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ここの所、『乙女はお姉さまに恋してる』に嵌まっている。
原作は周知の通り、18禁のPCゲーム『処女はお姉さまに恋してる』だが、私には18禁シーンは必要ないので、PS2版の「おとボク」を愉しんでいる。

「おとボク」に嵌まった理由は三つ。

一つは内容の良さである。
例えば「正しいからと云って正面から堂々と居られるかと云えば、そうでもないと思うのです」といった台詞など、自分が今直面して一番苦しんでいる問題についての解答であって、自分を苦しめている相手にこの主人公の爪の垢でも煎じて飲ませたいくらいに思う。

また一つは、言葉遣いの良さである。
設定がお嬢様学校なので丁寧な物言いとなっているのだが、それが大変心地良い。
言葉は時代と共に移り変わっていくものなので変化そのものを頭ごなしに否定するつもりはないが、言葉遣いはその人の品位、品格を現す。汚い言葉遣いが国中に蔓延しているのは日本人全体が品位を失いつつあるということであるし、若者向けのゲームでありながら美しい言葉遣いが使われているということは品位を保った言葉を遣うことも出来るということ。このような品格を保つ言葉遣いが現役であることが私には嬉しいのである。

もう一つは、この作品に登場する「エルダーシスター」の概念である。
全校生徒の推薦により選ばれた人がその年の「エルダーシスター」として全校生徒の憧憬の的となるというこの制度、全国の学校でも取り入れてみたらどうだろうか。
司馬遼太郎をして「近代日本の奇跡」と言わせた日本海軍の優れた人材は、海軍兵学校で育った。兵学校ではイギリスのカレッジに倣い、最上級生が最下級生の面倒を見る。必然的に最上級生は下級生の手本であろうと努力する。それが自らを律し、育てる上で最も役に立った。
「エルダー」制度は、これに近い効果を生むのではないだろうか。選出されたものは理想の生徒像から逸脱しないよう、自らを律する。選出したものは「エルダー」への期待から、自らの理想がどのようなものかを自覚する。双方共に、自分を磨くという点で効果が高いだろうと思う。

少し話が外れるが、日本の皇室制度はこれに近いものだと思う。法的な権利や自由とは別に、日本人としてあるべき姿の「象徴」として皇室御一家に存在して頂くことは、国際的な日本の品格を非常に高めているとともに、日本人自身に自らのあるべき姿を自問する機会を与えている。

最近はマナーやモラルが低下し、治安が悪化してきている。皇室への崇敬の念が薄れてきていることと無関係ではないと、私は考えている。
だからといって皇室崇拝を強制すべきだなどとは思わない。それこそ陛下が最も忌み嫌うことである。ただ、皇室や自国の歴史を無闇に貶すような現在の教育や報道のあり方はどうかと懸念しているのである。

最近のドラマなど、低俗過ぎて見る気にもなれない。僅かにアニメやゲームといった二次元の世界に、こうした美しい姿が残されている。
昨今のアニメブーム、「萌え」の拡がりの背景には、こうした日本人の「あるべき姿」が描かれていることが大きいのではないか、と想像している。

Yショップ ニシヘ行って、「おねがい☆ツインズ」の美術CD-ROM集を買ってきた。
一昨日結構雪が降ったので圧雪路のドリフトを楽しみに(笑)出たのだが、昨日の好天ですっかり雪は融けており、木崎湖畔の木陰の一部が圧雪になっていただけだった。

さて画集の方は、期待通りの内容だった。ただ驚いたのは、アニメの背景画とはこんなに手をかけるものなのか、ということ。例えばほんの数秒しか使われない玄関先の足元のアップのような場面にも、そのまま額に入れて飾れそうなくらい質の高い背景画が描かれている。
「おねがい」シリーズは最初の「おねティ」から既に7年が経過しようとしているが、（自分も含めて）未だに「聖地巡礼」する人が絶えない。その理由はこの素晴らしくリアルな背景画にあるのではないだろうか。

「おねがい」シリーズの背景画を制作したのは、草薙というアニメ美術専門家集団。自分が見たことのある作品に限ると「READ OR DIE」「アップルシード」がある。その他有名な所では「鋼の錬金術師」「ファイナルファンタジーVII～XII」なども手がけている。そう知って、質の高さになるほどと納得が行った。

私の「おねツイ」聖地巡礼の旅は、どうやらこれから始まりそうである。