私はだいぶ前から、恐らく最後の車になる筆頭候補だと考えてまして、、とは言え現実に乗り換えるのは当分先なので、遠慮していましたが、通勤時に毎回見るので、意を決して(;^_^A試乗してきました。
メル子をまだ楽しみたいですし、電駆の完成度はまだまだ伸びしろ大なので、候補車として、は大本命です。
今のガンダム(ノートe-PowerニスモS)に出会ってから、車の機械的な評価軸が、数ランクハードルが上がってしまい、「もう、パワートレインは電駆でなければ、勝てない」と思っています。
その、理由の大きいポイントは、内燃機関では厳しくなりすぎた排ガスと省燃費性能優先がデフォルトで、ドライバビリティが楽しく無いから。確かにモード切替でかなり、補ってはくれるけど、それはアレコレ選ばなきゃならない。動力機関の基本特性が余りにも狭い「最適解」を辿るように作りこまれており、燃焼の制御目的が違うわけだから、当然感じる方も違うわけで。それをモータアシストで、あれこれ補う複雑怪奇な建て増し旅館も、その技術には敬服するけれど、なんだかなぁと。
メルセデスに乗って、感心したメカの剛性高い伝達感とか、車体のバランス感、荷重移動時の程よいラグ感など、全体の質感、バランスが取れている新境地を味わいました。
しかし、e-powerは、ロードノイズや、ハンドリングなど車トータルの出来は、クラスが違いすぎるものの、ドライブトレインの完成度は、ベンツでも負けるのです。(100km/h超えると、話は別ですが(;^_^A。
1.アクセル to タイヤ(トラクション)のシームレスなリニアさ。
クラッチ無し、変速無し、0.18Gまでなら、加速、減速双方向でノンバックラッシのリニアなコントロールが右足1本で可能。(ノーマルモードは、雑な足にあわせてあるので、もやもやするけど、それでも電駆以外と比べるとマシ)
2.走りを我慢しないでも、低燃費。
言い換えると、エコランしても大して伸びない(;^_^A。エコラントップは、トヨタのHVに任せて、冒頭述べた、失われた内燃機関でのドライビングのち密さが、e-powerで味わえる。
という、他車では追いつけない「純粋な電駆の基本特性」が有るため、内燃機関が駆動系の「中に」介在する限り、勝てないと思っています。
さて、前置きが長くなりましたが、日産の新型エクストレイル、待望のe-4orce体験です。
この構成と制御はもう、究極だな、と思っています。まだ制御的には伸びしろ満載で、これからの部分もあるでしょうが、基本的な素性は贅沢の極みでしょう。
少し前になりますが、最後はSUV系にならざるを得ない、と考えていて、何故なら今後の高齢化(;^_^Aにより、乗り降りの安楽さ、雪かきレスでの走破性、なんでも間に合う積載性、安全性、と言った観点から、車体骨格はSUVの4輪駆動と決めています。
なので、これまで試乗済みの、フォレスター(m/c前モデルでしたが)の、乗り心地や、動的バランスには、大いに合格点ながら、これまた排ガスと燃費のために、残念な部分が拡大し、CVTは雪道での扱いには制御的に、面白くない方向に引っ張られていて残念。最新のターボ1.8エンジンは、レギュラーガソリンにこだわったゆえに、リーンバーンの達成レベルはすごいのだけど、「運転が楽しい」には貢献していない。
次に、鳴り物入りのRAV4。こちらは2.4HVに、試乗したけれど走りの動質はスバルに及ばず。走り出してしばらくはモータ走行で静粛、低振動の高級感あるも、踏み込んだとたんにエンジン振動がフロアやハンドルにも伝わって、「う-ん、オフロード車感あるね」と好意的に萌えるのかが、鍵。当方はこのラインナップなら、一番価値あるのはガソリン車の例のデフ積んだ4WDですね。しかし、高齢化爺に、このややこしい車の信頼性は天下のトヨタと言えども、金掛かりそうでいやだ。
そういう中で、待ち望んでいた「e-4orce」技術+個人的興味の可変圧縮ターボエンジン(発電用だけれども(;^_^A、最新の内燃機関を積んでいる満足感も有りの、、)
ドライブトレインは、文句なしのe-Powerですから、これが本命でした。
ただ、スタイルが心配でしたが、原点回帰のスクエアなフォルムになって、好感。少々、期待値より一回り大きいのが難点ですが、まぁ、車庫の平面積はメル子と同等なので、大丈夫でしょう。
そういうわけで、期待満載で、試乗の機会を伺っていたのですが、通勤途中にあるDラーで、ナンバー付きが並んで以来、邪魔にならない時に行きたいなとこの時まで待っていました。平日の会社帰りでしたが、担当営業氏が、出迎えてくれて、車のドアtoドアでエクストレイルにw。
試乗車は最高グレードのタンカラーの高級感あふれるもので、メル子から乗り換えても全く遜色なし。試したいことが色々あって、逆に大したインフォメーションを得られなかった気もしますが、時系列的に記憶を追ってゆきます。
まず、ドアを開けて着座。水平基調が守られた全周のウインドから得られる視界は良好。特にフロントの水平線とAピラー付近の視界が守られて、スバルに負けてない。
軽く説明受けて、出発。モータオンリーの静粛性で走り出し、ワンペダルにならないけれど、e-pedalモードにしてもらう。エコモードはわかるのでスポーツモードで行きます。
加速のフィールは、EVそのものですが、少しだけ強めのアクセルON:踏んでから一拍置いてからの加速。通常なら普通と流すところですが、ガンダムと比べると残念。
もう少し、ガバり、と踏んでみる:同じく一拍置いて、エンジン始動し加速の2弾ロケット。これも角が取れて、普通の内燃機関から比べれば十分なレスポンスだが、これもやや残念。エアロだけでなく、制御のニスモ版が出てほしい。(アクセルワークの雑な平均点に合わせてあるので、ある程度仕方ないが、せっかくのち密なモータ制御がドライバーまで降りて来ない。
加速自体は、恐らく十分すぎで、100キロぐらいまでは、メルコは追いつけない。1.9トン近くも有るのにね。
お得意のワンペダルは、どこかのあほな運転で、改変され、e-PEDALしか無くなった。せっかくの世界最高の停止(カックンゼロの停止)が出来なくなり、5km/hからのメカブレーキで軽くとはいえ、クッと停止に。凍結路ではなおの事勿体ない。
「おや?」回生Gが弱いと感じる。スポーツモードだと弱くなるのかもだが、0.2G出ているとは思われない。0.15Gぐらいなのか、前後ピッチング制御でリア回生が先に入ることで、体が想定していたピッチングが無いので、弱いと感じたのかもしれない。カタログ上はe-pedalにすると0.2G。
フロントタイヤに荷重を載せて、、曲がるよ、、、と言う感じがしない。加えて横のロールも小さい。目線が高いのでロールは感じやすいのだが、メル子と同じレベルのロール剛性感と姿勢変化。ハンドルのセンターからの動き始めの感度も程よく、車体とステアリングギアレシオの比率もちょうどいい感じで気持ち良い。
営業が担当氏のためか、前回試乗時には、規定コース以外「ダメです!」と言われたのに、「せっかくだから、山行きましょう」と裏口へwww。すると当方のいつものコースへ行くではないの。「やっぱり少し「e4orce」を試そうと思ったら、カーブが無いと、、と言うことでアップダウンとカーブのあるコースへ。「通常ならアンダーか、タイヤが泣くかな、、と言う速度で走らないと、何も起きませんので、、、」と言うことで、少しペースを上げて、積極的に加減速での荷重移動も加えて走らせる。
まず、相当スタビリティが高い。サスストロークは有るはずだが、ワンペダルの範疇では、ピッチング使った前傾姿勢が作れない。そのままダイヤゴナルロールへ、、、と思っても、ロールも少なくあまり操った感が返ってこない。ただ、切ったハンドルに対する軌跡は実に正確で繊細な感触が有り気持ちいい。
ステアリングと車体の剛性がすごく良いのに、安っぽい振動は入ってこなくて、上質で精緻。ガンダムの真逆の質感でGJ。
かなりのくだりで曲がるコーナをハンドルなりで旋回。ここで初めて、少しだけ違和感。
限界が高過ぎる感じ?。体が覚えている挙動ではなく、虚像のラインで膨らまない。本来なら、タイヤ2本分ぐらいアウトに行くはずが、全く横Gが無い時に走るラインのようなところを通る。しかしそこにフロントイン側ブレーキつまみだの、イン側リアタイヤブレーキだのと言った制御が入った感じは無いし、これまでのVSCと違って、通常は必ずこういった場面では、「減速側」に制御されて速度が落ちるのだが、e-4orceは、むしろ速度を維持(旋回抵抗で落ちるハズの速度を感じさせない)
色々な場面を与えて見ないと、なんともわからないが、ドライバーに感じさせないような、制御が介入しているだろうことは、頭では感じた(;^_^A
やはり、ノーマル制御ではなく、ニスモ制御でないと、ちょっとロボティクスな走りに思えました。自分が姿勢を作らせて、曲がるドライバーなら気が付くはず。
しかし、シームレスな全域加減速、ハンドルでの挙動もシームレスで、メル子でもやはりパワートレインの質感はもはや太刀打ちできない感じ。ただし、シャーシが物言う高速域は、また別の話だと思うけど、試せないw。
そして、静かさはまた驚異的で、液晶にパワーフローを表示させないと、普通の走りでは、いつエンジン掛かったかわからず完全にEV。加速など発電機自体が高回転まで回る時は、さすがに「ああ、エンジン積んでるね」とわずかに感じる程度。このエンジン自体がタコメータ見えなかったので、何回転かわからないが、VCターボエンジンは3気筒の感じはしない。直6とは言わないが、ボクサー4気筒ぐらいは有るかも。
ハンコックのタイヤが「うーん」だけど、営業担当が言ったからわかったので、相当静かなタイヤ履いてるな、いつも知ってる路面だから、どこがどれぐらいうるさいか知っているが、どこも同じようにロードノイズが殆ど入ってこなかった。これまたすげー遮音してるね、と言う感じで、完全に高級車で、トランク有りの3ボックスでないSUV車体でも、もはやフォーマルな高級車として、遜色なし。
と言うわけで、4年か、5年後の車検オチ狙いで準備しようかな(;^_^A。
メカニック的視線での「自動車の完成度」と言う点では、バーゲンプライスの高性能、高級車。そこまで要らんだろう、、という贅沢な最先端車。
あと、言い忘れましたが、走りの質感(スタビリティ側の)はスバル以上。S4とか、VTD搭載車に似ていた。これは、日産がスバルを研究したのかもしれないが、わかっているねぇと感心した点。
そのポイントは、プロペラシャフト無しの2モータAWD構成ですが、トルク配分がどうなっているのか、と思ったらe4orceは基本60:40で、動いても50:50ぐらいなんだと。これでスッキリ判明。多くのAWDはスタンバイ型か、ペラシャフトでつながっていても大体ビスカスタイプ。または多板クラッチで制御。昨今の燃費、燃費と言われるために、スバルでさえ直進時は殆どFF状態なぐらい、スカスカにしています。そのため、AWDのヨーダンピングが感じられる車は殆どなくなってきましたが、このエクストレイルは以前工作機械の2モータ同期制御の話をしましたが、完全な電気結合でのシンクロ化がされているようで、常時前後トルクが掛かった状態で走っているためか、ヨーダンピングが有る。
そのため、スバルは大体8%から10%ぐらいFFより悪かった燃費が(最近の省エネ型は6%~8%)ぐらいな感じですが、このエクストレイルは、4%~6%オチぐらいなのかな?。敢えて、省エネよりもAWDの走りとスタビリティを出したところに、日産の見識にを見た感じ。
トヨタは完全に技術は「省燃費性能、効率」に振って開発、宣伝していますが、良い意味で日産の独自性に目覚めたようで、e-powerがなぜ評価されたか?を良く分析し、「走りの気持ちよさ」に振ったことで、明確な差別化も出来てきたように思います。
冒頭に述べた、環境性能ゆえに、本来各社到達していたドラビリが悪化し、乗って楽しい車が減る一方でしたが、電駆で復活してきたことがうれしいなと思います。
願わくば、ニスモ版が出て、
①減速度一定e-PEDAL制御化(回生が4輪にかかるので、0.3Gぐらいまで対応してほしい、選べれば尚可)
②アクセルべダルOFFからのON、ONからのOFFのレスポンスを現状0.5~1秒?をニスモSレベルの、0.1~0.3secぐらいのモードを入れてほしい。
③e-4orceのフラットライドのほかに、スポーツ荷重移動モードを作って、自然なドライバーがボールを回す感じと車体がシンクロする主従関係のモードが欲しいかな。
まぁ、最後のじいさんの運転だと反射ラグが大きくなって、ちょうど良くなるのかもしれません(;^_^A 所詮チョイノリ試乗なので、多くはつかめませんでしたが、車の走りに贅沢(走りの質感)で、内装は最小限の道具で行くなら、e-4orceが、税込み350万なら、お買い得。それなりの装備だと大体400万ちょい?。
今のメル子並み装備だと、470万ぐらい?、C250が税込み710万だから、激安ともいえるかも。 燃費は多分17か18km/Lぐらいでしょうが、ガンガン走ってもこれを維持できそう。
久しぶりの試乗レポでした。