あれから10年

2011年3月11日のことは、10年目の今日も鮮明に覚えています。

あの日は、菊吉（尾上菊五郎と中村吉右衛門）の大顔合わせによる芝居がありまして、新橋演舞場に出かけていました。

昼休みに東の空を見ていて、風が強かったのに、ギラギラ霞んだように工事中のスカイツリーが見えていました。（当日の写真が残っています。）


拡大写真は。


そして、開幕間もなくの最初の出端で二人の渡り台詞と言う良いところで、いままで起震車でしか体験したことのないような大きな揺れが・・・・。

とっさに、席を立ち上がり外に出ると、東北地方で大地震とのことでした。

すぐ近くの地下鉄駅も有楽町駅でも運行中止。片手にワンセグテレビを見ていたら、大津波警報です。

すると、またしても大きな揺れが。

ビルの窓にかかっているブラインドが左右に大きく揺れて、線路上に停止している新幹線も揺れてます。

避難所の日比谷公園に行き、情報を整理して、新宿まで歩き、そこから京王線に乗ろうと考えてましたが、新宿駅でも動く様子はありません。

ならば、運行が再開されるところまで歩こうと、甲州街道を西へ歩き始めました。

若い頃、新宿＝青梅かち歩きで一日中歩いたことはありますが、還暦になって歩けるか？

歩道は、徒歩で帰宅する方達で大混雑。

ゆっくりとしたペースですが、かなり足腰に疲れがたまり、調布まで来たときに電車が運行を再開していて、いつもの駅に深夜の到着となり、無事に帰宅できました。

帰宅困難者なのかもしれませんが、いちおう帰宅できたことが幸いでした。

10年目の今日、あの日、あの時のことを振り返り、犠牲となられた方々のご冥福をお祈りします。

あの年はいろいろなことが変化し、いま、こうして生きていられることに感謝して、あらゆる面で残りの人生を悔いの無いように生きて行きたいものです。