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ノイマイヤーのブログ一覧

2022年10月24日 イイね!

2020年式 ロータスエリーゼスポーツ220II感想文

2020年式 ロータスエリーゼスポーツ220II感想文●ロートスの実で愉しい夢を見る
アルピーヌA110に乗っていた友人のカーガイが転職して首都へ引っ越した。いくつかのキャリアアップを重ねたカーガイはさらなる楽しいクルマを求めて買い換えたのがロータス・エリーゼであった。彼が日本GPに合わせて愛知にやって来て私に試乗の機会を作ってくれたのでごく簡単な記録を残したい。

英国のバックヤードビルダーとして出発したロータスはセブンやエラン、ヨーロッパ、エスプリなど数々の名車を生み出してきた。

私達日本人にとっては、トヨタセリカXXの開発に創始者のコーリンチャップマンが関与したり、いすゞの乗用車に対して「ハンドリング・バイ・ロータス」の監修を行うなど実は関係の深いメーカーである。



私にとってのロータスはなんと言っても漫画「サーキットの狼」の主人公である風吹 裕矢が駆るロータスヨーロッパを真っ先に思い出す。私が幼稚園の頃、父が古本屋で漫画を一式買ってくれたので読みあさった。ロータスヨーロッパのトミカを買って貰い、実家の近所のガレージに収まっていた真っ黒なヨーロッパをジロジロ見ていたら持ち主の人が運転席に座らせてくれたというおぼろげな記憶もある。(子供ながらにあれは凄い経験をしたものだ)

あれから35年以上が経ち、私は再びロータス車のドライバーズシートの腰を下ろす機会に恵まれたのである。

エリーゼは1995年のフランクフルトモーターショーでデビュー。翌1996年に発売され、エンジンのバリエーションや派生車種の追加などを受けながら、2001年にモデルチェンジを行った。

このモデルチェンジを境にシリーズ1(S1)とシリーズ2(S2)のように呼び分けられている。2004年にはトヨタよりエンジンの受給を開始し、さらにモデルバリエーションが増やされた。2010年に再びフェイスリフトが行われ、搭載されるエンジンやトランスミッションが変更された。(S3)

試乗したのは初年度登録は2020年のS3、2019年発売のエリーゼスポーツ220 IIである。2021年にはエリーゼの生産中止と後継車種のエミーラの存在が発表されたので最後のモデルと言えそうだ。エミーラは最後の純ガソリンE/G車となり今後は電動車を作るつもりらしい。

ちなみにエリーゼの名称は当時資本関係にあったブガッティ会長の孫娘のお名前にちなんだそうで、そのエリーザ・アルティオーリさんは4歳の頃から自分の為のエリーゼがあり、最後の生産車もエリーザさんに納車されたようだ。



エリーゼスポーツ220 IIはトヨタ製1.8L直4にスーパーチャージャーによる過給を組み合わせた220psを発揮する高出力E/Gを搭載。アルミフレームを接着剤によって組立ててその上に軽量なFRP製のボディを被せた車体を持つモデルである。車重は1tを下回る924kgなのでパワーウェイトレシオは4.2kg/ps、性能も最高速度233km/h、0→100km/h加速4.6secという真のスポーツカーと呼べる実力を持つ。



駐車場に佇むエリーゼは表に示したとおりコンパクトなサイズながら二回りは大きく見える。



カーガイの最近の歴代愛車と私のRAV4を並べるとエリーゼのコンパクトさと、何故か買い換えるに従って全長と車重が小さくなっていくカーガイの性癖(笑)が垣間見られる。

エクステリアデザインに意匠的要素は多くなく、必要な寸法を滑らかに繋いで構成された曲面的なボディはあっさりとしながら強烈な印象を残す。

乗り込んでE/Gを始動するまでは余りのハードさに運転できるだろうか?と心配になったが、車体が軽くE/Gマウントにクセが無いのでMT初心者でも簡単に発進が出来た。シフトアップを繰り返すうちにエリーゼの虜になってしまう。オーナーのご厚意でワインディングと言うほどのことは無い程度の国道を小一時間運転させて頂いたが、アクセルを踏み足せば勇ましいサウンドと共にほぼ全域でトルクが立ち上がって加速を始めて気分はレーシングドライバー。ミッドシップスポーツと言えども私程度の技能ではESPすら作動させられない。

サッと加速してサッと減速してサッと曲がる、ただそれだけのことだった。



確かにオーナーが求めていた通りのピュアなドライビング体験が味わえる絶品ライトウェイトスポーツカーだった。他社から調達したエンジンを調律し、肝心な骨格部分には量産車と一線を画す本格的なメカニズムが奢られている事を考えれば、
発売当初2万ポンド(300万円程度)を下回る欧州でのスターティングプライスは良心的とさえ言えるだろう。

解錠して乗り込む度にヨガ的なエクササイズ効果をもたらすアスレチックのような車体構造、セキュリティのしっかりした屋根付き車庫が必要な品質面のクセによって一般人の目線で所有のハードルは相当高い。試乗車は新車価格682万円の超高級車であるから、おいそれと手が出るクルマでは無いのだが、確かにその価値は乗れば私にも理解が出来た。



CASEだのMAASだのと自動車を取り巻く環境が変わり、複雑化が進む中でこれほどまでにシンプルなクルマが楽しめたのは素晴らしいことだ。その根源は何かを考えていくと、決してデザインでもトヨタ製エンジンでもなく、アルミ押し出しフレームでもなく、ヨコハマタイヤ様でも無い。「軽いこと」である。必要な剛性を与えつつも軽く作ったからこそ全性能が上がっているのだと私は確信する。

創始者コーリンチャップマンの言葉がロータスの本社に飾られているという。

“To add speed, add lightness”(速くしたいなら軽さを与えよ)

平凡なエンジンから非凡な走りを生み出してきた彼らしい言葉だ。車重が嵩みがちなEVシフトの流れの中で決して自動車メーカーが忘れてはならない言葉の一つであることは間違いない。

LOTUSとは蓮を意味する言葉だが、ギリシャ神話にも想像上の植物としてLOTUSというものがある。その実を食べると浮世の悲しみ、苦しみを忘れ、愉しい夢を見られるという。ライトウェイトスポーツカーを運転する行為はまさににロートスの実を食すことに等しい。エリーゼは20年以上にわたって作り続けられ、手に入れたオーナー達の心を満たしてきたのだろう。

わざわざ日本GP前日に時間を作ってエリーゼに乗せてくれたカーガイに感謝。

感謝を込めて私は彼に「新潟のエリーゼ」を進呈した。(ベルギー産のロータスはちょっと高いのでw)

Posted at 2022/10/24 01:26:17 | コメント(2) | クルマレビュー
2022年10月07日 イイね!

2022年式 エクストレイルG感想文

2022年式 エクストレイルG感想文●要旨
4代目エクストレイルはタフギア成分より「上質」寄りになった。最大の目玉は日産独自の可変圧縮比(VC)ターボエンジンを発電用にしたe-POWERである。HEVとしては燃費性能として不利になっている分、あたかもBEVに乗っているかのような「電動感」を追求しているのがポリシー。BEVの様にパワフルかつ期待を上回る静粛性は抜群に優秀。日本国内の脱エンジン勢力による最新製品の魅力がエンジンというのがなんとも皮肉な話だが。内外装も高級セダンユーザーも納得できる内装のクオリティ、後席のアメニティ装備の充実度もミニバンユーザーが不便を感じないレベルを確保。グッと商品力がアップしたが価格にも反映されており先代からは明らかに価格が上がっている。競合(特にトヨタ)よりもお買い得な価格設定だが、散見されるミス(始動後のパワーシートの動き、シートベンチレーション未設定、Rrシートベルトのアンカー)は支払総額500万円を超える車としては鈍臭い。また現状は魅力的な装備が最上級グレードに集中し、中間グレードの仕様的柔軟性に欠けている点が残念。今は最上級グレードだけを買わせる作戦のようだが、いずれ中間グレードの仕様最適化が進むことを期待したい。

●下山し、高層マンションに登った4世代目

日産の4代目エクストレイルが満を持して2022年7月に発売された。エクストレイルの簡単な歴史は先代の感想文をご参照頂くとして、初代から2代目まではオフロード指向の遊べるSUVだったエクストレイルは2013年デビューの先代からグローバルマーケットでの動向に合わせてカーライクSUVに舵を切った。日本仕様だけは、日本の顧客のイメージに合わせてビニール内装を準備してに車体を赤く塗って対応した。エクストレイルというブランドは等身大で使い倒しても壊れない道具―ギア―としてのイメージがあったので、先代モデルの路線変更は残念だったが、モデルライフ途中でHEV追加やプロパイロット装備など改良を重ねながら売り続けられた。

2020年6月、既に北米では新型エクストレイルに相当する新型ローグが発売されていた。昨年頃から雑誌やインターネット上で新型の写真が紙面を賑わして「日本発売か?」と報道されていたが、なかなかデビューせず「出す出す詐欺なのではないか?」とさえ感じられた。ようやく2022年7月に発売された新型は本格タフギアを継承しながら上質さという新しい価値を付け加えた点が特徴だ。

タフギアというDNAに関する最大のトピックは、ガソリン車を廃止して全車e-POWERとしたことである。更に発電用E/Gには日産が独自に開発した可変圧縮比技術を積んだ1.5L直列三気筒直噴ターボE/Gを採用。日本向けではこれが初出し採用である。これによりSUVに求められるパワフルな走りが継続的に得られるようになった。

また、e-4ORCEと名付けられた新四駆統合制御が盛り込まれ、前後揺れ抑制、旋回時の内輪ブレーキ制御、低μ路での高い発進性など安心感確保に繋げている。SUVとして大切な最低地上高も4WDは200mmと高めでタフギア的な意地を見せている。

一方、上質を感じさせるのは主に内装の質感向上と快適装備の採用である。ステッチを強調するソフトパッドは既にこのクラスとしては当たり前になってきた(凄い!)が、更にエクストレイルは木目調オーナメントやフル液晶メーターや大型ディスプレイなど一昔前の高級車レベルの質感を得たのは大きな進化である。更に、後席ロールシェードやRr独立式オートA/Cを上位グレードに採用するなど、ミニバン的な快適性をSUVで実現している点も特徴になっている。

実際に運転してみると、e-POWERの電動車的な感覚、いわばBEV感に一層磨きがかかっている。ノートで強く感じたE/G起動時の強烈なこもり音も無く、黒子に徹して淡々と発電し続けるE/Gはパワーに余裕があり高回転まで回す必要が無い。かつての私は「シリーズハイブリッドは発電にしか使わないのだから小排気量E/Gで十分!」「スズキのスイフトをベースにしたショーモデルは660ccで税金安かったのに!」などと考えていたが誤りであった。シリーズハイブリッドは、駆動モーターの出力・トルク、搭載予定のバッテリーに見合ったE/Gを選択してやる必要があった。仮にモーター仕様と二次電池容量を固定して考えれば、小さいE/Gを搭載すると消費電力の大きい高出力モーターを駆動するためにバッテリーの電気を消費し、バッテリーのSOC(充電量)が不足するため、E/Gが常に回り続ける。一般的なE/Gは最高出力や最大トルクはガソリン車の常用域より高い回転域にあるため、常にE/Gが中回転以上で回り続けて騒音も大きく燃費も悪い。しかも、走りを優先させてバッテリーの電力を使いすぎると、充電量が追いつかずモーターを駆動する電気が不足して性能が低下してしまうと言う問題もある。(実際にセレナe-POWERで峠越えすると速度が全然出なくなったとか、先代ノートe-POWERを雑誌の企画でサーキットを走らせると 後に急減速したといった類いの話がある)

e-POWERを「電気自動車の新しいカタチ」としてBEV感向上を推進したい日産はバッテリー容量を拡大し、電池の使い方を工夫することに加え、遂にE/G本体にもメスを入れた。パワーのあるE/Gによって低回転でも十分な発電量が維持できるため、車両側で発電を我慢できる領域が広がった。

BEV感に必要な静かさも感じられてラギッドなRAV4やフォレスターのライバルと言うよりは、高級感を訴えるハリアーやCX-5のライバルといった方が相応しい内容である。日産は燃費効率に劣るe-POWERゆえに走りの質感で勝負する方針らしく、最近試乗したモデルはどれも静粛性や動力性能に余裕を感じ、商品としては好感が持てる。

全グレードがシリーズハイブリッドであるため、価格帯は税込320万円~450万円という範囲に上級移行した。(先代のハイブリッドから20万円程度の販価アップだ)

新型エクストレイルは、後発モデルらしく競合車をよく調査した上で自社の強みをうまく活かしてキックスとアリアの間をカバーしている。個人的に驚いたのは、このクラスで売り上げナンバーワンのRAV4に対して、価格競争力が高く明確な上質感がある。格上扱いのハリアーとも競合できそうだ。

もはや猫も杓子もSUVという現代では、高級セダン・ミニバン群の移行先としてのSUVも必要だ。スカイラインやエルグランドという、もやは放置プレー気味のセダン・ミニバンの既存ユーザー達も買い換える車を待ち続けているからだ。

それでは、エクストレイルが本来持っていたアウトドアで気兼ねなく使えるタフギアを求める層は何処へ行けば良いのだろうか。本来はSグレードに防水シートをOPT設定しうる選択肢があっても良かったのでは無いか。ちょっとチープだけど、楽しく使えるのがエクストレイルでは無かったか。残念ながら新型からは初代が持つ精神は感じられない。実際に世界戦略車SUVの日本仕向けにエクストレイルと名付けただけに過ぎないのではないか。若い頃からエクストレイルを見てきた私には一抹の寂しさを感じた。

パワーシートの制御とか後席シートベルトのアンカー位置など本当につまらない部分(でも大事な部分だ)で点数を落としているが、最近の日産車(というよりe-POWER)はどんどん改良の成果が一般のドライバー達に分かるレベルに達している。口先だけの宣伝のうまさだけでは無く商品の実力も上がってきたことは日産にとっては非常に良いことだし、商品の力で市場を更に活性化させる事は私達ユーザーにとってもメリットがある。

群雄割拠のSUVの中でエクストレイルを買うべき人はどんな人か。既に上げた通りミニバンを卒業してSUVに降りてくる人、或いはファミリー層で広い車が欲しいがミニバンは過剰だと感じる人、昔だったらV6ターボが選べるからキャラバンを選ぶような人にはエクストレイルを選ぶと満足できるはずだ。

現状の仕様設定でミニバン的な使い方をするなら後席機能が充実したGを、独身・カップルの若者が背伸びして買うなら前席優先のXを薦める。(外装のグレードダウンはそれほど気にならない。)

エクストレイルはファミリー層にこそ魅力的に映る装備を持っているが、残念なことにG専用装備である。Gは高すぎるので本当は後席優先機能をXに単独OPT設定すべきだと思う。(特に3列シート仕様)

今は半導体不足やコロナ禍によって自動車生産がままならない状況なので限られた生産枠で利益を最大化する為に粗利の高いモデルを生産するしか無い。お買い得(=粗利が小さい)モデルは極力作らないに越したことは無いのだ。そういう意図でe-4orceを先にラインオフさせ、Sは売る気の無い最廉価とし、注目装備をGだけに搭載して選ばれ易くした。ついでにXもモリモリのセットオプションで高収益化を図る。日産にとっての最適解が経営的に正しいのは分かる。しかし長年エクストレイルを待ち望んでいた日産ファンの視点はあるのだろうか。

確かに今は緊急事態だ。だが、エクストレイルも購入後半年以上待たねばならないクルマであるし、かつての高級車を超えるような価格帯の車だ。もう少し顧客の要望に柔軟に応えるべきではないか。そこさえ改善されればこのクラスで、ライバルを凌駕することになるだろう。
Posted at 2022/10/08 01:13:58 | コメント(0) | クルマレビュー

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何シテル?   04/26 21:48
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