので、ぽっかり空いた祭日。
朝6時に出発を決めた。

平野部はまだ早い感じなので、標高1000メートル以上のエリアをターゲットに絞り込むと、群馬の赤城山あたりが見ごろ予想。


懐かしの赤城山か・・・。
景勝地なので混雑はするが、単車なのでそれほど気にならない。

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朝方に決めた出発なのでクネを誘う事もしなかったが、自由に爆走出来るので気儘でいい。
ヲレが本当に一人で走ってる時のペースは恐らくクネでも「幾らなんでもそれはちょっと・・」という走り方だと思うので・・・


元々、クルマ・バイクというものは、目的地までの移動時間をいかに短縮できるかを極限まで追求する為の趣味だと思っていて、高い運転技術とハイレベルなリスクマネージメントを駆使して戦う圧縮された時間の中に、代えがたいドライビング(ライディング)プレジャーを得られるものでもある。

そもそも「走る」という事は、そういう事である。
ヲレも聖人君主ではないので、杓子定規な安全論を語る積りはない。
何が正しいか正しくないかを語る積りも無く、ただ間違いなく言える事は自分は正しくない側の人間であるという事。

昨今のライダーから見たら、頭のイカれたクソ野郎なのは間違いない。


ただ、3つだけ守っている事がある。

①絶対に事故しない。
②事故の誘因原因にならない。
③一瞬で誰かの視界から消え去る。

これだけ守っていれば、多分誰も困らないし、ヲレも困らない。
これは危ない!とか、あれは違反だろ!とか、世の中で騒いでる奴等の殆どが、只の暇人かやっかみであるから、そういう馬鹿共にいかに見つからないかが大事なんだと思う。

スマートに、かつ接触時間を極力短く取る。
これが大事。

30年間クルマバイクで無傷でバカやってこられたのは、これを励行してきたからである。


バイクというものは、そんな取り組みの最前衛にあるものだと思う。

何故かって?
それは、クルマのように移動手段を兼ねた乗り物と違って、ただただ自由に走る為だけの乗り物だからである。


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そんな自由を駆使してw
自宅出発から僅か2時間で赤城山麓へ。

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蒼穹とのコントラストが美しい赤城山の色付き。

「あ、あの樹いいな」と思う度にちょいちょい停車してカメラを構える。
最近はカメラをオリンパス(今はOMシステムソリューションズ)のOM-DシリーズE-M5(超軽量樹脂ボディ)にしてから、気軽に持ち出せるようになりました。

登山でも単車でも持ち出そうって気になれる位軽い一眼レフカメラ。
ミラーレス一眼のなせる業ですね。


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箱庭のように美しい赤城山の自然。

混雑はしているけれど、停まってしまうような渋滞もしていない。
赤や黄色の錦秋をゆっくり眺めながら気持ちよく赤城道路を走り抜け、大沼・小沼などがある湖沼エリアまで登ってきました。

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いい相棒だな、ホンダホーネット。

格好いいし、250㏄とは思えない程パワフルなエンジン。
攻め込むと判る運動性能の高さ。
買ってきたまんまではとても乗れないと思ったが、色々手直ししてタンクカウル塗り直して、バックステップの位置をきちんと調整したら凄く乗りやすくなって愛着がわいてきました。

メチャクチャいいぜお前。
とても30年前のバイクだとは思えんな。
いや、逆に30年前のバイクだからなのかな、

コイツの4発16000回転のF1サウンドで走れたら、他の要求は特に無くなってしまう。


高速道路はそもそもカウルが無いのでそんなに飛ばさないし、それでもあれだけ走れたら、もう250で充分だなと思えてしまう。
使い切れないフラストレーションを考えたら、これ以上の大排気量がむしろ無駄になってしまうのではないかと思う。

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長らく中型バイクからは離れていた。

若いころは極端にスピードを追求する傾向が強く、そのリスクをコントロールし切れなくなる日が必ず来るような気がして、クルマに移行したのだった。

「そのままバイク乗ってたら結構な確率で死ぬかもよ?」とヲレの直感が告げていたんだ。



それでまぁ、クルマでひと通り滅茶苦茶やって、30年間やるだけやって、まぁもういいかな?ってくらい遊んだ訳だが、そういやバイクはまだそこまでじゃねえな・・・と思った訳。

クルマを辞める訳じゃないけれど、ジジイになってきてクルマ弄りが億劫になってくると、弄って走ってがバイクの方がやり易くなってくる。
バイクの方が気軽に走った感が得られるので、バイクの割合が増えてくるだろうなと思ったら、バイクがヘタだと格好悪いなと。

単純にもっとバイクを勉強したいなと思ったんだよね。


「今ならもう死ぬことはないだろ」とヲレの直感も後押しをしてくれていたので、取消しで終わっていたバイクの免許もとり直し、30年ぶりのリターンライダーとなる。

昔から、身の丈に合わないものは長続きしないというポリシーがあり、400㏄ですら使いこなせていないという自覚があったので、大型への憧れが全くなかった。
車検も面倒だし、乗るならニーハンだなと最初から決めていたんだ。

近年の単気筒、二気筒のニーハンは音がちょっと・・・
あんまり古いヤツだとスズキやヤマハは故障が多そうなので一番壊れ無さそうなのはホンダだな!
大排気量ならカワサキがいいけど、ニーハンのネイキッドならバリオスよりはホーネットの方が好きだったので、自動的に骨子ちゃんになりました。

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この美し過ぎる世界。

これらを見る為だけに愛機を走らせる。
こんな単純な事だが、これ以上の事はないような気がする。
いつもその為だけに走ってきたんだから。


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altもうちょっと寒くなったらもう遠乗りは厳しくなるな~
Posted at 2024/11/16 04:03:07 | コメント(1) | トラックバック(0) | RIDE! | クルマ
2024年11月03日 イイね!

エンジンが掛からない原因

エンジンが掛からない原因夏頃からずっと不動の11アルトワークス。

オーナーが仕事から帰ってきて、家の前でアイドリングで停めて荷物を降ろしたりしている内に気が付いたらエンストしていたという症状で、セルを回しても一向にエンジンが掛からないという所から始まった。

取り敢えず家の前だったので、セルクランキングで駐車スペースまで動かすように電話で指示。
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ダイアグには#42クランク角センサーの履歴。
これが表示されるときはだいたいデスビのピックアップコイルのトラブルなのだが、デスビは割と最近リビルトに交換したばかり。



一応確認してみるがデスビは白と判った。



うーむ・・・、キーオンでの燃料ポンプの音は聞こえてるし、やはり点火系だとは思うのだが、どうにも決め手がない。
まずはクランク角センサーのエラーコードが出る、というところから疑っていかなければいけないのだが、当のピックアップコイルではない。
点火信号が出せないという事でもあるので、タイベル切れなどのカム/クランクの同期不良の可能性もある。
タイベルカバーの上の方のボルトだけ取ってカバーをちょっとだけずらして覗き込む。

ベルトは切れている様子はなく、指で押した感じ張りも問題が無いと思われた。


点火系の配線をイチから全部追っていく事にした。

スパークプラグにプラグコードにデストリビューター、イグニッションコイル。
イグニッションコイルに一時電流は来ているので点火信号に基づくアースのスイッチングが成されていない。
要するにECUに点火信号が来ていないので、スパークの許可が下りないのである。


調べてみたが、ECUのピン配列図が拾えなかったので弁当箱内部の表記を元にクランク角センサーの入出力を確認する。
16ピンの右から3列目。
「N+/N-」がクランク角センサー。

ここは12ボルト制御ではないうえ、オシロスコープなども無いので、詳しいチェックが出来ず。
テスターで測っても微弱電流がチロチロ動いてるだけで何だか判りません。
ECUの電源線の入力や、センサー電源の入力も問題なく入っている。

ECU~デスビ間の導通チェックをしてみたがショートや断線はナシ。




判らん・・・詰んだか。




イグニッションコイルやプラグコードを新調してみますが、やはり関係ない。


ECUの異常かも知れないと、自動車用ECUの専門業者にECUを送ってチェックしてもらったが、プリント基板上の見えてる所には特に問題はないとの事でしたが、ICの内部に関してはブラックボックスなので判らないとの事でした。
それを言われちゃうと、折角金払ってチェックに出しても疑惑が晴れないんですけど・・・。


電装のチェックと言ったって、この頃のシンプルな構造の自動車なんて高が知れてるので、大して見る所が無い。
単純が故に判らなくなってしまった。
こういった始動トラブルは対極的にみると大体「燃料」か「点火」かどちらかの話になる。

こういった昔のクルマなら点火系と言えばスパークプラグやコード、イグミッションコイルやデストリビューター(デスビ車でなければイグナイターなど)が殆どだが、そのいずれかでなければ、ECU自体の破損も視野に入れなければならない。

最近のクルマでは殆どがダイレクトイグニッションと言って、イグニッションコイルとイグナイターが一体になっていて気筒ごとに個別に点火している仕組みになっているが、気筒別に点火しているので、壊れると言ってもひとつづつ死ぬので、エンジンが掛からないという事は殆ど無い。
あとは点火タイミングを取るためのカムやクランク角センサー、吸気側のエアフロメーターなどがあるが、これらの良否はダイアグで検知できるので判りやすい筈だ。

これら点火系でないならもう燃料系と割り切れる筈だが、燃料系は特に単純で、ECUがフューエルポンプリレーをONにすれば、ポンプモーターが回る仕組みだが、最近のクルマではECUやフューエルポンプコントローラーのようなユニットがコマメにポンプのON/OFFや強弱をコントロールしたりしている。

キーオン直後とクランキング時にポンプ直前まで通電していれば、システムに特に問題はなく、あとはポンプの良否だけである。


自分のGC8のように、キーオン時にポンプの音がするのに、セルクランキング時に通電していないというグレーなケースも稀にあるので、出来ればきちんと燃圧が掛かっているか見たい所だが、一般的には簡単ではないので、取り敢えずは通電状況と音で判断するだけでも大体の事は判る。


ポンプもポンプコネクターも外なのでタンクを降ろして、直接確認。
ついでにポンプも交換しちゃいます。

元々、レガシー用の165ℓ/hという大きめのポンプが入っているので、大きな吐出音はキーオンで聞こえては来るのだが、もう10年近く使ってますし、燃圧が足りていないのかも知れない。

燃圧とやかくを調べるよりも交換した方が早い。



まだ数百キロしか使われていないヴィッツ1300のポンプ。
軽ターボには充分でしょう。


色々組み換えて、ヴィッツポンプ装着。
端子を留めているスタッドが折れてしまったので、仕方ないので半田で留めました。


これでポンプとタンクを戻し、エンジンスタート!
・・・しませんw

まぁ、望みは薄かったのでそれほど期待してませんでした。
取り敢えず燃ポンは違うという事が判った。
こういう事ってね、違うとは思ってもエビデンスが無いと結局ずっと引っかかって残るので、直接確認して潰していくしかないんだよね。


エンジンルームの役物は全て正常。
燃料系も正常。
あとはECU本体か、エンジン本体の機械的なトラブルしかない。

余計な雑念が無くなっていくと急に視界が開けてきたりする。


今回、だいぶバッテリーも弱ってきてるので、GC8とジャンプコードで電源供給をしながら、セルモーターを回した。
これまで各部の負担を考えて、初爆がないと判断できる時点で一瞬でキーをオフにしてきていた。
しつこく回すことはセルモーターにもバッテリーにも大きなダメージを与える。

だが、今回はコードで繋いで少し長めにクランキングしてみた。
一向に掛かる気配はないのだが、少しおかしい。

やけにクランキングが速いのである。
速いと言うか、軽すぎると言うか、セルモーターが突出せずに空打ちしてるのか?
とも思ったが、ギヤを入れてクランキングするとクルマは動こうとするので、フライホイールとはしっかり噛んでいるようだ。

なんか圧縮がしっかり掛かっていないような軽さ。
シュシュシュシュシュ!と抵抗なく回る感じである。


何で気付かなかったんだ?


カムとクランクシャフトが正確に同期していないような圧縮の無い軽さである。
タイベル切れだとバルブは全く開かなくなるので、クランキング時の圧縮感はしっかり感じられる。(ベルトは切れていないが)
ピストンに穴が空いたり、バルブが折れるなどで圧縮が掛からないとなっても、全気筒でならない限り、ここまで軽くはならない。

そうなると、ベルトのコマ飛びや、スプロケのキー折損などによるのバルタイの狂いが怪しい。


もうその辺しか考えられない。



ベルトカバーの隙間からちょっと覗いただけでは判らなかったが、何かそういうトラブルが起こっているとしか考えられない。

何でもっと早く気付かなかったんだろう。


ただまあ、タイミングベルト交換の要領になるので確認はちょっと面倒だが、もうエンジンでなかったら丸ごと捨てるような局面なので、最後まで見ておこう。

狭いうえになかなか緩まないクランクプーリーのボルト。
チェーンレンチでガッチリ固定し、メガネを掛けて単管パイプ延長で本気で回して漸く撃破。


あ~・・・なんじゃこりゃ。

・・・ベルトのコマがだいぶ無くなっている?


一つ二つコブが飛んだってバルタイが狂う事はなかなか無いだろと思ったが、10個くらい飛んでる所がある。
これじゃあ、クランクスプロケの所で滑っちゃうか。



それにしても酷い・・・劣化・・なのか?



正直、普通車と違って軽のタイミングベルトが10年10万キロ持つとは思っていない。
でも、半分じゃ早いかな?という程度の認識。
このクルマもエンジンを何度か作り直して、その度にタイミングベルトを交換している。

だが、今のエンジンを組んだのは調べてみるともう既に6年前だったか、
使った距離も5万キロくらいではないだろうか。
そろそろかな~と思ってもいい頃だけど、切れたりコマが取れたり損傷に至るという認識はなかったな・・。
最近のタイミングベルトは本当に丈夫で、10年くらい使ったって切れたりひび割れたりなんて事は殆ど見た事が無い。

だから、少し油断していたな・・・当時軽自動車最強エンジンと言われたスズキのF6Aターボ。
そのパフォーマンスの前には、タイミングベルトへの尋常ならざる過酷な影響があるのかも知れない。

あとは近年の夏の非常識な猛暑の影響もあるのかも知れない。
せいぜい車検2回にタイベル交換1回、もしくは4年に1回程度の頻度でメンテナンスを実施した方が良いのかも知れない。

幸いF6Aは、ピストンとバルブが衝突しない構造なので、ベルトの交換だけで復活できる。


夏以降忙しくてコマメに見に来られなかったせいもあるが、原因追及に時間が掛かってしまった。
結局のところGC8の時よろしく、
直感的に最初に疑った箇所のトラブル・・・タイミングベルト周りのトラブルであった。

しかも負荷運転中の破損などではなく、アイドリングでの停車中に症状が出たという所・・突然死といったら電装系だろうという思い込みが、判断を鈍らせた要因のひとつである。

色々と手を掛けてきたクルマであった為、このまま捨てるような事にならなくて良かったなと胸を撫でおろした反面、つくづくトラブルシュートのセンスというか、単純にクルマの知識に乏しいなぁ・・・と肩を落とすような案件であった。

altベルトは手配中、近日中に復活予定

Posted at 2024/11/10 22:18:31 | コメント(0) | トラックバック(0) | 人のクルマも直します | クルマ
2024年10月27日 イイね!

34GT-Rのハブベアリング

34GT-RのハブベアリングHIKO君のBNR34 スカイラインGT-R。
も、もう納車されてから15年も経つのか・・・。

早いものだね。
まあ、あのブログの頃のヲレもクネも全くクルマは変わってないせいで、ついこの間って感じがするけれど・・・
丁寧に面倒を見ていれば、15年でも20年でも全然乗れるって事ですね。

そんな虎の子のBNR34。
取引価格が不動産みたいな値段になっているので、もう見えるような所に駐車できませんね。
HIKO君のようにしっかり鍵付きのシャッターガレージに仕舞えないなら所有すること自体が難しいでしょうね。


最近タービンを新調し、エンジンマウントやミッションのマウントを交換したらしいんだけど、駆動系の唸り音のような異音が気になるらしい。

ヲレも助手席で音を聞いてみたけれど・・・
言われてみれば聞こえるっちゃあ聞こえるけれど、強化マウント入れたらこんなもんじゃねえか?って感じでもあるし、気にし過ぎな感じもしないでもない。
ヲレのGCの方がよっぽど唸る音は室内に入ってくるので、そもそもの話ではあるけれど・・・。
ギヤの歯当たりのような感じだけど、ハブベアリングがダメでもこんな音するかな?とも言える。

まぁ、ハブだとか、これまでノーメンテできた部分も残ってるので、ハブやドライブシャフトのメンテナンスを今回してしまいたいという事で作業となりました。


前にやったじゃん。
って思ったんだけど、よくよく考えたらそれは32の頃のハブだったナ。。


リヤはパーキングブレーキがあるからナックルの取り外しがちょっと面倒。


リヤのドライブシャフトは15年間ノーメンテ。
ブーツもなかなか切れない所だからね、疎かになりがち。
ヲレのGCもリヤのドラシャはブーツが切れないから放っておいたんだけど、やっぱグリースは劣化して流動性を失くすからなのかな、有る時酷い異音がするようになって交換するしかなくなった。

やっぱ10年に一回はブーツとグリースを取り替えた方が良いね。


外したナックルアームを持ち帰り、ベアリングの交換。


リヤハブはボールベアリングなので、ベアリングASSYがナックルアームにボルトで固定されています。


外れてきたリヤハブ。
ハブフランジは再使用なので、プレスで取り外して新しいベアリングに圧入します。


フロントはナックルに直接ベアリングが圧入なので、全部プレスでの作業となります。



色んな治具を駆使してハブフランジを打ち抜き、ハブベアリングを打ち抜き、新しいベアリングを圧入し、フランジを圧入します。
34Rクラスのハブだと、12トンのプレスで押してもなかなか動き出さず、プレスのシリンダーがぶっ壊れるんじゃないかってくらい押します。
ヤバそうなときはトーチで炙ったりして、ようやくベアリングが抜けてきます。



無事に4か所ベアリングを交換する事が出来ました。



ただ、リヤドライブシャフトのインナー側のブーツやらフロントナックルのオイルシールやらが欠品で揃わなかったので、この日は組める所まで。




廃盤で新品は出ないが、超音波洗浄と吐出量の確認を済ませたリビルト品(リビルトと言うのか判らんが)というインジェクターを準備してあるというので、交換する事に。


レールに繋がるホースも2本交換して始動チェック。
しっかり一発で始動し、完全暖機後もしっかり吹け上がる事を確認。

問題無しだね。



この日はこれで引き揚げ。
翌週末はお互いに都合がつかないので次の作業は2週間後。




ブーツが届いたのでドライブシャフトの作業。

シャフトをカップから分離して、古いブーツとグリースの交換をするだけですが、兎に角グリースでベトベトになるのでとても家の中では出来ませんね、表で段ボールや新聞紙を敷いての作業です。

古いグリースを極力取り除きながら、CVジョイントに異音の原因になるような焼けや傷などが無いか時間を掛けて確認します。
ずしりと重いR240デフ対応のドライブシャフト。
インプレッサのドライブシャフトなんかとは耐久性は桁違いと言った感じがします。

全く傷んだりしてる雰囲気はありませんね。
気にしているような異音とは全く無関係でしょう。


意外にも右の方がやや長いリヤドライブシャフト。
リヤデフの形状が関係しているのかな?


分割式など使わずにきちんと純正ブーツ(いや、アウターは社外品だったが)で交換したので、あと20年は切れないでしょうw



さて、フロントナックルのインナーシールも打ち込んだので、車体への組み付け。



ブレーキパイプ、ホースの取り回しが特殊なので、どうやって付いてたっけな?と考えながらの作業になりました。


リヤは殆ど組み終わっていて、ドラシャを取り付けるだけです。
各アーム類のボルトを1G組み付けをして、ハイキャスロッドの調整で左右のトーをしっかり揃えます。



各部の締め付けを再度確認したら、タイヤを付けて試運転。

HIKO君試乗後曰く、

根本的な唸り音のようなものは無くなってはいないんだけど、ずっとしていた音がひとつ無くなってタイヤがしっとり回転するような感じになったと。
あと、インジェクター交換の効果なのか、吹け上り方が全然違うとの事。
エンジンのピックアップが凄く良くなったのだという。

インジェクターなんて25年25万キロ交換してないだろうから、何発か出の悪いのがあってもおかしくないからね、漸く本来の調子を取り戻したのかも知れないね。


駆動系の唸り音がハブでもドラシャでもないなら、デフとかトランスミッションのギヤの歯当たりの音とか、単純にハイグリップタイヤの走行音だったりもするので、その辺を触った時に音が変わるかどうかを気にしてみる事だけど、正直異常というレベルのものではない(スポーツカーなんてこんなもんだろレベル)ので、デフやミッションのオイルをしっかり換えたりだけしていれば、不安がる必要はないのではないかな?

ノーメンテの懸念材料がまた幾つか減ったので、本人ももうそんなに気にならないみたい。

しかしまぁ、GT-Rぐらいのクルマとなると、25年経ったって、気になる部分(しかも壊れてもいない)がこの程度ってのが凄い。
GC8なんてどんだけ壊れたと思ってるんだよ。
エンジンだってデフだってハブだって何回取り替えたかもう判らない。

各コンポーネントのキャパシティーが一回りも二回りもデカい。
これなら600馬力とか800馬力とか出したって壊れないのが判ります。


スカイラインGT-R
何年経ってみても相変わらず凄いクルマだなと思います。
altあと5~6年でみんな30万キロとかになりそうだな・・・




Posted at 2024/11/09 01:59:54 | コメント(0) | トラックバック(0) | 人のクルマも直します | クルマ
2024年10月20日 イイね!

ダイアグコード正常

ダイアグコード正常GC8が走行中にエンストし、走行不能になった。
整備手帳でも上げたが、その一部始終をブログにも纏めておこうと思う。

土曜日の夕方、長男が習っているバスケの練習会があるのでクルマで送ってきたのだが、その帰り道にGC8はエンストし、始動できなくなった。
午後七時前、雨の降りしきる暗い夜道であった。



旧いクルマに乗っている人間が常に気にして恐れている事がある。
こういう出先での突如の不動トラブルである。
やはりいつも気にしているのだ、走行中に急にエンジンが止まってしまうかも知れない、急に電源を喪失して何も出来なくなってしまうかも知れない。
いつでもキーを捻れば好きな所へ走っていく事が出来、照る日も雨の日も快適に目的地へ連れて行ってくれる愛車が、突然ただのお荷物になる。
万が一直らなければ只の鉄くずになってしまうのである。


そんな不安を払拭すべく日々状態を把握し、人一倍のメンテナンスを、予防整備を心がけてきた積りである。
だからこそ定期的に燃料ポンプや各種センサー等を交換し、状態によってはエンジンをオーバーホールしたり、常識の範囲で出来る事はしてきている。

10年目、15年目くらいはそれでいい。
しかし、20年、25年目となるとそれだけでは駄目だ。
定期的に駄目になる消耗品の交換だけではどうにもならない予想も出来ないトラブルが顔をのぞかせ始める。
トラブルシュートの難易度が一気に上がってくるのである。


ヲレのGC8は1998年生まれのE型である。
初年度からもう26年目となるので殆どクラシックカーの領域である。
だが、出先で動けなくなるようなトラブルはクラッチレリーズベアリング破損という非常識な機械的トラブルの時のみで、これはもう事故みたいなもんだけど、原因不明の立ち往生というのはこれまで一度も無かった。

多少のエンジン不調という事はあっても、原因不明でエンジンが掛からない!走れない!という状況はヲレの21年の所有の中ではまだ経験していない。
経験したくないからこそ、相当先回りをしてメンテナンスをしてきた訳で、遂にその準備と心掛けを追い抜かれてしまった訳である。


走行中突然エンジンが失火したのが判った。
アクセルを踏んでも加速をしていかない瞬間に、もうそのまま走行が出来ないという事が判る。
ギヤを繋いだままだとどんどん減速してしまうので、クラッチを切って冷静にニュートラルに入れるが無情にもエンジンは停止し、メーター上の各種チェックランプが点灯する。
幸いクルマ通りの殆どない裏山の路地裏で、惰性の空走のままたまたま空き地に逃げ込むことが出来た。

エンジンが停止した車内では時代遅れながら、iPodとの接続で慣らしているカーオーディオがCHAGE&ASKAの名曲を鳴らしている。

ふん、こんな事は初めてだが、今のクルマ(まだ最近のクルマだと思っている)を舐めるなよ?ECU制御の自動車というものは、何がダメでもちゃんとログが残って読み出せるのだ。
そんな風に強がって、最近新設したダイアグ(自己診断装置)スイッチをONにして何が原因でエンストしたのか読み出す事にした。

メーター上のエンジンチェックランプが等間隔で明滅している。



という事は正常・・・つまりエラーコードが残っていないのである。
・・・どういう事だ???


エンジンの始動不良に関わる部品で、ダイアグノシスで読み出せないのはフューエルポンプくらいだという事は認識している。
あとはベルトのコマ飛びなどのタイミングずれなどの機械的なトラブルである。

エンジンの始動を試みると、一度はエンジンが掛かるが数秒でエンスト。
数回繰り返すと、始動もしなくなってしまった。
一見ガス欠のような症状である。
燃料はメーターで1/4程度、まだまだガス欠するような量ではない。
フューエルポンプだろうか・・・しかし昨年GDBのポンプ新品を奢ったばかりである。
キーオンでの数秒間の燃圧の充実音は問題なく聞こえている。
やはりポンプの不動は考えにくい。

エアフロメーターやクランク角センサーでも同様の始動不良が起きる。
この辺をストック品に替えてみて、点火系なのか燃料系なのかを確認する所からがスタートだろうと、真っ暗な車内でぼんやり考えている。

10分程度落ち着いてあれこれ思案してから再度クランキングを試みると、あっけなくエンジンは始動。
何となく、あと僅かな距離の家までは帰れるような気がしたので、一か八か走り出してみると、無事自分の駐車場までは帰ってくることが出来た。
そのままアイドリングで様子を見ていると、程なくしてエンスト。
何度クランキングしても、もうその日は始動することが出来なかった。

最後のチカラを振り絞って家までは帰してくれたのかよイプ太郎。。

しかしエンジンさえ掛かれば、回転などに澱みは無くきれいに吹け上がる所を見ると、タイベルのトラブルなどでもなさそうである。



再びダイアグを確認するものの、やはりエラーコードは示さず。
正常そのものだとECUは宣っている。


かなり深刻な事態に直面したのだな、とはっきり判った。



そもそもバスケに送った長男は、妻が迎えに行く予定だったので、GCが動かなくても大丈夫なのだが、直ちにトラブルシュートを開始したいという衝動に駆られていた。
既に頭の中に数多く並んでいるタスクをひとつでも減らしておきたい。


そこで、やや雨が小康状態になった夜半。
始動不良やエンジン不調のデパートであるエアフロメーターを取り敢えず交換してみた・・・が、特に変わらず。

エンジンは沈黙したままである。


こうなると各種センサー類を疑っていく事になるが、完全に始動不良に陥るセンサーは限られている。
カム・クランク角センサーとISCVくらいだろうか。

O2やノックセンサーなどの不良は、吹け上りの悪さや失火の原因にはなるが、エンジン自体は問題なく始動できる。
ISCVもアクセルを開けてクランキングすれば始動くらいはする。


翌朝から細かい所を見ていくしかないな・・・。


幸い雨はすっかり上がり、眩い日差しの中での点検となった。

本当はこの日は、同じような始動不良で止まってしまっているアルトワークスの点検に行く予定だったんですが、それどころではなくなってしまったな・・・。
まずはGC8を直さねばならない。


初めに点火のチェック。

最も判りやすいのは、プラグコードを一本引っこ抜いて適当なスパークプラグを取り付けし、エンジンに直接アースさせるやり方。
#1、#3なら手が届くので、クランキングしながら指先でビリビリを感じることが出来る。

クランキングすると、その時はたまたまエンジンが始動。
「痛てててて!」手に持った指先から反対側の手の指先までビリビリと電気が走る。

だが、程なくして点火は弱まり、エンジンは停止してしまった。
始動時の点火は行われているようだが、何らかの理由で点火が途切れてエンジンは止まってしまう。

うーむ・・・。


始動はするのだから燃料は来ている、点火もしている。
だが途中でエンストしてしまう。
このアナログチェックでは点火が先なのか燃料が先なのかを判定する事が出来なかった。
ECUの制御があるので、燃料が途絶すれば火も飛ばなくなるし、火が飛ばなければ、インジェクターは停止するようになっている。

無駄な点検だったな。



点火信号が不安定なら、同様の症状は出る可能性がある。
クランク角センサーとカム角センサーをストック品に取り替えてみる。
日本車だとあまりこれらが壊れたというのは聞いた事が無いのだが、症状だけ見ると筆頭に上がる部品である。
ワーゲンとかアウディとかの欧州車はしょっちゅう壊れて不動車になってしまっている。

しかし、やはりと言うか、どちらを換えてもエンジンは掛からず。



この辺が違うとなると、もう結構お手上げに近づいている。



エンジンアースが不良だとプラグに火が飛ばなかったりする。
まぁ、その理屈だとセルモーターも回らなかったりするのだけど、セルは回るが火までは飛ばない、みたいな面倒でグレーな事例もあるらしいので、一応ジャンプコードでバッテリーマイナスとシリンダーブロックを直接接続してみる。

が・・・特に変わらず。


バッテリーのマイナスを外してECUリセットを実行し、ついでに基板の目視チェックをしておくか。


明らかに駄目なECUは目視で判るほどの異常がある事が多い。

ECU自体がダメでもダイアグで確認することが出来ないし、電気系トラブルを消去法で潰して行った際の最後の砦となるECUだが、実際にECUが駄目という事例は実は少ない。
駄目なECUは基板上に焼けがあったり、電解コンデンサーが破裂して液漏れしていたり、ああ、やっぱりなという状態になっている場合が多いのだ。


弁当箱を開けてまじまじと確認してみるものの、綺麗なものである。
直感的にコイツではなさそうだなと思う。

うーむ・・・スイッチングを行っているICの内部までは判らないが、もしそうだとしたら取り替えてみないと判らないので、本日のこれ以上のECUの追求は無駄である。

他の可能性をもう少し追求してみなければ。


こういった点検には直感的なひらめきが大きなカギになってくる事が多いが、それらは隈なく点検して消去法で余計な分母を減らしていった先での事である。

「あとはココとココしかない。」
みたいな所まで追い込んでようやく、症状に見え隠れする特有の要因をどちらかに当て嵌めるのである。


ざっくりだが、ECUまで見てみた。
眼で見て判るような整備不良は今のところ見当たらない。
センサー類やエンジンに近い補機類は恐らく正常。
相変わらずダイアグには何も検出されない。
迷ったときは、基本に立ち還るという大原則を思い出す。

「機械は嘘をつかない」

結局これが全てなのである。
ダイアグで出ないのだから、エアフロやクランク角センサーではないのである。
まず、初見でどう思ったか。
「ガス欠っぽいな」と思った事を思い出す。
ダイアグで検出されないのはフューエルポンプなのである。


やはり一度見ておこう。
最近交換済みである事と、駆動音が聞こえるという時点で候補から除外してしまっていたが、状況証拠から検証すると燃料系しか考えられないのだ。
リヤシートを取ったりと確認が面倒くさい事もあるが、もうこの辺しか考えられない。

インジェクション車用の燃圧計を準備しておけば良かった。
フューエルポンプのON/OFF確認だけなら要らないが、ポンプは回るが燃圧が足りないなどのトラブルも考えられる。
そうなれば、フィルターの詰まりや燃圧レギュレター不良などの確認と、次の点検項目が見えてくるのである。


先ずは問題無さそうではあるが、大元から。
フューエルポンプリレーのチェック。
運転席足元から覗き込んで右上にあるグリーンのカプラーのリレーである。

手で触ってイグニッッションをON/OFFするとカチカチと作動音と振動が伝わってくる。
それに伴ってジーというポンプの作動音が後ろから聞こえてくる。
リレーは問題ない。



あとはそのままフューエルポンプまで問題なく電気が行ってるかどうかである。
リヤシートを取って、ポンプ直上のボディー側の蓋を開ける。

単純にこの状態でポンプの音を聞いてみる。

イグニッションオンでジーと言うか、ギューと言うか、ポンプの音と言うより燃料を高圧でホースに流す音が聞こえているという感じ。
ポンプそのものの音は、モスキート音に近いようなヒーンという高音域のか細い音で結構判りにくい。
イグニッッションオンで確認できるのは数秒で、一定の圧力が掛かると、一旦ポンプは止まってしまう仕組みのようである。
ここからセルモーターを回すと再びポンプへの出力が再開し、ポンプは回り続ける。

少し時間を置き、フューエルポンプのカプラーを外してキーオンにすると、「12.3V」動力ラインの出力が確認できた。
14V以上あるバッテリー電圧から比較すると少し低い値ではあるが、バッテリーからの距離を考えると仕方が無いのかも知れない。

少し乱暴だが、そのままポンプへカプラーを取り付けると、ギューンと配管に燃圧が充実する音が響き、数秒で音が停止した。
この状態でカプラーの電圧を測るともう出力は途切れている。
ここまでは正常だという事は判っている。

ポンプ直前のカプラーまでの電気が正常に来ている事が判った。


という事は、あとはポンプ本体しかないのか?
本体を取り出して、単体で動作チェックをしなければならないが・・・
カプラーを接続して今一度キーを捻ってみる。


「キュルル・・ブォン!!!」

暫く掛かる気配が無かったエンジンが、何事もなかったかのように始動した。
でも、たまたまかも知れない。
直ぐにまたエンストしてまた振出しに戻ってしまうのではないか。
でも、何となくそうではないような気がした。

カプラーの接触不良も視野に入れていたからだ。



見る限りでは、端子部の焼けや周辺が溶けたりというような事は無かったのだが、単なるカプラーの抜き差しで解消してしまう程度の接触不良が起きていたという事なのだろうか。

一度エンジンを止め、カプラの端子部をパーツクリーナーでしっかり洗浄したのち、クレ2-26(接点復活スプレー)を塗付。
これで再びキーを捻って再始動。
そのまま20分程アイドリングで放置してみたが、止まったりぐずついたりという事は一切なく、何事も無かったような運転状況となった。
試運転で路上へ出て、ブーストを掛けてしっかり加速したり、高G状態を作ってみたりしたが、何の不具合も見せる事は無く。
すっかり以前の元のGC8に戻ったという感じがする。

あれだけ始動が叶わず、立ち往生でどうにもならない状態だったのに、カプラの洗浄だけで直ってしまったようである。
まぁ、本当にこれでちゃんちゃんかどうかは怪しいので、リレーからポンプまでのハーネスの損傷の点検と極端な電圧降下がないかどうかは調べる必要があると思っている。
調べてみると、やはり貧弱な純正ハーネスを経由しての電圧降下を問題視するケースが多いらしく、バッ直リレーを用いたポンプ用の強化ハーネスというものが売られているくらいである。


原因が判って見れば、何だそんな事だったのかと簡単に考えてしまいそうになるが、場合によっては泥沼で何か月も不動になっていた可能性もある。

原因が判らなければ廃車になっていても全然おかしくない深刻な事案である。

先行投稿した整備手帳を見たクネから直ぐに入電があり、「自分のクルマだったらと戦慄した」と吐露していた。
「よく一日で原因が判ったね」と感心までされてしまった。

雪山などで遠征中に止まってしまえば、それだけでも恐ろしい事だが・・例えばそのまま長野スバルまでレッカーしてそのまま預けて、賢明なメカニックに当たればいいが、実際は3ヶ月も4か月も預けて、あれも換えてこれも換えてで30万円くらい掛かって、結局直りませんでしたも全然ありうる話だと思う。
・・・と、そう考えたらぞっとするという話をしていた。


まぁ、そう言う事もあると思う。

うちの近所の知り合いのおじさんが長いこと乗っていたワーゲンのパサートも最近廃車にしたらしく、やはりエンジンが掛からなくなってワーゲンの正規ディーラーで原因を追究してもらって色々やってもらったんだけど、結局直らなかったのに26万円だけ請求されて廃車にしたという話を聞いた。

ひとつづつ原因を潰していかないと判らないというのは判るけど、結果的にどれだけ掛かるかという金額や期間を提示していって、それでも直らない可能性があるけど、その上で修理を続けますか?という引き際の提案を段階的にしてあげるべきだとヲレは思うんだけど・・・
そういう事も無く、まだ判りませんまだ判りませんで3ヶ月くらい預けて、結局直りませんでしたけど、やった事の分だけは請求します。

という話だったようで、可哀想だなと思った。


でも・・殆どの車屋はそんなもんだと言う事をヲレは知っている。
昔は売る側、直す側に居た訳だから言える事だが、原因不明の不具合を直してくれと持ってこられたら、見ない訳にはいかないしとにかくやれることはやる。
それだって勿論タダでは出来ない訳で、

ただまぁ、古くて市場価値が無いようなクルマに何十万円も掛けて直すというのは無理があるので、大きく掛かりそうなら相談は持ちかけるべきだけどね。
15万円で買えるクルマに30万円掛けて直しますか?

ってね。



うちの子は幸い直ぐに原因が判ったけど、たまたまだったなという思いもあり未だに不動のままであった可能性も充分にあった。
ダイアグや予防整備に胡坐をかいているだけではトラブルを完封出来ない年代になって来ている。
もっと深い領域にまで意識を潜行させ、内側からのひらめきがもっとスムースになるようにしないと解決できない事案が増えていきそうである。
電気の流れなどは特に図面が無いと判りにくいので、整備解説書や電気配線図などは、やはりこの先持っていないと駄目だなと思うような事件でした。
(まだ持ってないのかよ)

みんなのマシンでこれまでにどうしても原因の判らない故障、これはマイッタというトラブルは何かありますか?


altさて、まだ直ってないクルマもある・・



Posted at 2024/10/28 01:30:55 | コメント(1) | トラックバック(0) | GC8メンテナンス | クルマ

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