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2022年07月08日 イイね!

2022年式ステップワゴンe:HEVスパーダプレミアムライン感想文

2022年式ステップワゴンe:HEVスパーダプレミアムライン感想文●土俵際で情に訴えかけてみた
あれは1996年だった。たんたらたんたらたんたんたんたん~♪の軽快なメロディとクレヨン画のようなStepWGNのレタリング。写真をコラージュした子供達の映像と共にSTEPWGNの文字だけのアニメーションが走り回るTVCM。最後の小さく実車の写真が映ってナレーション「ステップワゴ~ン、ホンダァ~」で締めくくる。



当時のセミキャブミニバンの常識を覆すパッケージングを纏って初代ステップワゴンは登場した。

確かに宣伝も良かったが、ステップワゴン自体も良かった。当時のホンダが出来ること出来ないことをしっかり把握した上で、当時のホンダが出来る範囲でスライドドア付きの本格的なミニバンを作った点が革新的だった。



私は幸運にもちょい乗り含めて初代から旧型まで運転した経験があり、今回は最新型のステップワゴンにも試乗することが出来た。(3代目は私のチョイスで実家のファミリーカーにもなった)

新型ノアの感想文でも触れたとおり、このクラスの覇者はトヨタだが更にモデル末期の日産にも負けているのがホンダのステップワゴンである。

先代ステップワゴンの苦戦の原因は初期のダウンサイジング過給E/Gが理解されず、初期スパーダのデザインが優しすぎ、わくわくゲートに原価・質量をかけた割に見た目で損をした、といったところだろう。
そこでマイナーチェンジでフロントマスクを変更してまでモーター主体のハイブリッドi-MMD(現在のe:HEV)を追加して巻き返しを図ろうとしたが、結果は上記の通りである。

新型ステップワゴンは「#素敵な暮らし」をグランドコンセプトにした開発思想は「安心×自由」。
ミニバンの基本価値である「空間の広さ」「利便性の追求」に加えて「安心と自由を感じるデザイン」でまとめ上げた。

具体的に見ていくと、歴代モデルの中で最も大きい全長4800mm級のボディサイズを得て室内長2845mmを確保。さらに車幅も初めて小型車枠を超えて1750mmとなった。室内長だけを比較すれば実は先代の方が広い(ただし、メーターバイザーを前方に置いただけ)が、室内幅や高さを考慮すればHonda史上最も室内が広いのだそうだ。



後発ながらミニバンの代名詞として小説にもなったオデッセイ、上級ミニバンとしてエリシオン、ストリームやクロスロード、ジェイド、エディックスなど数々の多人数乗車モデルを生み出してきたが、結局最後に残ったのはステップワゴンとフリードであった。

フリードがミニバンエントリーモデルであるなら、オデッセイは上級モデルの代替需要にも応えねばならず、上級化シフトは仕方がない面もある。4830mm(スパーダ)という全長はデリカD:5や最終型のエスティマとサイズが近い。競合するノア・ヴォクシーは全幅は1700mmを超えたが全長は5ナンバーサイズに留めている。ステップワゴンはe:HEV搭載の為のスペース捻出も兼ねて大胆に大型化している。



エクステリアデザインは標準仕様のAIRとワル系のSPADAの2系統がある。総じて誰かを驚かせたり威圧する為のデザインからは一線を画してスッキリした。特にAIRは優しいデザインが私の好みだ。



実車に乗り込んでみれば、配置関係に先代の影を感じるものの最近のホンダの設計思想であるスッキリしたノイズレスな視界が実現。乗って気づけた人には絶対に気に入ってもらえる魅力だと思う。問題は指摘されないと一般的な人には分かりにくいマニアックな工夫である点であることでセールスマンのアピールが必要。



2列目にオットマンやロールシェードを設けてLクラスミニバン的な世界を垣間見させるが、特にシートが大きめでヘッドレストが頭を包み込む様な形状になっているのは魅力的。そして2列目シート位置を快適な位置に合わせても3列目スペースが残された点も評価できる。また、ヒップポジションの段差を先代よりも大きくしてパッケージング的にアップライトに座らせただけでなく3列目の視界確保にもメリットがある。

初代が持つ道具感は感じられないが、AIRは趣味の良さが光る。そのセンスは初代に近い。

パワーソースは先代のキャリーオーバーなので大きな印象の違いは無く、1.5L直噴ターボとアトキンソンサイクルの2.0L+モーターによるe:HEVの二本立て。ガソリン車のみ4WDが選べる。営業マン曰く、ガソリン車を買うお客さんは大抵後でガソリン代を気にしてハイブリッドを選んでおけば良かったと言う事例が多いそうで、積極的にe:HEVを薦めるようにしているとのことだ。e:HEVに試乗したが、プラットフォーム継承版ゆえに競合車が成し遂げたほど世界が変わるほどの劇的な進化は感じられなかった。しかし、まだe:HEVが持つ魅力は色褪せておらず競合性はあったe:HEVが持つモーター主体の走りは特に発進後、E/Gが掛かり始めるまでの時間が長く、電動感が強い(E/G始動がバレにくい)のが特徴。動力性能的に十分以上の実力を持ち、操縦性もミニバンとしてリーズナブルな範囲内。



静粛性は3列目を中心に手当をしたとのことだが、走り始めて割合に速い段階でタイヤの音が目立つのは近年乗ったホンダ車に共通する特徴。ステップワゴンはソフトながら道路の凹凸を拾ったり、E/G回転が低い場面でこもり音が目立つと感じるシーンが多かった。ノア・ヴォクシーに対してこの点で負けていると感じた。

発売後、大本営発表であるが一ヶ月間の受注実績のプレスリリースが存在する。既に2万7000台の受注があったという。競合するノア・ヴォクシーは3万5000台(正確には2ヶ月で7万台)受注があったとされるので決してランキングで勝利したわけではないが、これは健闘したと言える。

記録が残されている過去のモデルが一ヶ月間に受注した実績を列記したい。

2005年3代目:2.0万台
2009年4代目:1.8万台
2015年5代目:1.5万台
2022年6代目:2.7万台


こうして比較すると、ステップワゴンとしては良い滑り出しのように見えるが、新型は1月から異例とも言える長期のティーザーキャンペーンを展開し、予約受付台数が過去のモデルよりも長い点は有利に働いている事は心に留めておきたい。ただ、値引きも期待できない初期の段階で注文するユーザーはそれだけ新型のスタイルに惚れ込んていると言うことは想像できる。

プラットフォーム流用のため革新より熟成に重きを置くしか無かった新型ステップワゴンだが確かに力作である。オラオラ系とかエモーショナルに飽き始めた私の目線では先行したノア・ヴォクシーには無いものを持っている。しかし、せっかくスッキリしたAIRの存在感をアピールしていながら、実際はSPADA頼りの仕様設定は商品としての選択肢の幅が足りていない。

先程挙げたプレスリリースに拠れば新型のタイプ別構成比は

AIR(ガソリン7% e:HEV8%)
SPADA(ガソリン20% e:HEV35%)
SPADAプレミアムライン(ガソリン6% e:HEV24%)


とAIR構成比は15%しか無く、台数にして4050台だ。例えば4代目の場合45%(8100台)、5代目の場合31%(4650台)が非エアロ系であった。力を入れたと豪語するAIRとしては、寂しい台数では無いか。その原因は、AIRの仕様設定にあると私は指摘したい。「脱・オラオラ」に惹かれた潜在的オーナー候補を取りこぼして居ないだろうか。とにかく早急なAIRのプレゼンス向上策が必要だ。
Posted at 2022/07/09 00:26:36 | コメント(0) | クルマレビュー

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