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ノイマイヤーのブログ一覧

2021年03月20日 イイね!

2007年式アトレーワゴンカスタムターボRS感想文

2007年式アトレーワゴンカスタムターボRS感想文「軽自動車ながら普通車顔負けのユーティリティを持つワゴンタイプ」と聞いてあなたはどんなモデルを想像するだろうか。1990年代ならワゴンR、2010年代ならN BOXを想像するかも知れないが、それよりも遥か前から同じコンセプトを掲げてきた老舗モデルのアトレーワゴンに試乗した。




取り回しが良く、税金や保険料が有利な軽自動車でありながら、下手なコンパクトカーより居住性に優れる。そんな軽ワンボックスワゴンであるが、1998年の規格改定でキャブオーバー系モデルは衝突安全を意識して前輪をエンジンよりも前に出してホイールベースを延長。セミキャブオーバー式となり乗り心地と操縦安定性の改善にも寄与したものの、トラックの方は最小回転半径の大きさが仇となり畦道を走れなくなってしまい、フルキャブ回帰が図られた。バン・ワゴンはメリットの方が勝る為、以後もダイハツもスズキもセミキャブを継承して現在に至る。

2005年5月にFMCされたアトレーワゴンは元々商用車であったハイゼットの機能をそのままに豪華な内外装を与えることによって小型車を超える後席と荷室を確保。軽自動車ながらクラスレスな商品ゆえに根強いファンがおり、メーカーとしても高めの値付けでも堅調に売れることから細く長くビジネスが続いている。

試乗車は2007年式でEF型エンジンからオールアルミのKF型エンジンに換装され、内外装のリファイン、電動スライドドア追加など商品力が維持されたモデルだ。2021年現在も基本設計はそのままに安全機能の強化やLEDヘッドライトが備わっていて、デビューから15年以上が経過しながられっきとした現行モデルなのだ。

みん友のスギレンさんは長年気になっていたアトレーワゴンの中古車を手に入れ、ルームクリーニングを行って完成させたものの、ジンクス通り手放す事になったので長らく各時代を彩ってきた軽ワンボックス試乗に一端の区切りを着ける意味もあり一週間生活を共にした。

前席は商用車的ポジションながら、お化粧直しによって乗用車感覚が強いのはさすが。後席は立派にISO-FIXタイプのCRS装着が可能でファミリーユースに十分使用可能。更に後席は広大でBセグハッチバックでは積載を諦めそうになる程の荷物を余裕を持って積み込める。




市街地走行ではコンパクトな車体や、ターボエンジンの余裕のある動力性能、ワイヤー引きスロットル、油圧式PS、4速ATの恩恵でストレスフリーな運転が可能だが、コーナリングや横風の強い高速道路において背の高いキャブオーバー式の弱点が現れる。

私は、アクティストリートLやミニキャブブラボーなど軽ワンボックスの上級モデルを試乗してきたが、現行型に通じるアトレーワゴンの試乗によって、初期のモデルから現行モデルまでほぼ網羅できた。彼らは一貫して貨客兼用という枠組みの中で最大限「乗用車らしくしたい」という成立ちは変わらないが、各時代の技術が投入されていて当時の水準をうかがい知ることができた。




現行型に通じるアトレーはセミキャブによるロングホイールベース化、ターボエンジンと4速ATによる動力性能により今まで乗ってきた軽ワンボックスの中で最も乗用車に近づいたと感じた。しかし、同時にタントやN BOXに代表される軽スーパーハイトワゴンの存在意義も実感した。つまりスーパーハイトワゴンはFFで床が低いため乗降性が良くドラポジが自然であり、走行安定性もセミキャブワゴンと較べれば多少文化的なのである。乗降性に関しては電動ステップがあるので問題が無いが動的性能に関しては現段階では残念ながらセミキャブ系乗用ワゴンの限界を見てしまった感がある。

むしろ、スーパーハイトワゴン側から派生した商用バンとしてダイハツのハイゼット・キャディ(ウエイクベース)、ホンダのN VANが登場した。積載性よりも運転席のパッケージングを重視するという考え方は確かに目新しいが、ハイゼット・キャディは早々に生産中止に追い込まれ、商用ユースではセミキャブオーバーがまだまだ健闘している。趣味で大きな荷物を積載しなければならないとか、ゆとりある商業車としての使い方は確かにこちらに分がある。

乗用車では確かにスーパーハイトの優位性があるが、どうしても室内長やレッグスペースを重視しすぎていびつな空間設計のため積載性や後席のパッケージングに難がある。高速道路での最低限の走りと乗降性が確保できる「普通車を食うファミリーカー」としてN-VANの運転席以外のシートを乗用車化したN-STREET或いはN-VAMOSの様なモデルが欲しくなるが、一方でエンジンの斜め搭載など新たな低床技術を与える事にで乗降性や高速安定性にもメスを入れたセミキャブ軽ワンボックスの新境地も見てみたい。

おすすめ度は、一般道メインなら4つ星で問題ないと思うが高速をたまに走るなら3つ星。



試乗の機会を与えてくださったスギレンさんに感謝。
Posted at 2021/03/20 23:37:37 | コメント(0) | クルマレビュー
2021年03月06日 イイね!

2020年式ノートe-POWER X感想文

2020年式ノートe-POWER X感想文2020年11月、日産はBセグメントの日産ノートをFMCした。

先代は発売から4年が経過した2016年には突如e-POWERを追加。電気自動車用のモーターのみで駆動し、その電力を1.2L直3E/Gで発電する日産独自のメカニズムを採用した。HVの一種である事、高速域で燃費悪化することや純EV走行できる時間が短いことには触れないまま「電気自動車の新しいカタチ」と銘打ってさもEVのような広告展開をした事も記憶に新しい。(CMではヒュイーンとモーターの音が流されるが 実際の車輌ではすぐにE/Gがかかるため、 常にエンジン音を意識しなければならなかった)

しかし実際に運転してみれば「ひと踏みぼれ」は伊達ではなく、本来の技術的にあるべき姿から離れている事が気にならなくなる出来栄えの気持ち良い加速性能を持っていた。e-POWERの追加によりマイナーチェンジモデルとしては異例のヒットを記録し、B12系サニー以来30年2ヶ月ぶりに日産車が月間販売台数で1位を記録するに至った。乗れば誰でも分かる魅力が人気を後押しした一例である。このようなヒットの後のFMCであるから、当然気合の入ったモデルになることは想像に難くない。

2代目ノートに追加されたe-POWER以降、日産自動車を取り巻く環境は決して好ましいものではなく、期間従業員による未発表モデル情報の流出、工場の無資格者検査、排ガス性能検査結果改ざん、元首脳の逮捕、海外逃亡、最も新しい例ではスカイラインのエアコン不具合のオーナーを裏切る対応など往年のファンたちですらウンザリするような状況下にあった。(少なくとも少年時代に日産車と過ごした私は呆れた)

新型ノートは新生日産を象徴するアリアを髣髴とさせるスタイリングで登場し、エンジンラインナップをe-POWER一本に絞るという決断をした。

ボディサイズを比較した。
ノート
4045mm×1695mm×1505mm、軸距2580mm
フィット
3995mm×1695mm×1515mm、軸距2530mm
ヤリス
3940mm×1695mm×1500mm、軸距2550mm
マツダ2
4065mm×1695mm×1500mm、軸距2570mm

新型ノートは見事に扱いやすい5ナンバー枠を守ってくれた。今後、何となく車幅1800mm程度が新しい実用的な車幅として浸透しそうな気配を感じているが、そうなると旧い住宅地などの方はいよいよ予算があっても軽自動車しか乗れなくなってしまいそうだ。

閑話休題

先代のノートはマーチとのカニバリゼーション(シェアの共食い)を避けるためにややユーティリティ指向のキャラクター設定だったが、新型は少々パーソナルカー的な立ち位置にシフトした。明らかに前席優先のヤリスやマツダ2と較べて後席の快適性や荷室容量にも一定の配慮が行われているが、ドアの短さやドア開口などを考えるとデビューしたばかりのキックスに配慮し、更に商品性を失った状態で放置されているマーチの受け皿になりたい希望も垣間見える。

乗ってみると、意外なほど運転席は囲まれ感が強く、その代わり大型ディスプレイやフル液晶メーターなどハイテク感が楽しめる点は競合と差別化できている。

走らせると初代のような溌剌としたフィーリングが影を潜めたと感じるが、原因の一つが始動時に強制的にECOモードを選択してしまうことにある。(見かけのカタログ燃費を良くする為の常套手段)NORMALモードも試したが、先代のような刺激的な走りが無くなっている。しかし、EV走行感が楽しめるようE/Gの始動タイミングが改善されたことは直ぐに体感できたが、停止発電時にエンジン由来のこもり音は圧迫感が強く、もう少しレベルアップされなくては辛いものがある。(アクティブノイズキャンセラーなどを採用してはどうだろうか)

E/Gラインナップをe-POWERに絞った結果、これによりスタート価格は税込み202.9万円に上昇した。Xグレード同士の比較では下記の通り約20万円以上の値上がりである。

先代e-POWER X:195.9万円(税抜き181.4万円)
新型e-POWER X:218.7万円(税抜き198.8万円)

カーテンエアバッグや踏み間違い衝突防止アシスト、渋滞制御を可能とするEPBなど時代が要請する装備は標準化されたが税抜きでも17.4万円のアップはセグメント的にも少々高い。新型ノートの中のグレード格差も普及版と上級版の装備差の割りに価格差も大きく、かつオプションがセットオプションのみのため高額で実際に好みの装備を追加しようとすると不要な装備も装着されてしまう。

特にひどいのは日産が全社的にアピールするプロパイロットだ。単独追加できず、セット価格約42万円である。

こうしたことから、どうしても欲しい顧客は本来8万円弱の装備を42万円で買わされる事になる。この点、トヨタヤリス(トヨタセーフティセンス)やホンダフィット(ホンダセンシング)でもアダプティブクルーズコントロールと車線維持支援システムが標準装備されており、プロパイロットに近い体験は出来るが、日産の場合標準でインテリジェントLI(車線維持支援システム)の装備があってもアダプティブクルーズコントロールが無い(=プロパイロットに含まれる)のでプロパイロットを付ければ他社より高機能になるが、付けなければ他社に劣る仕様となる。ここが大変意地が悪いというかユーザーに対して不親切な部分だ。

原理的に高速走行時の効率が劣るe-POWERは高速道路をあまり走らない方にオススメしたいユニットなので、ノートでは高速道路で活躍するプロパイロットは不要と判断する。

ただ、価格の項で触れたとおり新型ノートは難しい仕様設定をしており、決してお買い得には購入できない仕組みになっている。(2021年なりの装備内容でざっくり300万円オーバー)

それでは先代の自然吸気1.2Lが擁していたユーザー層(総額220万円以内)をどうするつもりなのか。買い替える車がなくなってしまう。まさか10年以上放置されているマーチを勧めるのか。或いはせっかく普通車を買ってくれていた顧客にデイズを勧めるのか。「貧乏人はノートe-POWERの中古を買え」ということなのか。

厚生労働省の2019年の調査によると、国民の平均所得が552.3万円である。年収の3割程度で車を買うとすると184.1万円であるが、旧型ノートはこの金額で買えたし、競合車も買える。しかし、新型ノートではそれが適わない。お客様目線というより会社目線に感じられ、こういう姿勢がノートを知人・親戚に薦めようと思えない理由だ。

もしe-POWERに絞りたいなら、しっかりコスト管理をやった上で従来型のガソリン車オーナーでも手が届く廉価グレードを準備すべきだった。電動化・自動運転化を推進するリーダーを自認しながら、せっかく自社テクノロジーの魅力を伝えられたはずの新型ノートを短期的な目線で仕様を組み立てたことが全く理解できなかった。キックス同様今後のE/Gバリエーション追加と仕様設定の改善に期待。(e-POWERに絞って価格が上がっていくとますます軽ばかりに偏ってしまいホンダの様に苦しむ事になる)
Posted at 2021/03/06 01:06:55 | コメント(0) | クルマレビュー

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何シテル?   04/26 21:48
ノイマイヤーと申します。 車に乗せると機嫌が良いと言われる赤ちゃんでした。 親と買い物に行く度にゲーセンでSEGAのアウトランをやらせろと駄々をこねる幼...
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