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ノイマイヤーのブログ一覧

2013年01月27日 イイね!

2012年式メルセデスベンツA180感想文

●Mercedes-Benz A-Class
「いかに格安でプレミアムブランドを所有するか」



今回はAクラスを中心に1シリーズ、昨年試乗したCT200hの感想も織り交ぜて
本来、軽自動車や大衆車が得意分野の私が背伸びして
プレミアムブランドのボトムエンドモデルについてレポートする。

ショールームにて
ヤナセのショールームへ。
出迎えてくれた営業マンと軽く挨拶を交わし店内へ。

展示車はA180ブルーエフィシエンシー スポーツ。
これは3種類ある中で真ん中の主力グレードである。
Aクラスのグレード構成はA180ブルーエフィシエンシー、
同スポーツ、A250シュポルトとなっている。
(以後、長いので並盛、大盛、特盛と表現する)
昨年、試乗したBクラスとの関連性を色濃く感じさせながらも、
そのエクステリアはぐっと低く、思い切り若々しい。
かつての燃料電池車のための意味不明な
サンドイッチパネルのAクラスが思い出せないほどの変貌を遂げている。
かつて勤務先の社有車が2代目のAクラスで、数回出張で使用したが
高速が少し得意なダメFitという印象であったので
MBにしてみれば「ようやくこれから」という感覚なのだろう。



細かく見ていくと、AクラスはLWHが4290×1780×1435と
1シリーズ(4335×1765×1440)やCT(4320×1765×1460)
と比較すると短く、幅広く、低い。
結果として凝縮感があり、スポーティなプロポーションをしているといえる。



エクステリアは一目でベンツだとわかるが、
ライバル同様に鼻の長さを強調して
A3やゴルフ、さらにはMINIやDS3といった
CやBプレミアムとの格の違いを明確に打ち出している。

ヘッドライトは特盛はLEDの車幅灯つきのバイキセノンヘッドライト、
コンビランプもLEDがライン上に光る現代のトレンドをしっかり抑えている。





見た目に関して言えば、Aクラスは後発ゆえに
よく研究されておりショールームアピールも抜群にいい
一目でメルセデスとわかるフロントマスク、
CLSのような高めのベルトラインとアーチを描くDLO。
ああ、メルセデスなんだと庶民の私をびびらせるには十分な存在感がある。

中に座り込む。
ライバル同様にHPを下げてかつてのセダンのように低く座らせて
今までのHPの高い実用車との違いをはっきりと意識させるような造りだ。
AクラスのインパネはBクラスと共通の構成で表皮違い。
SLをモチーフにした丸型レジスターの周りを幾何学シボのソフトパッドで包んでいる。



CTはBMW風というかレクサス風の古典的な内装、
1シリーズは走りにお金を使いすぎたのか黒くて事務的な内装が少し寒々しい。
Aクラスはそこそこ若々しく、素材もやわらかいものを選び高級感がある。

相変わらずポンと浮いたディスプレイはまったく調和していない点が気になるが、
シフトレバーを廃したすっきりしたセンターコンソールや
レッドステッチ入りの本革のドアトリムなどの加飾要素はさすがにセンスがいい。
シートはスポーツカーイメージのハイバックタイプで、後席も同じモチーフのデザイン。

広さとしてはCTや1シリーズとさほど変わりはない。
そもそもHPが低いのでヘッドクリアランスが不足することもなく、
実質的な空間としては不満は出ないだろう。
後席も同様で、見た目から想像するよりはしっかり座れるあたりがさすが。

ただし、広々感はない。
前席のハイバックシートがとんでもない圧迫感をもたらしており、
後席は少し薄暗いと感じるほどだ。
ライバルと比較すると、CTとは似たような閉塞感だが、
頭の納まりはCTに軍配が上がるし、窓が大きく光が入る1シリーズは
そもそも不利なFRであるにも関わらず意外なほどルーミー。
Aクラスはドライバーズカーとして前席と意匠を優先したのだろう。

アニメのPVを見て興味を抱き、フラーっと訪れたお客さんは
おそらくAクラスの圧倒的な商品性に驚くことだろう。
特に大盛はそういう見栄えに関する装備が一通りそろっているし、
若い(或いはヤングアットハートな)人が喜びそうな
スポーティな装備が魅力的だからだ。
ブレーキローターがドリルドタイプが着くというのは面白い。
AMGのアルミと相まってレーシーな足元を持っていてライバルには無い要素だ。
私はCTも1シリーズも乗ったが、ショールームアピールはAクラスが一番だと感じた。




ただ、品質面でこの車を見ると少しがっかりする印象がある。
バンパーと板金の合わせのクリアランスが均一ではないとか、
バックドアを開けた際のRrスポイラーの端末が汚い、とか
ドアサッシュモールが良く見ると意匠面なのに引けて
ハイライトがウニャウニャだったり、
一番ひどいのはドアベルトモールの前後の隙間をのぞくと
Frドア板金のアウターとインナーの接合部に穴が開いていて
モロに水が浸入する構造(数台確認したがどれも同じ)だったり、
国産車のクオリティと比べるとまだまだ一段落ちている。

そこまでディーラーで確認する神経質なお客さんが居るかどうかは疑問だが、
そういう部分に目が行き届くのは日本メーカーの、
あるいは私たち日本人の美点なのだと信じたい。

試乗コースにて
私が試乗したのは並盛のカーナビ、バリューパッケージつきのモデル。
ま、並盛にお新香と味噌汁がついたようなモデルと思えばいい。
赤いボデーカラーはかつての190Eを思い出す。
赤いメルセデスはカジュアルで好きだ。

最廉価のグレードなのだが、意外なほどがっかり感がない。
かつてのAクラスは素地色のモールとか樹脂フルホイールカバーなど
ちょっとがっかりする装備が目に付いたが、
今度のAクラスは最下級を選んでもまったくがっかりしない。
プレミアムカーにとって、お客さんをがっかりさせずに
割高な車を買ってもらう努力は絶対に必要。
その意味でこの並盛の実力は高い。
ドアを開ければMercedes-Benzのロゴが光るスカッフプレートがお出迎えしてくれる。



シートを調整するが、座面の高さと角度を同時に調整できる点が気に入った。
座面角度が調整できると太ももにシートの座面を正しく当てることが出来て
長距離移動時の疲労をぐっと減らしてくれるからだ。
これは個人的にライバルと比較して魅力的なアドバンテージだと感じた。
CTも1シリーズにも廉価グレードにはこの座面角度調整は付かない。

メルセデス特有の電子キーをひねり、エンジンをかける。
日本仕様は7速DCTしか設定が無いが、シフトレバーはステアリングコラム右側にある。
このレバーをちょこんと操作すれば前進/後進の切り替えができるのだ。
PKBは電子式となっていてスイッチ操作になるが、このあたりのインタフェースは慣れが必要。
オーナーなら1日あれば慣れるだろう。

じわじわコースを走ると、いたってフツーな感触が持ち味なのだと理解した。

エンジンはBクラスと共通の1600cc直噴ターボ(122ps/20.4kgm)。
Bクラスでよく指摘されていた出足の悪さはスロットル特性の変更で克服。
グッと出る特性になり名古屋の皆さんもこれで許してくれるだろう。
Aクラスの性格を考えると出足がグッと出たほうが喜ばれることと思うが、
ファミリーカーとしてのBクラスはあのままがいいと個人的には考える。
A180という車名からも分かるとおり、1600ccながら1800cc程度の実力を謳っている。
絶対的な加速感という意味では1800ccはギリギリかなぁと言う印象。
坂道を元気に走らせるにはそれなりのアクセル開度が必要で
スポーティな走りは期待しないほうがいい。

同等のエンジンながら、
1600cc級を名乗る1シリーズ(136ps/22.4kgm)の方が動力性能は高い。
決してAクラスが劣っているわけではなく1シリーズが良すぎるのだ。
1シリーズとしては116の上に120があるので、116の出力は抑えられているが
それでもA180よりもずいぶんとパワフルに感じさせる。
CTは通常走行なら悪くないが、負荷をかけるとCVT特有のフィーリングが好みではなかった。

もし、A180の動力性能に不満があるとなると
一気に2000cc直噴ターボ(211ps/35.7kgm)のA250シュポルトという特盛モデルになってしまう。
本国にはA200があるが、おそらくエコカー減税のことを考えて導入しなかったのだろう。
ちなみに同じ180を名乗るがCクラス用には1800ccターボが用意され、格の違いがあるようだ。

今やそれ抜きにしては語れない燃費はJC08モードで15.9km/L。
116と120は16.4km/L。CTハイブリッド化で最廉価グレードは30.4km/L、
その他グレードは26.6km/Lと他の追随を許さない。

燃費という意味ではアイドリングストップも備えており、
高速道路を淡々と走らせるシチュエーションなら
Aクラスと1シリーズはさほど変わらないものになると予想する。

DCTはクリープでもギクシャクすることなく
ズバッとシフトチェンジを終えてくれる。
特筆すべきはパドルシフトが全車標準で選べることである。
素晴らしい走りを見せてくれる1シリーズだが、
8速のパドルシフトは最上級のM135iにしか付かない。
CTも最廉価グレードには付かない(Ver.C以上は6段擬似)。
これはAクラスの特異なコラムシフトのためで、
法律上必要な手動シフトダウンが難しいための仕方なし装備なのだが、
結果としてライバルに差をつけることとなった。

パドルシフトと比べて便利なのがブレーキのHOLD機構で、
信号待ちなどで停止した際に、ブレーキを強く踏み込めばホールドされる。
スロットルを踏み込めば自動で解除されて慣れると非常に便利だ。
特に、アイドルストップ機構が作動するようなシチュエーションで
ブレーキを離すと再始動する車が多い中、Aクラスならリラックスして
アイドルストップを楽しめる。

総じてAクラスは一般的な国産車と比べれば
ブレーキが良く効き、足回りは堅めの印象になる。
運転が楽しくなるように電子制御や
パフォーマンスダンパーで味付けを工夫したのがCTで、
頑固なまでにFRを守り通してBMW、
或いは本物の高級車の走りを味わうことができる1シリーズと
比べると、よく出来たFF車という印象になってしまう。

パッと見たところ似たようなキャラクターの3車だが乗り比べると面白い事に
各社の思想の違いが良く分かり非常に気持ちのいい試乗だった。

お勧めは並盛で間違いなし!
Aクラスのベストバイをカタログを睨みながら考えた。

結論は並盛ことA180ブルーエフィシエンシー(284万円)だ。
A180スポーツ(335.5万円)は確かに素晴らしい。
AMGのアルミやドリルドローター、本革シートやバイキセノンやらLEDコンビランプやら
レッドステッチのトリムやら装備面でグッと魅力的だ。
恐らくメーカー側が一番売りたいと思っているグレードはこれになるはずだ。
しかし51.5万円分の装備さは大きすぎる。
細かくカタログを読みきっていないが、並盛でスポーツに最大限近づけると、

バリューパック(20万円)
ディーラーオプションのスポーツペダルカバー(0.84万円)
用品のAMGの本革ステアリング(8.4万円)
ブレーキキット(Cクラスの用品価格から類推して8.4万円)
ライン装着のホイールのインチアップ(ナイトパッケージから類推して4万円)
(注)実情と乖離するので8.9万円/本の用品価格は無視した。

⇒計41.64万円(電卓を叩き間違えてなければ)

外装部品とスポーツサスペンション、シート表皮のグレードアップ、
ドアトリムの色違い、フロアマットで9.86万円ということになる。
スポーツサスペンションは後付できないし、並盛に対してこれだけの装備が必要というなら
最初から装着されているスポーツを購入するのが合理的に映る。

メーカーサイドからしてみれば色違いはさほど原価を押し上げないから、
実際は大盛は相当儲かる仕様と推測する。

しかし、先にも指摘したようにA180の走りはさほどエキサイティングな方ではない。
世間のイメージ同様にダイナミックなBMW、エレガントなメルセデスという構図は
Aクラスと1シリーズとの比較でも成立していたことを思い出すと、
あんまりスポーティな装いのAクラスを選んでしまうとがっかりしてしまう。
やはりA250シュポルト並の動力性能を得て、
初めてあの外観を纏うことがふさわしいと私は考える。

だからこそ、変に肩肘張らずにスポーティかつカジュアルな
A180ブルーエフィシエンシー(284万円)がベストバリューモデルだと判断した。

また、カーナビは20万円だが、標準のディスプレイが有効活用できるので私は選びたい。

さらに上級モデルと同じバイキセノンやLEDのコンビランプを選ぶには
20万円のバリューパックを選ぶ必要がある。しかしこのバリューパックが曲者だ。
ヘッドライトとリアコンビランプだけ変えてくれればいいのに、
駐車支援装置やリアカップホルダーやアームレストなどといった余計なアクセサリーが付く。
特に後席を重視しないこの手の車にはリアカップホルダーやアームレストは無くてもかまわない。
CTの場合、LEDヘッドライト+ヘッドランプウォッシャーが10万円のオプションなので
リアコンビも合わせて20万円というのは分からないでもないが、これが非常に悩みどころだ。

もう一点、セーフティパッケージ(17万円)というオプションがある。
いま旬のレーダークルーズコントロールやBSM(ブラインドスポットモニター)、
プレセーフ(衝突のリスク軽減デバイス)が付く。

いまどき、VWの最廉価車ですら標準で軽ですら5万円で付けられる
装備が17万円の抱き合わせというのが安全を是とするメルセデスらしくなく残念。

もし私が2013年に新車を買うなら選ぶと思うのでこれは装着を前提とする。

他にメタリックペイント(6.3万円)とフロアマット(2.7万円)と
ボディ+ホイールコート(5.2万円)を注文すると、

ざっくり諸費用込みで371万円
バリューパックを諦めれば351万円
エコカー減税対象車というのも非常に有利と言える。
総額でこれくらいなら共働きの夫婦の頑張りで十分射程圏内。
独身20代だと相当に生活を切り詰めないと難しいと思われる。

ちなみに、何にも付けない素の並盛は諸費用299万円で買えてしまう。
これに市販品のマットを敷いておけば格安でメルセデスオーナーに。

どれくらい安いか支払い総額を比較すると、
一般的なミニバンであるエスティマXグレードとおんなじくらいの総支払額。
輸入車で比較すると、ゴルフのモデル末期特別仕様車マイスターエディションと
ほぼ並んだ。
1シリーズはスタート価格が308万円、
CTも最廉価は見栄えも良くない上に355万円なので
Aクラス並盛の方が圧倒的にお買い得と言えそう。

実際に売れるのはスポーツのナイトパッケージあたりだと思われるが、
それだと確実に400万円を超えてくる。
これこそがメーカーの狙いなのだろうけど、
車両のキャラクターを考えて並で十分だと判断する。

ちなみに、BMW1シリーズは乗り味が非常に魅力的で、
ついついダイナミックな外観を選びたくなるのでMスポーツを選びたくなるが、
とんでもない価格になるのでなんだか諦めが付く(笑)

CTは圧倒的な品質の良さと燃費とトヨタらしからぬキビキビ感は魅力だが価格が高い。
1シリーズは比類なき走行性能は素晴らしいものの、
内装があまりにゲルマン的で寂しく価格も高い。
そう考えると最後発のAクラスは価格はVWゴルフと並ぶほど安い上に、
最廉価グレードを買ってもそこまでがっかりしない
点がこの車の持ち味だと思う。
2012年08月18日 イイね!

2012年式メルセデスベンツB180感想文

●B180試乗
BMW1シリーズを迎え撃つべく、
2+2ハッチバックに変貌を遂げるAクラスの穴を埋めるための新Bクラス。

人生で初めてMBのディーラーへ足を踏み入れてしまいました。

・・・・・えーっと、シトロエンでございますか(微笑)・・・・
大衆ブランドのお客様は当店のパーキングスペースに駐車いただくことはできません。
え?DSラインの第一弾モデル?ちょっと存じ上げませんね。(嘲笑)
そちらに砂利の駐車場をご用意いたしておりますので、
黒い大衆車をそちらにお止めいただいてそちらから歩いて店内までお越し下さい。
総合案内チラシでしたら差し上げないこともございませんが(フハハハハハ)・・・・

・・・とかそんなドSな対応されたらどうしよう・・・・泣きながら帰れば良いか。
でも涙で前が見えなくなるかもしれないな・・・・

的な恐れを抱いていました。
そもそもMBなんていう高級ブランドは子供の頃から
893が乗っているから近づいてはいけない、とかそんなイメージでした。

子供の頃にお世話になってた小児科の先生が車好きで
V12のSクラスに乗っててよくガレージで車見せてもらってたのですが、
あのすごい先生が乗ってるというだけで、
一層「近寄りがたいもの」になっていたのは事実です。

更にガソリン自動車を発明した人の会社、
とか「最善か無か」という素晴らしいスローガンなども相まって
私にとってMBはとても遠い世界の自動車だったのです。
そんなMBがここ20年でどんどん我々の手が
届きそうなところまで降りてきた印象があります。

Cクラス、Aクラス、そしてBクラス。
MB伝統の高級車の世界を守りつつコンパクトにしたCクラス。
Sクラスよりでっかいエンブレムを身につけて
コンパクトカー界に殴り込みをかけて返り討ち(失礼)にあったAクラス。
社用車にAクラスがあるので何回か出張で使用しましたが、
エンジンがパワフルな事以外はちょっとガッカリするような出来栄えでした。
このAクラスに加え、伝統の後輪駆動セダンにこだわらないが、
MB流の世界観を味わいたい層向けの
マルチパーパスなBクラスというバリエーション戦略を取っています。

まだまだ世界的には自動車産業は発展するチャンスがあります。
MBも従来のCクラスまでの伝統的な後輪駆動セダンだけではカバーしきれない
新しい富裕層を取り込むためには、
いわゆる独身貴族や子供の居ない共働きカップルを取り込むようなモデルが必須。
Aクラスをスタイリッシュかつ豪華に仕立て上げました。
そうなると5ドアのユーティリティが欲しい層が取り残される。
Bクラスはそこを埋めるために、従来よりも背を低くスタイリッシュにしつつ、
ゴルフのような伝統的ハッチバック車より高級でMPV的な要素を訴求しています。

フロントマスクも最近のCクラス的なものでBクラスに魅力を感じる層をひきつけます。
顔つきがあまりにもファニーだとMBの威厳が損なわれる。
ある程度の高級車になるとその顔つきは本当に大切です。

Bクラスのスタート価格は299万円。
実に戦略的な価格です。

カローラフィールダーの一番高いSエアロツアラーが212万円。
エスティマのエアロつきのアエラスが297万円。
或いはLEXUS CT200hの最廉価グレードが355万円。

一般的に自分の年収と同じ程度の金額の車は
購入・維持ができると言われています。
ただ、イマドキそんな無理をする人はいませんから、
せいぜい年収の半額~2/3で留める方が多いそうです。

また、国税庁 平成22年 民間給与実態統計調査結果によると、
(ttp://nensyu-labo.com/heikin_nenrei.htm)
男性の場合は50~54歳がもっとも年収が高く、649万円。
私のような30~34歳の場合は432万円となります。
あくまで平均ですから、この値にケチをつけるのは別の機会にします。

彼らが無理なく購入しうる車両価格は50台前半が324万円~432万円、
30代前半の男性の場合は216万円~288万円と試算されます。
確かに、自分の周囲を見渡してみれば
この範囲のゾーンで車を買っている人が多いです。

この試算でいけば会社で定年が近づいてきて
そこそこ頑張ってきた男性は、十分高級車というものに
手が届きそうに思われます。(実際買うかどうかは別として)

Bクラスは299万円スタートではありますから
30台前半の人でもちょっと平均より良かったり、
平均的な人も頑張れば十分に購入しうる価格に設定されています。

大昔のMBといえばコンパクトクラスですら現在で言う
Eクラスしかなくて本当の富裕層しか購入できなかったわけですから、
事実として敷居が下がったといって良いでしょう。

大昔からのお金持ちを満足させるには、しっかりお金をかければ良いです。
ただ、いまマーケットが賑やかになりつつあるプレミアムコンパクトの領域は
価格競争力や収益性を確保しながらも商品性で見劣りするものは絶対に許されません。
MBだから、BMWだからと割高な価格で車を買ったのに
少しでも安っぽい印象を与えるとガッカリさせてしまいますし、
購入金額が高ければ高いほどそのガッカリは明確な不満に変わります。
見えないところでしっかりコストダウンをしつつ、見せるべきところは「これでもか」というほど
高級車の世界を見せてやらねばならないのですから、
こういった車種の開発はきっと難しいでしょうね。

前置きが死ぬほど長くなりましたが、私もこの間30歳になった事だし、
勉強がてらMBでも見に行ってみようという事になったのでした。

夕方の某シュテルン(英語でスターを意味するMB正規ディーラー)。
DS3を駐車スペースに止めると営業さんが出てきてくれました。

Bクラスに興味があると告げると、ショールームへ案内されました。
営業さんはちっとも気取った部分も無くてフレンドリー。
LEXUSの総大理石の店舗が放つ独特の威圧感はありませんでした。
MBの場合、そういう威圧感は商品そのものが出しているのでしょうか。
置いてある車は、なかなか重厚感があるというか、
さすがベンツと言わしめるショールームアピールです。

店内にあったのはB180ブルーエフィシェンシー スポーツ ナイトパッケージ。
長ったらしいですが、B180のスポーツ版のアップグレードオプション付きという意味です。

運転席に座ると、真ん丸いレジスター(空調送風口)が特徴的です。
IPのアッパーはテロテロの黒木目トリムがあんまり良い趣味ではない事以外は
ディーラーに訪れる人をガッカリさせないMBらしい内装です。
装備水準はナビがついていないこと以外は高く、不満に感じることは無いでしょう。
センターのディスプレイが少し調和を乱していますが、エアコンのダイヤルのタッチなど
頻繁に手で触れる部分に関しては隣りにあったEクラスやCクラスに劣るものではありません。
駆動方式もボデー形状も違いますが、MBの世界観は壊されていないということは、
初めてMBの世界に足を踏み入れる人にはとても大切な事ではないでしょうか?

後席はBクラスらしいミニバンを意識した装備が目を引きます。
シートバックテーブルやリアシートの分割可倒機構、シートスライドなど
ファミリーユースには嬉しい装備がついている部分がライバルに無い魅力です。
MBらしいエレガントな高級車的なデザインにしっかり座れる後席というのは
2+2になる新型Aクラスとしっかり住み分けができていて好印象です。

さて、Bクラスには299万円の標準仕様(並盛)とスポーツ仕様(大盛)があります。
外観も並盛は標準的な6分割風グリルですが、
大盛は革巻きステアリングや大径アルミホイール、
ロゴ付キャリパーに加えステアリングがダイレクト仕様になるなど
若々しい仕様に変更されます。ただし、並盛の299万円に対して大盛は348万円です。
大盛に対して更に内外装をアップグレードさせたいスタイリッシュは特盛と呼ぶべく
ナイトパッケージが選択できてパワーシート、プライバシーガラス、
専用の内外装に加え18インチのブラック塗装アルミホールが装着されて
グッとカッコよくなりますが、気になる価格は363万円。

カタログを見ていても
並盛はスポーティな外観が好みの若年層には物足りなく感じますし、
本革ステアリングが装着されなかったり、
後席のスライドやリクライニングができないなど、
必要最低限の装備しかついていません。
商売上手のMBは並盛にコールスローと味噌汁付セットのような
バリューパッケージというセットオプションを設定しています。
これはキセノンヘッドライトやLEDのDRL、本革ステアリング、
Rr席のグレードアップや収納の追加など
高級車のお約束装備やBクラスらしい実用装備が装着されます。
エレガントな標準モデルでOKという人なら
プラス25万円で装着できるので、並盛のAセットなら324万円となります。

299万円という価格に惹かれてディーラーへ足を運んでも実際のお客さんは
並盛だけを注文する事はないそうで、
並盛Aセットや一気に飛んで特盛を注文する人が多いそうです。

もともとのダウンサイジング層も相当数居ると思いますが、
年収の半分程度で買おうと思ってディーラーに行ったものの、
色々欲しくなってしまって年収の2/3まで頑張ってしまった・・・・
という人が結構多いということでしょうね。

試乗車があるというので運転させてもらうことにしました。
グレードは並盛Aセット。
正式名称はB180 ブルーエフィシェンシー バリューパッケージ装着車(長い)。

運転席に座るって車を出発させます。
どっしりした乗り味を想像したのですが比較的普通です。
ボディサイズも3ナンバーとはいえ全長が4365ミリなので扱いやすいです。
ヒップポイントも適度で何よりもサンドイッチフロアじゃないので
座った時の姿勢がAクラスよりもグッと自然になりました。

全高はタワーパーキングに入る1540ミリ。この全高を実現するために
欧州ではローダウンサスと呼ばれるサスを標準装着していて
試乗レポートなどを見ると堅いと言われていますが、
普段自分が乗っている車と比べれば十分しなやかでファミリーユースも可能です。

エンジンは180と名乗っているものの1600ccのダウンサイジングターボ。
かと言ってライバルとは異なりショートストロークで圧縮比もそれほど高くありません。
最高出力は122psで最大トルクは20.4kgmと特筆すべきものはありません。
変速機は7速DCTを採用してパワートレーンは欧州のトレンドそのものです。
パドルシフトがついているのですが、シフトダウンの操作に対して
車側で対処されてしまい操作を受け付けない場面もありました。
一般走行時はそれほどパンチがありません。
普通に踏んだら普通に走るという感じです。
全開にしても自分のDS3のような「パチンコ玉の様に弾ける」類ではなく、
高級車らしいあくまでもマイルドなもの。

頑張ればそれなりにいけるんでしょうけど、
ちょっとアレっと思う感じは否めませんでした。
営業マン曰く「出足が悪いってお客さんには不評なんです」とのことでしたが、
スロットル特性は確かに踏み始めが穏やかに躾けてある模様。
グッと踏んだらトルクは出るので力不足ではないのだと思います。

動力性能を中心とした乗り味としてはあくまで必要十分な程度。
追い越し車線をふさぐ邪魔な先行車をハイビームで蹴散らしてかっ飛んでいく・・・
そんな旧時代の荒くれたMBの走りというのはこのBクラスには似合いませんし、不可能です。
あくまでもBクラスはコンパクトな車体を活かして市街地を主な活動の場とし、
MB流の高級感を割安に体感するファミリーカーとするのが良さそうです。
大丸ピーコックや成城石井でお買い物、休日はプレミアムアウトレットでお買い物・・・
そういう生活を送るにはうってつけなんじゃないでしょうか。

その意味ではわざわざスポーティに味付けた大盛や特盛は不要な気がしてきます。

実用性だけで車選びをすれば、FITあたりになってしまうでしょう。
そこにプラスαを求める人の為のプレミアムコンパクトです。
でも、よく考えもせずに大盛だの特盛だのを選んでしまうと、
伝統の本流セダンであるCクラスに手が届きそうな価格になることも事実。

割安にMBの世界を味わえるBクラスの並盛を選び、
割り切るのが最もスマートな買い物になる気がします。

子育て中だったり、キセノンやDRL(今や高級車のアイコン的装備)
がどうしても欲しければ並盛Aセット。

舌を噛み切りそうな勢いでスポーティな外観が捨てきれないなら
大盛(高すぎるけど)ですね。

仮にある人が少し高いなと思いつつ、Bクラスを購入。
たちまち「あいつ、若いのにベンツ(高級車の代名詞)買ったらしいぞ」という噂になり、
それが自尊心を満たし、自信がつくことで
より意欲的に生活の歯車を回す原動力に繋がるというのなら
なかなか面白い自分への投資ではありませんか。

でも実際は保育園への送り迎えでBクラスのような輸入車で現れると
たちまち他のママさん達から爪弾きに遭うらしいですよ。恐ろしい。

本当はFITでも買っておいて差額を
住宅ローンの早期返済に回すのが最もクレバーですが、
個人的にはそれだけが正解ではないと思っていますので、
今までに無い選択をしようとお考えの方は
是非プレミアムコンパクトにチャレンジしてみて欲しいなと思います。

・・・と支払い総額350万円になる見積もりをもらい、
「次買い換えるときはこういう5ドアも便利で良いなぁ」
などと言いながらシュテルンを後にしました。
独身者には今度出る新Aクラスの方がぴったりだと思いますが。

繰り返しますがMBのディーラーは入りやすいのが意外でした。
新しいAクラスが出たらまた見に行きたいですね。

以上、リアルな私の生活とかけ離れた感想文終わり。

プロフィール

「久しぶりに夜明けの高速を楽しみました。」
何シテル?   04/28 06:26
ノイマイヤーと申します。 車に乗せると機嫌が良いと言われる赤ちゃんでした。 親と買い物に行く度にゲーセンでSEGAのアウトランをやらせろと駄々をこねる幼...
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