クラゴン親方のブログ一覧

モーターをジャーナルする人でもないのに、つい余計なことを書いてしまっていけませんな。

しかし事実として、変態的なクルマ好きの信頼に足る人がどのくらいいるか、そこは真剣に考えないといかんでしょう。でないと、正しく間違ったじゃなくて、ただ間違ったマヌケなクルマ選びになってしまうので。

では本業の模様です。

クラゴン部屋の年内ラストサーキット、鈴鹿稽古をやってきました。

鈴鹿はいいねえ。

ニュルブルクリンクが超絶難攻不落サーキットというのはみなさんご存じの通りですが、鈴鹿は鈴鹿で難攻不落です。難しさの質が違うといいますかね。

ニュルは常識外れで難しくて、鈴鹿は常識内だけどレベルが高すぎて難しいといいますかね。ニュルと比べてカンタンだとかは、一切思わないです。

鈴鹿とＳＵＧＯで開催できるというだけで、ドライビングスクールとしてはひとつのアレですよ。クラゴン部屋はドラテク鍛錬場ですが。

ではＮＢロードスターの親方模範走行をだうぞ。



１３０Ｒはあんまり模範ではないなきゃっほう。

全開で行けるかと思ったてゆーか速度的には全開で行ける予定だったんですが、コーナーに入ってからの挙動がマツダプレイでした。でもコントロールできるのがロードスターの良さですかのう。

この映像はけっこう速度が遅いので、そのぶんゆっくりです。参考にはしやすいと思います。１３０Ｒ以外は（笑）。



Ｓ２０００、ロードスター、インテグラタイプＳ、マーチ１２ＳＲと、いろんなクルマに乗らせていただきました。

クラゴン部屋はまさに、弟子のみなさんそれぞれの正しく間違ったクルマ選びが見られて楽しいですよ。

正しく間違った話をちょっと掘り下げましょうか。

オレ自身もひとりのクルマ好きとして言いたいのは、「もっと間違ったクルマが欲しい！」ということですかのう。

燃費、安全性、環境対応、もちろん大切です。じゃあロータスエリーゼはどうなんだ、ケーターハムはどうなんだ、となるわけですよ。ケーターハムなんかドアついてないじゃん（笑）。極端だけど。

自動車メーカーは企業として人気がありますから、ちゃんと勉強していい大学に入って、どちらかといえば道を間違えないで来た賢い人が入るわけだべ。

だからこそ今の自動車は燃費、安全、環境などなどの問題をクリアしつつ、道具としての進化もしてきたわけですよ。何が違うって、昔よりも壊れなくなった。タカタのエアバッグ、フォルクスワーゲンの不正などまた別の問題もありますが、それはまた別の機会のアレで。

優秀で賢い、まともな人が、いい「自動車」を作るのは社会にとって間違いなくいいことです。なんだけど、そういう人に間違った「クルマ」を作れるかというと、なかなか難しいんじゃないですかね。

最近出るクルマを見ると、一生懸命間違えようとしているのは薄っすらとわかります。

でもまだぜんぜん間違ってない。

まともな人がちょっと冒険したくらいで、本当にアレな人からするとまだまだ普通もいいところです。

ＦＦの普通車を一般道ＯＫのレーシングカーにしたインテＲなんかは完全にアッチ側だし、「スポーツカーはエンジニアのパッションで造るもので、収益はあとで考える」マツダの貴島さんなんかもうイッてるよネ！

このあたり、今は技術者よりもマーケティング担当が強いとか経理担当が強いとか、いろんな事情も聞かないわけでもないですが、でもそれユーザーには関係ないしー。

「せっかく今の時代に出してくれたんだから」というのも、新車が出ると仕事がある人の話だよね。それこそユーザーは知らんがなです。

自動車メーカーのみなさんには、もっと安心して間違ってもらいたいな。性能や仕上がりという意味では文句をつけるクルマはむしろ少ないので、もっと手前の段階の話です。正しく間違ったクルマ好きを甘く見てもらっては困る。

そろそろ買い換えるクルマを出してくれないと、また増車になってしまうじゃないですか（笑）。

ええもちろんガソリンスタンドでも撮ってますが（笑）。

みなさんお好きなようで、電灯の下でマイカーを見てニヤニヤするクラブを結成できそうな勢いですのう。


前回クルマを媒介としてコミュニケーションがいいカンジになると書いた気がしますが、時に困ったことも起こります。

それはクルマ選びに干渉されるようになること。

アドバイスをくれる人も自分の経験からいいと思ったことを言ってくれるので、目的が合っていればいいんですよ。合ってさえいれば。

でもクルマ選びは人それぞれですから、合わないこともよくあります。

アレがいい、コレがいい、ＦＲじゃなきゃダメだ、ＭＴじゃなきゃダメだ、そんなクルマ買うとアレだと、そらもうめんどいことになるケースはあります。以前にも書いたような気がしますが。

パソコンに詳しい友人にパソコンの選び方を聞くようなもんですかね。保障もサポートもない自作パソコンになるパターンです(笑)。

で、詳しい人に押し切られて同じクルマを買うことになっちゃったり、自分は楽しく乗れればいいだけなのに、タイムが出る改造をすることになったりすると、付き合いのためにクルマが負担になってしまいます。同調圧力といってもいいでしょう。

そういうときに、「自分はコレでいいんですおかまいなく」と言えるのは、本当に好きなクルマを買うことですよ。

よくない選択だったとしても、自分で選んだことなら納得できます。

それに人のアドバイスをそのまま聞いたら、正しく間違ったクルマ選びにはならないか(笑)。間違えるのって意外と難しいんですよ。

間違えるという意味では、マイカーの中ではロードスターがブッチですかのう。

そもそもオープンカーにはぜんぜん興味なかったし。パワーはない、タイムは出ない、ボディの剛性は低い、およそレーシングドライバーが好むクルマではないわけですよ。スペックでいえば。

ではなぜロードスターを買ったかというと、クラゴン部屋のブレーンとしてお世話になっている某所長と、ベストモータリングでおなじみの大井さんが乗ってらっしゃったからです。

このふたりがマイカーにしてるなら、何かあるに違いない！！

もう１０年前ですが、当時はじめたばかりのクラゴン部屋がなぜか軌道に乗ってしまいまして、予想外の収入（笑）があったりもしまして。

弟子のみなさんからいただいたお金ですから、クルマとドライビングの研究に使うのが面白いでしょう。ということで見つけたのが、ほどよい事故車（笑）で３８万円だったこのロードスターです。



それまでレーシングドライバー基準でクルマを判断していたのが、クルマとしての良し悪しとか、楽しさとか、レーシングカーとも自動車とも違う、「クルマ」の本質を理解するのに非常に役に立ちました。

なんかうまく表現できないな。もっとこうヒャッハーなカンジなんですが。文章にするとこうなってしまう。クルマ好きならみなさんなんとなくわかるでしょう（笑）。


そんでもってここからが本題なんですが、たまにある話で「クルマは人間の能力拡大器」だというヤツがあるじゃないですか。

人類最速の陸上選手でも時速４５ｋｍくらいだそうです。クルマに乗れば誰でも簡単に出すことができます。この能力アップに価値があるということですかね。

コレと同じように、そのクルマを持つことで、生来の自分になかった部分が出るクルマは、非常に大きな価値があると思うんですよ。

オレにとってはロードスターがそうだし、カッコいいなと思って買ったらサーキットにハマった話もそう。そのクルマの乗っていなかったら会わなかった人もけっこういたりするかもしれません。

クルマが媒介になることでコミュニケーション能力が拡大するとでもいいますかね。

どんなクルマでも、どんな方面の能力でもいいと思うんですが、自分の予想と違うことが起こるようなクルマに出会えると、人生がもっと楽しくなる…はず！！

クルマは評価するとキリがないからなかなか難しいアレですな。


大切なのは、本当に欲しいクルマを買うこと。


そのまんま（笑）。

そのまんまではありますが、本当に欲しいクルマを選ぶのはなかなか難しいと思います。予算や家族構成など絶対に動かせない条件はあるとしても、それ以外にデザイン、走り、パワー、燃費、減税までいろんな条件に振り回されることもあるでしょう。

あとは人に自慢したいとかね（笑）。

いや、それも悪いことではないですよ。クルマ遊びのひとつで、人それぞれです。自分にとってお金を出すだけの価値があるなら。

よくないのは自分にとって何が最優先か間違えてしまうことです。

ブログに書いたりすれば、イイねとかコメントとかもらえたりするじゃないですか。本来は楽しくサーキットを走るのが一番好きな人が、そういう「見栄えのいいクルマ」を買って、最初はいいんだけどだんだん楽しくなくなってしまうとか、そういう話はけっこうあります。チューニングも同じだけど。

オレの場合はドライビング鍛錬をしたいので、鍛錬になるクルマ。

そして走る前提だから、走りの維持費がそこそこでおさまるのも大切です。タイヤ、ブレーキといった消耗品もそうだし、改造しなくてもちゃんと走るクルマというのも条件のひとつです。

買うときはけっこう選び抜くので、クルマが増える一方です（笑）。



でも例えばＲＸ－８なんかは、スタイリングで買ってから「なんだＲＸ－８ってサーキット走れるんだ」と知って、正しく間違った道に入る人は多いらしいですよ（笑）。

好きで選んだら別の方向で楽しくなる展開です。こういう予想外の展開も楽しいと思います。

４人乗れるし、シャシーの性能は高いし、エンジンはほどほど（笑）だし、純正アシでもサーキットＯＫだし、ＲＸ－８はいいクルマですよ。


まあそういう細かい話は置いておいて、自分の中でひとつの基準はコレです。



夜、電灯の下に置いて、ニヤッとできるか。

なぜかというと完全になんとなくなんですが、マイカーだなと思うのはこういうときですかのう。