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2020年04月07日 イイね!

2020年式トヨタヤリス感想文

2020年式トヨタヤリス感想文●20年を経て名前が変わった
2020年2月。
トヨタから新型ヤリスが発売された。
欧州・日本を主戦場にBセグメントの基幹車種
として力を入れて開発されたオーラをひしひしと感じる。

1999年1月、トヨタはそれまでのスターレットに代わる
新世代コンパクトとしてヴィッツ(輸出名ヤリス)を発売。
全長3600mmの短い全長に2370mmのロングホイールベースに加え、
当時としては背が高い1500mmという全高のおかげで
広々としたキャビンが与えられた。
ルノートゥインゴをお手本にしたと考えられる
センターメーターやRrはスライド機構、
ダブルフォールディング機構を備えた。



組み合わされるメカニズムも新世代のプラットフォームにより
アスファルトシートを廃して面剛性でNV向上を果たした
曲面フロアパネルやオールアルミ4気筒1.0L VVT-iエンジンに
電子制御4速AT、Rrイータビームサスペンションを採用するなど
80年代を引きずったスターレットと完全に決別した
2000年代のメカニズムをギリシャ人デザイナーの
キュートな意匠で包み、トヨタの明るいヒット作となった。
特に自動車用ボディカラーとしてキャディラック以来?
のピンクに挑戦した「ペールローズメタリックオパール」は
ピンクでありながら見る角度によっては青みがかって見えヒットした。
今でも中高年の女性が駆るピンクのヴィッツを見かける。
初代ヴィッツのキャッチコピーは「21世紀MyCar」。
欧州市場も見据えたパーソナルカーをトヨタが再定義したと言えるほど
偉大な車種だと考えており、現に私も中古車で初代ヴィッツを楽しんだ一人だ。
経済的なBセグでありながら装備は充実し見やすいセンターメーター、
ヒップポイントの高さで見晴らしの良い運転姿勢で運転が楽だったし、
Rrシートに人を乗せても収まるし、最低限のサイズだった荷室は
Rrシートスライドやダブルフィールディングで拡張できた。
まだまだ若手サラリーマンだった私は高速1000円を活用してヴィッツで
埼玉の祖父母を訪ねたり、仲間と仙台に牛タンを日帰りで食べに行ったり、
高速道路を一周して中国道で「わに定食」を食べに行ったり、
スノーボードに行ったり、
或いは郡上踊りに参加したりとアクティブに楽しませてもらった。
初代ヴィッツは私のとって大切な記憶の中にある
欧風パーソナルカーだった。



簡単に初代を振り返ったが、デビュー当初からヴィッツは
あくまでも小さいことを大切にして
前席優先のパーソナルユースを主体に考えており、
80年代的な2BOXエントリーカーブームが作った枠組みから、
日本市場の中心車種としてのBセグに進化する橋渡しをした
重要なモデルだと私は考える。


●新型ヤリス

2020年2月。従来のヴィッツからヤリスに名称が統一されて4代目となった。
この20年間で初代の革新度合いから徐々にトヨタのBセグに個性が薄れ、
大きな個性を持たないことが特徴になっていた。
すなわち、フィットやノートほど居住性を売りにしない。
デミオほどパーソナル感、高級感を追わない、
パッソほど女性・高齢者向けにぜず、
マーチ・ミラージュほど低価格にもしない。
営業車グレードから女性向け、シニア向け、
若者向けスポーツグレードまで幅広くラインナップして
お客さんを取りこぼさぬよう、面で戦う車になった。
同じ方向性にスイフトが居るが、あれもこれもと欲張る中で、
徐々にヴィッツのプレゼンスは低下し続け、
同じトヨタの中でも燃費に特化したアクアの後塵を拝していた。

そこに新世代のTNGAを取り入れた4代目ヤリスが登場した。
新しいP/Fはカウル部の溶接ガン逃げ穴の廃止や閉じ断面の活用、
シートのフロア直付けなど他のTNGAと共通する部分もあるが、
廉価であることが求めれられるBセグとして
Rrサスにトーションビーム式が採用された。
4WDにはダブルウィッシュボーンの準備があるので、
旧い話だが9代目カローラのP/Fを思い出させる。
3代目ヴィッツのP/Fは2代目の焼き直しだったので
久々に新世代のP/Fが与えられている。



3940mm×1695mm×1490mm、WB2550mmのサイズは
初代と較べると大きくなったが、
フェリー料金が割安な4m切りで5枠の車幅に収めている。
海外仕様では3ナンバーサイズになると言われており、
ヤリスはヤリスなりに日本市場にも配慮している。

搭載されるエンジンはシンプルに3種類。
先代から継続の1KR型3気筒1.0Lエンジンと
新開発のM15A型3気筒1.5Lエンジンのノーマル車と
HV車の2種類の味付けが存在する。
型式からも分かるようにRAV4やUXに搭載されるM20A型から
1気筒減らしたモジュラーエンジンであり、ボアストも共通である。
全グレード3気筒となった事でサイドメンバーの形状に自由度が生まれ、
先代のように小回り性能を悪化させずに大径タイヤを履いている。

中でも新開発1.5Lエンジンはノーマル車にバランスシャフトを採用。
当方がバランスシャフト付のシャレードやジャスティに試乗した経験上
ブルブル振動が酷い直3エンジンの処方箋として
バランスシャフトこそが必須だと感じていたのでようやく来たか!
と期待している。



ちなみにHVも同じくM15A型なのだが
バランスシャフトが省かれてパワーが若干落とされている。
モーターとの合わせ技で使用するE/Gは
ドライバビリティや気持ちよさよりも効率の良さが最大限求められる。
E/G単体で頑張るシーンは高速走行くらいであり
そうであれば出力は小さくても構わないと言うことだ。

対面したヤリスは旧型よりも車全体が凝縮されたようなイメージで、
ぼんやりとピントがズレてきたキャラクターに終止符を打ち、
最小単位のドライバーズカーにしっかり照準を合わせ直したらしい。



カタログの表紙を飾るヤリスはとれたてトマトの如く
元気一杯な赤と黒い屋根のツートン。
パラボラLEDヘッドライトにアルミホイールが備わっている。
顔つきは先代のイメージを継承し、
目を吊り上げ大きく口を開けた怒り顔ルックだ。

サイドはいたずらに立派に見せようとせず、ドアとクオータのレリーフで
ロングノーズ/ショートデッキ感を演出。
ロッカー部分が上級モデル並の樹脂モールになっている点に進化を感じる。
空力性能や飛び石による傷付き性に大して有効な装備なのでメリットがある、
Rrドアが小さめなのは日本カローラ同様に前席優先コンセプトだかだろう。
先代のヴィッツ時代からすでに前席優先のコンセプトであったが、
今回になりそれが加速した。

ハッチバック車の見せ場はバックドア回りであるが、
ヤリスは非常にうまく行っている。
クオーターに入り込んだRrコンビネーションランプに繋がるイメージで
バックドアに付いたライセンスガーニッシュ。
実はこのライセンスガーニッシュは光らないのだが、
Rrコンビランプとの面のつながりによりいかにも光りそうにしてある。
MAG-Xではバッチリ光るような予想イラストだったので
関係者は「ザマーミロ」とほくそ笑んでいたことだろう。
光りそうなくせに光らないことはダサいという人も居るかもしれない。
私は意匠の専門家ではないがライセンスガーニッシュの造形のお陰で
小ぶりなRrコンビランプがアンバランスにならず、
Rrビューに安定感を加えてヤリスならでは表情を与えられたのはお見事だ。

エクステリアの印象をまとめると、顔つき以外はヤリスらしいと
好意的に受け止めているが顔つきが好みとは違った。
怒り顔なのにとバンパー奥に見える銀のナットが悪い意味で目立つ。
まるで歯に青海苔が着いた人のように見えるし、
バンパーサイドの大きな土地は
フォグランプが付かないと全然引き締まらない。
マツダ2がフォグを廃止してので大慌てで
外したのかなと勘ぐってしまうほどだ。
初代ヴィッツのハムスターのような
可愛いらしいFrマスクの方が私の好みだ。

インテリアは新機構が盛り込まれるも全体的に質感が不足気味である。
マツダを大いに意識した感のあるステアリングの前には
X系グレードでアナログメーター(タコ付き)、
G+Z系では液晶メーターが備わる。
中央にはカローラでおなじみのディスプレイオーディオを配置し、
その下にレジスター、空調操作パネルが並ぶ。
他車で実施されているようなステッチや高触感素材を用いていないが、
決してチープではないがトレンドを牽引するほど前衛的でもないのは
個人的にはかつてのトヨタらしく好感を持った。



しかしながら、Frドアトリムの素材はいただけなかった。
基本的には硬質樹脂製だが、従来ならソフトパッドや
クロスが貼られているような部分に
不織布を接着した天井素材のような材質(例えると天井のような)
が使われているが接触後の表皮の耐毛羽立ち磨耗性や
ゲリラ豪雨時の乗降時に水濡れ性が心配になってしまう材料だった。
仮に上記性能が満足していても高級感は感じられないし、
普通の材料の方が良かった。

そんな中、好意的に感じたのもドアトリムだ。
トリムに配置されたインサイドハンドルの操作性とPWスイッチと
取っ手の位置関係が秀逸だ。
カローラスポーツやRAV4はスイッチの操作性が悪かったり、
ドアを閉める際の操作力が重いなどの使い勝手の悪さが気になっていたが、
ヤリスでは前後方向に短いドアが良かったのか上手に配置して
その性能も犠牲になっていない点に工夫を感じた。

シートは色々と新しい?技術が投入されている。
ヴィッツ以来のパッケージングが変わってヒップポイントを低くした
デメリットを補填する意味合いで「運転席イージーリターン機能」と
「ターンチルトシート」を一部グレードに設定した。

例えば、降車時にシートを後方にスライドして降りた後で
乗車する場合、シート位置の微調整を行わなくてはならないが、
イージーリターン機能の場合、
専用レバーを引けばシートが後方に大きくスライドする。
再乗車する場合は専用レバーを引けばもともとの前後位置に復帰する為、
シート調整の手間が省けると言うのがウリで、
LS500hのようにE/Gを切ると
パワーシートが乗降に適した位置に動いてくれる機能の
一部を手動化したような装備だ。
私も使用してみたが、自分自身に乗降時にシートを引く習慣がないので
あまりメリットは感じなかった。
妻と共用しているデミオの場合、慎重さゆえに私が
乗り込む前に毎回シートを後にずらすが、
イージーリーターン機構を使っても乗り込んだ後シートスライドで元に戻すと
妻用のシート位置になるために窮屈で結局再調整するだろうから
私には活躍の場がイメージしにくい。

その点、シートが回転しながらチルトしてくれる「ターンチルトシート」は
福祉車両でおなじみの機構を簡素化したものなので利便性は折り紙つきだ。
ただし、毎回自分でターンチルト可能位置まで
目印を見ながらスライド位置を合わせ、
レバー操作で回転させるとは到底思えない。
私はいつも和服を着るわけでもないし、タイトなスカートを履くこともないが、
女性が自分で運転する時に真価を発揮するかもしれない。
ちょっと気になるのはこの機能、運転席が8.8万円、助手席が9万円、
両方セットは17.6万円というびっくりオプション価格なのだ。
この高価格の秘密は恐らく一脚20kgという質量増加が大きく寄与している。
つまりシートの様に大変強度が必要な部品故に
可動部の強度・剛性が必要なのだろう。
そしてそれとは引き換えにハイトアジャスターも装備されなくなる。
一時のミニバンで指摘された「畳む為のシート」ではなく、
ヤリスのそれは「乗降する為のシート」になってしまっている。
少々技に溺れたのかなと言うのがシートに関する感想だ。



ヤリスのシートはシルエットが二種類あり、
最もベーシックなのがヘッドレスト一体のハイバックシートだ。
先代から設定があったが、デザインを一新しながらも継続されたのは
部品点数を減らしてコストを下げるだけでなく、
後述のグレードアップをさせるための落差の演出も兼ねている。
二つ目のシートはZに標準装備でGにオプション設定されるローバックシートだ。
ヘッドレスト分離式不思議と高級感がある。
このシートはGに5万円のセットオプションで選択可能となる。

前席優先のパッケージングだけあって運転席に座っている限り
至って普通のコンパクトカーの運転席だ。
低めに座らせるが決して尖った部分は無い。
初代ヴィッツのようにヒップポイントが高いとか
センターメーターというびっくりするような特徴は無い。
一方後席は、完全に意図的に無視された部分で明確に狭い。
延長されたホイールベースはドラポジ適正化
(低く座らせて手足を投げ出すこと)
に使われており後席は割り切られているのだが、
私が座ってみた感じでは決して適当に作られているわけではなく、
しっかり身体が収まるように作られている。
頭はしっかり納まるし、太ももを支えてくれるので姿勢も決まる。
ただし、チャイルドシートを取り付けた際にドアの開度や
開口のサイズが小さくチャイルドシートが通過できるギリギリだった。
後席の割り切り度はデミオ(マツダ2)でも
高いと感じていたが、ヤリスは最高レベルだ。
一応子供と出かけられるが、推奨はしない。
同じトヨタブランドでもパッソの方が乗せ降ろしは楽かもしれないし、
スイングドア系ではライズがさらに上を行く。
他の選択肢があるわけだからヤリスは明確に前席を優先したはずだ。
妻からは「狭い、これは狭すぎる」と言われたが、
狭いと評判のデミオ基準で考えても
あからさまに狭いのが後席の特徴と言えるだろう。

●各バリエーションに試乗


1.0L G
近距離メインの使い方に適した乗り味。
アクセルを踏むと走り出す、マジで。ちょっと 感動。
市街地の流れに乗るには少しアクセル開度が大きくならざるを得ないが、
E/G音が騒がしくなる他は市街地なら十分だろう。
従来からのヴィッツのキャラクターと変わらず。
軽自動車と較べて決定的な優位点が見つけにくい
近所へのお買い物ニーズではGの装備でも若干の過剰感があるが、
従来のヴィッツと共通のE/Gだからこそモデルチェンジ分の進化が
一番感じられるのが1.0Lかも知れない。

1.5L X
個人的に一番注目していたのは1.5Lエンジンだった。
BMWのように直列3気筒を採用し、
どんな乗り味なのか楽しみにしていた。
E/G始動ですぐ分かる雑味のある音に驚いた。
バランスシャフトが着いているのに明確なアイドル振動を感じる。
(N→Dで明らかに変わる)
走らせると、排気干渉がなく
低速トルクが豊かな3気筒E/Gの特性を活かし、
比較的ハイギアを選びたがる変速特性だ。
グイグイ脈動を感じさせながら加速する元気な性格は良い。
見やすいアナログメーターのタコメータが2000rpm以下を
指しながらも十分な加速が可能なのはE/Gがしっかりトルクを
出しているからなのだとすぐにわかった。
私が運転してきた従来のヴィッツでは感じなかった感覚だ。
友達の初代ヴィッツのRS(スーパーECT)はよく運転した。
専用マフラーによる太い排気音と力強い加速が楽しめたが、
これと較べると、荒々しいまでの力強さは美点だが、
E/Gから発せられるノイズは何でこんなにうるさいのか
信じられないほどうるさいし、
その脈動は実用車として不適当なほどだ。
バランスシャフトが着いているのに何だか洗練されておらず
今までヴィッツとは明らかに異質だった。
(不要?時に停止するバランスシャフトが関係しているのかもしれない)

安っぽいという表現とも合わなず「荒々しさ」という表現がぴったりくる。
TNGAの効果で軽さと乗り心地のよさを確かに味わえるが
E/G由来の荒々しい乗り味は洗練とは程遠いものであった。
ステアリングを伝わる振動は客観的にはフィットや
妻のデミオとも変わらないレベルなのかもしれないが
E/G音から来る悪い印象が全てのNV体験をスポイルしている。
新しい熱効率40%の凄いE/Gは相当無理をしているのかもしれない。

私は軽自動車を除いても
複数の直列3気筒E/Gを積んだ車両を運転してきたが、
これほどまでに荒々しい存在感を見せた車は初めてだ。
二代目シャレードやジャスティを引っ張り出すのは
時代が違いすぎるというなら、
現行マーチもミラージュもスイフトRSも、旧208もTクロスも
これほどまでネガティブな印象をもたらさなかったのだが。

従来のヴィッツに積まれた直列4気筒1.3Lは良くも悪くも普通のE/Gだった。
絶対的な加速やアクセルに対するツキはヤリスの方が優れているが、
全体的な静粛性はヴィッツの方に軍配を上げる人が現れてもおかしくは無い。
私は何回も先代の1.3Lのヴィッツを運転したが
こんなにうるさいと思ったことは無かった。

ヤリスは日本市場で純トヨタとしてのボトムエンドを担うわけだから
もう少し直4から乗り換えてもネガティブな感想を
抱かせない直3であって欲しかった。
現状は期待はずれ。今後の熟成に期待。

1.5L HV_X
新しいE/Gに新しいHVなのでもっとも先進的なドライブが楽しめそうな
ユニットがこの1.5HVである。E/Gは91ps、モーターは80PSを発揮。
システム最高出力は116psとなり、
従来の100psのヴィッツHVよりも優れた出力を誇る。
実際に運転してみると、近頃のトヨタ車同様に
モーターで走れる距離が明らかに伸びていて、
かつモーターだけで加速できる加速度も上がっているので、
市街地を大人しく試乗しただけだとモーターだけで走り続けられてしまう。
上り坂を登った際に中盤までモーターだけで登ろうとしたのには技術の進歩を感じた。



一方、E/Gがかかる際は比較的高回転でE/Gが回るので
振動よりも騒音が気になった。
E/G動力を使用するようなシーンでは
やはり普通のガソリン車で感じた騒がしさだけでなく、
E/G始動や停止時の振動を感じることもあった。
(特に始動停止の瞬間や停車中に発電の為にE/Gが回るシーンで顕著)
調べたところ、HV車用のE/Gはバランスシャフトを廃止しているそうで、
その理由は「バランスシャフトが必要になる領域は使わない」との事で
EV領域拡大の影で直列三気筒にとって大切な部品が省かれてしまった。
この不快感は最近ではセレナeパワーで感じたものに似ている。
EV走行の気持ちよさと3気筒エンジンの不快感の二面性がある

1.5L  Z(MT)
短時間だがMT車にも試乗することが出来た。
ヤリスのMTは純然たるMTであり、
カローラスポーツで味わったiMTでは無い。

最初に踏んだクラッチペダルの操作感にフリクション?を感じた。
RAV4やカローラほど重くないのだが、クラッチを切る操作に対して
スッとペダルが奥に入っていかない摩擦感が独特であった。
ペダル操作力自体は直前まで運転していたデミオの方が軽く感じた。
違和感が致命的では無いので、あくまでも指摘ではなく感想レベルだ。

シフト操作性位置、節度感もOKレベルだ。
カローラスポーツでは落胆したが、ヤリスは肘が引っかかるとか
位置が高すぎるなどと言うことは無くベテランドライバーや
MTを愛するドライバーにも受け入れられそうだ。
各段に入っているときの遊びもカローラスポーツよりマシに感じられた。
デミオのフィーリングは気に入っているが、これを基準にすると悪いが、
私のRAV4やカローラと較べれば多少マシでカローラスポーツよりはだいぶマシだ。



先代ヴィッツのGRに乗った際、その気にさせるシャシーに対して
E/Gが残念と厳しい評価を下したが、新型ヤリスはそこよりは一歩進化を感じた。
低速トルクが豊かなので速めに変速するズボラ運転も受け付けてくれる一方、
レッドゾーンまでドラマチックに回るかといわれると少々苦しそうに感じた。
E/Gの方向性としては4A-GEではなく5A-FEのような特性(NVは別)だ。
高回転域の感動はGRヤリスのターボエンジンが担うのだろう。

ヴィッツGRは足回りがガチガチだったが、
ヤリスZはあくまでも実用然とした味付けで普通なのが良い。
自分が昔乗っていた初代ヴィッツのUユーロスポーツを髣髴とさせる
柔らかめの足を持つドライバーズカーというキャラクターが与えられて好感を持った。
普通のMT車が減りつつある中でトヨタからも普通のMTを出し、
予算に応じて3グレードの中から選べることも好意的に受け止めている。
(仕様に関しては不満あり)

また、PKBが手動式故にACCが全車速では無い点に
否定的な論調があるがMTであればそもそも全車速では無いので
デメリットも一つ消すことができる。

CVT車の試乗で幻滅したE/G音自体は変化は無いが、
CVTでは不満だったブルブル感はMTであれば何とか許容できたし、
自分でギアを選択して操ることができるだけで★を1個サービスできる。

ただし、過去に試乗した先代のプジョー208の1.2LのMT車は
3気筒を感じさせない走りが出来ていたと記憶している。
それと較べてしまうとちょっと情けない。
あくまでもE/Gの改良が求められる。
これくらいのシャシーならカローラスポーツの
1.2T×6速MTの組合せでも快活に走れそうなのに設定が無いのが残念。


●ヤリスをお買い得に買うには忍耐力が必要
ヤリスのグレード構成は明快だ。
ベーシックなX、中間のG、最上級のZの3種類。
それぞれに1.5LガソリンとそのHVが選べる。
1.0LエンジンはXとGに設定があり、
特に法人需要を狙って
1.0LのみX_Bパッケージが用意される。

販売のメインとなる
FF_CVT車の税込価格をまとめた

1.0X_B_PKG:139.5万円
1.0X:145.5万円
1.0G:161.3万円

1.5X:159.8万円
1.5G:175.6万円
1.5Z:187.1万円
(6MT車は-5.5万円)

1.5X_HV:199.8万円
1.5G_HV:213.0万円
1.5Z_HV:229.5万円


エントリーグレードのX_B_PKGは
トヨタセーフティセンス(以下TSS)が
非装着であること以外はXと変わらない。
つまり価格差の6万円がTSS代金となる。
最廉価といえどもでも装飾的な装備は備わらないが、
ワイヤレスドアロック、マニュアルA/Cや
7インチディスプレイオーディオ、タコメーターや
コンライト、リアワイパー、自動格納電動ドアミラー、
ホイールキャップが備わる為内容的に
Bセグメントの実用車として困るほどの事は無い。
税抜価格126.8万円という絶対値は
初代ヴィッツの1.0Fの92.8万円や
併売中のヴィッツ1.0Fの122.7万円と比較すれば
自動車価格の上昇は否めないが、
3代目ヴィッツ1.0Fで4.4万円のOPT装備だった
サイドエアバッグとカーテンエアバッグが
ついに標準化されたことは評価できる。

TSS付きのXでは豊富なメーカーオプション設定があるが、
インテリジェントクリアランスソナー(ICS:2.9万円)や
ブラインドスポットモニター(BSM:10万円)などの安全装備の他
バックモニター(1.7万円)やスマートキー(3.5万円)の様な
機能装備に加えて既に上で触れた
ターンチルトシートのOPT設定(8.8万円/9万円/17.6万円)が加わる。

中級のGはデジタルメーター、スマートキー、
スーパーUVカットガラス、Rrスパッツ、
内装オーナメントのピアノブラック化、
ディスプレイオーディオの8インチ化、6スピーカー化に加え、
オートエアコン(HVはXもオート)などが
追加されて15.8万円の追加料金だ。

Gはメーカーオプションの品目にドレスアップ要素が加わり、
例えば15インチアルミホイール(5.9万円)、
3灯フルLEDヘッドライト(8.3万円)、
コンフォートシートセット(5.2万円)、
2トーンカラー(5.5万円/7.7万円)などだ。

1.5Lのみ設定の上級グレードZは
ホイールが15インチにサイズアップされ、
前後バンパーの素地色部分が黒艶塗装に変わる。
ベルトラインモールもサテンメッキとなり、
Rrスポイラーも専用の大型タイプとなるので
見た目でしっかり差別化されている。
時間調整式ワイパー、本革ステアリング+シフトノブ、
専用ローバックシート(イージーリターン付き)、
ソフトパッドのI/Pオーナメント、ナノイー等々の+α装備が加わり、
1.5Gに11.5万円の差額で手に入るのだが、
ヘッドライト以外の装備が3.2万円で得られるなら、
一定のお買い得感がある。

ZはGではオプション扱いのLEDヘッドライトや
ローバックシートが最初から備わる。
Zではさらに16インチアルミホイール(8.3万円)、
カラーヘッドアップディスプレイ(4.4万円)、
合成皮革シート(1.1万円)などの装備を追加することが出来る。
個人的にはせっかく最上級グレードなのだから
15インチアルミホイールくらいは最上級選択の
ご褒美として標準化して欲しかった。

E/Gによる装備差に着目すると、

1.0Lは市街地ユースに特化した性格ゆえ、
レーダークルコンが備わらず
レーントレーシングアシストではなく、
アラート(警報と逸脱抑制機能)になってしまうが
走りを考えると十分許容できる。

1.5HVはトヨタチームメイト(駐車支援装置)のOP設定(7.7万円)
がある他、オートエアコンが全車に標準装備される。

HVと言えども数あるE/Gラインナップのひとつという扱いであり、
カタログで訴求する装備の差も少なくなった。
(恐らく、EV走行があるため、NV対策はHVの方が良いはずだ)

ディーラーで試乗後、見積もりを取った。
ホワイトパールのガソリン車のZ(CVT)は
車両本体価格192万円、
メーカーオプションとして16インチアルミ、
カラーヘッドアップディスプレイ、
パノラミックビューモニター+BSM+RCTB+ICSを追加すると、
合計28.4万円になる。
そこにETC、ボディコート、フロアマットとTコネクトナビを追加すると
用品合計20.4万円となった。
メンテナンスパック(4.6万円)を含んだ諸費用は24.2万円。

支払い総額は265.6万円となった。
1.5L直3のハッチバックがこの価格なのは恐れ入った。

次に、ほとんど同内容のHV_Zで見積もりを取ったが、
こちらも290万を少し切る程度の総額となり、
これほどまで金額が跳ねてしまうのかと驚いた。

販売の中心的なグレードは中間のGだろう。
本体価格が175.6万円とZよりも11.5万円分身近になる。
MOPを選ばずに上記の用品と諸費用をそのまま足せば
175.6万円+44.6万円=220.2万円となり、
値引き+ぼろい下取りがあれば総額200万以下で買えそうな金額になる。

ただし、2020年の新型車としてみれば
ハロゲンヘッドライトやハイバックシートなど仕様的に寂しさが漂う。
確かにカーテンシールドエアバッグやディスプレイオーディオが標準化されたとは言え、
税込価格175.6万円というのは自分が所有するとしても気になる。

カタログ表紙や見開きでセンターを飾る赤いヤリスHV_Gは
素の状態で213.0万円であるが、
LEDヘッドライトと15インチアルミ、2トーンルーフ、
内装色トープ、コンフォートシート、
BSM+RCTB+ICSが着いているので32.3万円のOP料金が追加されて
車両価格245.3万円というとんでもない金額になる。



「見た目も内装も、機能も充実させたい、安全装備も忘れずにね!」
という風にあれもこれもとMOPを全て選んでしまうと大変な事になるのがヤリスだ。

下記の通りGのMOPを整理した。

 ■外装向上系
 15インチアルミ(5.9万円)
 2トーン(5.5万円/7.7万円)

 ■内装充実系
 コンフォートシートセット(5.2万円)
 ターンチルトシート(8.8万円/9万円/17.6万円)

 ■安全向上系
 LEDヘッドライト(8.3万円)
 ICS(2.9万円)
 BSM+RCTB+ICS(10万円)

 ■運転支援系
 バックモニター(1.7万円)
 パノラミックビューモニター(5.0万円)


賢くヤリスGを買うにはそれなりの判断力と忍耐力が求められる。
「基本何もいらないけどハイバックシートだけは嫌だ」
「安全装備だけは充実させたい。あとはどうでも良い」
「昼間しか乗らないからLEDヘッドライトは不要」
「TSSの標準装備分だけでも十分。」
などと抑制的に自分が最低限欲しい内容に留めておかないと
煩悩に支配された瞬間カタログ仕様の素晴らしいけど高いヤリスが待っている。

しかしメーカー側はそれを確実に期待しているだろう。
CMやポスター、カタログには特盛仕様をメインに打ち出しておいて
その仕様を買おうとすると
カタログに記載があるGの価格で買えないのである。。

例えば年老いた親にヤリスを薦めるとする。
高齢者だから安全向上系と運転支援系装備は外せないなら、
175.6万円+10万円+5.0万円=190.6万円となる。
ここでやめるのが正解で、コンフォートシートセット(5.2万円)や
LEDヘッドライト(8.3万円)を追加してしまう、
本体価格がみるみる上がってとお買い得度がどんどん下がる。
「少し予算を足せばZに手が届きますよ。
 実は残価設定ローンという新しい買い方がございます。
 上級グレードの方が残価的にも有利でして・・・」
と彼らの術中にまんまとハマってしまうのだ。



ヤリスは「あれは欲しいけど、それは要らない」
という顧客の選択肢をキチンと確保している点は素晴らしい。
ただ、オプションの選択肢がたくさん用意されているが、
その対価は決してお買い得ではない点に
彼らが言うところの100年に一度の変革の為の資金確保が透けて見える。

目下、自動車市場は右肩下がりに販売台数が減っている。
人口そのものが減少傾向で、若年層の人数が少ない。
その若年層は手取り金額の減少によって
自動車などの高額消費を敬遠している。
一方、長らく自動車産業を支えてきたアクティブシニアは
心身の衰えを痛感せざるを得ない度重なる悲惨な事故を背景に
免許返納が増えていく。

今まで以上に資金が必要なのに販売台数が増えない。
こうなると、販売価格を引き上げる他手段が無い。
しかしヤリスのようなBセグメントは
価格にシビアな顧客がまだまだ居る。
そこで標準仕様を厳選して価格の上昇を抑え、
実際に現代的な装備水準で購入する為には追加で徴収し、
トータルで収益を確保する戦術が取られているものと想像する。

ヤリスは内容的に力が入っていることは確かである。
室内空間の狭さはヤリスの狙いだし、
他の選択肢を用意しているのでOKとしよう。
しかし、新開発3気筒E/Gはノイズがうるさすぎて3気筒の評判を
落としかねないと私は危機感を持った。
音の粒が大きい、まるでタピオカミルクティーを飲んでいる時のように
ドスドスと音の粒が私を襲う。

加えて価格設定も、積み上げていくと
明らかに割高でお買い得だなと感じられない。
トヨタの中では300万円以下で買えるのだから
十分安いと考えているかも知れないが、
その金銭感覚が世間の感覚と大きくずれていると
そろそろ気づかねばならないだろう。

確かに今後のあらゆる自動車の価格は、
研究開発費を稼ぐためにこれからも上がり続けるだろう。
私たち消費者は賢くヤリスを買うためには
私たちも浮き足立って商談をせず、
今まで以上にじっくりと検討ならなければならない。



ヤリスは、シングルかカップルで使用するユーザーなら
大きな不満が無くコンパクトさや走りの力強さが楽しめるだろう。
輸入車も気になるようなコダワリ層だと、
HVでフル装備の価格とトントンなので比較対象になるだろうが、
トヨタ流の耐久性に期待できるものの、
所有する満足感は与えてくれないだろう。

一方でヤリスに向いていないのは、ユーティリティを求めるユーザーと
車に対してこれと言った明確な要望の無い「潰しが聞く車」を
探しているユーザーだ。もう少し他の選択肢を検討したほうが良さそうだ。
Posted at 2020/04/07 23:47:11 | コメント(1) | トラックバック(0) | 感想文_トヨタ・レクサス | クルマ
2020年04月02日 イイね!

愛車と出会って14年!

愛車と出会って14年!4月1日で愛車と出会って14年になります!
この1年の愛車との思い出を振り返ります!

■この1年でこんなパーツを付けました!
BSプレイズPX
永井ウルトラ プラグコード
カーカバー(アラデンのいいやつ)
展示用ナンバープレート
フューエル1投入
DENSOイリジウムパワー

■この1年でこんな整備をしました!
フロアカーペット補修
FRフロア板金塗装
クラッチ調整
A/Cガス補充
ワイパー交換
E/Gオイル交換
ワイパーアーム塗装
エンブレムリテーナ塗装
車検 24ヶ月点検
冷却水交換
エアクリ交換
ラジエーターキャップ交換

■愛車のイイね!数(2020年04月02日時点)
643イイね!

■これからいじりたいところは・・・
リアのハブベアリングの寿命が
近いらしく近々整備予定
1700回転付近の唸り音
A/Cの復活
オイルドレンボルトからの滲み
デスビからの滲み

■愛車に一言
ほとんど乗ってやれない期間が続いたせいか調子を崩してしまっていましたが、周りの方々のご尽力の甲斐あってずいぶん調子が良くなりました。カローラにとっての30周年イヤーは素晴らしい一年になったと思います。これからもカローラとのカーライフを大切にしたいと思います。

>>愛車プロフィールはこちら
Posted at 2020/04/03 00:00:35 | コメント(0) | トラックバック(0) | カローラ | 日記

プロフィール

「@たっくるVS さん 触媒のことかな?タダで直るの良かったですね!」
何シテル?   04/26 21:48
ノイマイヤーと申します。 車に乗せると機嫌が良いと言われる赤ちゃんでした。 親と買い物に行く度にゲーセンでSEGAのアウトランをやらせろと駄々をこねる幼...
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