M型ライカの偉大なる歴史の中で、唯一と言ってよい、ずっこけちゃったモデル…
M5…
TTL露出計を内蔵すると言う画期的なメカニズムを盛り込んだのと引き換えに、大型化して、往年のM型ライカのスタイルに決別した…
我が国では、木村伊兵衛先生を筆頭に「大ライカ万歳!」と褒めそやしたのだけれど…
ユーザーの皆さんは受け入れてくれなかった…
社運を傾けてM5を世に問うたら、会社そのものまで傾いてしまったライツ社は、何と、M5をさっさと引っ込め、M4までの伝統的なスタイルに先祖返りさせて…
M6、M7、デジタル化したM8、M9、そして現行モデルであるM10と、現在まで変わらぬスタイルを受け継いでる…
ナローから930(ビッグバンパー)へと長年にわたって頑なに変わらぬスタイルを守り通してきた911も、周囲のクルマが進歩していく中で、さすがに古さが目立ち…
バイザッハの工学博士達は、とんでもない911のプロトタイプを作ってみせたと…
当初の予想を上回る人気に、次の911はこれでいこうと考えるのは、当然と言っちゃ当然なわけで…
実際にそのように考えていたようで…
う~ん…
おお、これはひょっとして日の目を見る寸前までいっていたのかも…
ところが、実際に出てきたのは…
普通の人が見たら、これにはずっこけちゃいますよ(笑)
いったい、これのどこが新型なのかよと…
コストをかけられなかったとか、ユーザーのことを考えるとデザイン上の冒険ができなかったとか、諸説あるようですが、「85%のパーツを一新した」なんて、あえて言わなければならないほど、キャリーオーバー感満載のスタイル…
ところが、結果として、ポルシェ社の選択は正しかったようで、古いスタイルを踏襲した964がかなり売れた一方で、より斬新なスタイルだった928や944、あるいは968は思ったほど受け入れられず、歴史の表舞台から退場することに…
暫くのタイムラグがあって、こうなったわけですが…
最後は結構冒険したように見えるけれど、歩みはゆっくり、三歩進んで二歩下がるみたいな感じですね。
よく見りゃ、993のスタイルなんて、964が出る前からとっくに完成していたのですね。
もし964ではなくて965が世に出ていたら、どうなっていたのだろう…
実際にどうなるかは分からないから、直ちに比べることはできないのだけれど…
もし、965が不人気だったら、ライカみたいに簡単に930に戻すことができるわけもなく、会社が存続できたかどうか…
「ああ、やめておいて良かったぁ」と思うから、あまり表舞台に出てこないのですかねぇ…
雑誌で964特集は数多あれど、不思議なくらい紹介されない…
分かっていても口に出さない、公然の秘密と言うか、タブーと言うか…
んじゃあ、お前はどうなのよと…
やっぱり、これに乗っていることはないかなぁ…
だって、クーリングファンがないんだもん(笑)
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ポルシェ | クルマ
Posted at
2020/04/18 19:13:56