例によってトヨタ博物館の企画展に行ってきました。WRC 日本車挑戦の軌跡 再び! ということでラリージャパンや富士スピードウェイにモータースポーツを主題とした博物館をオープンさせた連動企画だと思います。
戦後しばらく舗装率が低いという我が国の道路事情によって国産車は耐久性確保が優先されてラリーに向いており各車が性能アピールの場としてラリーに挑戦していました。またフォーミュラカーと違い、市販車をベースとしたラリーカーは新型車のプロモーション手法としても活用されていた事情がありました。
前回(2021年)の企画展から新たに展示されたモデルをメインに取り上げます。
今回もメーカー別に並んでますが、エントランスには
1990年式セリカGT-FOURがお出迎え。漫画的手法(効果線など)をうまく使ってラリーカーが持つ躍動感を表現しているのは相変わらず良いアイデアです。
1991年式パルサーGTI-Rはラリーの為に開発したフルタイム4WDに2Lターボを持つ専用モデルですが、当時から鼻先が重いなんて言われ方をされていました。確かに1tを切るようなパルサーに高出力エンジンを積み込んだのですから強度や剛性を確保する為に補強が必要になったこともあったでしょうが、個人的にはプレイステーションソフト「グランツーリスモ」でお世話になった経験の方が印象的ですね。後年、マニアの友人が所有するパルサーGTI-Rに
乗せていただいたところ、その速さは本物だと感じました。正直、速すぎて私が扱うにはちょっとスキルが足りないと思いました。
ところでこの展示車はサニーGTI-Rと言うそうです。当時は日米はサニー/セントラで、欧州市場をパルサーでカバーする戦略だったので仕向地によってはパルサーをサニーと呼んでいた地域があるようです。個人的にはバックドアガラスに熱線が着いていない仕様があったんだなと細かい部分ですが気になりました。
同じく日産の目玉は
1973年式ブルーバードUですね。ブルーバードU自体が本当に久しぶりであの直線基調だった510と比べると1970年代的な曲線基調を強く感じさせるエクステリアデザインですし、視線が集まる中心軸を通して車両を大きく見せようとするデザインも何とも当時っぽいですね。個人的な感想ですが510の方が清廉でマニア受けしそうに感じます。
しかし610も現代の目で見ると味わい深いものがありますね。ダットサン180Bというエンブレムは海外仕様の名称なんでしょうね。
そう言えばブルーバードというネーミングは企画段階ではスノーバードという案が有力だったらしいですが麻薬常習者を示すスラングだったとか。
粉まみれでふらふらしてるイメージなんでしょうか・・・。
スバルは長年レガシィを経てインプレッサでWRCを戦ってきましたがワークス体制でWRCに挑んだ最後のモデルとなったのがこの
2008年式インプレッサWRCでした。私が20代最後の散財としてDS3を購入した頃、会社の後輩も感化されてEP91スターレットからこのインプレッサWRXに買い換えました。
私は5年ほどで探していたRAV4が見つかったのでDS3を手放すことになったのですが、後輩は家族からの圧力に屈せずに今も酷使しながら乗り続けています。以後のWRXは何となくエネルギーの行き場を失った感があり後ろ姿が少し寂しい印象です。
スバルの良きライバルである三菱の展示車は
1982年式ランサー2000ターボです。私はランサーEXのデザインが大好物でトミカも大事に持っていたほどです。同じ三菱だと初代FFミニカが大好きなのですがこの2台は同じスタイリストの手によって生み出されたと後年知りました。ランサーは特別な事はしていないのに水平基調でバランスが良くエッジが繊細で美しいんですよね。ベルトラインが前後で折れてちょっと低くなっているのがまたドアを薄く見せていて格好いいです。
この美しさに荒々しい2リッターターボFRを組み合わせている点が良いですね。3代目カリーナもかっこ良くて好きなんですが、カリーナはマスキュリンでランサーはどことなくエレガントでフェミニンなオーラを感じます。
ダイハツもシャレードでラリーに挑戦しており、前回は初代が展示されてましたが今回はルノーにも影響を与えた?と言われる3代目が展示されています。
1993年式シャレード GT-TiはサファリラリーにおいてグループAクラスVIIで優勝しています。総合でも1~4位を独占したセリカGT-FOUに次ぐR5、6、7位を占めてコンパクトカーの優秀性を見せつけたのでした。
軽く調べたところによると、ショックアブソーバーの交換本数が他の車種よりも少なく、軽さによるストレスの小ささを如実に示していたそうです。まさしくLight you up?
一階の出口付近も恒例の番外編展示があり、ST205系セリカGT-FOURとAE111系(3S-GTE積んでるけど)カローラWRC(前回はメイン会場)が並べられていました。個人的には胸熱の二台、、、、というのも免許取得前にたくさん遊んだアーケードゲームのセガラリーでいつもこのクルマ達を選んでいたからなのですが。
免許を取る前は少しでもステアリングを握りたくて100円玉をこういったレースゲームに投入する機会が多かったです。アウトランに始まり、チェイスH.Q.もレイブレーサーもデイトナUSAもルマン24時間もよくやったものです。その後、GTIクラブやスリルドライブにハマったところで免許を取得してアーケードゲームから卒業してしまいました。
セガラリーはダート路のようにグリップが悪い路面をフルタイム4WDによって安定的に速く滑らせながら走る楽しさを疑似体験できる点が面白かったですね。どうしてもうまく曲がれない急カーブでは無理矢理2速に落として速度を下げて曲がっていたのが懐かしいです。ステアリングの反力装置もついていたのでターマックでのグリップ感が走りやすさに通じていました。セガサターン版も購入してストラトスを出現させて・・・・・
・・・思い出が暴走して横道に逸れてしまいましたが、今回の展示でも分かるように道路事情が悪い我が国で生まれた国産車に適したラリー競技では、国産車は比較的早い段階から参戦し、鍛えられ、時には世界から賞賛されました。(時に締め出されましたが…)
モータースポーツは暴走族を助長する?というこじつけ論により良くないイメージを持つ人が居ますが、一定のルールの下で勝ちにこだわる技術競争をリードしてきたのは事実でしょう。いまのWRCではワークス体制を敷く国産メーカーがトヨタのみなのは頼もしくもあり残念でもあります。各メーカーは新しい歴史を刻めるようなモデルをこれからも供給して欲しいなと切に願います。
ニッサントリコロールに身を包んだノート・オーラWRCとか見てみたいですけどね。だれか絵に描いてお得意の妄想レンダリング記事にしてくれませんか?(笑)なんて。
他の画像は
フォトアルバムに!
今回もトヨタ博物館の年間パス更新しました。あの充実した図書館も行き放題なので(ファミリーパス)5000円は全然安い!
Posted at 2023/02/13 00:03:20 | |
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