
昨日、カーポートの基礎着工での悶着について書きましたが、今回、今後カーポート設置される方の参考に書いておいた方が良いと思われたので、少々きつめにUPすることにしました。
カーポートは今、北陸付近ではブームなのか新築の住宅街を尋ねると(住宅いいなぁ、の見学好きな奥さんに付き合って、結構行きますので)、大概は2台置きのカーポートが設置されています。
石川地方では、海側と山側では降雪量もずいぶん違うのですが、見ていると積雪耐荷重もまちまちで頑丈な方で1.5mタイプ、華奢なほうで50cmタイプが見受けられます。けれど同じ住宅地でまちまちなのはどうしたもんか(^_^;)、雪降ろししないと決めているタイプと、まめにするからいいや、と言う労力とコストのトレードオフでしょうか?。
それで、カーポートのサッシ業界では有名どころの強度基準はどこも同じで、台風、降雪の強度をグレード区別してラインナップしていますが、同じクラスで選べばどれも同じ感じです。で、その強度はアルミ押し出し材の柱による座屈の耐荷重が雪の重量となり、台風ではあおりによる曲げ、ねじりの強度になります。これらはメーカの試験設備できっちりやられているので、傷などから浸食された腐食や、施工時の無理な力とか、よほどのことが無い限り構造物の強度が問題になることは無いでしょう。
そこで、今回勉強させてもらったのが、業界の構造的な問題ですね。私の場合知り合いの大工さんが総監督で、あちこちの業者さんに声をかけてチームを組んでやるという、小規模な、けれど融通の利く(コストミニマムな)お話で進めました。なので、基本個々の施工技量は末端の業者さんの器量に依存し、監督は仕事の大まかな指示のみです。 信頼している大工さんなので、その彼が見込んだチームなら、それなりの水準であろうと甘い細かい取り決めもせず、型式選んで場所を相談した程度で着工しました。
以後、ご参考になれば、と注意点を記します。
第1の問題(工事日程)
複数の業者にまたがっており、またその業者が各種下請け仕事を持っているため、隙間で作業をする手前、大手の仕事優先で日程が不確定な事(逆に言えば、日程を固定したがらない、かなり曖昧な作業予定を提示される。
・カーポートごときの仕事でも、工程表を提出させましょう。
(各工程の作業割合から、工事内容(品質)も推察されます)
今回、現状のコンクリート切断と庭木切断、庭石などの移設で結構かかるかもと思っていたが、土建屋さんが実質2日で真っさらに均していきました。けれどそこからカーポートの着工まで、丸9日停滞。そして昨日と今日でカーポートの組み立て。んでまたGW中休みで10日後に配筋やってコンクリート流して、1週間養生。トータル1か月仕事ですぜ、と。連続作業なら10日間の仕事です。車置く場所が何とかあるから良いものの、こんな間延びしていたらたまらんね。
第2の問題(基礎工事の品質)
カーポートの業者さんはカーポートの接地と組み立てが請負範疇で、肝心な基礎部分はカーポート屋さんが商品とコミコミで請け負っている。そのため、業者卸で4掛け(=定価×0.4)程度で卸される部分に経費と利益乗せているので、ホームセンタの特売大体半額?でみると儲けは推測できる。なので基礎も含めてカーポート屋さん行うので勢い基礎は簡略化される。
・基礎工事内容は指定するか、どうやるか提出を求めて施工基準と違う理由を納得してから着工しましょう。出なければ断る方が良いでしょう。
<10日間、このままだった>
今回、積雪1mタイプで我が家は9トン負荷を4本柱で受けるので、1本2.3トン掛かる計算でした。カタログの施工基準は680□の深さ550mm。ところが実際には250□の深さ430mmでした。(本日早朝、監督の大工さんと協議。業者は表面の土間コンクリートと鉄筋でつなぐので、単独の基礎はそこまで要らない、と言っていたが、私としては根拠のない施工基準では納得できないので、自分で計算した地耐力と基礎の計算を見せて、カタログ基準の1/7しかないことを説明した。
<業者の掘った基礎用の穴>
さすがにこれはダメだと理解されたか、私の言い分を通してもらった。ただし、深さについては本日の工事を進めるには土台モルタルのやり直しが必要となるため、大幅な日程変更になることや、台風などの強度上問題は、土間コンクリートとの一体化で保障出来るということもあり、最終的には監督者の「責任を持つ」という言質で引き下がった。これは奥さんの友人関係でなかったらOKしなかっただろう、自分では結果に責任持てないから。
仕方なく、深さは100mm浅いがあきらめて組み立てにOKを出したのだが、この組み立ても安全基準だの、労働基準だの言いだしたら成り立たない。簡便なアクロバティックな方法であっという間に組み立ててしまった。そこは慣れているが故ではあるが安くお願いしている自分の問題でもあり、申し訳なく思った。
<梯子だけの危ない足場で、あっと言う間に組み立て>
組み立て後、基礎サイズの拡幅に大汗かいてもらったが、気が付くとどうもセメントを混ぜだしたのが見えたので確認に行くと、拡幅した土台はこれまた測ると500□しかない。「これで終わりですか?、約束したサイズ無いよ」と言うと、すり鉢状に掘った上端の幅で「大体600ぐらいは有る・・・」と言うので、
「これではまだ足りないでしょ。ところで、モルタルで固めるの?、生コンじゃないの?」と聞くと
「うちは生コンは用意していない、いつもモルタルでやっているので・・」と言う返事。
なるほど。当初の250□とつながるわけで、つまり柱を位置決めするだけの役割で、基礎ではないのだ。カーポートの設置請負は、施工後の品質を担保してはいないと思う。セメント比率多けりゃモルタルも強度有るかもしれんけど、負荷耐久性の要るところでは見たことないのだが。モルタルの方がコストは高いんだろうに。
「地耐力が持たないから、わざわざ680□に基礎広げてもらったのに、モルタル入れたんじゃ基礎にはならんでしょ?」と言うと黙ってしまった。仕方ないので、監督者に電話して事情を説明。業者に変わってくれというので、業者と暫しやり取り。業者の提案は「柱の位置決め用に下の50mm程度をモルタル入れるから、後は土間打ちと一緒に土建屋でやってくれ」と。
これも言い分はわかるのである。彼らの予定の仕事範囲ではカーポートを組み立てて引き渡すのが仕事で、専門外(土建屋ではない)の基礎工事であれこれできないということだ。トラックの設備を見ても無理だとわかるし、僅か4か所とは言え基礎を広げた土は一輪車3杯分ぐらいにもなってしまったが、想定外だろう。(100mmの厚さ不足を考えるとせめて面積ぐらいは基準値にと、結局自分でもバケツ2杯分ぐらい基礎拡幅をした)
<すったもんだで生コンを流し込んだ基礎>
監督者はさすがで、私が「耐圧心配で基礎広げてもらったのに、モルタルは無いでしょ?」と言ったので、これはダメだと判断してくれたのだろう、(この素人は説明しても無駄あるいは、基礎の生コンはセオリーだと?)個人ネットワークで休みになったコンクリート屋を手配して生コンを土建屋さんが持って来てくれた。その彼も非番で一人だったが仕方ないから手こねで生コン作って来たと言う。(これが有り難かったし、生コンの色を見て「セメント多すぎじゃね?」と言う感じなのだ。基礎用と言うことを理解してくれてたのかな)
おかげで、次の配筋と土間コン打つまでの間10日間も、風でどーなるやら、と言う心配をせずに済んだ。
<この絵面でわかる、ゲリラ的なドタバタ工事。立てた柱の基礎生コンを入れつつ、立てた柱に鉄筋を通す穴をあけている。当初2人だったものが、急遽増員で倍の4名に>
カーポート業者は初日の基礎掘りをものの3時間ほどで帰って行ったが、今日私がダメ出ししたせいで、想定外の廃土と作ったモルタルを引き取るために応援のトラックを呼ぶ羽目になった。これじゃ、見積もりの金額に合わないんだろうな、とは思ったが仕方ない。
なので、どのような基礎をするのか、見積もり時に確認しておくことが大事ですね、そのために見積もりはアップするでしょうが、そこはけちってはダメだと思います。門型の場合はまだしも、片持ちのカーポートは絶対しっかりすべきだと思います。
工事の間、ちょっと不具合の修理も兼ねて里帰りさせていたDS3ですが、GW前に工事完了しなかったので、帰って来ました。あ~あw。
第3の問題は今後出るのでしょうか?。もう、お任せにしたいのだけれど。
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Posted at
2014/04/26 21:48:30